ウマ娘 ブラス・トレーサー   作:takapon960

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じつはこのブラス・トレーサー、すでに最後まで書き終わっているんですが。
今回から新たに応募のあったウマ娘を追加で書き下ろした話に入っていきます。

EX〇と書かれたものがそうです。


第39話

---EX1---

 

夏合宿にはトレセン学園のOGが練習を身に来たり、時には臨時コーチとしてやってくることも珍しくない。

 

そのOGがかつて大活躍したとなれば、URAとしても現役ウマ娘としても大歓迎だ。

 

「はーい、ゴールが見えたらもう1回しっかりフォームを意識して!ラストこそ冷静にー!」

 

今日、臨時コーチとして来てくれていたのは、かつて日本ダービー、菊花賞を制す大活躍を成し遂げ、クラシック最強は確実と言われていたフレイムクレセント。

 

菊花賞を制した直後に突如電撃引退を発表し、URAに激震を走らせたのはもうかなり昔のことだ。

 

でありながら、今でもフレイムクレセントに憧れてトレセン学園の門をたたくウマ娘は多く、本人もこうして気まぐれに後進の育成に来てくれるという。

 

「っしゃァー!アッタシが!いっちばー……!」

 

複数人で砂浜を駆け抜けて練習する中、先にゴールに走ってきたのはインシルカスラムだったが。

 

スピードを緩めていくも、完全に立ち止まる前に突然砂浜によろけ倒れると、ゴロゴロ転がりながらうつぶせでフレイムクレセントの目の前で停止した。

 

傍から見たら躓いて転倒……人間なら転んで擦りむいたくらいで済むかもしれないが。

 

ウマ娘の世界で例えれば、高速道路を走る車から投げ捨てられるに等しい重大事故だ。

 

「おわあ、ちょっと大丈夫ー!?」

 

心配になって慌てて駆け寄ったフレイムクレセントに対し、砂浜に寝っ転がるインシルカスラムはよろよろとしたサムズアップを掲げた。

 

「れーす、おわったらさ……ねてたほうがらくなの……」

 

どうやら横になりたかっただけらしく、自分から安全に転がりに行ったらしいが、傍からは事故との見分けがつかない。

 

「はぁ、全くもう、危なっかしいったらありゃしない」

 

フレイムクレセントは超が付くほど呆れのため息をついた。

 

 

練習後、インシルカスラムとフレイムクレセントは日陰で涼んでいた。

 

ふと、フレイムクレセントはスマホに今年のURA公式、ジャパンダートダービーの動画を見せる。

 

「これ、1着にいるのキミでしょ?」

 

インシルカスラムは頷きつつ自慢げな表情をする。

 

「カッコよく映ってるでしょ?」

 

「レースした後倒れて咳き込むところまでバッチリとね……」

 

フレイムクレセントはこれまで病弱なウマ娘に出会ったことは多々ある。

 

が、その弱い身体に鞭打って、それこそ命と引き換えにしてでも情熱を燃やし、狂ったように勝利を求めるようなウマ娘はインシルカスラムが初めてだ。

 

走る意味を見出せなくなり、情熱を失った自分とは大違い。

 

だから、聞いてみたくなった。

 

どうしてこんなに無茶してまで走るのか。

 




今回はフレイムクレセントというウマ娘の応募でした。
ありがとうございました!
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