まだ日常編、やってなかったね。
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チャンピオンズカップで、インシルカスラムは公式戦で初めて3着を記録してしまった。
無敗伝説は終わったが、インシルカスラムの物語は続く。
次は東京大賞典に向けて、できる限り疲労を取らなければ。
と、その前に。
「なんで……?」
レースとは離れた、トレセン学園の通常の授業の時間。
インシルカスラムのクラスの教室に、因縁浅からぬ2人が。
「えー、1週間だけですが、アメリカから交換留学生として2人のウマ娘が来てくれました」
先生が紹介したのは紛れもなく。アンベールとハイエストフェローだ。
中央トレセン学園の制服が良く似合っている。
教室は急なアメリカウマ娘の来訪にざわついている。
「アメリカのウマ娘、初めて見たぁ」
「仲良くなれるかな?」
「どうしよう、私、英語でうまく話せる自信がないよ……」
2人はインシルカスラムに気づくと、「やあ、さっきぶり」と言いたげな目配せをしてきた。
インシルカスラムはそれに対して「だからって教室に来るかよ!」とジト目で返す。
「こちらがアンベールさん。そしてこちらがハイエストフェローさんです。Could you please introduce yourself?(自己紹介してくれますか?)」
2人は頷くと、まずアンベールが前に出て自分の胸に手を当てる。
「Alright. My name is Unveil. I am from Jacksonville of Florida.(分かりました。私がアンベールです。フロリダ州のジャクソンビルから来ました)
アンベールはクラスのみんなに分かるくらいのゆっくり、はっきりとした英語で自己紹介をする。
そして、最後に顔を下に向けた。
本人的にはお辞儀をしているつもりらしい。
「コンニチハ、ヨロシク、シマス」
アンベールはたとたどしいカタコトの日本語で挨拶を締めくくる。
どうにかがんばって日本語を話してくれたアンベールには警戒心の少し緩んだざわつきと拍手が送られた。
「You too stiff! Howdy friends! I'm Highest fellow and from San Diego!(堅苦しいなお前!ようお前ら!私はサンディエゴ出身のハイエストフェローだ!)」
「I'll be in your care for a week!(1週間の間、世話になるからな!)」
続いてハイエストフェローがアンベールにツッコミを入れると、自身も自己紹介を始めた。
こちらはネイティブスピーカーの速度で、リスニングの苦手なウマ娘には全然聞き取れなかったが。
アクションの大きいフレンドリーなボディランゲージで、友好的なことはクラスのみんなにも伝わったようで、こちらにも拍手が送られた。
2人の出身地は元ネタ馬が実際に生まれた州をモデルにしています。