ナザリックレ○プ!至高の"元"御方と化した先輩! 作:ニコラス―NICORUTH―
友情努力勝利というけど、ジャンプ読者は友情と勝利しか見ないってそれ一番いわれてるから。
漢の話をしよう。
異形の
立ちはだかった多くの生命たちは、そのたった一体に尽く潰されていく。
まるで、星の生命が貪れるように。
「 侵略生命体 」「 極限の単独種 」「 終わりの星 」。
その呼び名のどれもが、この大蜘蛛を表すには足りなく感じられる。
それほどの脅威。
地球はこのまま、かの者の性具と化すのを待つばかりだった。
宇宙の理って、チョーSだよな!
か弱き地球人類たちは、次から次へとかの者にレ◯プされていく。
まさしく、弱く儚い黒蟻よ( 和尚並感 )。
漢は一国の王として、それに立ち向かうしかなかったが焼石に水だ。
巨大な恐竜に、か弱き蟻が敵うはずもなし。
そして、そんな自分たちの国はおろか、地球全土を塵に返さんと侵攻するORTに対して、カーン王国の国民たちが導きだした、示談の条件とは―――!?
『 やめろ。』
「 オナシャス!地球返してください!オナシャス! 」
「 やだよ、おう。 」
「 オナシャス!センセンシャル!! 」
『 やめろ。 』
「 とりあえず、恐竜のマネしろよ。
あくしろよ、ヨツンヴァインになるんだよ。 」
『 やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ――――
我が記憶、我が苦痛、我が孤独を汚すか。
―――田所浩二ィィィィィィイイイイイイ! 』
『 うぉぉぉお!やめろ市民たちよ!
オレに糞を塗りたくるなぁ!! 』
『 オレは、オレがORTに屈して、奴のモツをなど・・・
うぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!?
なんと、なんと悍ましき冒涜か! 』
「 えぇ・・・ 」
タドコロは困惑していた。急に目の前の怪人がなにかに悶え苦しみ始めたからだ。
「 一体、なにがどうなってんですかな? 」
『 なん・・・だと・・・!? 』
「 ・・・ん? 」
その声の主は、斬魄刀を受け入れるようにと助言してくれた、あの男だった。
均衡の取れた、長身に橙色の髪。
文字通りの、ジャニ系イケメンだ。
よくよくみれば、この男にも、どこか見覚えがあった。
やはりタクヤさんの好きな漫画の主人公そっくりだ。
隣のちっこい女の子もなにやら困惑している。
一体彼らの身になにが起こっているというのだろうか。
原因は、彼らについて知っている者ならば、おおよそ察しはつくだろう。
「 よう、死神代行の兄ちゃん。
大丈夫か大丈夫か? 」
『 大丈夫じゃねぇ。なんだ、この記憶は?オレはこんなの知らねぇぞ!?
なんで親父が浦原さんと盛ってるんだ!? 』
ジャニ系男子の放った言葉は奇妙ながらも鬼気迫るものであり、彼自身どこか頭の中が可笑しく成り始めているのを自覚し、冷や汗をかいていた。
「 は?お前の親父、ホモなんか? 」
『 んなわけねぇだろ! 』
『 私の頭も可笑しくなりかけている。
よもや兄様が恋次に薬を盛って地下室に監禁するなど。
この奇妙な光景、存在せぬはずの記憶。
・・・そうか、これがそなたの始解なのか? 』
「 え?それが?そうなんか、TDNぉ? 」
『 ウッス! 』
TDNなのに、タクヤさんのような返事一言で返した、メジャーリーガー似の男。
田所浩二がこの心の海のナザリックにてついさっき見いだした斬魄刀、"生杉"の具象体である。
ペルソナ玉藻の前に曰く、彼女たちよりも、田所という人間の本質に近しい存在であるらしい。
そんな彼の空返事に、本人は納得していた。
「 はえ~、そうなんすね。オレの周囲に淫夢の概念を植え付ける。" それが人間のような知的生命の多くには、
"淫夢に因んだ、存在しないはずなのに、さもあるように錯覚してしまう記憶、それに基づく幻覚"として表れると。 」
『 タドコロよ。 』
「 ん? 」
『 そなたの斬魄刀が愛染の鏡花水月もかくやな幻覚系でこの奇妙な光景もそれによるものだとはわかったが・・・ 』
「 わかったがなんだよ? 」
『 淫夢とはなんだ?この兄様と恋次がどこぞの地下室でぐんずほぐれつとしておるこの幻覚となにか関係があるのか?
