スーパーロボット大戦OG 魔神伝   作:”蒼龍”

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皆様こんばんはです、第6話を投稿致します。
今回はある人物の登場と…序盤はある人の過去をちょろっとだけ触れます。
誰が来るのか、また誰の過去が少し分かるのか、お楽しみ下さいませ。
では、本編へどうぞ!!


第6話『新たなる異邦人』

 グレートマジンガー無双から約4時間後の18:58。

 見張りを担当するシャドウミラー兵はヒカルやミズホ達が作ってくれたおにぎりとエナドリを片手に外からの侵入者が来ないか、或いは新たな避難民が来ないかを監視していた。

 

「にしてもあの映像見たか?」

 

「ああ見たぜ、グレートマジンガーのクラスAデビルマジンガー達3体への無双!!

 更に潜伏していた1体も殺気で察知してサンダーブレークで動けなくした後に空に放り投げてアストラナガンに止めを譲ってたアレだろ!」

 

「ああ、あれこそグレートマジンガー………俺達を子供の頃に救ってくれた偉大な勇者その物だったぜ」

 

「そしてテツヤ少佐も戦闘のプロとしての戦い方には痺れるぜぇ…!!」

 

 どうやら2人もグレートマジンガーに救われた口の人間らしく、当時のグレートがより強力な力を持って現れた………そんな風に思いながら過去の思い出に浸っていたのだった。

 すると………見張りAがふと、重い口調でポツリと語り始めた。

 

「………本当、コウジ司令が自殺してしまわれる前までは良かったよなぁ………特に、アクセル隊長とレモン様が入隊した辺りの頃は」

 

「………ああ、ブラッド中佐、『カーツ』中佐の質問にバカやってメッチャクチャ揉まれて今の生身の戦闘能力を得るまで鍛え上げられまくっちまったアクセル隊長に、『マナミ』少佐と『アイシャ少佐』に『マナミ少佐、アイシャ少佐…頑張ってねえん』とか言ったら本気で『気持ち悪いですわね』『今直ぐ消えて下さいませんこと?』とか言われたり、『アーク』少佐と『レラ』大尉が良い雰囲気の所に間が悪く突っ込んじまってレラ大尉に本気でボコられたり、『エルリッヒ』中佐とアーク少佐にそれを慰められたり…そして極めつけは『リッシュ』中佐と一緒に『セレイン』少佐を誂ったら2人してくの字に折り曲げられたり………それが3ヶ月の間に何度も何度もあって………あの頃は、本当に良かったよなぁ…」

 

「…アクセル隊長とレモン様もその辺りで出会って、アクセル隊長がバカやるとレモン様は本当に腹の底から笑ってらしたよなぁ………当時は少し塞ぎ込んでたレモン様の心も開いたのも、あの頃のアクセル隊長だった。

 けどそれはもう戻らない…マジンガーZEROとベーオウルフ、奴等の所為で………!!」

 

 見張りA、Bはそれぞれ昔話………特にアクセルとレモンがシャドウミラーに入隊した辺りからの話をしてあの頃は良かったと………アクセルが今の様な冷徹な隊長では無く、陽気でバカな兄ちゃんだった頃、レモンが今より少し暗めだったが余り変わらず…だが決定的に人との関わりを避けてた頃。

 その頃のアクセルが何度も何度もレモンの前でやったバカな行動がレモンの心を開かせたり、ブラッド達との絆が確かに其処にあった事を良かったと話していた。

 だがそれもHELLモードからDr.ヘルの怨念を吸収し、真の『終焉の魔神』と化したマジンガーZEROと、突如裏切りカーウァイ前隊長のゲシュペンスト・カスタムを背中からリボルビング・ステークを突き刺し、撃ち抜き致命傷になる重傷を負わせた………それにより、もう2度とあの頃は元に戻らないと嘆いていたのだった。

 もっと言えばコウジ司令が自殺した時から………流れが変わったと、2人は思うのであった。

 

『………………』

 

『あの………すみません、北のキャラバンから何とか此処まで来た者です、開けてくれませんか………?」

 

「っと、仕事に戻るぜ。

 ビースト細胞の反応…0、バイタルサイン…問題無し…よし、健康体の人間だ。

 お嬢さん、良くテスラ研まで逃げ延びて来たな。

 温かい飯とコーヒー、そしてベッドがあんたを待ってるぜ」

 

