そんな中、ゆっくり線路沿いを帰る途中、後方から一台の貨物列車がやってきた。
「さあ、ゲヘナに帰るぞイロハ」
「マコト先輩、それが私達が乗って来た飛行船、さっきの戦闘で落とされてましたよ」
「何ィ!?こ、ここからゲヘナまで結構あるぞ……」
「はぁ、しょうがないですね。虎丸で、たまにはゆっくり帰りましょうか。イブキもいいですか?」
「はーい」
虎丸で走り出して十数分ほど経った頃、線路沿いをゆっくり走っていると後ろの方から地響きと共に一台の列車が近づいて来た。
車掌室の所から二人の影が見えてノゾミとヒカリが顔を出す。
「ゲヘナの戦車じゃん、こんな所で何してるのー?パヒャヒャッ」
様子を見にハッチを開けてイロハが対応する。
貨物列車と虎丸で並走しながら話をする。
理由を話しているとイブキがそっと顔を覗かせた。
「ノゾミ先輩にヒカリ先輩だー」
ノゾミとヒカリがイブキの方に向かって手を振る。
「おー、イブキちゃんだー」
「パヒャヒャッ、良かったら乗って行かない?さっきちょうど4号貨物の積荷をおろした所なの。ゲヘナも途中通るし」
「一度マコト先輩に聞いてみますね」
ハッチを開けたまま中に戻りイロハはマコトに今の会話を説明した。
「マコト先輩どうしますか?」
「キキキッお言葉に甘えようじゃないか、それにイブキが喜ぶ」
「イブキ良かったですね」
そう言うと再びハッチに向かいノゾミとヒカリ達にお礼を言う。
「ノゾミ先輩とヒカリ先輩ありがとう」
イブキもひょっこり顔を出してお礼を言う。
貨物列車がゆっくりと停車して虎丸を4号貨物に乗せる。
ずれ落ちないようにするために固定器具を取り出して前後の四か所に動かないように配置する。
「マコト先輩固定器具の装着終わりましたよ」
「ではイブキ二人に合図を出してくれ」
そう言われたイブキはハッチを開けて二人に準備完了の合図を送る。
「パヒャヒャッ、ヒカリ、イブキちゃんから合図来たよ」
「出発進行―」
それを聞くとともに走り出し速度を上げていく。
「それにしても本当に助かりましたね。あ、イブキ、顔を出したら危ないですよ」
「キキキッそうだな、それにしても……」
しばらくして―――
「ゲヘナ学園見えてきましたね」
「はや-い」
やがて列車がゲヘナ学園に近づき、貨物列車はスピ―ドが落ちていく。
完全に停車してイロハが固定器具を外しに外に出た。そのタイミングでノゾミが近づいてくる。
「パヒャヒャッこのあたりでいい-?」
「はい、ありがとうございます。本当に助かりました」
その後固定器具を外し終わりハッチへ上る。
虎丸を下ろしてノゾミを車掌室まで送った。
「それじゃ気をつけてね-パヒャヒャッ」
「ノゾミ先輩とヒカリ先輩またね-」
赤い空の下、それぞれの仕事に戻っていった。