ウマ娘 ブラス・トレーサー   作:takapon960

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Q.なんでみんなこんなに喧嘩っ早いの?
A.わしの性癖です。


第44話

ーーーEX6ーーー

 

夏合宿には千差万別、大人数のウマ娘が来ている。

 

こんなウマ娘と練習がしたい、あんなウマ娘とレースしたい、という希望には大体応えてくれるのが夏合宿の大きなメリットでもある。

 

だが、そんな中でもかなり該当人数が絞られてくる条件というのが。

 

やはり"ダート"だ。

 

例としてこれまでインシルカスラムが夏合宿を通じて出会ってきたウマ娘。

 

レイナスサンライト、エメロードカペラ、アスカエンプレス、タナバタマツリ、ストライクウルフ、フレイムクレセント、オーブアリザリン。

 

今あげた彼女たちは全員、芝が主戦場だ。※

 

(※今話を含め、今後出てくるスペシャルサンクスの方々はダートが主戦場になる者もいます。)

 

確かにダートウマ娘も探せばいるにはいるのだが、その中でもさらにインシルカスラムと初めまして、なウマ娘はより貴重と言わざるを得ない。

 

 

今日の昼間は今年最高気温を更新。

 

立っているだけでジリジリと焼かれるような日差しと暑さだった。

 

今日の夏合宿ビーチでは日傘を持ち込む者、1日の大半を海や日陰で過ごした者、あるいは熱中症で別荘に搬送された者が後を絶たなかった。

 

実は今年に限らず、夏合宿は毎年軽い練習をするだけでも危険な猛暑日がちょくちょく発生するため、涼しくなる夜や明け方に練習をすることが認められている。

 

そして、今日インシルカスラムは昼間は練習せず、夜からの練習を始めることにしていた。

 

今日の昼間にインシルカスラムが外に出て練習など、5分とたたずに熱中症になりかねないレベルだったからだ。

 

「うぇ、今日夜でも暑いじゃん……」

 

昼間が酷暑だっただけに夜になっても涼しいとは言えない気温だったが、休むわけにもいかない。

 

ブツブツと気温に文句を言いながらもインシルカスラムがストレッチを始めると。

 

 

「お、キミはインシーじゃん。やっほー!」

 

フランクな挨拶と共に、1人のウマ娘がアイスを舐めながらやってきた。

 

髪型はやや癖のあるミディアムボブくらいで、瞳は緑色。

 

髪色はインシルカスラムとほぼ同じオレンジ、黄色の中間くらいか。

 

その特徴にインシルカスラムは心当たりがあった。

 

大人数が参加する夏合宿と言えども、ダート経験豊富かつインシルカスラムと初対面のウマ娘は貴重な存在だ。

 

「待って。アンタと会うのは初めてだけど名前知ってるぞ。えっと……」

 

その貴重な存在をマークしていた森内トレーナーからその名前は聞いていた。

 

「アンタがミッフェだなー?」

 

「そうだよ、よろしくね」

 

ミッフェ、で反応したウマ娘のフルネームはミサノフェニックス。

 

貴重なダートウマ娘として森内トレーナーがマークしていた存在だ。

 

「いやー、今日暑かったよね!ずーっと海の家で涼まなきゃ私も運ばれてたかも。お、もう1本アタリ」

 

ミサノフェニックスは食べ終わったアイスの木の棒を見てご機嫌になる。

 

どうやらミサノフェニックスも昼に練習することは諦め、ずっとクーラーの利いた海の家で過ごしていたらしい。

 

「ちょうどよかった。ミッフェ、アンタに会ったら一緒にやりたいと思ってたことがあってさ」

 

「なあに?」

 

インシルカスラムは今いる場所から、ビーチをなぞり、行き止まりとなっている岩肌までを指さした。

 

岩肌の近くと今いる場所にはそれぞれ旗が建てられている。

 

この2つの旗を往復して限界まで走る、シャトルラントレーニングを今からしようとしていたところだった。

 

「走らない?」

 

 

パキッ、と木が割れる音が聞こえた。

 

ミサノフェニックスは、たった今アタリの出たアイスの棒をへし折った。

 

別にこれと言ってあからさまな挑発をしたわけではなかったが。

 

ミサノフェニックスにとって、その申し出は「かかってこいよザコが」と同じ意味にあたる。

 

「ええ、私もあなたと走りたいと思っていたところです」

 

ミサノフェニックスの目つきが変わる。

 

どうやら、完全にスイッチを入れてしまったらしい。

 

しかし、そんなのにおびえるほど、インシルカスラムもヤワじゃない。

 

「ならちょうどよかった!かかってこいよザコが!」

 

今度はあからさまな挑発をしたインシルカスラムとミサノフェニックスは同時に走りだした。




今回はミサノフェニックスというウマ娘の応募でした。
ありがとうございました!
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