異世界TRPG ~命知らずな奴らと行く異世界探索譚~   作:@7281mo-mu

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 他の作品は執筆中ですが、最近クトゥルフTRPGにハマってるので実験的に小説にしてみました、
 面白かったら感想や評価お願いします。


~始まりの村~ 

 詰所で、カランカラン……。とダイスを転がす音が響いた。

 

「ううぇ~い、俺の1人勝ち~!」

「くっそ、また負けた…!?」

「お前は弱いなぁ~?」

「うっせえ!次こそは勝つ!」

「いや、お前ら仕事しろよ!!」

 

 音のする方を見ると、いつも通り仕事中にダイスゲームで賭け事して遊ぶ同僚の姿があった。

 そんな同僚に思わず声をかけた俺に注目が集まる。

 

「なんだよバンカ、お前もありたいのか?掛け金額は500Gまでだからな?」

「仕事中だって言ってんだろ。それと賭け金は意外と良識の範疇に抑えてるんだな……」

「おうよ!なにせ、仲間の間でデカい金を賭けるのはトラブルに繋がるから自重してんだよ」

 

 変なところで律義というか、良識的な同僚達に呆れと感心を抱く。

 しかし、この3人はこの前、金の出費が多いということで嫁さんに怒られていたことを思い出して、感心の念は消失した。

 

「賭け事ばっかしてると、嫁さん方に怒られるぞ」

「「「!?」」」

「そんじゃ、俺は見回りしてくるんで」

 

 俺の忠告に明らかに動揺した様子の同僚を横目に、俺は業務である朝の見回りへと向かった。

 

 

 俺の名はバンカ、17歳の男。この村で自警団の1人として治安維持を務める。

 顔立ちはそこそこいいと思うが、15歳で成人になると同時に結婚をするこの辺りでは珍しい未婚男だ。

 まぁそれは当然の話だ。なにせ、俺は元々この村の出身じゃないからな。

 12歳で母の故郷であるこの村に移り住み、余所者と避けられながらも村のみんなに認めてもらえるように頑張った末に、成果が出たのは16歳の同じくらいの年頃の異性が売り切れた後だった。

 このご時世、13までに村内で婚約者を決めて、15で入籍というのが定番だからな。15歳より上の未婚は近隣では余り者として見られる。

 そんなこんなで俺は、今では村の一員として暮らせているが、この通り行き遅れに片足突っ込んでる悲しい現状だ。

 歳下かつ近い年代の異性はいるが、10歳なので異性として見れない。例えそいつらが結婚できる歳になっても俺は23歳なんて行き遅れに両足突っ込んでる段階だし、そんなおっさん嫌だろうから可能性なんてゼロに等しいだろう。結婚は諦めた方がいいのではないかと薄々感じ始めてる。

 それはそれとして、今更村の仲間からの信頼に背く行為はしたくないので仕事は真面目にする。

 

「おーっす、バンカ~!!」

「ば、バンカさん、お疲れ様です!」

「バンカは何してんの~?」

「見りゃ分かるだろガキ共、村の見回りだ見回り」

「あ、あの…私た」「俺らも一緒に行っていい~?」

「別にいいが、村の中までだ。森の中はモンスターがいて物騒だしな」

 

 噂をすればと、俺と歳が近い年下のガキ共が集まって来た。

 少年を筆頭に、大人しめと快活な少女が俺に絡んできて、いつも通りの要求をしてくる。

 つーか3人中2人は俺を呼び捨てにすんな、年上の男だぞ。

 そんなに舐められてんのか俺は?

 

「なんでだよ、別にいいだろ!?」

「そうそう!バンカ以外の自警団の人はみんなサボってるって聞くよ?」

「いや、まぁそうだが……」

「ふ、2人共……あまりバンカさんを困らせちゃ…」

 

 2人のガキ共の言い分に反論できなかった。

 だってそれが、情けないことに事実だから。

 村の自警団とは、農作物の収穫時期には収穫の手伝いをし、家屋の修繕をしたりと何でも屋みたいな存在になっているが、基本的には村と森を歩き回って異変が無いかを調査する役割がある。

 そして、いざという時にはモンスターとの戦いで前線を張るのだ。

 この世界には人類を脅かす危険な生物、モンスターが存在し、そんなモンスターを使役できる魔族なんて存在もいる。

 そんな魔族と俺達人族は、翌年まで種族間の存亡をかけた戦争をしていた。

 そのため、緊張状態が続いていたが……最近は戦争のピりついた雰囲気は消えていた。

 理由は簡単、休戦しているからだ。

 

 人族と協力者である他種族の勇姿達で結成された、勇者パーティにより前線が押し上げられた。

 相手側の幹部や凶悪な使役されたモンスターを倒し、魔族の総大将と互角に渡り合った彼らの活躍は、人族に勝利を確信させる程の希望を与えた。

 しかし、結果は魔族のトップである魔王によって敗走。魔族側も被害が多いということで休戦となった。

 すると何故かモンスターの数が減少して、この辺りに生息するタダでさえ弱い傾向にあるモンスターが数を減らしたため、森は警戒する必要がないくらいに安全になった。

 だから、最初は警戒していた同僚達(あいつら)も、これ以上警戒する必要は無しとして、今ではあの体たらくだ。

 

