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放課後、多くの生徒が帰る中、左近と霧斗は学校の終わりを告げるように差し込んできた茜色の夕日に照らされながら、教室で向かい合っていた。
机越しに。
「それじゃあ、遊ぶ前に、軽いルール説明をするね。先ずこのシートを見て欲しい」
霧斗は自分の机と、その机と向かい合う様におかれた左近の机にそれぞれ同一のシートを置く。
「そうだな…。トレーニングカードゲームを知っているんなら、墓地と山札の説明は省いてもいいんだけど、左近君はこういうカードゲームは初めてなんだよね?」
「うむ」
「ってなると、先ずはそこからかな。
先ず山札っていうのは左近君が対戦で使うカードその全てをひっくるめた物かな。
ゲームの開始前に使用するカード計六十枚をシャッフルしてからこの山札と書かれた場所に置く。
その後、上から10枚を見て下忍カードを選び、防御陣に置く。一枚しか入っていない場合や一枚も入っていない場合は相手に見せてからデッキに戻してシャッフルし、もう一度十枚引く。
これを防御陣が埋まるまで繰り返す。防御陣が埋まった後は残りのカードを戻してからシャッフルし、六枚引く。」
「ちょっと待て?防御陣とはなんじゃ?防御兵と書かれた枠と関係があるのか?」
「うん、そうだよ。防御兵と書かれた場所が防御陣、攻撃兵と書かれた場所が攻撃陣、そして予備兵と書かれた場所が…待機所かな?
まぁ、その話は後でするよ。先に墓地の説明をしてもいいかな?」
「うむ。了解じゃ」
「それじゃあ、墓地についてなんだけど、墓地は倒された忍を置くスペースであり、カードを捨てる場所でもある。」
「カードを捨てる?」
「そう、例えば蓮君のカードにBPカードを捨てた分だけ攻撃力が上がる技があっただろ?ああいった際にカードを捨てる場所が墓地だ。
他にも陣地を張り替えられたり、今は無いけど、装備を破壊された際などもそこにいくと思ってくれ。」
「…ふむ。分かった)」
(装備?陣地というカードもあるのか?)
「それじゃあ、次にさっき触れた攻撃陣や防御陣、待機所の説明をするね。」
「うむ」
「先ず設定としては攻撃陣というのは相手の陣地まで侵入して戦っている忍だ。そして防御陣は自分の陣地で戦っている忍。
だから、自分の攻撃陣の忍は相手の防御陣の忍びしか攻撃できない。それも向かい合っているカードのみ」
「向かい合っているカード?」
「そう、シートに攻撃兵1と書かれた枠があるだろ?そこと向かい合うのは相手の防御兵2の枠だ。つまり、攻撃兵1は防御兵2にしか攻撃を与えることが出来ない。逆もまた然り。」
「ふむ、なるほど。しかし、防御陣から相手の攻撃陣に攻撃を加えることは出来ないのか?」
「いや、出来るよ。防御陣も相手の攻撃陣には攻撃可能だ。」
「ほう」
「因みに技によっては相手の攻撃兵1が防御兵1に攻撃を加えることも出来る。他にも複数のカードにダメージを与えるものや、防御兵から防御兵への攻撃が可能なものもある。
その場合は要求されるBPが多かったり、ステータスの振り分けの指定があったり、使うとデメリットがあったりもする。」
「成程のう、強力だが使う時機を見極める必要がありそうじゃな」
「そうだね。因みにこのゲーム、勝利条件が二つあって、一つは相手の忍8人を打ち取ること、もう一つは本丸への攻撃を成功させることなんだけど、この本丸への攻撃の成功っていうのが、防御兵のいない状況で防御陣に攻撃することなんだ。
例えば俺の防御兵1が左近君の攻撃兵1の技で倒されたとする。この時に左近君の攻撃兵2はまだ攻撃できるから、それで左近君の勝ちになる」
「ちょっと待て!?それクソゲーというやつではないか?それとも、防御兵1の所に防御兵2に置いているカードをスライドできるのか?」
「ううん、兵士の位置変えは特別なカードを自分のターンに使うことでしか出来ない。けど、こういった状況で出てくるのが待機所だ。」
「待機所」
「そう、ここに忍を置いておくと、防御兵が倒された時に直ぐに忍を補充するが出来る。
因みに攻撃兵が倒された場合は自分のターンが回って来ないと補充は出来ないから注意が必要だ」
「成程、予備兵も育てておかねば、いざと言う時に大打撃を受けるのじゃな」
「その通り!
