闇深い世界で…悪化させた日々   作:不良品の主人公

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扱うキャラ多過ぎ。

難しい。






無人島試験開始

 

学園が用意した無人島、砂浜に下船したDクラスの集団の中心。

 

 

「ちょっと男子、仮設トイレぐらい良いでしょ!!」

 

「ポイントは出来るだけ節約するべきだ。1週間ぐらい簡易トイレで我慢出来るだろ」

 

「じゃあ男子がそれ使えば良いじゃん。女子は仮設トイレ使うからね!!」

 

「駄目だ、絶対購入するな。感情で動く女子の言う事を常に聞いてたらきりが無い」

 

「っ…幸村っ、あんたね…」

 

 

Dクラスでは言い争いが起きていた。

原因は簡易トイレ、及び仮設トイレだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船内に上陸のアナウンスが流れてクラス毎に生徒が整列させられた。生徒は携帯を没収され困惑している。

 

俺は事前にポイントで龍園を通して坂上先生を買収し、俺と長谷部の携帯を彼に預けて置いた。厳重にロックしたとは言え茶柱先生に預けるのはあまりにも危険すぎる。

 

 

「南東の方向に〜〜がある。それから…」

 

 

船から降りる龍園と別れる際に幾つか助言しておいた。

 

 

「ではこれよりー本年度最初の特別試験を行う」

 

 

真嶋先生の言葉に全生徒がざわめく。バカンスだと思っていたのが抜き打ち試験だったのだから誰もが状況を理解出来ないのは当然だった。全クラスから疑問と不満の声が上がる。

 

 

「試験中の乗船は正当な理由無く認められない。この島での生活は眠る場所から食事の用意まで、その全てを君達自身で考える必要がある」

 

 

それからスタート時点での支給品の説明があった。

 

・マニュアル一冊

・クラス毎にテント2つ

・懐中電灯2つ

・マッチ一箱。

・歯ブラシ各自1つずつ

・日焼け止め、女子の生理用品は無制限

 

 

「この無人島における特別試験では大前提として、まず各クラスに試験専用ポイントを300クラスポイント支給する事が決まっている」

 

 

全クラスに300ポイントが支給された。このポイントでマニュアルに載っているものを購入する事が可能になっている。

 

 

「この特別試験終了時には、各クラスに残ってるポイント。その全てをクラスポイントに加算した上で、夏休み明けに反映する」

 

 

生徒がざわめいた。

AクラスからDクラスのハンディキャップである学力では無く「我慢」を競い合う戦い。Dクラスにも勝機はある。あくまでルール上はだが。

 

更に各クラスの生徒の欠席、あるいはリタイアによって試験専用ポイントが減点される。

 

 

「今回欠席したのはAクラスの生徒だ。よってAクラスは270ポイントからのスタートとなる」

 

 

説明を受けてAクラスからは不満が出る。早くもBクラス以下3クラスが有利になった。

 

真嶋先生の説明が終わり、Dクラスは茶柱先生の元に集まる。茶柱先生から腕時計、簡易トイレとスポットの説明がされた。

 

スポットは島に幾つも点在している。1つ占有すると試験終了後のポイントが1ポイント加算。また占有するとそのスポットを8時間有効利用する事が可能だ。8時間経つとスポットの占有権は消滅する。スポットを占有するには各クラスに1人リーダーを設定し、そのリーダーがキーカードをスポットにタッチしなければならない。リーダー以外の人間がキーカードを使う事は違反となる。

 

 

簡易トイレの説明があった。その精度の低さに女子達から反対の声が上がり、櫛田がマニュアルを開いた時に仮設トイレが見つかった。

 

女子達はそれを購入しようとしたが、幸村が待ったをかけた。彼曰く少しでもポイントを残してAクラスへの道を縮めたいとの事だ。

 

そこから言い争いが始まった。仮設トイレの購入賛成派の代表として篠原、購入反対派の代表として幸村がそれぞれ向かい合っていた。いつもなら止める平田は動かない。

 

そうこうしてると、須藤が我慢出来ずに簡易トイレを使った。

 

それを見て篠原達が益々大騒ぎする。

 

女子にとっては男子と共用のトイレを使うだけでも辛い上、不慣れな簡易トイレを使うのは厳しいだろう。

 

 

他クラスの方を見ると既に移動開始している。

Cクラスも同様だった。龍園が先頭。向かう方向を見る。

よし、別れ際の伝言の意味は伝わったみたいだ。

 

