ライルは休暇を取ることができて、同時にサラ・クラウザーからの連絡でちょうど今日はアッシュフォード学園の学園祭が開かれることは聞いていた。今日はシュナイゼルの出立でもあったが、そのシュナイゼルから『出迎えはコーネリア達でも充分だ』と言われ、一応コーネリアの了承も得ている。
『せっかくだから行ってくると言い。君だってまだ学校に行っている年齢なのだから。』
『それを言えば、私と同年代のナンバーズ出身者もでは?』
遠回しに、それを壊したのはブリタニアだと言ってやった。すると…
『耳が痛い話だね…なら、君がそれを出来るようにすればいい。そのためのモデルケースが、あの騎士団だろう?』
これはまた、見事に斬り返された。そう、少なくとも有紗は有紗でモデルケースにはなるかもしれないと思っていた。これまでは軍人というケースで成功例を出そうとしていたが、少なくとも職業斡旋や学力不足を解消する社会システムをゲットーに導入する必要性が見えてきた。有紗も当時の日本の中学生レベルの学力は確保できているようだが、やはり総合的に見れば低い。
「就学助成プログラムと臣民更生プログラムを導入できればいいのだが…」
貴族たちが、果たしてそれを認めるかどうか。と思いながら有紗の部屋に向かった。
ノックをするが、反応がない。
「有紗、入るぞ?」
何かあったかと思い、ドアを開けると…そこには下着姿の有紗がいた。
「あ……」
「……っ、きゃあああああああ!!!!」
余りの大声で政庁の警備兵が飛んできてしまい、ライルの不注意であると説明をして警備兵たちも半ば呆れながらも納得してくれた。そして、彼らが退場してライルと有紗の二人だけになってしまった。そういえば、有紗は緑のシンプルなワンピースに上着を羽織っている。清楚な有紗のイメージにぴったりと言える。
「…その服、似合っているよ。」
「あ、ありがとうございます…えぇと、それでライル様はどうして?」
「そうだった。実はサラ・クラウザーからアッシュフォード学園の学園祭に遊びに来ないかって誘われたんだ。あそこは枢木スザクも通っているし、オープンだと聞いている。ゲットーの住民も入れるし、ブリタニア人の私がいればなお問題がないだろう。」
が、ここで気づいてしまった。つまり、デートのお誘いをしている。今まで、クリスタルとそうした経験はあるが自分から誘ったのは今回が初めてだ。ジュリアさえも碌に誘えなかったし、殆どクリスタルや本国でシュナイゼル指揮下の『アルガトロ混成騎士団』にいるあの二人が仲介していた。
「で、大丈夫かな?」
「…はい、ちょうど今日もどうしようか考えていたので。」
OKということでいいのだろう。
「じゃあ、早速行こうか。財布や連絡用の電話も持っている。」
「カードで買い物、じゃないんですね。」
どういうイメージだ、と思いながらライルは応えた。
「……本国で平民暮らしをしている貴族の知り合いがいてね。その二人は集合住宅、いわゆるマンション暮らしなんだ。それに、私も軍学校時代は寄宿舎からその二人と一緒に遊びに行ったり、その二人の部屋で食事を御馳走になったんだ。」
「だから、ライル様って平民っぽいところがあるんですね。納得しました…」
念のため、と眼鏡と帽子で変装してライルも出かけることにした。
有紗はライルをちらりと見た。元々整っている顔立ちではあったが、眼鏡をかけると普段と違った雰囲気があり、数秒ほど見とれていた。
「有紗?」
「なんでもないです…そういえば、さっきアッシュフォード学園ってあの枢木スザクも通ってるって聞きましたけど。」
「ああ、運営している貴族は日本の大使館にいてね、外にも財閥時代の伝手でこの国に来たらしい。」
「そうなんですか…オープンな校風っていうのは大使館時代の考えでしょうか?」
そうだとしたら、なんで他のブリタニア人はそれに近い考えができず、日本人も同じなのだろう?そんな疑問がよぎってしまった。
そうして考えると、校門が見えた。よく見れば、ゲットーの住民も何人か入ってきている。
「枢木少佐がいるから、でしょうか?」
