異世界ギルドと言う名の何でも屋~気が付いたら最強ギルド長になっていた~ 作:あましのの小説部屋
第13話クロード・ランド/魔人族
<クロード視点>
俺はクロード・ランド
・・・いや、本名は蓮堂黒斗《れんどうくろと》。元異世界人であり、24年前に異世界に飛ばされた者だ。
正直、生きているのが不思議なくらいだ。
24年前に召喚された時、スキルもアビリティも宿らなかった。当時14歳だった俺はそれこそ何も持たなかった。強いて言うならかなりの運を持っていただけだ。
後ろ盾のない俺にとって、行商人の職に就けたのは奇跡でしかない
そんな折、細々とやっていると4カ月前にモンスターに襲われた。ハイウルフ、到底俺では敵わないモンスターだ。
ボロボロになりながらも逃げたが追いつかれそうになっていると若い男女6名と出会い、助けてもらった。
聞けば彼らもついさっき異世界に転移していたらしい。それなのにここまでいけたのは凄いことだ。
だからなのか、俺はこんな提案をした
「俺は行商人だ。街を目指してるなら、命を助けてくれた礼として街まで送っていくぞ」
同じ転移者として、少しは手助けをしたくなった。彼らの内の一人は警戒心なく、受け入れたが他のメンバーはすぐには信じない。
当然だ、知らない土地で見ず知らずの人に提案されれば警戒はするのも当たり前だ。だから・・・
「だったら護衛として町につくまで雇うってのはどうだ?またモンスターに襲われるのはコリゴリだし」
この提案なら渋々受け入れてくれた
道中彼らに警告と最後にせめてものエールを送り、彼らと分かれた。
今どうしているのか分からないが生き延びで欲しい。
そんな俺はどうしているのかと言えば・・・
辺境の地へ向かっている。それも最近まで大した話題もない場所だ
「あれ?ここで合ってるよな」
ボロボロの街を想像していた俺だが目の前にあるのは立派な城壁だ
とりあえず町の門番に事情を伝え、中に入った。
ますます、綺麗な街並みだ。どうやら領主が変わったらしい。俺はその領主に呼ばれた。どんな奴だ?
ドアを開けると
「税に住民票にインフラ整備に外交・・・ギルド長兼なんでも屋兼領主やってるのに中央ギルドの頃のほうが忙しかったの何かのバグでしょ・・・」
あの時の少年少女の一人だった
「ようこそ。私がこの町の領主――そして異世界ギルドの長、シキ・イチヅカです」
こちらに気付いたのかすぐに向き直って一礼した
「あれ?クロードさん?!お久しぶりです!」
「なぜここに?!まさかついほうされて?!」
「違います!?退職してここにいます」
さてと、シキが向き直り本題に入る
「僕がこの場に呼んだのはこれからの利益のためです」
おちゃらけた雰囲気から一変して真面目な顔になる
「この土地は知っての通り、魔人領と人間領の境目に位置します。そのため魔人領側からの魔物が桁違いに発生・討伐し、売れそうな部位がいま大量にあります」
なるほど、
「ですので売るための仲介人になっていただけますか」
こちら側としても悪くない条件だ。だが
「こっちのメリットは?」
ここはあえて強気に出る。商人として
「護衛と仲介料、あと独立の手伝いです。この場所に派遣されていると言うことは押しつけられましたね」
驚いた、ここまでたどり着くとは
「悪くない提案だ!のった!!」
こうして交渉は難なく成立した
「最近、魔物の動きが活発になっている。魔人族には気を付けたほうがいいぞ」
俺は最後に忠告した。なにもなければいいが
<三人称視点>
ここは魔人領ヴァリスタ、イフリート種が多く住む領地
「先程魔王様の命令が入った。境界に位置する都市を滅ぼせと」
姿が見えないが威圧感のあるこの領地のボスが話すその前には他の魔人が跪いている。
「我らも動く時ですね」
「本腰ッスね」
「一番槍は俺に任せろ!全て終わるがな!!」
「やれやれ、レヴはもうやる気ッスか」
「あったりめぇだろ!久々の戦だ、盛り上がるに決まっているだろうが!」
「ならば、先発隊はレヴ・アルノーが指揮するでいいな」
ボスがその男を指名する
「本当に大丈夫かしら?」
一人が呆れながら言う
「何だと!」
その場の空気が一触即発になる
「よせ、この命令を終わらせた後でも良かろう」
ボスがその場を収める
「けっ、そういうことにしといてやるよ」
(レヴ・アルノー、フォス・メディル、ロティ・アロイド幹部一人一人が一騎当千の実力よ。さあ、どう出る?人間共よ)