『ありがとうございます…!』

 

 そんな2人が監視するモニターの前、テスラ研の入り口前に1人のボロボロフードを被った女性が訪れ、北のキャラバンから逃げ延びてきたとの話をした後、ビースト細胞反応もバイタルサインも全てオールグリーンとなったので要塞化されたテスラ研の人間用の入り口が開き、中に居る車による案内役達にも新たな避難民1名が来たと伝え、その女性は軍用のオープンカーに乗りテスラ研その物を見渡し………此処にテツヤ・ツルギやゲッター線の使徒が存在する、その者達に話をしなければならない、あの魔神………マジンガーZEROを倒す方法があるのか、否か、今から何をしようとしているのかその全てを………。

 そしてテツヤ・ツルギは偉大な勇者に足る人物なのかも、同時に確かめる為に少しだけ息を潜めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、司令室ではヴィンデルが日本のサオトメ研究所の所長室に鎮座している『この世界のハヤト』と通信を行っていた。

 その内容はマジンガーZEROの進化スピードについての事だった。

 

「…マジンガーZEROの進化スピードが徐々に上がり始めている、だと?」

 

『そうだ。

 恐らくだが奴がグレートマジンガーをその目で確認した事が切っ掛けで本来の狙いである自身以外のマジンガー全ての破壊を成さんが為に魔神パワーをより集中して使い倒し始めたと思われる。

 コウジが自殺後、その脳や細胞一片に至るまでマジンガーZEROに利用させない為に自身の遺骨をルストハリケーン用の強酸が濃縮して入る仕組みになってた墓に入れ、髪の毛から骨の一本、細胞の一片すらも残さずこの世から消えた事で奴の進化は目に見えて遅くなった………が、それも今まではの話だ。

 これからはこの世界の『終焉』へと導き、その後グレートマジンガーが居る世界へ侵攻を掛け其処に居て、魔神パワーを発現させたマジンガーZをZEROに変え、コウジごと取り込もうとするだろう。

 それが起きれば………最早どちらの世界にもマジンガーZEROを止める術が消えてなくなるだろう』

 

 ヴィンデルもコウジ司令が自殺したのは全てはマジンガーZEROの進化スピードを大幅に遅らせて、人類がいずれ打倒出来るレベルに押さえ込む為だったとゲッターの使徒になった今だからこそ理解しており、されどハヤトの言葉通りならば最早一刻の猶予も無い、此方も急いでプロジェクトEFを完遂させねば拙いと考えるのだった。

 更に………ハヤトから、この事態への対処法を口にされたのだった。

 

『そして………そのマジンガーZEROに対抗する為に、俺もそろそろゲッターへと『還る』べきだと考えている

 俺が(セイント)ドラゴンに還元されれば、リョウマやゴウ、タイール抜きであってもよりマジンガーZEROへの対抗策となるゲッター線エネルギーを生み出す事が可能になるだろう。

 ヴィンデル、後は任せたぞ』

 

「…そうか、もう逝くのか。

 了解した、ならば此方もプロジェクトEFの最終フェイズの準備を前倒しにさせる様に伝える。

 我々もこの世界から『脱出』し、マジンガーZEROへ対抗する為の戦力を…あのテツヤが居るべき世界の者達と共に築き上げようと考えている。

 無論民間人達の乗る『ノアーズアーク』とその護衛艦『ネバーランド』は恐らくは辿り着くであろう『無限の開拓地』へ避難させる。

 彼処はマジンガーZEROが目を付けるマジンガーが存在していない………ならば、民間人達も無事辿り着ければその世界に定着し、安らかに過ごせるだろう」

 

『ふっ、永遠の闘争を夢見た男が今では民間人の心配をするか』

 

「私は平和は軍を、世界を腐敗させるだけの物と憎んでいたが………コウジ司令に教えられた『平和を勝ち取ろうとする心も行動も間違っていない、ただ何が何でも平和その物に縋り付こうとする事が間違ってるだけなんだ。

 永遠の闘争はその平和の概念すらも殺すから間違ってる』と、ハッキリ言われてしまったのでな………それにゲッターの使徒になってその言葉が正しいと来ればもう永遠の闘争など目指せる訳が無い………今はただ、牙無き者の未来を切り拓く為に軍人の使命を全うする事とマジンガーZEROの打倒こそが最大の目的なのだ」