「かもしれないね……有紗、私が学費を出すから君も来年度から入学するか?今の情勢ならレイ達も学生をやっても問題なさそうだが。」
学生…日本占領で、有紗の学生は小学生で止まっている。もし、この話が通れば途中からでも高校生ができる。
ゲットーでも健在な学校は皆無ではないが、やはり全体としての数は少ない。どうしよう…それに、もしそうすれば事実上の休職ないし失業…せっかく働き口も見つかったし、何よりライルと…
って、なんでライル様と離れるのがこんなに…これじゃあ、まるで………
レイは帰宅した母と食事をしながら話していた。内容は、本国の祖父母達の連絡だ。
「じゃあ、先に本国に戻るのね?」
「ええ、おじい様達がいい加減に戻って来いって。それに本社を放っておくわけにもいかないから。」
そうか、スレイター家の財閥はブリタニア全体規模で見ても大きい。その分、問題も多い。
「それと、貴女がライル殿下の騎士に選ばれたという話は暫く親戚に伏せておくわ。また何か言われたらいやでしょう?」
母に言われ、レイはうなずいた。
「ええ、こっちから嫌味の種を増やしたくないわ。」
ゲットーに戻っていたカイトは福原に会っていた。有紗が租界で買ってきたコーヒーメーカーとコーヒー豆をわざわざ入れてくれて、それを飲んでいると。
「本国に!?」
「ああ、今の有紗は皇子様の小間使いだからな。皇子様が本国に帰るならついていかないとだめだろう。」
なんてこった!それじゃあ、有紗は本国で貴族共の玩具にされるのが目に見えている!そうでなくても、あの男に余計洗脳される!!
「こっちに残れないんですか?」
「おいおい、あの子はもうお勤め人だぞ。ニュースで取り上げられた名誉ブリタニア人の連中だって本国に着いていくのに。」
それは、そうだが……まさか、入れ違いになるなんて。何とか『黒の騎士団』にいることを伝えて、彼女を説得するはずが。
「お前、有紗に惚れてるんだろ?」
コーヒーをむせこんだ。
「な…!?」
「分かりやすいんだよ。けどな、有紗から例の皇子様の事少し聞いたが、ありゃ無自覚で惚れているぞ。悪いこと言わん、勝ち目がない。」
「無責任なこと言わないでください。」
そうだ。ずっと好きだったんだ。それをブリタニアはまた奪った。今度は有紗を…!
「絶対に助ける…!」
「なんだって?」
「何でもないです。」
福原が作ったオムライスの残りをほおばった。
秀作はゲイリーにまた連れ出され、今度はアッシュフォード学園の学園祭に来ていた。
「日本が今も健在ならお前も高校生だ。自分の学校でこういう催しをやる機会もあっただろう。」
「そういうもの、か?奴らがそんなのさせてくれるとは思えない。」
仮に高校生になったとして、奴らがまともに学校に行かせてくれるという光景自体が秀作には想像できないし、そもそも奴らがそんなことをするわけがないと確信していた。
「軍人になるにしても、最低高校は出さないとだめだろう。ブリタニア軍は志願制でお前の年齢でも入れるがな。」
「……あんたも学生時代はこういうことをしていたのか?」
「士官学校生だったから、こういうのはなかった。だが、知り合いが通う大学の学園祭などには遊びに行ったことがある。」
この男の学生時代……
「あんたの学生時代なんて想像できないな。」
「いらぬ世話だ。ほら、何でも好きなものを食え。奢ってやる。」
「いいのかよ?」
「軍人、しかも将軍の給料を見くびるな。ここのを全部食べつくしてもかなりの釣りがくるぞ。」
ライルは有紗とタコ焼きというものを食べていた。カンサイ方面、特にオオサカが日本では親しまれているとか。
「これ、昔は明石焼きっていうのがルーツだっていう話を聞いたんです。」
「アカシ…確か日本にそういう名前の町があるんだよな?」
「ええ、日本ではそういうつけ方が多いですから。」
「……その意味では、パスタのナポリタンも同じだな。イタリアのナポリからとったという話がある。」
料理一つとっても、人の名前や町の名前にちなんだつけ方をする。なのに、なぜブリタニアばかり持ち上げる?
