歴史のひろい話   作:高島智明

25 / 25
文中「漢」と「男」が混在していますが、誤字では無く、あくまでも意図的に変換したものです。


小話あれこれ(その2)

『デルタの城下』

 

某ギャグ漫画家のライフワークと言うべき長期連載に、江戸時代から幕末の歴史をパロディ化した作品がある。

 

その最初の方に、関ヶ原の後に敗者と成った者たちの運命を描いた処が在った。

例えば、毛利氏だが……

 

豊臣政権の大老だった毛利氏は、大きく領地を減じられ、広島から萩へと城下を移した。

さて、萩の現地に到着した後だが、現地が、洲、つまりは1本の川の中に作られた島だと知って嘆いた、と描かれていた。

まるで島流しだと嘆き、徳川への復讐を誓った、と描かれていたが、広島の在住者ならば、ちょっと待った、と言いたい処である。

 

広島も又「デルタの都」そう、川の中の島に造られた城と城下だったのだ。

むしろ、広島と同じ「デルタの城下」を、せめて選んだ、ということでは無かったか。

 

ギャグ漫画としての誇張だと言われれば其れまでだが、しかし広島の在住者ならば、ちょっと待った、と言いたい処である。 

 

*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*

 

『女好きだからこそ』

 

『三国志』の英雄たちの中で、曹操は女好きであったとも言われる。

「正史」ですら、13人の妻と25人の男子、女子にしては数知れず、を持っていたと記録されている。

これが『三国志演義』とも成れば、美女絡みのアレコレなエピソードに事欠かない。

 

だがしかし、曹操は此の時代の権力者としては女性を大事にした男でもあった。

 

例えば、最初の第1夫人とは、長男の戦死以降に擦れ違いの末に離婚しているが、その間の過程は時には冷酷とすらされる”あの”イメージとは遠い。

彼は、実家に帰った夫人を何度も説得に訪れている。

まるで、劉備が孔明を3度訪ねた様に。

けれども、夫人の方が曹操を無視し続けた。

それでも、呼び戻そうと努力した末に諦めたのである。

 

「3顧の礼」の例えといえば、曹操が司馬仲達を仕官させた時には、3度目には部下の雄将に命じて引っくくらせた、と伝えられる。

この男女での扱いの違いから見ても、曹操は女性に優しかった。

あるいは、女好きだからこそ、女性には優しかったのか。

英雄とは、多面性を持つものなのだろう。

 

「三国」の他の英雄、劉備や孫呉には、こうした女性とのエピソードは乏しい。

『三国志』を元にした創作で「ラブロマンス」をでっち上げるのに苦労する、あるいは勝手気ままに書き放題な位。

漢同士のエピソードには困らないのに。

『三国志』とは、漢たちのロマンなのである。

 

それは『西遊記』や『水滸伝』も変わらない。

『西遊記』といえば、出てくる女性は三蔵法師を誘惑しようとする女妖怪ばかり『水滸伝』に至っては108星の内105人が男である。

 

『四大奇書』と呼ばれる大衆文学の内、3つまでが漢たちのロマンなのだ。

残る『金瓶梅』が、ドロドロの男女の愛憎なのが奇妙な位。

そのせいか『金瓶梅』は、他の3つ程には日本では有名では無いかも知れない。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。