 

 そうしてヴィンデルはコウジ司令に諭された事やゲッターの使徒になり全てを『理解した』今だからこそ自身が思い描いていた野心………コントロールされた戦争を常に繰り返す永遠の闘争その物が破綻している事を理解(わか)らされた為に、最早このヴィンデル・マウザーは差異次元と異なり永遠の闘争を目指す事は無いだろう。

 そしてプロジェクトEF用の民間人の為に用意したトライロバイト級の4隻目である『ノアーズアーク』…『ギャンランド』や『ワンダーランド』、『ネバーランド』ともネーム法則が違う、完全は避難民が安全な場所へと避難する為の方舟を今ある資材で装甲材質を更に強化する様にする為、レモンと掛け合っていた所だった。

 そしてそれがクロウ達の防御魔術等もあり、煮詰まりつつある所だったのだ。

 

『ではこれで通信は最後とする。

 ………またいずれ会おう、ヴィンデル』

 

「ああ、先に逝って待っていてくれハヤト…私も私がすべき事を全て果たした暁にはゲッターの中へ『還る』」

 

「ふっ、待っているぞ…新たなゲッターの使徒よ【プンッ】」

 

 そうして………ゲッターの使徒同士の会話はこれで最後となり、その直後ヴィンデルはゲッター線の中にハヤトが『還った』事を察知すると、ゲッターの行く末を見守る役目を担っていた彼すらもマジンガーZEROの対策の為に還らねばならなくなった事は非常に拙い状況だと判断し、4隻のトライロバイト級の最終調整中のレモンが居る格納庫へ向かうのだった…。

 

 

 

 

 

「…成る程ね、そちらの言い分も十分分かったわヴィンデル。

 でもこれ以上のプロジェクトEF前倒しは危険過ぎるわ。

 下手したら4隻共次元の捻れに巻き込まれて消滅してしまうわ」

 

「ウルトラマンゼロのウルティメイトイージスの力でリュケイオスの道を安定化させ、クロウとアルの魔術で防御壁を作り、エボルトの分身をそれぞれの艦に乗せ、ブラックホールすら操る力で次元の捻れを力付くで捻じ伏せさせる………これでも駄目なのか?」

 

「ええ、そもそもトライロバイト級戦艦の装甲が保たない可能性が高いのよ。

 上手くネバーランドとノアーズアークが平和な世界に旅立てたとしても、その先て空中分解なんて事が起きかねないのよ………どうにかしたいけど、これ以上は………」

 

 ヴィンデルとレモンはそれぞれマジンガーZEROの脅威度が高まりつつある事を共有し、プロジェクトEFの更なる前倒しを行い直ぐにでも旅立てる様にしようと言うヴィンデルの提案に、レモンはトライロバイトの装甲問題が解決していないとしてストップを掛けていた。

 民間人やネバーランドの平和な世界への旅立ち、自身等のこの世界からの『脱出』、何方も重要度は同列である為、ヴィンデルは何とかしなければマジンガーZEROが先に動く可能性が高いとゲッター線を通して感じ取っていた。

 ならばどうすれば………そう考えていた所にテツヤが2人の下へ訪れていたのだった。

 

「ヴィンデルにレモンか、何を話している?」

 

「テツヤ少佐か。

 …我々の計画であるプロジェクトEF、これを何とか前倒しにしなければならない理由が増えたのでレモンと共に議論していたのだが…」

 

「肝心のトライロバイト級の装甲が、ね。

 これじゃあ前倒しにした所で4隻のトライロバイト級の装甲が保たない…そう試算して頭を抱えてるのよ」

 

「そうか………ならばグレートマジンガー内のデータにある超合金NZ(ニューゼット)メッキのデータを使い、それをグレートの装甲の一部を使いトライロバイト級戦艦とやらに使え。

 そうすれば装甲問題は解決する筈だ」

 

『む…/えっ…?』

 

 更に頭を抱え悩みが尽きない2人に対して何とテツヤは自分達の世界で試験的に実装されていた超合金NZ(ニューゼット)メッキのデータを公開すると言う大胆な行動に出ると、2人は驚きテツヤの顔を見ていた………そうしている間にテツヤはDコンを操作してグレートマジンガー内の重要データ保管先のクラウドデータにアクセスし、更にDコンを投げてレモンにそれを見せたのだった。

 其処から得られたレモンの反応は………目を見開き、しかしこれならばと希望溢れる表情になったのだった!