不平等だから?勝ったから?
ライルにはどれも当てはまらない気がしてならなかった。むしろ、只ナンバーズの文化だから下に貶めてブリタニアが進化しているという言い訳にしたいだけではないのか?
「醜い習性だな…」
有紗に聞こえないように漏らし、校舎に入って今度はコスプレ、所謂仮装をすることになった。が、問題が……
「よく手に入ったものだな。」
中東系の王族衣装。どこで誰が作ったかは知らないが、よくできている。
「はあ、よく似合ってますね。まるで本物みたい。」
二人の対応をした女子生徒が感嘆していた。
「どうも。」
ある意味、本物と言えば本物だ。この手の衣装は慣れている。
「あ、あの……なんで、こんなのを?」
有紗は、いわゆる踊り子の衣装だ。とにかく肌の露出が高く、しかも有紗の豊かな胸を強調した扇情的なデザインだが、清楚な有紗の雰囲気とのギャップもあり生唾を飲むほどに美しい。
「会長の趣味ですから…でも、並ぶとさながら王様と愛人ですね。」
「んな!?」
「愛人じゃありません!!」
「そうなんですか?見たところ貴族の若様とメイドか何かに見えたけど。」
いったいどういう洞察力だ、ここの生徒は?しかも、またも間違っていない。
「と、とにかく…あまり見ないで!」
「ええ?というか、あなたいくつ?」
「え、16です…」
「じゅ、16って私より二つも年下。それで、何よその胸!90超えてるんじゃないの!?」
具体的な数字を出して、それはセクハラではないだろうか?
「とりあえず、流石に写真とかはやめてください。元に戻ります。」
「ええ!?せめて、この子の胸もませて!あやからせて!!」
「な、なおさらダメです!」
軽食をいくつか食べた後、ゲイリーと秀作はチラシを見ていた。
「なんだ、KMFで巨大ピザを作る?」
「は?」
ゲイリーもきょとんとした。そして、秀作からチラシを受け取る。
「何々、KMFで巨大ピザ。去年の2mから6倍の12m?」
そして、ゲイリーはグラウンドにある巨大な窯を見つけた。
「まさか、アレで焼こうというのか?」
「おい、ピザは1枚で何cmだ?」
秀作の問いに
「学生時代に何度か食べたが、30cmもないぞ。人によっては20数cmを一人で食べきるが。」
「……それが12m?神話時代の化け物にでも食わせる気か?」
そういいたくもなるだろう。そういえば、アッシュフォード家の会社は第三世代機の開発がテストをしていた皇妃の崩御でとん挫して倒産したとも言われているが、もう一つ。理事長をしている当主の散財が原因ともいわれている。
「そういえば、孫娘がここの生徒会長だと殿下がおっしゃっていた。」
「…………おい、ブリタニア貴族はそういうのを好むのか?あんたとライルは全然見えないが。」
「いや、貴族でなくともこんなバカな企画は……そうだな、年末年始の特別イベントでもないとせんぞ。」
これでは、逆に学校経営までも破綻してしまうのではないか?よそ事ながら、ゲイリーは心配になってしまった。
ライルはサラ・クラウザーと会っていた
「お招きいただいてありがとうございました。」
「いえ、こちらこそ。どうですか、学園祭は?」
「母の領地の祭りとは違って…こういうにぎやかな雰囲気もいいですね。いかにも学生の祭りという感じがする。」
「ありがとうございます…ところで、そちらは?」
「失礼しました、名誉ブリタニア人の飯田有紗です。殿下の小間使いを務めさせていただいております。」
「サラ・クラウザーです。殿下は名誉ブリタニア人の採用には積極的とは聞き及んでいましたが……」
やはり、異端だと思われるかな?
「もし、ここにご一緒に入学していたら会長と仲良くやれたかもしれませんね。」
「アッシュフォードの、ですか……ところで、あれは?オーブンか何かに見えますが。」
さっきから気になっていた。いったい、あれはなんだ?
