しかも、今テスト期間中であんまり執筆できないので、次はさらに先かもしれません。(この話は、テスト期間に入る前にほぼほぼ書き終わっていたのを、仕上げだけしてだしました。)
色々とスンマセン
高校1年生の春のある日の放課後、俺とシンジ先輩は、商店街の駄菓子屋で瓶コーラを飲んでいた。
いやしかし、なんで瓶のコーラというのはこんなに美味しいのだろうか。
中身は同じはずなのに、ペットボトルのコーラよりも断然美味しく感じる。
スーパーじゃ売ってなくて、ボロい駄菓子屋くらいでしか買えない希少性もまた乙だ。
瓶を返せば店主のおばちゃんが10円くれるのも嬉しいし、何よりその10円で買ったサッカースクラッチで当たりを引くのが楽しいのだ。
「なぁアマエ、お前に頼みたいことがあるんだが。」
俺がサッカースクラッチのシールを10円玉で削っていると、シンジ先輩が話しかけてきた。
「なんですかシンジ先輩、今の俺、ブラジルに勝てるかどうかの瀬戸際なんですよ、邪魔しないでください。あ、でも、衛宮先輩と仲直りするのを手伝って欲しいって言うなら、喜んで協力しますよ。」
「ハァ?何言ってくれちゃってんの?衛宮と仲直り?笑えない冗談だね。」
そう、この先輩。
このバカシンジ先輩。
原作通り衛宮先輩とケンカしちまったのだ。
なので衛宮先輩とも良好な関係を保つのではと思ったのだが、そう上手くはいかなかった。
原作通り衛宮先輩が弓道部をやめるのをきっかけに、シンジ先輩と衛宮先輩は絶賛仲違い中だ。
だが別にこれは、シンジ先輩だけが悪いワケではないのだ。
衛宮先輩とマトウ先輩……二人の性格をある程度知っている後輩としての立場で見ると、衛宮先輩も4割程度は悪く感じる。
まず、衛宮先輩が弓道部を辞めた理由だが………
衛宮先輩の肩のケガ
衛宮先輩がバイトが大変だった
等々いくつか理由がある。
ただ一番のきっかけとするなら、
「肩の傷が見苦しい」的なニュアンスの、シンジ先輩の発言だろう。
これは確かに意地悪なセリフだ。
ただ、良く考えて見て欲しい。
「部活やめちまえよ〜!」
これくらいのノリ、学生ならまぁ普通ではないだろうか?
これを言われて本当に辞めちゃった衛宮先輩が悪いと俺は思うんだ。
まぁ、正直どっちが悪いかなんてどうでもいい。
トモダチの初恋の先輩と、そのトモダチの兄で、個人的に仲良くしている先輩、この二人が喧嘩している所を見たいヤツがいるか?
それを見て、学校の昼休みに「兄さんって時々バカだよね。」とか冷たい目でトモダチに愚痴っている妹を見たいか?
いや、性格の悪いヤツ…例えば俺のクラスメイトの弔差くんとかはそういうの見たいかもしれないが(性格悪いだと、あのエセ神父も当てはまるが、こういう話はあの男の趣味ではないだろう)、少なくとも俺は見たくない。
出来れば早く仲直りして欲しいのだが、衛宮先輩とは俺は極力関わりたくない。
ということで、シンジ先輩を説得して、さっさと衛宮先輩に謝っちまえよと思っているのだが……
「まぁ?衛宮がど〜〜〜うしても僕と仲直りしたいって言うなら?仲直りしてあげないこともないけどね。」
当人がこんな調子である。
男のツンデレに需要なんてないことを、この先輩は理解してないのだ。
「………それで結局、僕に頼みたいことって何だったんですか?」
「ん、あぁ、頼み事な。なぁアマエ、今日の夜、衛宮の家に行く桜に付き添ってくれないか?」
「………はい?」
何言ってんだこのワカメ…
「いやな、最近桜が衛宮の家に通うように……アイツの家で夕飯を食べるようになったんだけどさ、年頃の娘が一人暮らしの男の家に行くっていうのはちょっと物騒だろ?だからもしもの時に衛宮から桜を守る要員として、お前に付き添いをして欲しい。」
………ツッコミどころが多すぎて何を言えばいいか分かんねぇ。
衛宮先輩そういうことする人じゃないだろ、とか
現時点での『衛宮士郎』がそんな人間臭い行動とるわけないだろ、とか
というか俺も衛宮先輩と同じ男だし、一人暮らしだし、しかもお宅の妹さん頻繁にウチに来るんですが、さらにさらに、妹さんじゃなくて俺が組み伏せされてる方なんですが、とか
言いたいことが多すぎる。
というかそもそも
「わざわざ俺に頼まずに、シンジ先輩自身が桜ちゃんに付き添えばいいじゃないですか。」
「ハァ?なぁアマエ、お前が自分でさっき、僕と衛宮は仲が悪いって言ったのを忘れたのか?」
いや、喧嘩中と言っただけで、仲が悪いとは一言も言ってない。
というか、シンジ先輩と衛宮先輩が仲良かったから、今こんな拗れた関係になってるんじゃないか。
「いくら桜のためでも、僕が衛宮の家にご飯食べに行くとか考えられないね。」
シスコンのアナタは、普通なら桜ちゃんのためならなんでもするだろ。
うん、改めて今日のシンジ先輩はおかしい。
動揺もしてないし魔術絡みでもない、今日のシンジ先輩は『天才』なパーフェクトシンジくんのはずなのに、発言に矛盾が多すぎる。
「………シンジ先輩、俺、シンジ先輩が思ってるほど食習慣終わってませんよ?」
「………ん?何のことだ?」
「とぼけますか。」
シンジ先輩の言葉からは、俺を衛宮邸に行かせようという意思を感じる。
ではなぜシンジ先輩は俺を衛宮邸に行かせようとしているのか?
