球磨川禊vs安心院なじみ   作:四十三

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散々財産散財さんざんさ。

 ああ……。

 

 なんで私は、こんなところで球磨川さんと戦っているんだろうね?

 

 いや、まあその理由はさっき私自身で言った安心院さんの暇つぶしなのは分っているのだけれど、それでも実際これにどんな意味があるのかまでは私にはさっぱりだ。

 

 安心院さんの事だから何も考えなしにやっているわけでは無いのだろうけれど。

 だがそもそも球磨川さんと私では勝負の結果なんて火を見るより明らかではないか。

 この人が勝負ごとに関して勝てるがわけない。

 

 実際もう球磨川さんの所有する攻撃手段は看破した。

 あと残っているのは、新スキルの「嘘戯告訴(メタフィクション)」のみ。

 それだって、一緒に修業をしてきたこの私がその弱点に気づかないわけがないのだ。

 

 あんな馬鹿げたスキル、発動する前に潰してしまえばそれで終わり。

 安心院さんがしたように先手必勝を決めてしまえば対処できる代物でしかない。

 

 そう考えると受け型の鴎システムではなく攻め型に切り替えなくてはならないが、まあ問題はない。

 

 せめてもの情けと言うことで楽にさせてあげるのが大人の態度と言うものだろう。

 しかし、そうだとするとさっきまでの私は少々大人げなかったのかもしれないが、手加減するのも大人の義務なのだからやっぱり私は正しいはずだね。

 

 おっと、こんな長々と考えを巡らせている場合じゃなかった。

 さっさとしないと後れを取ってしまう。

 華を持たせる気なんてさらさらないのだから、ここは非常にも決めるのが大人の態度というものだろう。

 

 

 

 ん? あれ?

 

 

 

 そう言えばいつの間にか語り部が私に戻ってないか?

 

 さっきから私の考えていることがつらつらと書かれているではないか。

 安心院さんシフトじゃなくなってる?

 

 

 なぜ? 

 

 

 

 ガクンッ……!!

 

 

「……!?」

 

 

 瞬間私の体中に激痛が走り、膝から崩れ落ちてしまいそうになる。

 そんな不可解な現象が訪れた刹那、あの不幸の象徴のような声が耳に届いた。

 

「『ねえバトルマンガで決着直後、突然視点が変わることにより共通して立つフラグって何かわかる?』」

 

 その声が私の脳に言語として認識されたその時には、夥しい数の螺子が私の眼前に飛来していた。

 

 

 避けなければ!!

 

 

 そんな私の行動伝達信号を拒否するかのように不可解な激痛が再度体をほとばしる。

 

 う、動けない……!!

 

 

「『答えはね……』」

 

 

 独楽図解(スピニングアングラー)で回転を……!!

 ダメだ!! 今から回転を無くしても既に勢いが付きすぎている!!

 これでは意味が無い!!

 

 避けられない!?

 

 一体なんなんだ!! この痛みは!?

 

 

 

「『敗北フラグだよ。鴎ちゃん』」

 

 

 

 肉を貫く鈍い音が耳に重く重くへばりついた。

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