「ええ、オーブンです。KMFの巨大ピザ作りの。」
「…は?」
ライルと有紗が一度に素っ頓狂な声を上げた。
「今、なんて?KMFで巨大ピザ?」
「はい、今年は12mに挑戦するとか。」
「じゅ、12って……何百人で食べる気なんだ?」
「その何百人分を作るのは、あの枢木スザク君です。」
あ、そういえば…枢木スザクはユーフェミアがここに入学させたのだった。それにしても……マスコミが多いのはそれか。
「マスコミがいるから、変だと思っていたら…」
「そんな大きなピザを…オープンでもイレヴンが多いのって、もしかして…」
有紗の問いに、サラが…
「ええ、スザク君がいるからだと思います。生徒会の人たちもそういうのにこだわらない人が多いし、スザク君は日本に留学していた友達がここの副会長なんです。」
「留学生の友人、か。」
そういえば、手紙に書いていたな。日本人の友達ができたと。すごい偶然だ。
「そろそろ始まりますよ、見に行きます?」
サラの誘いに
「そうだね、面白そうだ。有紗。」
「はい。」
雛はかつて家があったゲットーを訪れていた。ここはシンジュクほどではないが、復興は進んでいる。だが、ここの連中はひどい。
「さあ、今日も頑張って働かないと。行ってくるよ。」
40前後の男だろう。誰もいないのに、まるでこれから会社に行くと家族に話すような口ぶり。だが、その身なりはボロボロだ。
「リフレイン、か…」
おそらく、戦争で妻子を亡くして現実から逃避するしかできなかったのだろう。哀れと言えば、哀れだろう。だが……
「流す方も流す方だけど、乗る方も乗る方ね。せっかくの稼ぎを只の現実逃避に費やして、最後は野垂れ死に。」
あんなのはごめんだ。戦争で一人になり、雛は何でもして生きてきた。死にたくないからだ。軍人になっても、自分だけ生き残るために必死だった。
「よう、姉ちゃん。ちょいと俺たちに付き合えよ。」
今度は20代後半当たりの男たちだ。リフレイン中毒者ではなさそうだ。
「なに、あんたら?」
「つれねえこというなって。その身なり、名誉ブリタニア人なんだろう?いいもの食ってるんだから、ちょっとくらい俺たちに分けてもいいだろう?」
「……あんたたちが欲しいのはあたしの身体でしょ?」
すると、男たちは舌なめずりをした。
「分かってるじゃねえかよ、こっちはご無沙汰でな。」
「お前のような上玉なんざ、なかなかお目にかかれねえんだ。」
「前髪で顔を隠すなんざ、なかなか気取ってるしな。」
だが、雛は前髪をあげた。
「これでもいいのなら、楽しむ?言っとくけど、貴族様だって断られたわ。」
火傷を見せると……
「なんだよ、期待外れじゃねえか。」
「ちっ、とっとと失せな。」
「はいはい、言われなくてもそうしますよ。」
ああいう手合いを見ていると、雛は腹が立つ。ブリタニア人はブリタニア人で、自分自身は何もしていないのに人種だけで王様気取り。イレヴンはイレヴンで、一銭にもならない魂や誇りなんてものを振りかざして、独立のために戦う自分達やそれを支持する自分に酔っている。
「どんぐりの背比べみたいなものじゃない…」
少し気分を変えて、雛は敢えて火傷を見えるように髪型を変えて租界へ戻ることにした。
ピザ作りは盛況であった。あの枢木スザクがやるというのも効いているのだろうが…
「あれは、ガニメデ?」
「知ってるんですか、あのKMF?」
有紗の問いにライルは「ああ。」と答える。
「第五皇妃マリアンヌ様がテストパイロットを務めていた第三世代の機体だ。ランスロットやグロースターにもあれの技術が応用されている。」
「第三世代って…えぇと、つまりあのグラスゴーより前ですよね?」
「ああ、世代的にはな。でも、実戦に投入できるスペックがあってね。テストをしていた皇妃が暗殺されなければ。」