おそらくそれは、俺の食習慣を改善するためだろう。
俺が一人暮らしで、お世辞にも健康に良い食事をしていないことは、雑談としてシンジ先輩に伝えている。
そこにマトウから『アマエは良く遠坂先輩の家にご飯を食べに行ってたけど、私が気にくわないからやめさせた』とでも聞かされれば、心優しいシンジ先輩は可愛い後輩の健康のために何かしらの行動を起こすと考えられる。
いやまぁ、かなり自惚れが入っているが、自惚れても許されるくらいの関係を、これまでシンジ先輩とは築いてきた………と、思う。
シンジ先輩の口ぶり的に、既にマトウは衛宮邸に頻繁に通っていそうなので、俺をマトウの付き添い役として定着、衛宮邸の健康で美味しそうなご飯を俺が食べれるようにしようとして、俺に声をかけてきたと考えれば辻褄があ……わないな。
それだったら、わざわざ衛宮邸に行かせようとせずに、間桐の家に来るように誘えばいいのでは?
いや、あの蟲爺と会わせないようにするための配慮か?
まぁなんにせよ……
「面倒なんで桜ちゃんの付き添いはしません。大丈夫ですよ、衛宮先輩は桜ちゃんにそ~ゆうこと絶対にしませんから。」
それになにより、あの家にはあの冬木の虎(笑)がいるしな。
「それじゃまた明日学校で。あとコレあげます。」
「ちょ、おい待てよ。」
俺は削りかけのサッカースクラッチをシンジ先輩に押し付けて、逃げるように駄菓子屋のドアを開けて外に出た。
「う〜ん、色々バレてたなぁ。いやまぁ、なんか一つ勘違いしてたけど、面白いから黙ってたけど。」
間桐慎二は500円玉でサッカースクラッチを削る。
「まぁなんにせよ、説得に失敗した以上は仕方ない、最終兵器を使おう、ってラッキー、ブラジルに勝ってんじゃん。おばちゃん100円ちょうだい。」
「あいよ。」
「ねぇアマエ、今日衛宮先輩の家に行くんだけど、一緒に来て。」
「嫌だ。」
「ふ~ん、それじゃあ今度の日曜はアマエの家に行かない。」
それは嫌だな。
というかそれマトウからしても諸刃の剣だろ。
……………いやもしかしたら、衛宮邸での団らんがあるから、マトウからすれば俺との
まぁ何にせよ、マトウにこんなこと言われたら、俺がなんて返すかは決まりきってる。
「………分かりました、お供させていただきます。だから今度の日曜もウチにお越しになってください。」
「うん、よろしい。」
こういう小賢しいことはあんまマトウはしないし、きっとシンジ先輩の差し金だな。
よくないなぁ。
ホントによくない。
コレはズルだろ。
「お邪魔しまーす!」 「お邪魔します。」
ある日の夜、俺とマトウは衛宮邸に来ていた。
目の前にはエプロンを着た衛宮先輩が立っている。
………エプロンかぁ。
我が家に存在するかどうかすら不明だなぁ。
「こんばんは。桜の隣にいるのは……並月だっけ?慎二から話は聞いてるよ、これからよろしくな。」
いや、よろしくしないでください。
当たり前みたいに『これから』とか言わないでください。
というか、『慎二から話は聞いてる』ってマジ?
この二人、喧嘩中じゃなかったのか?