 

「水野月君」

 

 

袖を引っ張られてそちらを見ると松下が俺を見上げていた。

 

 

「あれ、止めないの?」

 

「俺が?」

 

「うん、止められるの水野月君しかいないと思う」

 

 

そう言って幸村と篠原を見る。

俺の内情を知らない松下は駄目になった平田の代わりに俺にリーダーをやって欲しいようだった。

 

教員テントを見ると茶柱先生も俺の方を見ていた。お前が何とかしろと目が言ってる。

 

やれやれ。だが俺とてこのまま暑い砂浜にいるつもりは無かった。それにどう転んでも茶柱先生に媚びるふりをするのもこの試験までだ。表向きにはそれらしくするか。Dクラスを勝たせる気は微塵も無いが。

 

全クラスが行ってから少し時間が経った。そろそろ良いだろう。

 

俺は片手を上げた。

 

 

「一旦日陰に移動しよう。話はそれからだ」

 

 

全員一旦、砂浜は暑いので日陰に移動する。

 

俺は取り敢えず2つのテントを運んだ。

簡易トイレ?やだに決まってる。他の奴らがやれ。

因みに須藤が運んだ。周りにやれと言われてた。自分でしたばかりだからな。

 

取り敢えず森を進んで行く。

俺は取り敢えず今晩のベースキャンプ用のスポットだけ確保する事にした。

 

心辺りがある場所へと向かって行く。なるべく分からない程度にゆっくり歩いたが、テントを2つ持ってるので何も言われない。

 

 

そしてついに辿り着いた。

 

水源となる大きな川だった。幅10mもある原作で池達が見つけた川だった。

 

川を見た一同はその美しさに思わず感動した様子だ。

 

 

だが、それも僅かな間だけ、再び幸村が仮説トイレの話を始め、篠原達が反発する。

 

幸村の意見には櫛田ですら顔が強張っている。彼はクラスポイントばかりに目が行っており、他の事に意識を向けられない。

 

 

「ていうか、わざわざこの試験でそんなにポイント残さなくても、そろそろ水野月君がクラスポイント増やしてくれるんじゃないの!?」

 

 

篠原のその言葉にやっと幸村が止まる。俺の方を真剣な目で見た。おい、まさかとは思うがお前も俺を頼る気じゃ無いだろうな。クラスの視線が俺に集中する。

 

 

「水野月、お前、次の対価はいつ来るんだ?」

 

「それは…」

 

「確か9月か10月に来るって言ったわね」

 

 

俺が答える前に堀北が答えてしまった。こいつめ、言わなきゃ良かった。

 

 

「9月か10月か、それまで待てば150以上のクラスポイントが入って来るんだな?」

 

「…あくまで通ればの話だ。外との競争だからな、他が先に作品を考案したら0ポイントだ。その後同じ類の仕事で2度とポイントは入らないだろう」

 

「自信は無いのか?」

 

「期待はさせられない」

 

 

Dクラスを辞めるとは言わない。幸村は考え込んだ。

 

 

「希望的観測に乗るのは気が引けるな、だったら尚の事ポイントは節約すべきだ。でないといつまでもDクラスのままだ」

 

「ちょっと嘘でしょ。本気であれ使うの?」

 

「出来る限り我慢すべきだ。それまでは妥協出来ない」

 

 

幸村は一切妥協しなかった。簡易トイレなんて使った事あるのだろうか。

 

俺は取り敢えずテントを組み立てて置いた。長谷部が手伝ってくれたが他は突っ立っていた。完全に原作の平田ポジになってるな。この世界の平田は死人のように突っ立ってるだけだが。

 

ついでに簡易トイレ用のビニールシートを用意した。原作でBクラスがやっていたテントの下のクッションだった。

 

皆には夜、成るべく深く眠って貰うために…

 

誰も俺の内心に気付かないように動いた。

 

 

「水野月君、何とかならないかな」

 

 

作業が終わった俺に櫛田が話し掛けて来た。演技では無く、結構本音で困ってる感じだ。

 

時間が経ち、少しずつトイレに行きたい女子達が出て来た様子。幸村が簡易トイレを指差すが、無理そうだ。船まではそこそこ距離がある。放置するとリタイアするのは構わないが、我慢して漏らす人が出てきそうだ。篠原達は兎も角、真面目な子が傷つくのは見逃せないな。裏切らないかは別だが。

 

流石にヤバそうなので俺は取り敢えず割って入った。

 

 