 

「確かに…このメッキを再現出来れば装甲問題が解決してプロジェクトEFは一気に最終フェイズに移る事が出来るわ!!

 テツヤ、このデータを見せてくれてありがとう、この借りはいずれ何らかの形で返すわね!」

 

「そのデータが役に立ったなら別に良い。

 それより早く超合金 NZ(ニューゼット)メッキの再現作業に入ると良い。

 1分1秒でも惜しいんだろう?」

 

「ええ、そうさせて貰うわ」

 

 それからレモンは各整備班達と協議とこのメッキの再現を全力で取り組む事とする事になり、その日から意識高揚と言った感じになり、アクセルもレモンが此処まで熱意を見せるのは珍しいと感じる程だったと言う。

 そんなレモンを横目に、ヴィンデルはそんな重要そうなデータをアッサリ見せたテツヤに大丈夫かと言う表情を向けていた。

 

「もしもお前達が俺達の世界へ来て、その上で敵対する事になろうが関係無い。

 俺がお前達を止めれば良いだけだ………最も、プロジェクトEFやお前達の目的はまだ聞いていないのだから、敵対する様な事が無ければそれもまた良いと思ってる」

 

「………そうか」

 

 ヴィンデルはその言葉から、テツヤは本能的にプロジェクトEFが他の世界への『脱出』と雰囲気で悟り、その上で自分達の世界で敵になればその手で倒せば良いと考えてると感じ取り、テツヤ・ツルギは何処までも本能的な戦士気質だと思ったのだった。

 イングラムは理論と考察をした上で行動する慎重派で、テツヤは即行動派。

 一見気が合いそうに無い2人だが、お互いの欠点を補い合う事が出来る関係値を構築していたので全く問題が無いのだ。

 …そして、ヴィンデルはもしもこの世界のテツヤが生きてれば同じ選択をしただろうと考え、少年だった頃に自身を救った偉大な勇者の姿にノスタルジーを覚えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、イングラムはアクセルと共に新たな避難民がテスラ研を訪れたとの情報を聞き入れ、その避難民が何者かを確かめに行く所であった。

 テスラ研居住区まで続く入り口にて、オープンカーに乗るボロボロのフードを被った…身体の感じからして華奢な女性が案内役の兵に車から降ろされ、2人で出迎えるのだった。

 

「北のキャラバンから避難して来たと聞いたが、何があった?」

 

「はい………デビルマジンガーに襲われてしまい、キャラバンが私を残して全滅してしまったのです。

 運良く生き残った私は…何とかテスラ研に辿り着く事が出来ました…」

 

 その女性は詳しい状況も話し、デビルマジンガーの所為で自身の居たキャラバンを全滅させられたと言うとプルプル震え、その時の恐怖心を覚えてる様子を見せていたのだった。

 もしもこれが一般兵ならば上手くその設定で切り抜けただろう………否、本当に北のキャラバンに居たのだから嘘は吐いてないので騙してはいなかったので、普通に通して貰えただろう。

 しかし………この目の前に居るのがレモンの作った『Wシリーズ』を良く見てるアクセルと、自身がバルシェムであるイングラムが相手だったのが運の尽きであった。

 

「そうか………抑揚も身体の震えも全く『完璧過ぎる』事を除けば通しても良かっただろうな」

 

「…!?」

 

「すまないが、俺も人造人間の知識には一過言ある。

 なので聞かせて貰う………お前は何者だ?

 何故テスラ研へ来た、目的は何だ?」

 

「………素晴らしい観察眼ですね。

 心配しないで下さい、私は別にテスラ研に害する為に来た訳ではありません………ただ、グレートマジンガーとテツヤ・ツルギに会いに来ただけですから」

 

 そうして女性………否、女性型アンドロイドはフードを脱ぎ捨てるとその容姿を2人に見せた。

 その姿はマジンガーZを女性的にした様な風貌を再現した容姿であり、髪型もまたあの特徴的な王冠の様な物であり、赤いメッシュがパイルダーが入る場所に当たる部分にあり、且つ女性的に後ろ髪もセミロングとボブの間の長さがあった。

 そして………アクセルはその女性の容姿について気付く事があり、その名を口にしたのだった!