一体どのタイミングで仲直りを……
詳しいことは明日シンジ先輩から直接聞きだそう。
ココに無理矢理連れてこられた復讐の意味も込めて拷問しよう。
ただ、こんなくだらないことを考える前に、聞かなきゃいけないことがある。
「食事のお代は何円払えばいいですか?」
「ん?それも決めなきゃだな。まぁ、とりあえず今日の分は
………なんか聞こえたな。
慎二先輩への制裁は、脛蹴りから感謝の正拳突きに変更しよう。
「っと、こんな玄関の前で話す必要もないな。どうぞ入ってくれ。」
「ありがとうございます。」
家の中に入って靴を脱ごうとする。
………あんまり知らない人の家にお邪魔する時って、どこに脱いだ靴置けばいいのかいつも迷うんだよな。
行き慣れた家なら別なんだが…
なんて思ってると、マトウは既に靴を脱いで、土間の段差を上がっていた。
ヤバい置いていかれる、と思って、急いで俺も靴を脱いだ。
「そう、今日の主菜のハンバーグだけど、桜も作るのを手伝うから、楽しみにしときな。」
「へー、手伝いしてるのか!マトウ凄いな!ハンバーグ楽しみにしとくわ。」
「別に……私が凄いんじゃなくて、先輩が教えるの上手なだけだから。」
………ハンバーグなぁ、凛姉もたまに作ってたけど、凛姉の場合ひき肉使うなら、中華……シュウマイとか肉団子とか餃子とかの料理の方が美味いんだよな。
………マトウの腕に期待である。(上から目線)
ジュー ザクザクザク
肉を焼く音と、生野菜を切る音が響く。
……肉焼いてる時の音を聞くと、どうしてこんなにお腹が空くのだろう。
ボリボリボリボリボリ
煎餅を噛み砕く音も、ひどく食欲を掻き立てるよな〜って
「藤村先生、食事前なのに煎餅食べていいんですか?夕飯食べきれなくなっちゃいますよ?」
「問題なし!シロ……衛宮くんのご飯は別腹なのだぁ〜。」
「別に、一々取り繕わないで『士郎』って呼んでいいと思いますよ?衛宮先輩と藤村先生の関係性はココに来る途中でマトウから教えられましたから。」
「あら?そう?それなら遠慮なく。」
「後、別腹なんて幻想を夢見ていいのは学生までです。」
「先生、心はいつまでも14歳だからダイジョ〜ブ。」
屁理屈を……と思ったが、藤村先生のこの姿を見て立派な大人だと感じる人は少ない……というか皆無だろうから、ある意味このセリフは的を得ているのかもしれない。
うん、冗談だ。
どう誤魔化しても、この先輩が成人済みであることは違いない。
ちなみに、こんなふざけたことを言っている藤村先生だが、これでも、学校ではきちんとした先生なのだ。
生徒の皆から尊敬されているのだ。
まぁ、皆この人の素に薄々気づいているからこそ、生徒は親しみやすく感じているのだが………
「というかそもそも、先生はどうして衛宮先輩の家にいるんですか?」
「え?ご飯食べるためだよ?あ、それとー!士郎が一人になって寂しがらないようにするためかな!お姉ちゃんがいないと士郎はダメダメだから!」
「おい!聞こえてるぞ!後輩に変なこと吹き込むな!」
野菜を切っていた士郎先輩が叫ぶ。
隣で肉焼いてるからまぁまぁうるさいはずなのに、よく聞こえたな…
「そうそう、『寂しい』と言えばさ、アマエくんも結構淋しがり屋だよね。」
「………………………はい?」
「え?そんなに意外そうな反応する?」
「え、いや、そう見えます?」
「うん、結構…」
「……マジですか。」
う〜ん、先輩と姉弟子と
「…なんで藤村先生は、俺が淋しがり屋だと思ったんですか?」
「ん〜?なんとなく?あぁ後、並月くん、学校でよく一人でウロチョロしてて、間桐くんとか桜ちゃん、弔差くんとか見つけると露骨に機嫌良くなるじゃない?だから淋しがり屋なのかな〜って。」
………自分の知らない一面を他人に指摘されるのって地味にショックだよなぁ。
しかし藤村先生、良くそんな、俺みたいなどうでもいい一生徒の性質に気づくな。
コレは俺がそんなに分かりやすいからなのか、藤村先生が良く生徒のことを見ているからなのか。
まぁ、きっと後者だろう、そう思おう。
「あ〜でもあれか〜、並月くんの家の事情的に、淋しくても仕方ないかぁ。」
「ん〜、きっと別にそれはあんまり関係ないと思いますけど……」
「あ!じゃあさ!並月くんも桜ちゃんみたいに、朝ご飯と夜ご飯ウチに食べに来なよ!」
「今までの話から一体全体どういう論理でそこに行き着いたんですか…というかそもそも、家族以外の他人……それもあんまり関わりのない人が頻繁に家に来るのは衛宮先輩がいやでしょう。」