「無理だ。1週間も使った事の無い簡易トイレ1つでこの人数は回せない。購入は仕方無いだろう」

 

 

その声を合図に女子が待ち切れないとばかりに仮設トイレを購入した。

 

幸村は俺を睨んだが知らん。

 

準備が出来ると次はスポットの占有の話になった。簡単に言えば誰がリーダーをやるかと言う話だ。

 

 

「皆、私から提案があるんだけど、リーダーをやる人は責任感がある人が良いと思うの。それでこのクラスで一番適任なのは堀北さんだと思う」

 

 

原作通り櫛田が恐らく悪意で提案し、堀北がそれに承諾した。隠しているが体調は良くなさそうだ。それでも承諾したのはクラス内に他に適任がいないと思ったのだろう。実際はモブにやらせた方がバレないが、熱があるせいで思考能力が下がってる様子。

 

押し付け合いが始まるまでも無く、リーダーが決まった。

 

スポットを早速占有する。腕時計を見る。15時34分ね。覚えた。

 

次にテントを追加で購入するかどうかの話になった。

 

因みに元々あった2つのテントはどちらも女子達が占領した。1つは篠原達のグループが、もう一つは成り行きで櫛田や堀北等の余った女子達が使う事になった。松下は前者、長谷部は後者のテントに入る予定だ。

 

女子のテントはそれで解決。

 

つまりは男子のテントを購入するかどうかの話だった。足元には虫が多い。蚊も結構いる。外で野宿はかなり厳しいだろう。男子全員がテントに入るのに最低必要な数は2つだった。

 

男子で話し合いをし、早速幸村が購入しようとすると今度は篠原達がマウントを取ってきた。

 

 

「ふ〜ん、私達にあれだけ節約の話をしていたのに、結局買うんだ」

 

 

幸村はそれに対して歯を食いしばりながらもテントを購入し、篠原を睨んだ。篠原はしてやったりと言う顔で見ていた。

 

 

「…ちょっと食料集めに行ってくる」

 

「えっ、嘘っ、水野月君!?」

 

「おい水野月っ!?」

 

 

俺は松下と三宅に声をかけてクラスから離れた。クラスの雰囲気が悪いが知ったこっちゃない。因みに高円寺はもういない。彼はとっくに離脱していた。川のスポットから離れる。その際にDクラスに居場所が少ない長谷部の手を引くのを忘れない。

 

少し移動する。

 

 

「波瑠加」

 

「なに?」

 

「上流に行く。疲れると思うから、俺の背中に乗ってくれ」

 

「えっ、良いの?重くない?」

 

「全然」

 

 

スポットから離れ、皆の目が届かなくなると俺は長谷部を背負った。女子にしては大きめの彼女を背負う。柔らかい感触が背中を支配する。何だか体力が回復した気分だ。完全に役得だった。

 

そのまま森を駆け抜ける。背中から耳元で彼女が囁く。

 

 

「ねえ、何しに行くの?」

 

「龍園から〜〜を受け取りに」

 

「あ〜、成る程ね〜。大丈夫?そんなに請け負って」

 

「平気、明日の明け方中に完遂する」

 

 

川沿いに進んで行く。途中、崖が立ちはだかったので迂回する。目指すは上流だ。川幅はどんどん狭くなり流れは急になって来た。森の中に果物が合ったので鞄一杯に取っておく。

 

 

 

 

30分後、目的地に到着した。そこには少し上から水が湧き出てるらしい一本の滝があった。

川を見ると水はより透き通っており、濾過するまでも無く煮沸すれば飲めそうなくらいだった。

 

 

「あっ、水野月君と長谷部さん」

 

 

椎名が俺達に気付いて出迎えた。

 

そこにはCクラスの面々が集まっていた。辺りを見ると大岩が幾つもあり、その1つにスポット装置が組み込まれていた。テントは既に4つ程張ってあり、準備は出来てるようだ。

 

 

「よう、水野月。その女と何の用だ。遊びに来たのか」

 

「んなわけ無いだろ。それより分かったんだな、この場所が」

 

「ふん、てめえの観察力がどうなってるのか分からねえがありがてえぜ」

 

 

川の上流で待っていた龍園が俺を迎え入れた。俺達は先程取った果物を龍園達にプレゼントした。2つの鞄一杯なので精々一食分といった所か。龍園は早速1つにがぶりついた。

 

 

「それで、この試験をわざわざ正攻法で突破しろっていうくらいだ。何か作戦があるんだろうな」

 

