「『ねえねえ、鴎ちゃん? なんで僕ら、今こうやって戦ってるんだっけ?』」
おっと、武術的戦術が期待できないと見て、今度は特異な話術で落とし込む腹積もりかな? 球磨川君。
「あれ? もう忘れたんですか? 安心院さんの暇つぶしに付き合うために決まってるじゃないですか。それがどうかしましたか?」
「『いや、それだけの理由じゃ僕、真剣になれないからさ。ここで一つ、本気で戦うだけの理由を作ろうかと思うんだけど。どう? この案?』」
会話による戦闘の中断。
目に見えた時間稼ぎだね。
時間稼ぎと言うかタイミングを計っていると言った方がこの場合は正しいのかな。
まあもう球磨川君には、言葉しかないからね。
そう、スタイルしか……ね。
「わーお。それって俗にいう『まだ本気出してないだけ』ってやつですか? カッコイー。私も言ってみたーい。私も言ってみていいですか? ああ、ダメですね恐らくその言葉は球磨川さんみたいな人が言わないと意味ないんでしょうからね。非常に残念です。ええ、本当ですよ」
しかし、バトルに入ってからの鶴喰君は流石だね。
己のスタイルを如何なく発揮している。
これはスタイル勝負でも鶴喰君の方が一日の長がある分やはり有利だ。
おっと、これはもう球磨川君詰んでるんじゃね?
「『そんなこと言わずに付き合ってよ、鴎ちゃん。そうだね……。めだかちゃんと上無津呂さんとの喧嘩にならってこんなのはどうかな? 鴎ちゃんってさ……』」
「……はい」
「『犬と猫どっち派?』」
ヒクッ……。
いやまさかこの僕の口元を引きつらせるとは、驚いた。
こんな場面でよくもまあ、そんな「戯言」を言えたもんだ。
これも流石と言うべきなのかな?
「なるほど、戯言ですか。私が犬派か猫派かですって? どっちかなんてそんなの決まってるじゃないですか。私は断然……」
「ウミネコ派ですよ」
「『そうか。僕は当然……』」
「『負け犬派だ』」
そう言ってどこか悲しそうに対峙し合う二人。
やれやれ、一体君たちはどれだけ自分のことが好きなんだよ。
両方とも犬でも猫でもないじゃないか。
「『やっぱり君とは相反する運命にあったようだね。これで君を心置きなく殲滅できる』」
「そうですか。それは良かった。もしこのまま私が圧勝してたら申し訳ないと言う罪悪感で明日学校休むところでしたよ」
「『言ってろよ、ダークヒーロー。僕は悪くない』」
「ええ、あなたは悪くないですよ。悪いのは勝ってしまうこの私の方ですから」
さてとこれが勝負を分けるラストターンかな?
最後の切り札「虚偽告訴(メタフィクション)」を発動させることができれば球磨川君の勝ち。
発動させることなく「鴎システム」で迎撃できれば鶴喰君の勝ち。
正真正銘最後の攻防。
なーんて、彼は思ってるんだろうな。
はいはい、君の負けだよ。
鶴喰君。
ああ、感想とかあると嬉しかったりします。