因みに敵の忍を倒した場合、
「ふむ」
「基本的にゲームの説明は以上かな?」
「ほう、ならば遂に、ゲームが出来るのじゃな」
「いや、ここからはカードの説明だね」
「まだ続くのか!?」
「うん、と言っても、カードの種類自体はそんなに多くないよ。忍カード、装備カード、BPカード、消耗品カード、戦術カード、陣地カードの6種類だよ。」
「それ、少ないのかのう?」
「ははっ、すぐ終わるから。
先ず忍カード、このカードにはそれぞれ下忍、中忍、上忍の三種類があるよ。
下忍は直ぐに場に出せるカード。中忍は同じタイプの下忍カードが場に出ていればその下忍カードを押しのける形で場に出せるカード。上忍は同じタイプの中忍カードが場に出ていればそのカードを押しのける形で場に出せるね。火の中忍を出したいなら火の下忍カードが必要ってことだね。
因みに押しのけられたカードは待機所が空いていれば待機所に置くことが出来るけど、空いてない場合は付いているバトルポイントごと山札に戻す必要があるよ」
「ふむ」
「次に装備カード、これはその名の通り、忍カードに付けることが出来るカードだ。付けられる枚数は一枚。効果は多種多様で攻撃力やHPをあげるものから特定条件下で好きなカードを手札に加えられたり、BPを追加で付けられるものまで本当に多種多様だね。」
「ほう」
「次はBPカード――」
「ちょっと待て」
「どうしたの?」
「BPカードについては昼休みに聞いたじゃろ?」
「いや、放課後に話したBPカードはあくまでも計60枚のカードの中に何枚でも入れられる基本カードのことだね。この他に4枚までしかいられない特殊BPカードがあるんだ」
「…そうか」
「うん、例えば、『BPカード・起死回生』は相手の討ち取った忍の数が自分よりも多い時に自分の上忍カードに付けることでBP三枚分として働くんだ。とはいえ、このカードを張ってもHPや攻撃力への補正は乗らないよ。あくまでも技や特殊能力を使うためのコストの役割しかない。」
「…成程」
「…まぁ、BPカードの説明はこのくらいでいいかな?」
若干疲れて来た左近の様子に気づき、霧斗はBPカードの説明を切り上げる。
「次は消耗品カードだね。これは戦術カードとよく似てるんだけど、消耗品カードは自分のターンに何枚でも使えて、戦術カードは一枚しか使えない代わりに強力なものが多いんだ。」
「ほう」
「陣地カードは自分と相手に影響を与えるカードだね。効果は消耗品カードや戦術カードにも似たものが多いけど、相手が他の陣地カードを使うか、陣地カードを撤去する技を使うまでは半永久的に場に残り続けるカードかな」
「ほう、成程」
「最後に切り札カードと、レジストについて説明しても良い?」
「勿論じゃ」
「装備カード、BPカード、消耗品カード、陣地カードの四種類あって、まぁ、簡潔に言うと、一枚しか入れられない凄い強いカードだよ。あっ言い忘れてたけど、同じカードは基本的に四枚までしか入れられよ。」
「なるほど」
「それじゃあ、最後レジストについてなんだけど、レジストっていうのはカードの種類じゃなくてルールの話なんだけど…例えばさっき話した戦術カードには『果たし状』というカードがあってこのカードの効果が『相手の攻撃陣に空きがある時、同じ列にいる防御兵を攻撃陣に移動させる』なんだけど、これを使われると防御陣に空きが出来てしまうんだ」
「何故じゃ?待機所から忍を出せばいいではないか?」
「防御兵が倒された訳じゃないからさ。現実で言う独断行動を取っている状態なんだ」
「なるほど」
「でも、これだとゲームとして成り立たない。それに現実の忍びだって果たし状を渡されたからって持ち場を離れないだろう?」
「うむ」
「そこで、レジストだ。『果たし状』を使われた際などにレジストを宣言すると相手はダイスを振る必要がある。そして、こちら側は、指定された忍カードについているBPカードを捨てることでダイスの出目の指定が出来る。指定した出目が出ればレジスト成功。攻撃陣に忍を出さなくても良い。因みにBPカードを捨てた分だけ出目を指定できる。二枚捨てれば2面、六枚捨てれば6面全てを指定できる。つまり、レジスト成功率は100%になる」
「成程のう」
「これでルールとカードについては全て説明出来た。それじゃあ、ゲームを始めようか」
「うむ」
戦術カードがサポート
消耗品カードがグッズ
装備カードが道具
陣地カードがスタジアム
切り札カードがエーススペック
ですね。
因みにシートを作ってから気づいたんですが、左右非対称に作ってしまったため、自分サイドの攻撃兵1と相手サイドの防御兵2が上手いこと向かい合わないですね。