お、今兄様が恋次に告白しておるぞ。
大胆な告白は朽木家当主の特権。
こうして姉様とも結ばれたのか・・・ 』
BL◯ACHをよく知らない為に恋次って誰だよ( 哲学 )と疑問に思いながらも、なにか穢してはならないものを汚してしまったような気がせんでもないタドコロであるが、今は、あのコウモリである。
『 あってはならない・・・あってはならないィィイ!!
オレがのうのう生き延びた、あの有り様が穢されるなど・・・
戦士たちよ、市民たちよ!
カマソッソは知っている!お前たちは斯様な悍ましき醜態を晒す者たちではない!
このような存在せぬ記憶、断じて認めぬ!! 』
カマソッソはよほど酷い経験をしたキャラクターなのだろう。後ろの二人が比較的軽微なのに対してここまで悶え苦しむとは。
タドコロは彼のことをよく知らない。故にここまで、ままよと発動させた、始解という新たな要素が刺さるとは思いもよらなかった。
「 そうかよ。お前のことはよく知らねぇし、ちょっとひでぇことをしたもんだとすまなく思ってるけどよ、
ちょっと眠ってろ、お前( 新しい能力でイキるのは主人公の特権 )
なにがあったかしらねぇけど、苦しいダルルォ? 」
『 貴様が負い目を感じることはない。
何故ならば・・・ 』
『 悪い思い出は、消すに限るからだ!! 』
偉大な勇者王。その姿が大きく変わっていく。黒く、より悍ましく、より巨大に。
その重量に耐えかねてか、本来ならば転移門で繋がっていて、そこからしか下の階層に進めぬはずのナザリックの第三階層、その床が大きくひび割れていき、やがて石を投げられたガラスのように砕け散る。
「 ファッ!? 」
『 なにが起こってやがる!? 』
『 そんなもの私に聞くな! 』
タドコロも和服の男女も、皆一様に落下する。
困惑する一同であるが、答えを知るものが一人。
そう、タドコロの中の、もう一人の彼だ。
『 あんの、ごすずん様?落ちるのはいいんですが、まずそれどうにかなさらないの? 』
「 どうにかって・・・あっそっかぁ(想起)!
来い、ホルス!! 」
タドコロの中よりもう一人の彼、輝ける大鳥が現れ、三人を背に乗せた。
崩れ行く瓦礫の中、金色の大鷹は雄々しく、そして神々しく羽ばたき、その下には巨大な湖が現れた。
ナザリック第四階層。
本来ならば、巨大なゴーレム、ガルガンチュアの守護するフロアであり、転移門でなければ移動できないはずであるが、こうして陸続きになっているのは、このナザリックが現実のそれではなく、心の海に存在しているからだろう。
「 Foo!まず落下死する危険は減りましたな。 」
『 助かったぜ。だがアイツ、どうしたんだ? 』
「 アイツってあのコウモリ兄貴か? 」
『 それ以外誰がおる?アヤツがそなたの始解に何かしらの影響を受けてしまったのは確かだろう。 』
「 玉藻ォ、お前なんか知ってる素振りだな。 」
『 知ってるもなにも、ごすずん、FGOをご存知、ないのですか?(マクロス) 』
「 んにゃぴ、よくわからないです。
FGOは22世紀だと下火になってるってそれ一番言われてるから。 」
『 話すと長くなりますがですね、人類悪っていうのがあってぇ・・・( かくかくしかじか ) 』
「 はえ~、つまりいっちゃん最初にそんなのと当たったってこと?
