出雲出身の墓守。ハンター生活雑記   作:空白零無

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星穹列車サイドの話。
ちょっと雑だけど許して




side is 星穹列車

 

 

 

 

「──と言うわけなんですが」

「それでオレたち星穹列車に協力を願いたい。と言うわけか」

「はい」

 

 列車に突然やって来た大きなバックパックを背負う少年。

 

 彼が言うには、命母の家という組織の一員らしい。

 

「命母の家って?」

「俺から説明しよう。命母の家というのは〝円環〟の星神(アイオーン)。リザレイアに習い。星の復興を支援する団体だ」

 

 円環の派閥か。と言うことは、あの人も命母の家の一員なのかな。

 

「知り合いに円環関係の人がいるけど、その人もアンタのところの人なの?」

「んーと。それはちょっとわからないです。名前はなんて言ってました?」

 

 名前。名前は……なんて言ってたっけ。そういえば、名前聞いてないじゃん。

 

「ごめん。名前まではわからないけど、ライザと仲が良いみたいだよ」

「ライザ? もしかして、錬金術師(アルケミスト)のライザですか?」

「そのライザであってると思う」

 

 初めて会った時に自分は錬金術師だって名乗ってたし。

 

「……すいません。疑うようで悪いんですけど、本当にMs.ライザと仲が良かったんですか?」

「うん。普通に話してたし、かなり親しげだったよ」

 

 模擬宇宙の試運転が終わった後、かなり仲が良さそうに話していたし、食堂の方で一緒にご飯食べてたし。仲はいいでしょ。

 

「団体員ではないんですが……一人だけ心当たりが」

 

 歯切れが悪いね。言うのも恐れ多いって感じだ。

 

「星。すまないが、今は人探しをする話し合いではないんだ。君も、少し話を戻しても構わないか?」

「はい。問題ありません」

「それで、どうするの? ウチは別にいいけど」

「俺もだ。少しの間共に行動するぐらい問題ないだろう」

「私もよ。人助けをしようとしている人を止めはしないわ」

「星はどうする。オレも協力するのは問題ないだろうと考えている」

「いいと思う。悪い人じゃなさそうだし」

 

 きっと、この人も悪い人じゃないと思うから。

 

「ありがとうございます。今の装備でヤリーロⅥに降り立つのは難しかったので、協力感謝します」

 

 ヴェルトの手を握って少し激しめに振る少年。話し方は大人びているけど、今は年相応に見える。

 

「そういえば、名前を聞いていなかったな。名前を聞いてもいいだろうか」

「そうでしたね。申し遅れました。ボクはシウ。命母の家に所属する支援員です」

 

 藍色の髪をした青年、シウは嬉しそうに笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────────────────────────────────―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 所変わってヤリーロⅥにある唯一と言ってもいい都市ベロブルグ。の、地下にあるボルダータウン。

 かつては行き来が可能だったが、今は分断されてしまい。行き来が難しくなってしまった場所。

 鉱夫や職を失った荒くれ者達が多く存在し、少ない物資を分け合いながら生活している。

 

「おや、シウさんじゃないですかぁ」

「げ、サンポじゃないですか。なんでボクのところに来るんですか。あっちへ行ってください」

「まあまあ、そんなこと言わずに。僕は気になることを聞きに来ただけですから」

「……なんですか。あ、警戒は解きませんからね」

「そんなぁ」

 

 ボルダータウンを探索して回るシウと、そんなシウに声をかける自称人助けが大好きで親切なサンポ。こと、胡散臭い商人(仮面の愚者)のサンポ。

 二人は顔見知りらしく、なんでも円環(リザレイア)愉悦(アッハ)は以前一悶着あり。それか円環側である命母の家は、愉悦派閥を警戒するようになった。

 具体的に言うと、命母の家に所属する支援員にアッハがちょっかいをかけたり。仮面の愚者が助けを求めに来たと思えば、酒をたかりに来ただけだったり。命母の家の代表の初恋の幼馴染が、仮面の愚者で定期的に悪戯しに来たり。何かと関わりを持つことの多い愉悦関連の人物にいい記憶がないため、全体的に警戒している。

 

「まあ、いいですよ。怪しまれるのは慣れてますし。あんまりサンポとお話したくなさそうですので、端的に聞きますと。──使令は一緒じゃないのですか?」

「何を当たり前のことを。あの人は多忙ですから」

 

 使令はこんな場所ではなく、もっと壊滅的な場所。或いは、生命体の居なくなった星に行っている。

 ヤリーロⅥのように、人も居て、星の滅びへ抗う術を持つ星にはやって来ない。

 

「それに……。星核の影響でこうなっている星にあの人が来るということは、この星の輪回。次転を意味します。ここの人々にとっては到底受け入れ難いもの。ボクら命母の家としても、それを起こすとなると寂しいですから、そうならないために星へ支援するんですよ」

 

 星の輪回、次転。それ即ち、星の滅びと再生。

 星が輪回するとき。星に生きる生命体は全て死滅し、全てをリセットして再生させる。文明は滅却され、新たに生まれ変わる。

 

「ですので、あの人はまだここには来ません。あの人が使令として来る時があるとするなら、この星が死ぬ時ですね」

「そうならないことを願っていますよ」

「……とは言っても、大守護者はおそらく傀儡でしょうから。破滅も時間の問題でしょう。今のボクにはどうすることもできません」

「おや、支援はなさらないのですか?」

「支援しようにも、バックパックは盗られてしまいましたし。星核の影響か、団体の方に救難信号を送ることもできません。我々団体は慈善活動が主ではありますが、その活動を拒絶する人たちを救う手段は持ち合わせていないんです」

 