「いや、そんなことないぞ。並月が来たいなら、俺は全然歓迎する。慎二から話は聞いてるしな。それにそれを言うなら、桜がウチに来てくれて、俺も藤姉も喜んでることに説明がつかなくなるだろ。」
ハンバーグとポテトサラダが乗った4つの皿を大きなお盆に乗っけた衛宮先輩が話に割り込んで来た。
………ヤバい、この他称『なんでもOKマン』が絡むと話がややこしくなる。
「………俺が来るようになったら、作らなきゃいけないおかずの量が一人前分増えます。そしたら衛宮先輩が大変でしょうから、やっぱりこの提案は遠慮しときますよ。」
「俺の負担が増えるとか、そういう細かいことは気にしなくていいよ。それに、嫌々家事やってる人からしたら、一人前分多く作らなきゃいけないのは大変かもしれないけど、別に俺は家事が嫌いってワケではないからな。もちろん、『毎日我が家に来い』なんて並月に無理強いするつもりはないけど、俺と藤村先生に遠慮する必要は全くないし、桜も並月が来た方が嬉しいみたいだから、並月が来たかったら、遠慮なくウチに来てくれ。」
「………………」
マズイ、揺れている。
なんやかんや言ったて、暖かいご飯はやっぱり魅力的だし、別に俺、衛宮先輩自体が嫌いってワケは決してないからな。
「まぁなんにせよ、話の続きはご飯食べ終わった後だな。チンタラしてたら、せっかくの桜が作ったハンバーグが冷めちまう。」
衛宮先輩が座り、台所から戻ってきたマトウも衛宮先輩の向かい側に座る。
「待ってましたー!!もうお腹ペコペコだよ」
「さっき煎餅食べてたじゃないか。」
「あんなんじゃ全然足りないよ。さてさてそれでは!」
「いただきます!」
ハンバーグは非常に美味しかった。
ん〜、なんか悔しい。
『結構楽しかった、これからも行きたい』と思っている自分がいることが悔しい。
『藤村先生』と『マトウの料理』はズルいよなぁ〜
衛宮先輩も話してみるとめっちゃ良い人だし。
というかそれが分かってたからあんまり関わりたくなかったワケだし。
衛宮先輩への身勝手な『嫉妬心』か
凛姉やシンジ先輩、弔差といる時とも、マトウと一対一でいる時とはまた別種の『心地良さ』
どっちを優先すべきか、こうなっちゃうと迷うまでもないよな。
………仕方がない、これも青春ということで腹を括ろう。
「シンジ先輩っていつの間に衛宮先輩と仲直りしてたんですか?」
「ん?ケンカした次の日には仲直りしてたぞ。」
「マジすか……ちなみになんで俺にそのことを隠してたんですか?ケンカしたことはその日のウチに電話かけてまで愚痴ってきたのに。」
「いやさ、アマエが『どうせ仲直り出来てないんでしょ?』みたいな感じで聞いてくるから、面白がって嘘ついてた。あぁ、急に話変わるけどさ。昨日……衛宮の家でのご飯はどうだった?」
「美味しかったし、楽しかったですよ。」
「ん?やけに素直だな。」
「意地はるのやめたんで。そんでその勢いのまま、これからも衛宮邸に通うってことで決まりました。」
「………そっか、よかったじゃん。」
「あ、そうそう、シンジ先輩に渡したいモノがあったんですよ。はい、どうぞ。」
俺はあるものが入った封筒をシンジ先輩に渡した。
「ん?何コレ?」
「シンジ先輩もうすぐ誕生日じゃないですか。というワケで誕プレ、普段の感謝、昨日の食事代諸々合わせたのがコレです。」
「ハハ、誕プレはともかく、昨日のヤツは気にする必要なかったんだぜ?まぁ、ありがたく受け取っておくよ。それで中身は何入ってるんだ。」
「子犬と触れ合えるドッグカフェの無料券です。」
「え、普通に嬉しいんだけど。アマエにしては気が利くじゃん。」
「商店街のくじ引きの3等の景品にこの無料券があるの見た時、自分のサイフの中に5枚くらいくじ引き券が入ってるの思い出したので挑戦してみました。」
「ふ~ん。ん?それ、3等当たらなかった場合どうしてたんだよ。」
「シンジ先輩の誕プレは残念賞のティッシュになってましたね。いや、流石にウソです。きっとその時は何かしらシンジ先輩が好きそうなモノ買ってましたよ。」
「そうか。まぁなんにせよ。誕プレありがとな。」
「シンジ先輩にお礼言われると鳥肌立ちますよね。」
「喧嘩売ってるのか?それなら買うぞ?」
2週間後の金曜日、ドッグカフェにハマッたらしいシンジから日曜日に一緒に行こうと誘われたが、俺は犬が嫌いなので断った。
エヴァシト新生面白かった!!(なぜかFateの二次でエヴァの感想を叫ぶ作者)
ネットでの事前購入だけで、映画のチケットが売り切れる光景を始めてみました。