 

「………ミネルバ………X!?」

 

「はい、私は『ミネルバX』、本来マジンガーZのサポートロボとして開発され、Dr.ヘルにより利用されマジンガーZとコウジ・カブトと戦わされた悲劇のロボット………その並行同位体、差異次元の存在です。

 そしてその差異次元の私の用途は、兜十蔵博士の今ある研究データを過去の自身に送り込み、マジンガーZを完成させる為にありました。

 そして何より………このテスラ研内の誰よりも『終焉の魔神』、マジンガーZEROについて知る者でもあります」

 

「ミネルバX………確かテツヤの話では、俺達が居た世界でも構想自体はあったが、マジンガーZとグレートマジンガーの同時完成を急ぐ為にお蔵入りになったと聞く。

 その並行同位体………差異次元の存在、か。

 お前の目的は矢張りマジンガーZEROの危険性、それがどれ程の物かを伝えるメッセンジャーか?」

 

「はい、そしてマジンガーZEROの覚醒阻止をお願いする為に現れる者でもあります。

 …この世界は、間に合わなかったみたいですが…。

 そしてもう1つは、グレートマジンガー…テツヤ・ツルギ、彼がマジンガーZEROを止め得る鍵になるかを見定めたいのです」

 

 それからその女性、ミネルバXの話を一旦信じる事にして司令室に部隊長及びカイドウとマガミ、更にリサを集めてミネルバの話を聞こうとと言う方向にアクセルとイングラムはアイコンタクトで伝え合うと、イングラムは司令室に、アクセルは館内放送で名指しで全員を呼び寄せる命令を下しに向かったのだった。

 そうしてミネルバは話を信じられた事で第一関門を突破し、次は第二関門とテツヤの見定めを行う事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そしてこうして集まって頂きありがとうございます。

 …遠目で見ていましたが、まさか本当にグレートマジンガー以外にも宇宙の王者グレンダイザーまでこの世界に居たなんて………マジンガーZEROが覚醒していなければ、幾らでも『終焉』の止めようがあったと思えました。

 他にもこの世界のコウジさんが自身をマジンガーZEROに取り込ませない様に細胞の一片すらも残さずに自殺したとも聞き………それなら、マジンガーZEROの進化速度が大幅に遅れている事にも納得出来ました。

 でなければ、この世界は今頃全て壊され尽くして『0に還る』所でしたわ」

 

「…コウジ司令の自殺が功を奏した…と言うよりも、此処までの状況をコウジ司令が見据えていた、て所ね。

 なら次にミネルバ、貴女が見て来た世界で『終焉』を逃れた世界はあるのかしら?」

 

「光子ルストハリケーンによる情報の過去への転送、其処からの試行錯誤の回数…もう億を数えた辺りから数えるのは止めましたが、一例だけ…マジンガーZの意思が目覚めた世界とその派生した世界では『終焉』が遅れ、グレートマジンガーが出るまでに至った世界があります。

 しかし、マジンガーZEROはグレートマジンガーの存在を決して許さない…私には分かりかねますが、アレはそんな本能的な部分でグレートを否定し尽くしているのです」

 

 そうして集められたメンバーの中にデューク・フリードまで居た事に驚いたミネルバは、試行錯誤した世界中でグレートマジンガーが現れるまでは『終焉』を逃れていた世界がある事を先ず話した。

 そしてマジンガーZEROがグレートマジンガーを認識すると、忽ち魔神パワーが全て開放されてしまうのだろうと言う予想がアクセルやテツヤ達の中で生まれたのだった。

 しかし………その中でイングラムは、なら自分の世界はどうしてグレートマジンガーとマジンガーZが共生しつつ他のロボット達まで存在し得るのか、その矛盾点を突く事にしたのだった。

 

「ならテツヤと俺の居た世界は何故グレートマジンガーをマジンガーZが見ても魔神パワーを開放しなかった?