 バッカじゃねぇの?急にこうなるなんて、何らかの異変があるに決まってんだろ。

 そう考えた俺は、臆病かもしれないが毎日森に潜って業務を熟しながら異変を探していた。

 今日まで一度も異変なんて見つからないがな……。

 

「……やっぱ駄目だ!せめて俺の賭け狂いな同僚の内1人から1本取れるまでお預けだ!」

「「ええ~~」」

「仕方無いよ、2人共…諦めよ?」

「しゃあねぇか~、だけどいつか連れてってくれよ!」

「そうだそうだー!」

「はいはい、そんじゃ、さっさと行くぞお前ら」

「「「はーい」」」

 

 こうして俺は、ガキ共を連れて村を巡回した後、森の見回りへと向かった。……しかし、その時の俺は知る由も無い。

 

 ―――この出来事が、俺の命運を変えるなんて……。

 

「今日も異変は無し……いや、野生動物の声がいつもより少ないか?‥…警戒だけはしておくか」

 

 俺が見回りを終えようとした時、森の僅かな違和感が気になって少しだけ見回り時間を伸ばす判断をした。

 この時の俺を見たやつらには気にしすぎ、臆病と言われるかもしれないが、毎日この森を潜っている俺にとってはこの違和感を切り捨てる程の図太さは持っていなかった。

 

「……これも性分なんでな、仕方ないだろ」

 

 誰に対しての言い訳でもない台詞を呟きながら、周囲を見渡していた。

 すると、カランカラン……という音が聞こえた。

 

 ―――それと同時に、何者かの気配を感じた。

 

「———ッ、誰だッ!」

 

 咄嗟に気配を感じた場所……頭上を見上げると、木の上に1人の人物がいた。

 

「うっそ……気付かれた!?」

「村の物では無い……お前、何者だ!ここで何をしていた!?」

「ええっと……今降りるから待って」

 

 俺の言葉にその人物が素直に降りて来た。

 その人物は白髪と青い目をした美しい女性だった。歳は俺と同じくらいで、露出が少なく動きやすそうな見たことも無い装いをしている。

 明らかにこの辺りの人間ではない……俺と同じ街からの流れ者か?

 だけど、その風貌と木の上で隠れていた点も考慮して、警戒は解かないでおこう。冒険者崩れの盗賊の可能性もあるからな。

 

「質問に答えて欲しい、あんたは何者だ?ここで何をしていたのか教えて欲しい」

 

 できるだけ相手を刺激しないように質問する。

 俺の言葉に従ってくれたこともあるから、会話する気はあると予想できるし、俺としてもできるだけ争いは避けたい。

 そんな俺の考えを読み取ってか、白髪の女性も話に応じた。

 

「分かった、私の事情も話す…話しますね。実は私、冒険者でして依頼でこの森の調査をしていたんです」

「この森の調査?」

 

 おかしい…。森を調査するなら、俺のいる村に寄るはずだ。だが、冒険者が来たなんて俺の耳には入ってない。

 単純に俺が知らなかっただけかもしれないが……少しだけ詳しく聞いてみるか。

 

「どんな調査だ?」

「あー…えっと、この村付近の森でモンスターの討伐してたんだけど、迷子になって絶賛迷子中でした。木の上に登って周囲の確認をしようとしてたところで衛兵?さんと出会ったんです。ちなみに依頼のモンスターは倒せました」

「……成程な」

 

 冒険者が迷子になるのはどうかと思うが、そのモンスターとの戦いやら何らかの原因でこの森の地図を紛失した可能性もあるか。

 土地勘のない場所に行く時、冒険者は地図に従って依頼先へと向かうらしいから、この女性の言い分にも納得でき―――「カランカラン……」「あっ」―――いや、やっぱ怪しいはコイツ。一旦、村まで連行しよう。

 

「すまないが、そう簡単に信用する訳には―――」

「―――チェストォオオオ!!」

「なっ!?」

 

 突如、目の前の白髪女が飛び蹴りを仕掛けてきた。

 マズイ!不意を打たれたから、避けれな———

 

 カランカラン……。

「あああ!?」

 

 白髪女の蹴りが、俺の真横を通り過ぎていった。

 なんか分からんが、狙いがズレたみたいだな。

 そう思って、白髪女の飛んでった方を見ると……何かを破砕する轟音が響き、背後の木が粉砕されていた。

 

「・・・」

「外れたか。……次は当てる!」

 

 ……やっべぇ~~~!?

 何だあの蹴りの威力!人間がくらったら木っ端みじんに吹き飛ぶぞ!!

 あの白髪女、予想以上にヤバイ。まさか、人族よりも身体能力が高いという魔族なのか!

 そう思いフラフラと立ち上がる白髪女を観察するが、外見は完全に人族だ。

 魔族の特徴である頭の角は見えない。

 ならば野盗の類……?