 支援のための品は全てバックパックの中。そして、団体に連絡を取ろうにも星核の影響で連絡もつかない。

 つまりお手上げ状態というわけだ。打つてなし。

 

「二人で何を話しているの?」

「あ。開拓者さん。おはようございます」

「おはようございます。僕たちはちょっとした商談をしていただけですよ」

「そうなの?」

「……まあ、はい。そうですね。一応、こんな人ですが商人ではありますから」

 

 信用はないし、信頼もない。しかし、腕はある。頼んだものはなんだかんだ取り寄せてくれる。なんとも扱いにくい人物だ。

 

「この星の住民たちの考えがどうあれ、命母の家の方針は変わりません。オーカスさんはどれだけ頑なに援助を断る人々でも手を差し伸べようとするでしょうし、星の輪回を防ぐためには支援の手を。握れる位置に来た手を離すわけには行きませんからね」

「それで、シウさんのバックパックをシルバーメインの本拠地から取り返すにはどうしようかと。僕たちは頭を悩ませていたところなんです」

「ふーん。サンポは取りに行けないの?」

「流石に本拠地に忍び込んで、あのバックパックを持って帰ってくるのは無理ですよぉ」

 

 星の案にそれは出来ないと言い切るサンポ。それには理由があるようで。

 

「あのバックは、特別な品でして。盗難防止機能がついているんです」

「たとえばどんな機能が?」

「まず、命母の家の関係者以外がもつと、それはもう物凄い音が鳴ります。そして、一定時間以内に止まらなければ命母の家に襲撃を受けていると言った緊急信号が行き、鎮圧部隊が派遣されます」

「ボロボロそうな見た目なのに、高性能なんだ。あれ」

 

 まあ、緊急信号は命母の家、本拠地まで届かないので鎮圧部隊が派遣されてくることはないだろう。しかし、サンポがバックパックを持とうものなら、大音量で盗難防止ブザーが鳴り響き、人の目を集めてしまうことだろう。

 

「見た目のデザインは、Ms.ライザの趣味ですが。あのバックは命母の家の必需品ですからね。簡易シェルターだったり、救援物資を取り寄せたりするのに使いますし。あのバックパックの中に申請した物資が届きますから」

 

 〝天才〟ヘルタと〝錬金術師〟ライザの二人が作り上げた簡易シェルターは、簡易とは名ばかりの性能を誇る。

 とうの天才二人は、「奇跡も起これば必然。魔法も再現ができれば科学」と言っていた。

 

 命母の家の支援は、大体過酷な環境だったり。今回のように、外部からの手助けを借りたくないと拒絶する人々との長い交渉の末に行き着くものが多い。

 そのため野宿でも生き残れるようにサバイバルや、簡易シェルターを使った逃走ができるように訓練している。

 しかし、バックパック有きな面が大きいため、無ければ途轍もなく不便なのだ。

 

「そんな物。何で置いてきちゃうのさ」

「緊急事態でしたし……ボクがまだまだ未熟だった。ということです。っと、そんなことより開拓者さん。スヴァローグの件は大丈夫そうですか?」

「この調子なら何とかなりそうだよ。本当はシウも一緒の方がいいんだけど」

「ボクは戦いは苦手ですし、怪我人の手当てや医療に心得がありますから。傷ついた方々の治療をしないといけませんからね。ナターシャさん一人では大変ですから」

 

 シウは戦闘にあまり参加しない。と言うか、参加したくても戦闘支援で必要な全てはバックパックの中だ。そうなると、行くだけ無駄。足を引っ張ることになる。

 行っても足を引っ張るだけで済むならいい。シウが原因で全滅の可能性だってある。ならば、行かずにボルダータウンで傷ついた者達の治療や、スヴァローグの庇護下にいる流れ者達の治療をすることで、命母の家の支援員として、星穹列車の〝開拓〟の手伝いをした方がいい。

 

「シウ。少し話をしない?」

「はい、ボクでよければ付き合いますよ。サンポは──……居ませんね。全く。目を離せばすぐに居なくなるんですから」

 

 シウと星は、全員が起きる時間まで話をした。

 シウがこれまで支援を行ってきた星の話。命母の家、本拠地での話。

 

「そういえば、シウは使令が苦手なの?」

 

 そして、円環の使令の話。

 星がその話を振ると、シウは困ったように頭を悩ませる。

 

「……どうでしょうか。苦手というよりは、畏怖や畏敬だと思います。畏れ多くて、あまり語りたくありません」

「どうして?」

 

 当然の疑問だ。命母の家。円環直属の派閥と言ってもいい命母の家は、全ての生命は同じ母を持つ家族として扱っている。

 そんな彼らが、なぜ使令を恐れるのか。部外者であり、あまり円環に関する知識のない星には疑問だった。

 

「簡単なことです。──円環は元々使令を持たない星神でした。しかし、彼。あの人は、母に選ばれた。母に抱かれて祝福されたんです」

 

 リザレイアは元々特別な存在。自身の使令を持たない星神。

 しかし、使令である泉下だけは違った。リザレイアに目を向けられ、その胸に抱かれ、祝福されたのだ。

 

 理解ができない。わからない。それ故に、円環の使令は恐れられる。

 

「わからない。そして、母に抱かれてズルい。しかし、母に褒められる程の仕事をこなしている。それ故に、ボクたちはあの方を畏れ敬うんです。その名すら安易に語りたくないほどに」







ちょこっと紹介

支援員No.332
名前 シウ
所属 命母の家
運命 調和
属性 物理

星4のサポータ。
バフとデバフをばら撒き、秘技で回復や味方へのバフを行う。
致命的なほど攻撃力が低く、耐久力もたいして高くない。しかし、ヘイト値低下をパッシブで持っているため、特に問題はない。

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