そう、それがなければあの二人がこの国に送られて……だが、それがなければ有紗やレイと出会うことも……
「しかし、流石枢木スザクだ。あの調子なら本当に12mまでやれそうだが、食べきる前に冷めてしまう。」
「身も蓋もないことですね。」
サラと会うのはこれが二度目だが、彼女とは話が弾む。今まで会った貴族令嬢などとは違う。会えば、自分の家がどこそこの侯爵と縁がある、数代前の皇帝の皇妃だった、祖先は『ナイトオブラウンズ』を輩出しただの、自分とは無関係なことを自慢してばかり。あの女が紹介する貴族などまさにそれ。はとこのティーナが正に奇跡だった。おそらく、あの女が紹介する女でティーナやサラに近い貴族など、ゼロでも起こせない奇跡だろう。
「…今後、呼び捨てでもいいですか?」
「え?」
「その…貴女とはそれなりにうまくやれそうな気がするし、軍の外の交友関係にはあまり恵まれない方だから。」
「あ…えぇと、私は別に…そちらの有紗さんとも、ちょっと話してみたいですし。歳も近いから、お互い呼び捨てでもいいですから。」
サラもややぎこちなく答えて…
「そうか、それじゃあ今後ともよろしく。サラ。」
「こちらこそ、有紗の方も。」
「え、ええ…よろしく。サラ…」
三人の間に心地よい空気が流れたとき、強い風が吹いた。その直後…
「おい、ユーフェミア様だ!」
誰かの声がして、その方向を探すとそこには確かにユーフェミアがいた。
この先の展開は人より勘が鋭いライルでなくても読めた。
「まずい!有紗、帰るぞ!それじゃあ、サラ!」
「は、はい!」
銃声が響いた。ユーフェミアに群がる市民への牽制だが、焼け石に水だった。あの巨大ピザのためのマスコミもおり、当然マスコミはもっと話題性のありそうな皇族に行く。その勢いはすさまじく、もはや暴動に近かった。
こんな状況で私まで巻き込まれたら、面倒なことになる!
帽子を深くかぶり、それとなく逃げようとする。
「私、ユーフェミア・リ・ブリタニアは富士山周辺に行政特区日本の設立を宣言します!」
その宣言に群衆がどよめいた。そして、手を握っている有紗も…
「特区日本って…」
行政特区…つまり、
「限定的な日本としての自治を認める?」
ライルも呆然とした。いや、確かにライル自身も似たような事例を考えたことがあった。正当防衛の承認を始めとしたエリア特法の改正、そのエリアの元々の大都市での内政自治の承認。いずれも本国で提出したことがあるが、大半の貴族からは鼻で嗤われた。
シュナイゼルは否定はしなかったが、ライルが総督にならないと不可能だと諭された。それをユーフェミアがやるとは。
「有紗、戻りながら放送を見よう。今この場でとどまると厄介だ。」
特区設立の宣言を秀作は茫然と聞いた。
「おい、これどうなるんだよ?」
「私に言われても……いや、治安維持の観点からすれば確かに。」
ゲイリーも困惑していた。ライルが内政自治に始まり、名誉ブリタニア人や一般ナンバーズの人権を保障する法改正を求めていたのは知っている。だが、ライルの案件もシュナイゼルは手順を飛ばし過ぎていると正論で窘められ、本国の大半の貴族は嘲笑、一定の理解を示した貴族もシュナイゼルと同じ考えで、やるにしても今の『フォーリン・ナイツ』のような極めて小規模な形で推し進めるべきだと言われたのだ。
「ちょっと、今そんなこと言われても困るわよ。」
雛は政庁に帰ったところでこれに驚いた。
今、日本人としての権利を認めると言われたって既に雛は名誉ブリタニア人だし、その上皇族の親衛隊だ。いったいどうしろというんだ?
「…ま、イデオロギー振りかざす馬鹿な奴らには効きそう。」
遂に学園祭でアレが宣言されました。そして、つまり本編沿いである以上次はアレです……