「ああ、出始めに俺のクラスの奴らにはこの川の下流のスポットを占有させた」

 

「ほう?」

 

「それで作戦何だが…」

 

「くくくっ…成る程なあ?Dクラスの奴らが喚く姿が想像出来るぜ」

 

 

俺の作戦を聞いて龍園は笑った。

 

 

「後は1週間どう乗り切るかだな。取り敢えず…」

 

「くくくっ…おいお前らっ、購入する物が出来たから来いっ」

 

 

原作でBクラスがやっていた方法を龍園にも伝授する。テントの下のクッションや、川の水を利用したウォーターシャワーの使用だ。飲水は元々、川の水を煮沸させて飲むつもりだったらしい。

 

 

「それと、もう一つ何だが…」

 

「くくくっ…成る程なあ?長期戦を考えるなら悪くねえ作戦だ」

 

 

龍園は不思議そうな顔をしていたがテントの方に戻ると例の物を渡して来た。

俺は龍園からとある物を受け取った。そして幾つか彼に助言した。

 

 

「お前の案に乗ってやる」

 

 

彼から目的の物を受け取り、離脱。そのままDクラスのスポットに戻る。戻る際に見つけた食料をこっそりと2人で食べて、残りを2つのバックに詰めて持ち帰った。あくまで表面上は食料を集めていた体だ。

 

 

川の中流のDクラスのスポットに戻ってきた。辺りは暗く成りかけていた。

 

 

「水野月、待ってた」

 

 

三宅が俺を出迎えた。その後ろでは男子達が不機嫌そうに男子用のテントの周りで座り込んでいた。

 

ん?どうしたんだ?

 

女子はと思って辺りを見渡すとテントの方に固まっていた。

 

何が起きたんだ?三宅に説明を求めると彼は話し始めた。

 

 

「簡易トイレが使いにくくてな、男子も仮設トイレを使おうとしたんだ。そしたら女子が怒り出してな。不潔だから来るなって言われたんだ。それで喧嘩になって今に至ると言う訳だ」

 

「男子の分の仮設トイレは購入しなかったのか?」

 

「女子が使わせてくれないから購入しようとしたら篠原があれだけ反対した癖にって言って来てな。幸村と須藤がそれに応戦して、結局沖谷が我慢出来ずに購入したわけなんだが」

 

 

それで女子達にマウント取られて男子がキレたと言う訳か。

 

う〜ん。篠原…。なんと言うか。Dクラスを裏切ってる俺じゃ無かったら俺もキレてたかもしれない。男女協力する姿が想像出来ないな。まあ俺には関係無いが。

 

更に三宅が言うには川の水を飲むかどうかでも揉めたらしい。女子達が喉が渇いたからと飲料水を購入し、それに対して川の水くらい飲めると思っている男子達がキレたようだ。

俺とてそのまま飲むのは抵抗があるけどな。

 

俺は取り敢えず薪を集めた。男子のエリアの真ん中に集めてマッチを用意する。マッチを擦り、火を付けた。

 

 

「わあっ」

 

「お、おおっ」

 

 

長谷部が感嘆の声を上げ、周りにいた男子も皆寄ってくる。

 

火を取り囲んでいると心が安らいできた。

 

俺はそれを見届けて女子のエリアにも行き、薪を集め、火を付けた。女子達も火に集まる。

 

それから男子には俺が、女子には長谷部が食料を配る。

少しずつしか無いが、何も無いよりマシだった。

こいつら食料すら集めて無かった。馬鹿じゃねえの。

俺と長谷部は少しだけ救世主扱いされた。

 

 

あれ、俺達何やってるんだっけ?Dクラスが駄目すぎて色々訳わからなくなって来た。長谷部の方を見ると目が合った。彼女も呆れたような笑いを浮かべていた。

 

そんな中、俺は未だにぼんやりとしている平田の方を見た。

 

彼は火を見ながらも虚ろな目をしていた。

 

回復して無いな。まあ明日にはリタイアしても文句が出ないようにするからそれまでの辛抱だ。

 

 

食料を補給した後、皆は虫に刺されるのを嫌がってテントに入っていった。急に慣れない環境に投げ出されたせいで疲れて眠る物も出て来た。俺はそれを見届けて全員が入ったのを確認するとスポットを離れた。

 

 

 

 

その夜…23時30分頃。

 

 

Dクラスのスポットに影が忍び寄った。

 

 

 

 

 







何だか早送りみたいですね。
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