あの日、世界は透き通った。いや、透き通ったというより、色が変わった──透明なガラスの向こうに、光が満ちていくみたいに、世界のすべてが微かに震えていた。
理由は、たった一つ。俺は、"小鳥遊ホシノが存在する世界に転生した"のだ。
転生した瞬間、頭の中でド派手な花火が上がった。現実の花火大会なんて比べ物にならない、脳内スーパー花火大会だ。
だってそうだろう?推しがいる世界だぞ?しかも同じ空気を吸い、同じ地面を歩き、同じ太陽の下にいる。神様、ありがとう……いや、むしろ一生分の運を前借りしたかもしれないが、構わない。俺は今、全力で生きると誓う──ただ一つの目的のために。
"ホシノを幸せにするために。"
俺は転生前からホシノ推しだった。
ゆるくて、眠そうで、やる気がなさそうなのに、時々見せる真剣な横顔がたまらない。
人との距離感が少し不器用で、でも放っておけない優しさを持っていて、本人はその価値を自覚していない。
そんな彼女が、俺の心を何度救ったか、数えきれない。
だからこそ、転生してこの世界の情勢を知ったとき、真っ先に思った。
──ホシノが傷つく未来なんて、絶対に許さない。
結果、俺はゲマトリアに入った。
「え、推しのために敵組織に入るの?」って?
そうだよ。敵の懐に潜り込めば、裏で情報も操作できるし、ホシノの危険も先に潰せる。
表向きは悪役でも、裏では推しガード全開。俺は影からホシノの未来を守る、裏方の騎士になるのだ。
ある日の夕方、商店街の裏道を通っていた俺は、妙な音を聞いた。
金属が蹴られる甲高い音と、低い笑い声。
そして短い悲鳴。
反射的に角を曲がると、そこには数人の不良がいて、その中心で一人の少女が立っていた。
青みがかった髪。少し眠たげな目元。だけどその瞳の奥には、静かな光が宿っている。
──小鳥遊ホシノ。
俺の心臓が一瞬で跳ね上がった。
世界が再び透き通る。視界の端のすべてがぼやけて、彼女だけが鮮明になる。
そして、俺は悟った。
……これが俺とホシノの初対面になる。
「……あー、めんどくさ」
低い、けだるげな声が背後から聞こえた。
不良たちが振り返る。
そこに立っていたのは、制服の上から薄手のパーカーを羽織った少女。
青みがかった髪が街灯に照らされ、微かに輝く。眠たげな目は半分ほど閉じているのに、その奥は氷のように冷たい光を宿していた。
「……何だよ、中坊。帰ってろ」
「いや、帰るけど……その前に」
ホシノはポケットから片手を出し、手首を軽く回した。
その瞬間、世界が止まった。俺の視界の端で、彼女の指先から生まれる風が不良たちを押し退ける。
派手な音を立てて一人が地面に沈み、もう一人は武器を持つ前に腹に一撃を食らってうずくまった。
俺は、呆然と見ていた。
……生だ。生ホシノだ。
動画やイラストで見た何倍も美人で、何倍もカッコよくて、そして何倍も俺の心臓を破壊してくる。
「……大丈夫?」
目の前に差し出された手。細くて、少し冷たい指先。
それを握った瞬間、俺の脳内で何かが爆発した。
「……っぁああああ……」
「……は?」
やばい。声が漏れた。止まらない。
「か、可愛い……美人……尊い……え、なに、天使?いや女神……いやそれ以上……!」
ホシノの眉がぴくりと動く。
「……君さ、頭でも打った?」
「打ってません!健康です!むしろ今が人生の最高潮です!!」
「……はぁ」
彼女は面倒くさそうに息を吐き、俺の手を離した。
だけど俺は、その一瞬の温もりを絶対に忘れないと心に刻んだ。
「気をつけなよ。君、ヘイローないみたいだし」
「──ッ!?」
一瞬、背筋に冷たいものが走った。
(…っ!そうだったっ!?女の子なのにヘイローないとやばいじゃん!)
