『ネム、至急テセウス港まで来てください。ミノス島の近くに、謎の小島が新たに発見されました。…【魔界】が形成されようとしています。』
まず、魔王級モンスターが一箇所に集まる。
次に、【魔界】が形成されドラゴン級相当の眷属が大量に発生する。
最後に、外への侵攻を行う。
「わかった。行くよ、ワラキア。」
「ギョイ。」
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集まるは錚々たるメンバーである。
ペルス島島主、エリオット=エヴァンス
エルガン軍
対
「…魔界形成が、実際に始まろうとしている。」
白い髭を生やした筋骨隆々の老人がローラン。見て取れるほどの腕前の高さで、ネムと黒騎士が束になってかかっても、傷一つ負わないだろう。
様々な冒険者たちや、軍の兵士達が待機する中、ローラン=ディルフィニアが命令する───。
「魔界が形成される前にミノス島周辺に赴き…そして制圧せよッ!!」
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「師匠、私たちはどこに送られるの。」
「…。」
「ヤマクジラを討伐したということで、ミノス島に送られることになりました。」
「ミノス島?」
ミノス島周辺に赴くという話ではなかったのか?
「どうして?別にいいけど、流石に何十体も魔王級を相手になんてしてらんないよ。」
「ネム、セクエンス…。あなた方は、ミノス島にいるだろう統率個体を暗殺してきてもらいたいのです。」
「!」
統率個体…。
統率個体を倒せば、
「4体の魔王級が魔界作戦のために小島に散ったために、現在、ミノス島には8体の魔王級が存在します。…現状で最強とされるメンバーがそこに突入する予定です。」
北、黄昏ネムとワラキア、薔薇剣のレギーナ
南、魔王級冒険者、【ケルベロス】のジン=アレス、【剛力無双】坂田雷虎
西、最優騎士、デビッド=ディルフィニア、魔術師団団長、ヘルモス=バアル
東、隼騎士、ウィング=スレイ、エルガン軍巨流師範、リチャード=メルツ
この程度の人員であれば、魔王級モンスターが察知することはない。積極的に追いかけてくることはないだろう。この8人で統率個体を捜索する。
「よろしくお願いします。」
「ん。任された。」
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作戦の決行は1週間後…。眷属達の卵を産んだ魔王級モンスターが最も弱る瞬間を叩く。
また、それを陽動として統率個体を捜索するのだ。自宅にて、ネムと黒騎士は英気を養っていた。
「セクエンス。」
「……。」
「100年前のこと、覚えてる?」
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100年前のこと。セクエンス=エヴァンスはエヴァンス家の当主の座を受け継ぎ、結錨の大剣を授かった。そのままひとつ、指令を言い渡される。
『伝説の人形師、ヘレネの協力を得てこい。』
その頃は、エヴァンスの港の近くでスタンピードが起きようとしていた。魔物のレベルは高くなり、無理に前線に出しても無駄死にすると分かっていたのだろう。
セクエンスはヘレネの家を訪ねた。その時に、ヘレネの弟子だった少女…黄昏ネムと出会った。
『自分は、セクエンス=エヴァンスというものです。ヘレネ様のお宅で間違い無いでしょうか。
『うちは宗教勧誘お断り。』
『えっ。違いますよ!エルガン軍です。ところで…お弟子様であってますか?改めてヘレネ様をお呼びしていただきたいのですが…。』
『今、いないよ。』
『それでは外で待たせていただきますね。』
その後なんだかんだあって、ヘレネを師匠にしたセクエンスは、ネムを連れ立って
統率個体は人程度の体躯なのに、とてつもないパワーを秘めていた。おそらく、魔物の天敵…すなわち人間を真似ているのだろう。器用に武器や体術、魔法を使いこなし、セクエンスとネムは追い詰められてしまった。
『俺ごとやるんだ…!ネムッ!』
『…わかった…。これで…終わらせるッ!!』
戦いの中、機会が訪れ統率個体を羽交締めにするセクエンス。セクエンスごと、ネムは統率個体に大剣を突き刺したのである。
『…あ、り、がとう…。』
『セクエンス…。』
が、その時に奇跡が起きた。
セクエンスの魂が、統率個体の身体に入りこみ、そのまま支配してしまったのだ。
『 ウ、オ、オオ、オオオオッ!! 』
『駄目、セクエンス…!…これをやるしかない、か…!』
しかし、統率個体の身体は魔物である。故に暴走を始めてしまうところであった。そこで、ネムが結魂の儀を執り行い、魂を共有することで統率個体を完璧に支配することができた。
かくして、100年前の
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「覚えている。」
「███し█……。」
ぼそり、聞き取れなかったが───ネムが何かを呟いた。
「…?」
「いや、何でもない…。前みたいに解決はできない。今回は…必ず倒さなくちゃならない。必要なからくりをいくつか作っておかないとね。」
スタミナ、再生能力、器用さ、成長速度…これらの要素を対策できれば、経験に優れるこちら側が勝てるだろう。
今度こそ───誰も奪わせない。