ヤヴァイヤヴァイ・・・! 」
『 それで、あれは人類悪の何番目なのだ? 』
『 あの、もしかして、番号順で強さ決まるって思ってません? 』
『 番号などない!そんなもの、とうに忘れたぁ!! 』
三人(とペルソナ)の前に、巨大な異形の黒い物体が姿を現す。
ビル程もあろうその巨躯は、黒く、その腕には巨大な翼が備わり、その鼻はブタみたいな形状をしていた。
コウモリだ。巨大なコウモリ。
それが、今の勇者王を表現するに、もっとも単純明快な言葉だろう。
ホルスはカマソッソの繰り出す触手のようなものを巧みに躱して〈刹那五月雨撃ち〉と〈コウガオン〉を放つが、まるで通用していない。
『 忘れただぁ?それじゃ、上から何番目かなんてわかんねぇじゃねえか! 』
『
番号は優劣とはさして関係がないんですよ。
それに彼は忘却の獣です。
彼がああなってしまったきっかけ、人類の滅亡を忘れ去ることが、彼のアイデンティティそのものといえます。 』
『 あぁ、よい!心地よいぞ!頭の中からあの気味の悪い光景が消えた!!
忘却にて、シバルバーの静寂が保たれる!! 』
先ほどまで悶絶していたカマソッソが、息を吹き返す。
タドコロが始解に至るつい先ほどまでの精神状態に戻っているようだ。
「 生杉が効いて、ないです。
これ多分、レイドボスレベルすかね?
これもうわかんねぇな。( 不安 ) 」
『 淫夢刷り込みがどこまで通用するかでしょうねぇ。果たして過去を忘れるだけであのクッソ汚い人類の悪意から逃れられるんでしょうかね。 』
「 みたところ、記憶を淫夢で改竄する能力っぽいけどよ、お前どう、(勝率と新作)でそう? 」
『 だそうと思えば( 至言 )
しかし、今のままではまず勝てなさそうですねぇ。
良くも悪くも淫夢ごと大昔の悪い思い出を忘れてる状態ですので。
それを突破する鍵もやはり、その刀ですよん。
それで、ごすずん様、私思うんですけれども・・・ 』
「 なんだよ? 」
『 本当に、始解の能力は相手に淫夢を植え付けることなんですかねぇ(疑問)?
もうちょっとわかりやすいほうが、貴方らしくないですか? 』
「 わかりやすく? 」
『 例えば、淫夢そのものを力として操る、とか。 』
『 淫夢・・・力・・・ファッ!? 』
その瞬間、タドコロは見知らぬビルだらけの街のどまんなかにいた。
そして、その前方には、あのメジャーリーガーの姿も。
相変わらず、ヨツンヴァインになっている。
『 わん!わん! 』
「 TDN、どうしたんでい?(江戸っ子) 」
『 多分、伝え方を間違えたと思って呼びました。
オナシャススイマセンシタ(謝罪)! 』
『 はやくも強化イベントだ、田所浩二。 』
「 ん? 」
渋い男の声がして、タドコロははっとなる。その方向をみると、いい感じにダンディな軍服のオッサンがそこにいた。
その気迫と現在の状況から、彼は只者では決してないことを肌で感じ取る。
「 アンタ誰だよ。 」
『 私だタドコロ。■■■■■■だ。 』
「 はえ~、すっごいいい名前。んで、オレになんの用だよ? 」
『 お前の斬魄刀、始解の時点でこれほどの力を有するとは、恐るべき刀だ。 』
「 そんなにすげぇのか?生杉はよ。 」
『 凄いもなにもない。尸魂界の死神どもでは、まず至らぬ境地にお前はいる。 』
「 それは褒めてるんすかね? 」
『 お前の捉えよう次第とだけいっておく。
・・・浩二、お前はこの一生涯の多くを、真夏の夜の淫夢という風評被害コンテンツ、ひいては野獣先輩という象徴とともに歩んできた。そうだな? 』
「 おっそうだな。(肯定) 」
『 そして野獣先輩が如何なる人物であったかを、知る由もないだろう。 』
「 ・・・そうっすね。なにが言いてぇんだよ。
率直に教えて、どうぞ。 」
『 野獣先輩。思えば難儀な男だ。ふとしたきっかけからネット中にその存在が知れ渡り、日に日にその影響力を増していきながらも、当の奴自身は、所在素性に至るまで、一切が不明。
それ故に、お前たちは野獣先輩について、多くの説を提唱した。 』
タドコロとTDN、■■■■■■の足元のビルの窓ガラスに、タドコロそっくりの汚い茶色い顔の男、あるいはそれによく似たポージングを幾多ものキャラクターがとっている映像が無数に映し出される。