慌てて笑顔を作る。
「え、えぇ!?そんなわけないじゃないですかー、き、きっと今は調子悪くてでてないだけです!…たぶん」
「……ふーん。まあ、別に興味ないけど」
背を向けて歩くホシノ。
その歩き方一つに、俺は目を奪われる。
ひとつひとつの仕草が、世界のすべてを彩る。
「……守る、絶対に守るよ。」
この青く、透き通った空に誓って。
あの日の事件以来、俺は毎日のようにホシノの動向を気にしていた。
年は違えど、同じ学園の中で彼女を守ることは、日常の一部になっていた。
「おはよう、ホシノ!」
「……うるさい」
毎朝の挨拶は、ほぼこれで固定。彼女は眉間に皺を寄せ、軽く舌打ちをする。その表情一つで、俺は胸がギュッとなる。
「え、眉間の皺まで尊い……生きててよかった……」
こんなやり取りも、もはや俺の一日の楽しみだった。
ホシノが机に突っ伏しているだけで、俺は視線を釘付けにされる。
彼女が誰かと話す仕草も、寝ぼけた笑顔も、俺にとっては全てが愛おしい。
ある日、放課後にちょっとした出来事があった。
ホシノが落としたノートを拾った瞬間、手が触れた。
「……っ!?」
思わず声が出る俺に、ホシノは目を見開き、眉をピクリと動かしただけで何も言わない。
俺は胸の中で叫ぶ。
「──その驚き顔も可愛い!!尊すぎる!!」
日々の積み重ねでいつかは…!とはおもうけど、ホシノはまだ警戒は解いてくれない
まぁ正直本来なら画面の中にいた推しと関われてるだけでも幸せなんだ。なんというかつまり…
「この距離感も、ホシノらしいな……可愛い……」
だが、現実は甘くない。
俺はゲマトリアの一員として、ホシノの安全を影で確保しつつ、任務もこなさなければならない。
表向きは普通の転生者、裏でカイザーの監視、黒服の実験、アドビス高等学校にいる未来の先輩の生存確認……。
ある夜、街の暗い路地でカイザーの情報を裏取りしていた時のこと。
背後から足音が近づく。振り返ると、見回りだろうか?ロボットの銃口が俺に向けられていた。
──俺にヘイローはない、当たれば致命傷確定。
「……くっ!」
反射で影に身を隠す。心臓は張り裂けそうだが、冷静さを保つ。
頭の中で繰り返すのは、ただ一つの思い。
「ホシノを笑顔にするためなんでな…!ここでなんか躓いていられないんだ…っ!」
その夜、暗闇の街角で、一人静かに任務を遂行する。
誰にも知られず、ホシノのために命を懸ける。
これが、俺の生きる意味──推しを幸せにすること。
日々の接触、ツンツンするホシノとのやり取り、そして裏での危険な任務。
すべてが俺の心を形成していく。
ホシノはまだ"おじさん"になってなくて、ツンツンしている。俺の熱量を理解していない。多分まだ冗談だと思ってるんだと思う。まぁ気長にやるけどさ
でも、いつか本当の意味で全部終わったら…
ある日の放課後、いつものようにホシノの良いところを言っていたら、ホシノが会ってから一番良い笑顔で言った。
「……よく、飽きないね…。君は…でもまぁ、少しだけ、うれしかったよ」
短い言葉だが、俺にとっては宝石のように尊い瞬間。
──あぁ。まだこれからのことを考えたら、まだ最初のスタートラインにすら立てていないだろう。けど。それでも俺は誓う。
「絶対に、ホシノを幸せにする」
誰よりも守る、誰よりも愛する。命が尽きるその瞬間まで。
夜空を見上げると、あの日透き通った世界と同じ光が、確かにこの世界にも存在していた。
ホシノの笑顔のために戦う俺の物語は、まだ始まったばかりだ。
ホシノの可愛いところぉぉぉぉお!!!!
その一!口調が可愛い!!!!大好きだったユメ先輩の真似をするようにほのぼの口調にしてるの可愛い。時々、昔のツンツンしてた時に戻っちゃうのも可愛いね。
その二!責任感強すぎてかわいい!!!全部、全部背負いこんでそれが最善だと信じんこんで!悪い大人に騙されて!絶望しちゃうとことかおっちょこちょいで可愛いね!
その三!自己肯定感低すぎ!可愛いね!!!!ことあるごとにユメ先輩ならもっとうまくできたって思ってるとことか最高に可愛い!黒服との契約の時も自分が居なくなっても後輩たちなら大丈夫って思ってるとことか、もしユメ先輩が同じことしてたら絶対に止めるくせに。そうやって自分の評価を自分で決めちゃうとこさいっっっこうっにかわいいっっっ!!!
そんな可愛いホシノちゃんの紹介でしたっ!