鳩羽つぐ。
彼女は私の妹で、可愛い可愛い天使だ。
そんなつぐがある日、名刺を持って帰ってきてこう言った。

「おねえちゃん、わたし、アイドルになりたい」

「え?」

1 / 1
のんびりとどうぞ


プロローグ

ある寒い冬の日、兄妹が炬燵で暖を取っていました。

親は燃料を探しに出ていったきりで帰ってきません。

妹は兄の傍でぐっすりと眠っています。

冷たい風が兄妹を眠りへと誘い、やがて白く包まれたのでした…

 

 

 

―――――――

 

 

 

世界はまさに大氷河期時代!

燃料を求め人々は争う間もなく凍ってしまった!

という前世はおいておいて、今を生きている私には寒い思いをしなくて良いのは…

 

 

「快適だ!」

 

 

「どうしたのおねえちゃん」

 

 

「何でもないよ。つぐ」

 

 

可愛い可愛い前世からついてきたというか、一緒に転生?したこの子は妹の

 

“鳩羽つぐ”

 

儚げで、幸薄そうとか言われるこの子だが、前世お兄ちゃんである私が引き取って育てている。

つぐは今年で14歳!中学二年生だ。

え?それにしては少し言葉足らずだって?

まぁ、そりゃ幼少期に両親が死んで親戚を転々としてたらそんなもんだよ。

 

 

そんな私は大学生でつぐの両親の…妹の子供。

“雉尾”つぐ

こう見えて高校に入る時には自立して、手のかからない子供として1人西荻窪に移住。

母からの連絡で『親戚の中だと一番歳が近いし鳩羽ちゃんと仲良くしてあげてね☆』と

つぐちゃんを体よく押し付けられたのだが、何か親近感が沸き、色々会話してみると。

 

 

前世の事をペラペラと喋るので、お互いしか知らない情報を言い合って感動の再開をしたわけだ。

お兄ちゃんはお姉ちゃんになっちゃったけどね。

 

そんな訳で前世の大氷河期時代のお話を基準に喋るつぐは所謂、ちょっとおかしい子扱いされて親族間でたらい回しにされたわけだ。

冬になったら窓は絶対開けない!とかそんな行動したり、大氷河期時代の知恵、生ものは基本的に外に置いて置いた方が冷蔵庫より物持ちが良いとか…etc

そんな事やそんな言動をしてたら気味が悪いわな…

 

 

幸いなことに西荻窪は人があんまりいないので、高校2年の時に来たつぐちゃんを今の時代にアップデートするのにそんなに時間はかからなかった。

何せ前世からのお兄ちゃんっ子だ。

お兄ちゃんの言う事は絶対!と守ってくれる健気な子なのだ。

それで最期…いや、いいか……

 

 

そんな過去もアリ、つぐちゃんは絶賛お姉ちゃん大好き期を通り越し、お互いにイチャイチャ期に来てしまった。

私の方はもう卒業確定なので良いとして、つぐちゃんは転校に次ぐ転校で現在中学校を探してる途中。

 

 

この世界、前世より人口が少ない。

凍えてた時代でも人々は温もりの為に集まり、繁栄してたのだが…

この世界は1つの街に人が10人いればいい方。

最悪人がいない街なんかザラだ。気が付けば西荻窪も私達を含め住民は4人だ。

物資は潤沢で、配達はロボット、インフラも完璧!

なのに人がとにかくいない。

 

ディストピアか?

とも思うのだが、政府の発表によると

「我が国の人口がこれ以上減ったら無政府になるよ!はやく何とかしたいけどむり~!!!」

と絶望的である。

周りはバッタバッタと死んでいって、ここ2日前くらいから母とも連絡は取れない。

何の加護か呪いか、私達姉妹だけ生き残った。

 

 

お偉いさんたちはみーんな冷凍なんちゃらに託して解凍できるはずも、仮死状態に出来るはずもなくアホみたいに死んで。

賢い人達は新しい大地を目指してロケットに乗って宇宙で星になった。

残された人々は思い思いの人生を過ごして、みーんな山にある墓に入った。

母は電話ボックスを私に託して死んだ。

 

 

だが人類の希望はまだある!

そう私達つぐ姉妹が生き残っている限り、人類のかがり火は途絶えないのだ!

不思議と老化が止まったし、姉妹で何も食べなくても過ごせるし、人外化したのか知らないが凍える世界で、身を寄せ合って、凍ってる食べ物を頑張って解凍して食べる…

そんな生活を送らないだけで楽園なのだ。

 

 

つぐはにへらと笑って何でも美味しそうに食べるし。

ロボットは毎日食べきれないほどの量の食材を運んでくれる上にインフラ整備も完璧。

最近は2m…いや3mくらいあるワンピースを着たお隣さんが出来たし。

電話ボックスを使えば知らない世界に行けるらしい。

 

 

「え?チョットマッテつぐ、その名刺は?」

 

 

「向こうの世界で貰ったよ」

 

 

「お姉ちゃんに少し確認させてね」

 

 

「うん」

 

 

765プロダクション?

あれ、もう何枚かあるな…

346プロダクション?

961?

876?

283?

後これは…

初星学園、アイドル科?

 

 

おお、神よ…

これは一体全体どういうことなのですか!

 

 

「呼んだ?」

 

 

「貴女、姦姦蛇螺だからどっちかというと邪神じゃん」

 

 

「なーんだ神違いね!何かぶっ飛ばしたい奴いたら教えろよな!」

 

 

物騒だよ~!

 

 

「で、つぐはどうしたい?」

 

 

「お姉ちゃんと一緒ならどこでもいいよ」

 

 

困ったナァ……

お姉ちゃん、つぐを表に出したい気持ちと、私の宝物として閉じ込めておきたい気持ちでせめぎ合ってるぞ~!!!!

 

 

「あと、みしろ?の小梅ちゃんと名刺貰った時に、お友達になったから遊びに行ってくるね」

 

 

「気を付けるんだぞ~」

 

 

「「「ん???」」」

 

 

ちょっと待て!このままじゃ愛しの妹が向こうに入り浸っちゃう!

八尺さん達と一緒につぐの後を追いかけるのだった。

あ、電話ボックス使えるの1人づつだから、先ずは私だけ行くから!みんな行ったら向こうの人が発狂しちゃうからお留守番ね!

 

 

「「「「「そんな~」」」」」」

 

 

過保護すぎる神様たちから見送られ、向こうの世界についたと思ったら。

何だか向こうの世界は凄く発展してました。

そ、そんなことよりつぐを探しに行くぞ!




つづく?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。