 其処が矛盾しているぞ」

 

「恐らく魔神パワー発現前に同時に生まれた事、更に魔神パワー発現後は『終焉の魔神』の意思としては何時でも倒せる、取るに足らない存在と認識されたからでは無いでしょうか?」

 

「…成る程、そうしてマジンガーZEROの意思が油断している隙に独立したマジンガーZの意思が生まれ、コウジと共に魔神パワーを第1から第5までを完璧に制御下に置く事に成功し、3分以内ならば因果律兵器の使用も可能になった訳か…」

 

 それからテツヤがボロっとマジンガーZの意思がテツヤ達の世界でも生まれた事や、今までに無い魔神パワーの制御成功にミネルバは驚き、テツヤとイングラムに詰め寄り始めたのだった!

 

「く、詳しく教えて下さい!!

 恐らくマジンガーZの強固な意思が生まれたのにも何か外的要因がある筈なんです、何でも良いから『マジンガー単体しかない世界』との相違点を教えて下さい!!」

 

「相違点…例えば、マジンガーZ以外の人が乗るロボットが存在した事やマジンガーZの世界だけでは成り立ち得ない宇宙からの敵が攻め込んで来ていた事、そして…恐らくこれが最もだと思われるが、『マジンガーZがゲッターロボや仮面ライダーやウルトラマン達と共に戦っていた』事、これが魔神パワー発現時は真っさらな、マジンガーZEROにも成り得る意思だったマジンガーZの意思がより強固となり、正義の魔神、偉大な勇者と共に悪を討つ(くろがね)の城としての存在を確立させたのでは無いかと、俺は考えられる」

 

「ゲッターロボに、ウルトラマンと、仮面ライダー………そう、そうなんだわ!!

 恐らくゲッターロボと言うグレンダイザー並にマジンガーに最も強い繋がりを持つロボットと、人類の自由や尊厳、世界の平和を守る仮面ライダー、そして宇宙の平和を守りながら人類を見守るウルトラマン達、それ等の存在がマジンガーZを未だに『終焉の魔神』にさせず、且つマジンガーZのままで在り続けられる楔になったのだと思います!!

 そして1番の相棒たるグレートマジンガーも共に強くなり、共に歩んだ………これも大きな要因の筈です………!!」

 

「………成る程、我々の世界にはゲッターロボしか無かったが為にマジンガーZはマジンガーZEROへと変貌してしまった訳だな………HELLモードとか言う前座になりつつ、な。

 そして…俺達がテツヤ達の世界に行く、これがこの世界のマジンガーZEROを打倒する鍵になるんじゃないのか、これがな」

 

 イングラムはマジンガー単一の世界では成り立たない要素としてゲッターロボ、仮面ライダー、そしてウルトラマン達の存在があったから自身達の世界ではマジンガーZが独立した強い意思を持つに至ったと返答すると、ミネルバもその電子頭脳から計算を弾き飛ばした結果間違い無いとして歓喜していたのだった。

 まさか自身が知る以外の方法でもマジンガーZEROに『終焉の魔神』の意思に打ち克ち得る可能性が存在していたとは………そう考え打ち震えていたのだった。

 だがアクセルは現実的にこの世界ではその内ゲッターロボ程度しか存在しなかった為にこうなったと考え、更にプロジェクトEFに関わる重要事項………テツヤ達の世界に向かう、と言う目的を此処で吐き出すと、イングラムもテツヤは矢張りと考えながら頷き、しかしその目的がマジンガーZERO打倒の面が強い事を伺い知ると、まだ黙って話を聞こうとするのだった。

 

「んじゃミネルバさんよぉ〜?

 マジンガーZEROが負けた世界も1個はあるんじゃねぇのか?

 俺達の良く知るマジンガーZ、そしてグレートマジンガーの手で負けた世界がよ?」

 

「…はい、マジンガーZEROがシンギュラリティポイントを超え、マジンガー世界の神として完成し、マジンガーZ以外の可能性を否定した因果の果てで、その内部からダブルマジンガーが先ず飛び出し、其処から数多の…マジンガーZの魂を受け継ぐ『鋼の戦士達の可能性の光』が一斉に飛び出し、マジンガーと共に遍く必殺の技を浴びせた事で敗北………いえ、そんな可能性の光の親となれたマジンガーZは『勝ったのだ』と甲児さんが説得した結果、マジンガーZEROは納得し爆散し、数多のロボット達が居る世界が生まれました。