 いや、どちらにせよ、抵抗しなければ蹴り殺される……!

 俺は剣で反撃を試みる。

 

 カランカラン……。

 

 だが、ヒョィっと軽やかな動きで、俺の剣は避けられてしまった。

 

「そんなんじゃ当たらないぞ~、今度はこっちの番」

白髪女はそう言うと、腰に刺さっていた鉄製の奇妙な形状の棒で殴りかかってくる。

 だが、この攻撃も避けれた。

 戦闘は久々のはずだが、どうやら俺の身のこなしは平穏の中でも衰えていなかったようだ。

 さらに反撃として、白髪女を上段から斬りつける!

 

 カランカラン……。

「回避っと、オラァ!」

「危なっ!?―――くらえぇ!」

「はい余裕!仕返しだ!」

 

 俺と白髪女の戦いは、互い攻撃を仕掛けては避けて反撃して避けられる、を繰り返していく。

 互いの攻撃が当たらない。これじゃあ埒が明かない!

 というか、結構な頻度で聞こえてくるカランカラン……という音はなんだ?

 どこかで聞いたことがあるが……記憶を掘り返すのは後回しだ。

 

「いい加減に当たれ!」

 カランカラン……。

「やばっ……あばっ!?」

「あっ」

 

 俺の剣はやっと白髪頭に直撃した。

 直撃したんだが、つい力加減を誤ってしまい深い切り傷を付けてしまう。

 見た感じだと致命傷1、2歩手前の状態だ。

 つまり、俺はやり過ぎてしまった。

 

「す、すまん…!今すぐ治療を」

「お、応急手当を……」

 

 慌てて白髪女に駆け寄り、傷の手当てを試みようとする。

 こう見えても治療に関しての心得は得ており、応急手当ならそれなりにできる。

 そう思っていたが、どうやら白髪女自身にもそういう心得があるらしい。

 俺が近づくより前に自分の患部に手を当て、止血を試み始め………。

 

「あべしっ!?」

 

 盛大に血を噴き出して倒れた。

 

「・・・は?」

 

 ……何が、起こった……?自分で手当てしようとして傷口が開いたのか?

 ぱたりと倒れて動かなくなった白髪女に恐る恐る近づくと……し、死んでる!?

 いや、でもまだ息はある!今すぐに応急処置をすれば助かっ―――「カランカラン……」―――またあの音が鳴ったが無視だ無視!俺は治療に専念する。

 焦燥感に駆られながら、急いで自分用に所持していた下級の回復ポーションを取り出す。

 下級でもこの村では貴重品。俺の虎の子の品。給料3カ月分!

 だが、こいつの命を繋ぐには必要不可欠の物だ。

 自分を殺そうとしてきた相手を救うのか?

 そんな僅かな躊躇いを振り切って、取り出した下級ポーションは………使用する前に俺の手の中から消滅した。

 

「・・・は?」

 

 すると、白髪女の傷が瞬く間に塞がった。

 

「・・・は?」

 

 俺はポーションを持ってたはずの手と白髪女を交互に見やり……。

 

「・・・いや、どういうことだこれぇえええええ!?」

 

 やっぱり何も分からなかった俺の叫びが、森中に響き渡るのだった。

 

 




戦闘フェーズ
 行動順:白→バンカ
 ラウンド1
 白(キック23成功+MA(マーシャルアーツ)46成功+跳躍03クリティカル 倍化により16ダメージ → バンカ)
 バンカ(回避20-補正23成功)
《ラピス・ホワイトは不意打ち気味に飛び蹴りを放つ。しかし、バンカは寸前で気が付き回避に成功しました》
 バンカ(刀剣74失敗)
《バンカは剣で斬りつけるが、剣は空振ってしまう。次のラウンドへ移行します》
 ラウンド2
 白(釘バット56成功MA35成功 10ダメージ → バンカ)
 バンカ(回避29成功)
《ラピス・ホワイトは腰に下げた鉄パイプを手に持ち、バンカへと殴りかかる。しかし、その攻撃も回避されてしまう》
 バンカ(刀剣34成功 9ダメージ → 白)
 白(回避34成功)
《バンカの剣が迫るが、回避に成功する。次のラウンドへ移行します》
 ラウンド3
 白(釘バット21成功MA85失敗 3ダメージ → バンカ)
 バンカ(回避42成功)

 ・
 ・
 ・

 ラウンド5
 バンカ(05クリティカル 倍化により10ダメージ → 白)
 白(回避95失敗)HP14→4
(CON×5 39成功)
《バンカの件はラピス・ホワイトの腹部を斬りつけ重傷を与える。しかし、ラピス・ホワイトは痛みに耐えて気絶せずに済む》
 白(応急手当100ファンブル 3ダメージ)HP4→1
《………ラピス・ホワイトは自身の傷を手当しようとするが、誤って触っちゃいけないところに触れて大量出血を起こしダメージを受ける。自動気絶しました》
《戦闘終了です》


(応急手当03クリティカル)HP1→9
《………バンカはラピス・ホワイトに下級ポーションを使って応急手当をした》



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