これは彼には見覚えがあった。
野獣先輩新説シリーズという、一世紀前から作られ続けている淫夢動画群だ。
『 これまで多くの者たちが、多くの存在を、このちっぽけでクッソ汚いだけのはずの男になぞらえてきた。
そう、この私でさえ――――― 』
みると、オッサンの足元にも、動画のサムネが載っている。
タイトルは、"野獣先輩■■■■■■説"。
あのインタビューのアップされた野獣先輩の顔が、オッサンのそれに置き換わっている。
『 よもや
解せぬが人間の欲求とはかくも奥深いものか。
意味のないものに意味を見いだし、それを追求する。
私には到底理解できん。
そしてそれに影響され続けた一人が、お前だ。
お前の斬魄刀は、お前の魂の写しであると同時に長年にわたり積み上げてきた無意味なネットミームが意味を得たもの。浩二、お前は名実ともに淫夢の申し子なのだ。 』
「 淫夢の申し子・・・ 」
『 そんなお前の斬魄刀が、よもやお前を差し置いて、他のすべてに影響を及ぼす筈がない。
お前は"淫夢を与える者"。であれば、己自身に淫夢を与えられぬわけがない。 』
「 オレ自身に、淫夢・・・! 」
『 お前が望み、お前自身に与えるのだ。 』
「 はっ!? 」
オッサンとビルだらけの光景、そして動画のサムネたちが消え、元のナザリックの四階層が広がる。
タドコロはカマソッソと激しい攻防を繰り広げるホルスの背に乗っている。そう、さっきまでと変わらない。
後ろのあの二人の姿はなかったが、彼らの所在を気にする余裕はない。
なんとしてでも、この状況を打破せねばならない。
その為には、どうにかしてあのクソデカコウモリに有効打を打たねばならないものの、思い浮かばない。
・・・いや、思いだせ、さっきのオッサンの言葉を。
「 いいよ、来いよ、生杉ィ!! 」
斬魄刀の力で、己に淫夢を与える。
淫夢とはコンテンツ。文字通りの狂った夢。それがタドコロの力として、彼自身に注がれる。
何物にも半ばこじつけのような形で結びつくその夢は、心の鎧として顕現する。
タドコロは感じる。自身の奥からなにかが浮上する。
新たな力が、目覚めようとしている。
「 ペルソナぁぁぁぁぁあああああ!! 」
獣の雄叫びの如き叫びが、墳墓中に木霊し、ホルスが消滅する。
変わるように地面に現れた悍ましい黒々とした渦巻く穴から、新たなペルソナが顕現した。
赤い竜だ。巨大で東洋と西洋、両方のタイプの要素がかけ合わさったような。
彼は、この"神"を知っている。
『 我が名は・・・オシリス!! 』
高らかに名を叫ぶ竜神。
正式な名を、『オシリスの天空竜』。
BL〇ACHと同じく少年ジャンプにて連載されていた漫画
『 遊☆戯☆王 』に登場する最高位のモンスター、いや神である。
それを取り込んだYggdrasilに於いては、高難関のレイドボスとして、そして隠しペルソナとしてその名が知られていた。
『 あれ?オシリスさんって死神のアルカナじゃないんですか? 』
タマモは頭を傾げる。
このオシリスを含めた三幻神は、Yggdrasilに実装される際に、ペルソナとしてのアルカナが割り振られていた。
破壊神たるオベリスクの巨神兵は、"審判"。
太陽神ラーの翼神龍は、"太陽"。
そして、オシリスの天空竜は、"死神"。
タドコロのアルカナは、"皇帝"と"太陽"。
故にオシリスが彼のペルソナとして顕現するのは、あり得ぬ話だ。
それこそ、ワイルドのスキルを取得し、死神のアルカナを得ない限りは。
しかし、それは所詮終わったゲームの話だ。
『 セトに殺されて冥府を治めるようになることばかり目立つが、オレは、最初のファラオである。
その為、"皇帝"アルカナとしての適性を持つ。
それに見ろ浩二・・・ 』
「 ん? 」
『 オレは、野獣先輩と同一視すらされている。
皆の結束の力が、オレを呼んだんだ! 』
「 たまげたなぁ・・・ 」
シンクロ召喚しそうな勢いで、デカデカと現れたサムネにタドコロはそう漏らすほかなかった。
野獣先輩オシリスの天空竜説。
野獣先輩という一個人の神秘が、また別の神秘を招く呼び水となったのだ。
そして・・・
『 グ、グ・・・ 』
「 ん? 」
『 グワァァァァアアアアアア!!
