黒龍の転生者、白兎になる   作:馬です

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予想外

下層にて黒龍双刃【二天】に宿る黒龍の怒りに怖気づいてモンスターが生まれないため、俺達は仕方なく深層へと足を運んだ。

 

「ここが深層…」

 

初めて足を踏み入れる深層域にアイズは目移りさせるのだった。

 

「アイズ、深層(ここ)では集中を切らすなよ。じゃねぇと、あっという間に死ぬぞ」

 

「解った」

 

俺の言葉にアイズは頷き、深層域を進んでいくのだが深層に入ると、今までの素通りが嘘だったかのようにモンスターが襲い掛かってくる。

 

「なんだこのモンスターの大群は⁉」

 

「こんなの初めて!!」

 

「だろうな、明らかに異常事態だ!!」

 

俺とアイズは武器を振るって襲い掛かってくるモンスターを切り捨てていく。

 

しかし、モンスターの数が多すぎて息をつく暇もない。

 

「アイズ、地上に戻るぞ。このままモンスターの相手をするのは面倒だ」

 

「わかった」

 

そうして、不本意ではあるが今回のダンジョン探索は終了となったのだった。

 

「疲れた」

 

「あぁ、じゃが丸くんでも買うか」

 

「うん!!」

 

そうして、俺達はじゃが丸くんを買って帰宅するのだった。

 

 

帰宅すると、俺はすぐにヘファイストスに報告する。

 

「上層・中層・下層では全くモンスターを寄せ付けなかったですって⁉」

 

「あぁ、この武器に宿る黒龍の怒りに委縮して影すらなかったぞ」

 

「それだと深層はどうだったの?」

 

「その逆で玉砕覚悟でモンスターの大群が押し寄せてきやがった」

 

「よく生きて帰ってきたわね」

 

「あんなモンスターにやられるほど軟じゃねぇ」

 

「そうね、異界の黒龍だものね。それでその武器どうするの?」

 

「とりあえずはダンジョンには持っていけねぇな」

 

「まぁ、そうなるわよね」

 

黒龍の武器、まさかの使用禁止となってしまった。

 

「頑張って作ったのにダンジョンでは使用不可になるとはな…」

 

まぁ、深層であんな状態になるなら仕方がないな…。

 

「ハァアアアアアアア……」

 

予想外の出来事に俺のダンジョン攻略の熱がダダ下がりになってしまっていた。

 

「まさか、黒龍の武器があんな副次効果を発揮するとはなぁ…」

 

モンスターの狂騒を引き起こすとあっては他の冒険者に被害が出るかもしれないため、使用不可にするしかなかった。

 

「聞く限り副次効果と言うよりも一種の呪詛(カース)にしか思えんな」

 

俺の言葉に対してザルドがそう言ってくる。

 

「まぁ、実際俺の素材で作られたもの全てが曰く付きだし。装備者も謎の失踪や幻影に怯えて狂死したり悪夢を見続けている訳だしなぁ⋯」

 

「本物(マジ)の呪物じゃねぇか⋯」

 

俺の言葉を聞いてザルドは頭を抱える。

 

「ベル君、武器のことについては一旦置いておいてくれるかい?」

 

そんな会話をしているとヘスティアがそう言ってくる。

 

「なにか進展でも合ったのか?」

 

「いいや、以前と変わらずも無駄な問答をしていたぞ」

 

アルフィアはヘスティアの護衛として会議に参加していたが、状況は変わっていないらしい。

 

「状況は一向に好転せずか⋯。お前ら明日俺に着いてきてくれ」

 

「何をする気だ?」

 

「火遊び」

 

そう言って俺は口角を釣り上げるのだった。

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