ウマ娘 ブラス・トレーサー   作:takapon960

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今話より第4章が始まります。
新しいライバルとの出会いの時期です。


4章 「逃げ」は勝負から逃げない(南部杯編)
第54話


ーーー43ーーー

 

夏合宿が終わり、9月。

 

ウマ娘のレーススケジュールは後半戦に入る。

 

ダートウマ娘なら、クラシック級限定のレースはもうなく、シニアとの無差別階級となるレースばかりだ。

 

一応クラシック級と名前こそついているが、実質ダートウマ娘は秋からシニア級と言ってもいいだろう。

 

「お邪魔しまーす!」

 

1月、お雑煮を強奪された意趣返しのつもりで、インシルカスラムはフルセイルサルートと藤正トレーナーがいるトレーナー室の扉をノックしてすぐにバーンと開ける。

 

もちろん相手の返事より先に。

 

びっくりした目でインシルカスラムに目線を合わせるフルセイルサルートと藤正トレーナーは、レース場を模したジオラマとそこに立つコマで作戦や位置取りを練っている途中だったようだ。

 

「って、真面目かよ。なんか食べてたら奪ってやろうと思ったのに」

 

「私はいつだって真面目よ!?で、何の用かしら」

 

そこへ森内トレーナーが遅れて入ってくる。

 

「邪魔するぞ藤正、サルート。今度はこっちから来てやった」

 

「歓迎しますよ。インシーの今後のローテ、聞かせてもらいましょう」

 

藤正トレーナーが森内トレーナーを招いている間にフルセイルサルートはため息をついて、一番前にいた赤いコマをデコピンではじき倒した。

 

「……その赤いのはアタシ?」

 

「そうよ」

 

 

「まずおさらいです。クラシック後半にあるダートG1は4つですね」

 

藤正トレーナーはローテーション表を開き、G1を1つずつ指していく。

 

10月の南部杯、11月のJBCクラシック系レース、12月のチャンピオンズカップと東京大賞典で4つだ。

 

JBCクラシック系レースには2000mのクラシック、1800mのレディスクラシック、1200mのスプリントの3つのうちどれか1つを選択可能なシステムだ。

 

さすがに4つ全部は負担が大きすぎるため、このうち現実的な出走ラインとなるのは2つくらいだ。

 

「それなら東京大賞典は外せないな」

 

「ですね。ダート界の総決算レースです。サルートも出ます」

 

東京大賞典はダート世界における有馬記念ともいえる年末レース。

 

ウマ娘2人も頷き、ここは悩むことなく出走が決まった。

 

「その他インシーは南部杯に出走を考えている。そこから休養を挟んで東京大賞典と行くつもりだ」

 

「アタシはG1ならなんでもいいや!全部取るからな!」

 

森内トレーナーの言葉に対し、藤正トレーナーは興味深い。フルセイルサルートは意外。という顔をする。

 

「俺らも早速リベンジ、と行きたいところですが、次のG1はしっかりと練習と調整をしてから出たいんでね」

 

フルセイルサルートと藤正トレーナーは一緒に、11月にあるJBCレディスクラシックの文字を叩いた。

 

「となると、インシーとの再戦は東京大賞典までお預けね」

 

「じゃ、アタシがいないG1はちゃんと取っとけよなサルート!」

 

「もちろんよ。これくらいサクッと取るわ」

 




芝だともっとたくさんG1ありますが、適正距離(現実だと性別も関わって)で結局1本道に決まっちゃうイメージがあります。
そう考えるとダートは少ないながら選び放題というか、どれも距離似てるから選べるというか…

個人的にJBCの選択システムはなかなか興味深いなと思ってます。
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