なんだ、なんだこれはァ!?
忘れよ・・・忘れよぉぉぉおおお!! 』
カマソッソが、急に苦しみだしたのだ。
タドコロは、今度はなにが起こっているのかいまいちわかんないっピ(タコピー)と困惑することになった。
「 どうしたんだよ? 」
『 なにって、アナタの生杉ィ!の能力で精神汚染を受けてるんじゃないんですか。 』
「 え、それ忘れたってそれ一番言われてなかったっけ? 」
『 似た感じのが丁度FGOにありましてですねぇ・・・ 』
『 奴はナザリック"大墳墓"という冥府に親しいフィールドと結びつくことで、フィールドパワーソースを得ていた。
これで忘却の獣としての権能を発現して、お前の斬魄刀の能力を阻害していたんだ。
だが、オレが冥府の神として、このナザリックのフィールドを掌握した!
これにより、奴はフィールドパワーソースを失い、記憶の汚染がぶり返してきたんだ! 』
『 戦士たちよ、市民たちよ、自分を売るほどの王であったか・・・
クッソ汚き国であったかぁ!? 』
『 DA★MA★RE!とっととケリをつけるぜ!
浩二!! 』
「 ウッス!オシリスの攻撃! 」
攻撃を宣言すると、赤い竜の下の方の顎が開き、そこから黄色い雷光が蓄えられる。
あらゆるものを撃ち砕く、必殺の一撃だ。
『 超電導波―サンダー・フォース―! 』
それが放たれた瞬間、四階層中を眩い光が包んだ。
「 ファッ!? 」
それから幾時と経ったろうか。なんやかんやあって第十階層まで辿り着いたタドコロは、ハッと目が覚めた。
何処ともつかぬ部屋の中、やけに寝心地の良いベッドの上で、身体は横たわっていた。
現実での自分は炎の魔神と刺し違える形でトブの大森林でぶっ倒れていたはずなのだが。
「 目が覚めたか、タドコロ。 」
聞き覚えのある声。それが誰なのかはすぐに分かった。
上体を起こすと、ベッドのそばにいたのはやはり、予想通りの人物だ。
「 MURはん。てことはここ連合国すかね?」
「 いや、エルフ王国ゾ。
お前がぶっ倒れたと聞いて、飛んできたゾ。 」
「 あっ、ふ~ん(察し)。晴信は? 」
「 別の部屋ゾ。お前より先に起きて、色々とな。
こっちの方も大変みたいゾ。
お前も、そうだったんだろ? 」
「 そうっすね。
夢のようで、それでいて確かな、奇妙な冒険でしたね。 」
懐の冷たい感覚から、手に持った
あれは確かに、自分にとって現実だったのだ。
「 それで、どんなとこだったかゾ?
心の海というのは。 」
「 それがすね、これがまた不思議なもんなんだよなぁ・・・ 」
タドコロは、あの精神世界のナザリックについて、MURに語りだした。