異世界ギルドと言う名の何でも屋~気が付いたら最強ギルド長になっていた~ 作:あましのの小説部屋
魔人族の襲撃を受けた翌日、怪我の影響で起きてこないシキを除くフラ、リュカで昨日の状況を話す。
「ひとまず、街への被害は出ていない。問題はそっちの方だな」
リュカがそう切り出すと、
「ええ、死者こそ出なかったものの重症者は多数、相手にも出たから一時撤退、引き分けとなったわ」
フラも本来は安静にしていなければならない状態だ。
「ただ、カミュールって名乗った人は仮面が欠けた瞬間。すぐ攻撃をやめて撤退したわね」
一方、その頃レヴは
「街に被害を出せず、ただ撤退した罰にしては軽すぎるよなぁ」
カミュ―ルと共に独房にいた。隊長の座は剥奪されずに数日間の謹慎という形で
「申し訳ありません、レヴ隊長。」
「いいって、もとは俺が隊長の仕事を放り投げていたのが悪いし、それに、その仮面壊れそうだったんだろ」
「っ?!」
確信をつかれたかのように仮面の下の眼が見開く
「分かってんよ、何事にも優先してぇことくらい。俺にもボスの命令や戦い以外にも優先したいことがあるのと同じだ」
《レヴ視点》
そう、俺にもそれがある
俺が生まれた国は小国ビフロスト。
戦乱が絶えず、国民は日々戦場に駆り出され、帰ってくるのは傷だらけの者ばかり。常に国全体が荒んでいた。
この国じゃ11で成人、15で兵役。例外はない。
ただ俺は違った。9年前に発現したスキルは【五感停止】。
王はそれを「痛み止め」に使えると気づき、兵士に試した。結果は大成功。
兵士どころか国民全員が痛みから解放された。だが、それが地獄の始まりだった。
痛みの解放には副作用があった。それは強い依存性、性格の変貌、リミッターの解除
やがて奴らは俺を奪い合った。
「自分のためにスキルを使え」と脅迫し、俺の家族を誘拐し、監禁し、俺を独占しようとする者まで現れた。
両親は殺され、瀕死の妹を抱えて逃げた先、そこに現れたのがボスだった。
ボスがいなければ、俺も妹も、とうに狂って死んでいただろう。
あの時、無限の地獄から俺を救ったのは、間違いなくボスだった。
それからというもの、仲は良くないが高め合うライバル、俺に付いてきた隊の奴ら。俺にはたくさんの仲間に恵まれた。
だから、失うわけにはいかねぇ
《シキ視点》
(何もないな、退けはしたけどそれは一時的なもので相手には余裕があった。)
あれからというもの意識を失った僕が次に目が覚めたのはギルド内の部屋だった。だけど、起き上がる気力はなくなっていた。いや、起きたくなかったの方が正しい。
窓をノックした音が聞こえた
カーテンを開け、窓を開けると魔人族がいた
「お届け物です」
そういうと突風が吹き、その人は消えていた
「これは・・・」
机に一通の手紙が置かれていた
『明日、決着をつけよう』
《三人称視点》
牢屋前
「届けたっスよ、レヴ」
ロザ軍幹部の一人、ロティ
「それにしても一騎打ちってマジっすか・・・」
「ああ、これで終わらせる。待っていろ、シキ・イチヅカ」