球磨川禊vs安心院なじみ   作:四十三

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あとがき

 あとがき?

 

 いや、まあ私がここまであの二人のことを語ってきたのだから最後も私が占めるのはある意味当然ではあるわけだよね。

 

 あとがきと言うよりは後日談と言った方が適切だろう、この場合。

 

「我が儘と言えば鶴喰君も少なからず僕の我が儘振り回されたわけだよね。今回の一番の被害者と言えば間違いなく君だろうし。どうだろう? ここは仲直りの印として君に渡したいものがあるんだけど受け取ってくれるかな?」

 

 球磨川さんがあの場を去った後、安心院さんは私にあるスキルをくれた。

 そのスキルの名は「四の五の言わず忘れとけ(フォーゲット・ファイブユーラブ)」。

 

 

「忘却するスキル『四の五の言わず忘れとけ(フォーゲット・ファイブユーラブ)』。結構いろいろと使い勝手がいいスキルなんだよ。嫌なことを忘れることは当然のこと、それ以外にもこのスキルは忘れると言う記憶の忘却作用事態も忘れることができるスキルなのさ。な? 便利だろ鶴喰君?」

 

 まあ詰まるところ、言いかえれば「物忘れをしなくなるスキル」だと言うことだろう。

 なんだろうか、異次元にまで飛ばされ死線を潜り抜けなければならない状況にまでなったお詫びがこんなスキルだとは……。

 

 少々腑に落ちないのは、致し方ないことではないだろうか。

 

 まあ、貰ったからには有効に使うべきだろう。

 

 今回の一連のお話なんてやはりどちらかと言えば後世に残すべきではないだろうし。

 特に、この世界に戻るためとはいえ吸血鬼の幼女に土下座した記憶なんて、私の精神衛生上さっさと忘却するべきだろう。

 

 いや。

 もう終わった。

 

 今回のお話から得られた唯一の特典、これで使い道がもう終わった。

 

 マジですか……。

 

 私の頑張りってこの程度だったの?

 くたびれも儲けも甚だしいとはこのことだろう。

 

 

 忘却のスキル「四の五の言わず忘れとけ(フォーゲット・ファイブユーラブ)」。

 

 

 安心院さんはどういう意図があってこんなスキルを渡してきたのだろうか……?

 まあ、考えるだけ無駄か。

 あの人が考えることを理解しようと思う方が土台無理な話だろう。

 私も今回のお話でよく分かったよ。

 

 

「弟くん!!」

 

 

「あれ? めだ姉。どうかしたの? そんなに慌てて」

 

 

「不知火!! 不知火半袖と言う人物のことを何か覚えていないか!?」

 

 

 そんなめだ姉の言葉を聞き安心院さんの言葉が脳裏によみがえった。

 

 

『記憶の忘却作用事態も忘れることができるスキル』

 

 

 ああ、なるほど。この為だったんですね。

 理解しました。

 

 なら、私が出す答えは一つだけですね。

 

 

 

「ああ。知ってる、知ってる。誰とは言わないけど知ってる」

 

 

 

 また何かひと騒動ありそうだね。

 今回こそは私にスポットライトが当たるのかな?

 

 

 




「不知火、知らず」編に続く。
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