拾い神   作:ゴミ箱


原作:崩壊:スターレイル
タグ:開拓者
予言のような、夢のような、運命のような、ただのゴミ

1 / 1
第1話

ゴミは不要なモノである

使い潰して、壊れて、興味を無くして、価値を失ったモノの辿る終焉

あらゆる産物はいずれ終わりを迎え、終わりを迎えるモノとして現れる

それが物であれ、生命であれ、データであれ、概念であれ

其の元に生み落とされ、その瞬間から定命の未来を予言されている

終焉は虚無すらも塵と化し、壊滅もまた破壊から逃れることは許されない

開拓も例外では無く、その銀軌の果てに其は佇んでいる

運命に見放された終着点、それがゴミという名の集合体である

 

貴女もまた、かつてそうであった

偶然によって星神に生み落とされ、捨てられた生命

他者の意に沿うように置き去りにされた者

間違いなく貴女はあの瞬間、無価値なゴミだった

 

だが、貴女は予言通り、偶然にも拾われた

捨てる神あれば拾う神あり

貴女の価値は今一度肯定された

貴女はゴミという終焉を脱却した

 

故にこそ、貴女はゴミに執着した

かつての同類、過去の自身

現在の他者、未来の自身

貴女はゴミを存え、調え、記憶した

いずれ滅ぶ運命にあるモノとして親しんだのだ

 

貴女はゴミを拾い続ける

ゴミと笑い、ゴミを呑み、ゴミを疑い、ゴミを討ち

ゴミを癒し、ゴミを美め、ゴミを思い、ゴミを忘れず

終わるモノに寄り添い続ける存在となる

 

貴女のレールは既に定められている

脚本通りに世界は周り、その果てで

貴女は貴女を待っている

 

捨てる神あれば拾う神あり

最果ての終わりでゴミを想う

それが貴女の運命、貴女の終焉

最新にして最期の星神、テルミヌスの正体である

 

 

 

「っていう夢を見たんだけど、これって終焉の予言ってやつだよね」

「えーっ!?アンタ星神になるの!?」

「…………いや、その可能性は低いだろう。其に謁見した存在は数えるほどだ。ましてやその力を振るえる者となれば、俺はエリオ以外に聞いた試しがない」

「運命の奴隷って呼ばれてる人だよね。もしかしたら未来を見られる能力が生えてくるかも!」

「でも、アンタ前自慢してたじゃん、『エリオの予言を覆した』って。カフカに会いに行った時にさ」

「彼らは因果を逆転させ、確定した終焉の未来から過去を見ることで実質的な未来視を行っているそうだ。それにより彼ら自身もその未来、『脚本』に縛られることになる。お前の未来が確定していたなら、予言されたことから外れた行為は出来ないはずだろう。お前自身が『脚本』を覆したという事実が、お前の終焉の未来を否定している」

「……???」

「……ん〜、まあとにかく、この子が見たのはただの夢ってこと?」

「おそらくそうだろう。それに……」

「それに?」

「……終焉の未来は開拓とは真逆の道だ。確定したレールを進み続けるだけの人生を、お前は受け入れられるのか?」

「……そうだね。もし終焉が作った法則が私たちを阻むなら……」

 

「全部、破ってみせるよ」

 

 

 

 

 

「それはそれとして、アンタ、また変なもの拾ったでしょ。ちゃんと廊下の掃除してよね!」

「当番の時頑張る」

「いい加減捨てることも覚えろ」


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。