前世の幼馴染があべこべ世界で幼女として存在してる 作:宇佐見あまの
忙しなく活動を続け、各国がミス・コンテストを開催すると聞きその準備への協力も終わり、一息つける時間ができた。
レガドニアに帰国し、建築中の新居の様子を見たり、両親に過ごしやすいように改築した家をプレゼント、そして牧場にも最新設備を搭載したりしてたらあっという間に時間が経った。
しかし当然なのだが、応募者が国民の殆どという異例のコンテストが終わっておらず、各国は悩みに悩んでるようなので、まだゆっくり出来る。
そんなある日、妻達から提案があり、1週間独占できる権利が欲しいと言われた。
「良いけど、我慢できるの?」
「お兄様! 私達を甘く見ないで! あの頃とは違うのよ?」
メアリーは自信満々に胸を張り、ターニャ達と肩を組んでずいずいっと顔を寄せてきた。
近い近い! 相変わらず顔も良すぎて見てるだけで幸せだ。
1週間独占できる権利は今回限りらしく、3人分…… つまりは3週間分をターニャ、メアリー、ヴィーシャでそれぞれ使いたいとのこと。
理由を聞くと、ヴィーシャがもじもじしながら話してくれた。
「だってこれから同じ妻が増えたら、もうこんな機会二度と来ないかもしれないじゃないですか」
「それに早めに時間を取らないと、時間に余裕がない日々が来た時がエイルニウムが足りなくなるからな」
ターニャはさっきから腕にくっついてスーハー深呼吸している。
ところでエイルニウムってなんだ?
「お兄様からしか出ない私たちが生きていくのに大事な栄養素なの!」
そっかぁ……
まぁ妻達の為になるなら、喜んで。
妻達は喜んで、先ずは最初の1週間を誰が手にするかで議論を開始した。
多分これは長くなるので、権利書とは名ばかりのチケットを用意しよう。
画用紙にチケットの様な模様を描いて、3枚分のサインと絵を描く。
絵はそれぞれターニャが好きなもの、ヴィーシャが好きなもの、メアリーが好きなものを描いている。
ターニャは甘いものが大好きで、僕が作るイチゴケーキとチョコチップクッキーが好きなので、その絵を描きつつ、ターニャの似顔絵も描く。
こうだったかな? あーだったような……
と考えつつたまに議論してるターニャの顔を見て、描き上げた。
うん、良い出来だ。
次にヴィーシャのチケットを描こう。
ヴィーシャはお酒とおつまみに目がない。 甘いものも好きなのだが、それよりもお酒が大好きなのだ。
なのでここはヴィーシャが愛飲しているルーシー連邦製のウォッカを描く。
おつまみは一度、チャーシューを作ったところすごく気に入ってくれて、ぱくぱく食べてたので、豚さんの絵とチャーシューを描く。
後はヴィーシャさんをチラッと見ながら似顔絵を描いて完成だ。
……なんか茶色多めかな?
よ、よし次はメアリーの分だ。
メアリーが好きなものは…… 何でも好きだよなぁ……
アイスクリームを幼い頃作ってあげた時、大切そうに食べてたので、バニラアイスクリームを描いておこう。
後は牧場で飼っていた羊とよく遊んでいたので羊の絵をちょこっと。
メアリーの似顔絵を描き終わった頃には議論が終わった様で、こちらに気がついてテーブルに座っていた。
「お兄様に描いて貰えるなんて……! これ使うの勿体無い!」
「いや、使ってね?」
「甘党なのがバレてるだと!? み、味覚まで女子らしくなったのか……?」
「うん、甘いものには目がないよね? というか何度も夜這いしてきて言うセリフなんだそれ?」
「これをつまみにお酒が進みそうです! あ、またチャーシューお願いしても良いですか?」
「もちろん!」
3人は大切にチケットを持ちながら、最初に提出してきたのはヴィーシャだった。