異世界ギルドと言う名の何でも屋~気が付いたら最強ギルド長になっていた~ 作:あましのの小説部屋
「はあ、はあ。ここまで来れば問題と思いたい」
真奈葉がそう告げる。僕は今でも震えが止まらない。周りには僕を入れて6人、他の人の所在は分からない。柊とは途中はぐれた
「とりあえず状況整理したい。ついでにスキルも」
真屋がそう言うと内野児(ウチノ チゴ)も同意する
「そうだね、初めて読む人にも分かりやすいようにしなきゃだもんね。という訳で解説よろしく紫稀!」
「初めて読む人って誰?!あと何の解説?!」
思わず内野にツッコんでしまった。
「まずは俺からだな」
そう切り出したのは真屋やみか。違うクラスだが同じ部活の友人。冷静かつ状況把握が速い。
「ここは間違いなく異世界、あの王の言っていることも間違いないよ。現にさっきのモンスターを見たし」
やみかの意見に皆が頷く
「残念だけど帰る手段がない以上、ここで暮らすしかないわ」
そう言ったのは佐山茶乃(サヤマ サナイ)。彼女も同じく同じ部活の友人。
「けど、どうすればいいんだ?」
疑問を呈するのは斎藤佳也(サイトウ ケイヤ)
「現状が分かったところでどうしようもないだろ」
「少なくとも単独行動するべきじゃないことは分かる」
クラスメイトである穂田真奈葉(ホダ マナハ)が一時的にまとめる。
「てか、全員の瞳の色変わってね?」
「「「「「へ?」」」」」
真奈葉の言葉に彼女とやみか以外の全員が驚いた
「ほら、はっきりとした色じゃないけど」
「ほんとだ、若干黄色がかっている」
僕は持っていた折りたたみの手鏡で確認した
「いろんな物普段から持ち歩いているわね、紫稀は・・・」
目の色をざっくり纏めると
市塚紫稀 黄
穂田真奈葉 緑
内野児 青
真屋やみか 橙
佐山茶乃 青
斉藤佳也 紫
「現状の確認はこれくらいにして、次はスキルの確認だ。ステイタスオープン」
やみかが話を変え、手を伸ばし、ホログラムを出現させた
「何それ?!」
真奈葉が驚く
「恐らく、自分のスキルを可視化できる奴だ」
やみかのステイタスにはこう書かれていた
スキル【剣】
剣を出現させる力
アビリティ・アイ【橙】Lv1:気力
身体能力を向上させるエネルギー
「───だってさ。アビリティ・アイはそのもののもつエネルギーだとよ。」
やみかが淡々と読み上げる。
「おおっ、なんか一番それっぽい!」
真奈葉が目を輝かせた。
「主人公っぽいじゃん、やみか!」
「俺が主人公だったらもう少しマシな世界に呼ばれてるだろ。」
やみかはため息混じりに返した
「ふんっ」
その手元が光を放ち剣が出現する
「……それ、本当に出来るんだな。」
内野がまじまじと剣を観察する。恐る恐る触れた指先に、冷たい金属の感触が返ってきた。
「わぁ……かっこいい……」
佐山は少し感嘆の声を漏らしながらも、どこか不安げに眉をひそめる。
「でも、これってつまり……戦わなきゃいけないってことだよね?」
「戦わなくて済むなら一番いいけどな。けど、さっきの狼見たろ。」
斉藤が腕を組み、渋い顔でうなずく。
「俺ら、もう普通の学生じゃないってことだ。」
「てか、それどうやってしまうんだ? 鞄に入るサイズじゃないし。」
内野が現実的な疑問をぶつける。
「消せるだろ、多分……おお、消えた。」
やみかが剣を握り直すと、刃は淡い光と共に霧のように溶けて消えた。
「おおおおっ! 便利だな!」
内野児はテンション高く声を上げた。
「はいはい、次は誰の番?」
真奈葉がぱん、と手を叩き、少しでも空気を軽くしようとする
「んじゃ、次は俺だな。」
スキル【炎】
炎に関する火力を上げる
アビリティ・アイ【紫】Lv1:魔力
放出する魔法の元となるエネルギー
「よくある王道のやつか。ちょっとやってみてよ」
「ああ、《ファイアボール》」
「いや、そんなありきたりな詠唱で行けるわけ───」
それっぽい詠唱を言うと斉藤の手から紫色の魔法陣が現れ、そこから小さな火の玉が現れた。
威力は少し弱いが
「行けたアアアアア?!」
内野が驚く
「詠唱はイメージするのに適しているだけで本来は必要ないことはファンタジー世界の常識だと思う」
僕は漫画や小説情報で得た知識を話す
それからも次々に開示していった
佐山茶乃
スキル【回復】
触れている対象を回復させる力
アビリティアイ【青】Lv1:内生命力
自身から湧き上がる力。気力とは違い、身体強化よりも生命強化に近い
「ヒーラーか!」
「めっちゃ便利!」
内野児
スキル【盾】
透明な盾を顕現させるスキル
アビリティアイ【青】Lv1:内生命力
「次はタンクか~」
穂田真奈葉
スキル【弓】
弓を顕現させ、アビリティを矢に変えるスキル
アビリティアイ【緑】Lv1:外生命力
【青】と似ているがこちらは生命力を物質に変換して使う力
「遠距離主体か」
市塚紫稀
スキル【万能工具】
一話参照
アビリティアイ【黄】Lv1:熟練度
武器や道具の潜在能力を引き出す力
「なんていうか・・・地味?」
真奈葉が反応に困っている
「にしても【万能工具】って」
「修理が出来るみたい」
「俺の剣が壊れても、直す機能なかったから助かる」
「確かに、スキルは武器が出現できても直す機能なかったから」
「そこんとこ死活問題だよな」
佐山が少し希望を込めて僕を見た。
「触れてるだけで何か変化とかないの?」
「いや、そんな急に……」
とりあえず近くに落ちていた折れた木の枝を拾ってみる。特に意識せず触れていたのに、掌にじんわりとした感覚が走った。
すると多少の繋目はあれどぴったりとくっついた
「……おおおおおおおおおお!?」
内野が派手に叫んだ。
「今の見た!? お前、工具出してすらないのに直したぞ!」
「え、えっと……僕も、びっくりしてる……」
Lv1だから直せるものに制限はあるがパーティで動くなら何とかなるか
「よし、日が沈むまでに町を探そう、このまま野宿はきつい」
「だな。」
真奈葉がうなずき、皆の視線が自然と僕に集まる。
「え、なんで僕見るの?」
「だって紫稀、漫画とか小説の知識で『こういう時の動き方』詳しいでしょ?」内野が笑いながら言った。
「無茶振りすぎる!」
でも、心の奥ではなんとなくわかっていた。僕らはもう、帰れない。進むしかない。
「……わかったよ。街を探そう」
そう答えた瞬間、僕の足の震えは少しだけ止まった。