レイナスサンライトは解散を告げようとしたものの、すぐに呼び止めて外を見る。
駐車場には灰色の乗用車、マツダのカペラCGが来ていた。レイナスサンライトが待っていたもう1台の車だ。
この駐車場には夏合宿が始まった後もこうやってトレーナーやスタッフが資材や私物、ウマ娘を送り届けに来ることがある。
今回は一番後者だったらしく助手席から翠玉色の珍しい髪色をしたウマ娘が降りてきた。
「おはようございます……ありゃ、もうこんにちはかな?どうも、エメロードカペラだよ♪」
エメロードカペラはスマホを見て正午が近づいていることに気づいて慌てて訂正した。
「カペラ遅い。こいつらが腹空かして待ってたところ」
レイナスサンライトは人差し指でぐるりと円を描いて案内していたウマ娘とトレーナーたちをまとめて指す。
フルセイルサルート含め何人かが頷いた。
「おっと、そりゃ大変。いやー、この車シート倒すと広々としてて荷物たくさん入るのがいいよね」
エメロードカペラは車のバックドアを開けるとそこには食材が満載されていた。
中身はキャベツ、にんじん、もやし、ソース……そして焼きそば麵。
後部座席を倒してまで天井まで積み込まれており、ウマ娘で換算しても20人前くらいはありそうだ。
下ごしらえは済んでおり、後は混ぜて焼くだけになっている。
「さ、昼は焼きそばだよ。運んで」
どうやらレイナスサンライトはジャパンダートダービーを終えたウマ娘たちに焼きそばを振舞ってくれるらしい。
無愛想ではあるが、世話焼きで料理には自信があるようだ。
「何してるのインシー、反応がトロすぎて逃げウマ娘の名が泣いてるわよ。さっさと運ぶ」
レイナスサンライトが言った2秒後にはフルセイルサルートが食材を運び出していた。
そういえば見かけによらず食い意地が張っているんだった、と藤正トレーナーが思い出して苦笑いする。
「はあ!?だーれがトロいって!?カペラ!ちょうだい!なんだったら車ごと引きずってやる!」
「……手で持てるだけでいいから」
エメロードカペラはやはりというか挑発に乗ってしまったインシルカスラムをなだめつつ、カペラCGからバケツリレーの要領でウマ娘たちに食材を渡していく。
「あと料理できる奴は手伝って。これだけの量を私1人で作らせる気?」
レイナスサンライトはウマ娘とトレーナーのグループをじっと見て料理が可能な人を募集する。
すると、森内トレーナー、藤正トレーナーが真っ先に前に出た。
「焼きそばなんて男飯のスタンダートでしょ。任せてください」
「自炊はよくやるほうだ。協力しよう」
それに続いて何人かのトレーナーとウマ娘が立候補していった。
その何人かのウマ娘の中に、インシルカスラムとフルセイルサルートは、入らなかった。
「トレーナー、料理できたんだな。アタシなんか全然ダメなのに。サルート。サルート……?」
インシルカスラムはあっさり経験がないことを認め、フルセイルサルートに視線を移すと。
フルセイルサルートは完全にレイナスサンライトから目線をそらして食材を運んでいた。
「……あれ。トレーナーたちは家事能力すごくて、アタシたちの家事能力って実はヤバかったり……?」
ブラス・トレーサーのトレーナーたちはみんなハイスペック男子のようで。
今回はエメロードカペラというウマ娘の応募でした。
ありがとうございました!