ウマ娘 ブラス・トレーサー   作:takapon960

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海外勢からナメられて、もちろんインシーが黙っているわけはなく。


第70話

ーーー58ーーー

 

私たちアメリカウマ娘から見れば、日本のダートなどレストランのサイドメニューのようなオマケでしかない。

 

その程度のレースで勝ったからっていい気になるなよ、とハイエストフェローはインシルカスラムに警告する。

 

そしてその言葉は。

 

インシルカスラムをキレさせるには十分すぎた。

 

ハイエストフェローが自分の手をよく見ると。

 

――引き寄せたはずの手の位置が動いていない。

 

力を籠めるが。動かない。

 

どうやらハイエストフェローは、手を引っ張ってインシルカスラムを引き寄せたつもりが、逆に自分が引っ張られていたと気づく。

 

「Don't decide before running!(走る前から決めつけんじゃねえ!)」

 

インシルカスラムはいつの間に勉強したのか、見事な英語でハイエストフェローに反撃。

 

「Bring it on if you don't want me to think you're a "COWARD"!(かかってこいよ、"ビビリ"だと思われたくなけりゃあな!)」

 

そして、逆にアメリカウマ娘たちを挑発し返した。

 

思わぬ英語での反撃にハイエストフェローはたじろぐが。

 

すぐに、強気に握手した手を振り払う。

 

「......That's my intention even without you saying it!(……言われなくてもそのつもりだ!)」

 

その様子をアンベールは少し遠くから特に言葉を発することなく見ていた。

 

どうやらアンベールは、ハイエストフェローのようにいちいち喧嘩を売りに行くのは性に合わないようだ。

 

だが、もともと鋭い目つきがさらに険しくなったように見える。

 

「I'm going to beat you now, are you ready?(今からあなたをブッ飛ばしますがよろしいですか?)」なんて予告する必要なんかない。

 

ただ黙って、仕掛けて、仕留めたらいい。

 

その様子を森内トレーナーは関係者席から見つめている。

 

「早速やりあってるな。それでいい。そうでなければ出走した意味がない」

 

森内トレーナーは周囲を見渡す。

 

今回、知り合いのトレーナーはいない。

 

森内トレーナーがチャンピオンズカップのレースでできることはもう1つしかない。

 

祈ることだけだ。

 

「(さあ、やってやれインシー!)」

 

 

「ゲートイン完了しました、まもなく発走です……」

 

「They're all in line. We're ready for the start......」

 

日本語と英語の同時アナウンスで開始直前の合図が告げられ、そして。

 

「スタートしました!」「They're off!」




実はインシー英語得意なんです!

さあ本来なら国際問題になりそうな啖呵切りをして、いよいよレースが始まります。

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