この物語はフィクションです

もう9月ですけど暑いのでどうぞ

そんなに怖くはありません

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ぼやける

 

数年前の話です

 

私の地元では公会堂という場所で校区の子供達とその親が集まって何かする、というようなことがそれなりの頻度で行われていました

 

確かクリスマスの頃だったと思います

その時の集まりは子供の集まりということもあり帰るよ〜終わるよ〜という大人達の中でわちゃわちゃと長引いていました。

そんな事を言う大人達も子供達が外に出る頃には世間話に話を咲かていたのであたりがもうすっかり暗くなっても公会堂の照明は消えていません。片付けが終わるのが暇だった子供たちも駐車場で鬼ごっこを始めていてまったく解散する気配がなかったことを覚えています。

 

ここで少し公会堂の鬼ごっこが行われていた場所の話をしたいと思います。

あなたはお大師さんというもの、というか人を知っていますか?中国地方の方や四国の方で田舎育ちの人は身近だったりするでしょうか。私の地域では夏の中旬に公会堂に簡易的なお賽銭箱を並べてお参りに来てくれた子供にお菓子の詰め合わせを渡すというような簡単な行事としてありました。そうして子供の無病息災を願って見守っていてくださいと願うのです。

 

なぜこの話をしたのかと言うと実は話の本筋とはまったく関係はありません。ただそういう理由で公会堂の駐車場横には行事の時に使うお大師さんの人形を祀る祠があったのです。

 

確かあの時私は鬼ごっこをしていてふとそちらの方を見たのだと思います。走り回り一息ついて気分が高揚していた私は笑顔のまま固まりました。なぜだか酷くその時の音だけ記憶にありません。

祠を囲む垣根と祠の間に少し空いた場所、祠へ導く飛び石の道から外れた左側、祠のすぐ横の辺りその場所にやけに白い服の子供がいました。

 

一番はじめに私が考えた事は○○ちゃんあんな服来ていたか?というなんとも間抜けなものでした。

どうにも背格好が同じ人はその子しかいなかっかったのでまぁこれは仕方ありません。

この文で疑問に思った人もいるでしょう。なんでこいつ顔を見ないんだ?

彼女の顔は、顔以外も、ぼやけて崩れて何もわかりませんでした。

解像度の高いモザイクの色の配分がかろうじて黒の長髪である事を示していました。

 

それを見た私はこんな事を呟いたことを覚えています。

 

ずいぶんと目が悪くなったなぁ

 

ええ、警戒心の欠片もありません危機感が足りません。

足らん足らんは頭が足らんというやつです。

普通にバカなガキしかもマセガキなのが始末に負えません。

 

それとも体験した事の無い違和感の固まりにそんな事を考えなければ呑まれてしまうとそう無意識的に感じていたのでしょうか?どちらにしろ結果的にそれは悪手でした。

 

おーい○○ちゃんそんなところで何やってるのー?

 

熱に浮かされたような現実感の中で私は激しくなる動悸を無視して話しかけました。

瞬間、彼女は祠の後ろに身を翻してしまいます。それはもう思わず追いかけてしまうほどに。

 

あ!ちょっと!

 

ほーら悪手

 

私は何にも考えず玄関の明かりの届かないその場所にあしを踏み入れました。きっとだれも見ていない場所に入って行く私は傍から見ると彼女と同じようなものに見えたでしょう。

 

足元の見えないみえない祠の後ろは少し離れた十字路の街頭が前方の道を照らす程度でした。

私が彼女が見当たらないことに疑問を覚える間も無く踏み出した足の下の砂利が強く鳴りました

 

何かに強く右膝を打ち付けた私は数十秒間手をつき暗闇の中で痛みに呻いていました。

受身をとった手のひらはかなり擦りむいていましたが骨から伝わる痺れのような痛みの方が私を立ち上がることを邪魔していたのです。

しばらくして私は暗闇から前方の道へと右足を引き摺るようにして這い出ました。

 

○○?そんなとこで何やってるの?

 

這い出した私に声をかけた近所の子にコケたことを伝えながら私は彼女が何処にいるのか探していました。

ふと抑えていた右足から濡れた感触がしてああ擦りむいたかと考えました。

 

え?大丈夫?

 

そんな声をかけたのは探していた件の○○ちゃんでした。しかし妙な事に彼女はかなり離れた場所にいてとてもつい先程祠の後ろから出てきたようには見えませんでした。

 

当然きいてみても返ってきたのは困惑した否定の言葉。

そもそも彼女は白い服など着ていませんでした。

 

おかしいな?そんな事を言いながら公会堂の玄関で話していた母親に

 

お母さん絆創膏ない?

 

そう話しかけました。

話していた母親とその周りの親たちはどうしたのかと心配の言葉をかけてきました。

 

少しこけてしまったんだと言いながら覆っていた手を離した瞬間彼らの顔色は変わりました。

 

え?と覆っていた手を見て見れば真っ赤に染まっていました。

 

膝を見てみればぱっくりと開いたピンク色と白っぽい何か真ん中の赤と周りの赤が目に飛び込んで来ました。

 

パニックになった私は泣き叫び緊急医療へと運ばれて行きました。

 

 

 

最近私は何に足を打ち付けたのだろうかと探しに行きゾッとしました。

おそらくそれは解体された石の鳥居の角でした。

そして祠の裏の土台のコンクリートちょうど私がこけたその場所に黒ずんだ血の手形がひとつベッタリとついていたのです。

 

きっとあの手形が消えたとしても私の膝の縫い跡は一生消えることはないでしょう。

それが今は酷く気持ちが悪い。

 

あの少女は結局なんだったんでしょうか。

 

 

 





嘘なんだからくだらないだとか
そんなものより人間の方が怖いだとか
まぁ色々言われますが
自分的には幽霊はいてくれた方が嬉しいんですよね
理由のない恐怖の方が自分は好きです



近畿地方のある場所についてって本が映画化されてたから読んでみたので書きました
まぁ小説の方に言いたいことは色々ありますが映画は見なくていいかな…
ロマンスに走るのはメディア化の悪いとこですね

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