 勿論、その可能性の光の中にはグレンダイザーやゲッターロボも居ましたよ」

 

「…そう、マジンガー世界単一の神として完成しちゃったから他の可能性を閉ざした。

 でもその代わりにマジンガーZEROにはその可能性の光達を認識する事が神として完成した時点で不可能になって、魔神パワーもマジンガーZEROの力も通用せず敗北を喫した、そういう理屈ね」

 

 更にカイドウの鋭い質問にミネルバもその可能性も因果の果てであったと答えると、レモンも理屈や理論等を並べてそう言う事があって負けた要因になったと話すと、カイドウは何と無く理解し、マガミは成る程と十全に理解し、リサは…やっぱりマジンガーZとグレートマジンガーは共に悪を討つ正義の魔神であると思い、瞳を閉じていた。

 

「…なら俺達の世界のマジンガーZEROが暴れに暴れ回っている原因は…」

 

「はい、その因果の果てで起きた『敗北』を認められないからだと思われます」

 

「だろうな。

 あのマジンガーZEROには…悪意しか存在してなかったからな。

 だから俺やアル、デモンベインが奴をぶっ潰す様にと『アカシック・レコード』、世界の運命を司る深淵の叡智とも言うべきものから依頼をされた訳だからな」

 

「そしてクロウの悪運の為に妾達はいきなりマジンガーZEROとの戦闘に陥ってしまった訳だ。

 ただ其処にウルトラマンゼロとエボルト、更に日本からゲッター(セイント)ドラゴンが同時に来たのは不幸中の幸いと言う事か」

 

 そして、この世界のマジンガーZEROが世界を『終焉』に導かんとする根本の理由もミネルバ達と共に考察が完了し、クロウ達魔を断つ剣であり人類の側に立つ人外の神『旧神』やマスターテリオン達がアカシック・レコードより依頼を受けた原因も理解し、よりあのマジンガーZEROが危険な存在だと言う認識が強まったのであった。

 それから………ミネルバはテツヤを見据え、期待している答えが出る事を信じながら言葉を紡いだ。

 

「…では最後にテツヤさん………貴方の命を、存在を、あの魔神を討滅する為に全てを懸ける覚悟はありますか?」

 

「当然だ。

 それに今の話を聞いて益々マジンガーZの名を貶めるあの勘違い魔神に1発叩き込んでやらんと気が済まなくなった。

 そして、俺の甥であるコウジやシローを、コウジの家族全員や仲間達を死なせる訳には行かん。

 更に俺には妻と産まれて来る子供が居るんだ…だから2人の為にも生きてこの情報を持ち帰り、俺達の世界でマジンガーZERO対策を幾らでもやった上で倒してやる。

 精々期待しておけよミネルバ、あの魔神が吠え面をかく瞬間をな」

 

「…やっぱり、貴方は何処の世界でも私が知る『剣鉄也』ですね」

 

 そして、ミネルバが期待した答えが返って来るとテツヤ・ツルギもまた思った通りの人物であった事が伺い知れたので、これならばあのマジンガーZEROを倒せる可能性が…この世界は既に『終焉』目前なので無理だが、テツヤ達の世界ならば可能かも知れないと思わせるのであった。

 そして………それを聞いたアクセルもまた、この世界との『決別』の意思を固めつつ、ベーオウルフとマジンガーZERO、更にスペースビースト共を狩り尽くす用意がテツヤ達の世界に行けば行えると知り、右手を握る力がより強まったのだった…。




此処までの閲覧ありがとうございました!
はい、出たのは真マジンガーZERO版ミネルバXでした。
更にこの子は原作終了後の世界から来ているので、ちゃんとマジンガーZEROが遍く必殺を浴びた瞬間も目撃してます。
そして………この世界のアクセルは元々はアホセルだった事、レモンも少し心を閉ざし気味だった事をちょろっと書きました。
そんなアホセルがレモンの心を開いたのに………マジンガーZEROとベーオウルフの所為でアホセルはアクセル隊長にならざるを得なくなったと示唆しました。
この話は、いずれ詳しく書くつもりですので覚えていて下さいませ。

次回もよろしくお願い致します、感想等もお待ちしております!
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