仮面ライダーガッチャード&デッドプール&ウルヴァリン デイブレイク・オブ・フューチャー・パスト 作:バリー
『アース-10005』のニューヨークにある自動車販売店『ドライブマックス』にて。
ピーターが家族連れの客に車を売りつけていると、二つの物体が勢いよく上空から落ちてきた。
車のルーフとボンネットをズドンッズドォンッとめり込ませたその物体の正体は、ウェイドとローガンである。どうやら彼らはアライオスに食われる前に、光る輪をくぐり抜けられた様だ。
いきなり人間が空から降ってくるというショッキングな光景に客である両親は顔を引き攣らせるが、彼らの子供達は違った。車から降りたウェイドとローガンを見て、兄弟は興奮のあまりに笑みを浮かべる。
「うわぁ、ヤバい…デッドプールだ…!」
「ウルヴァリンもいる…!」
「そうだ、ヤツだよ。F◯Xが殺したが、ディ◯ニーがカムバックさせて九十までこき使う予定だ。」
その後、ローガンと共に何処かへと走り去っていくウェイドに向かって、ピーターは叫ぶ。
「今日は退勤にしておく!」
「『永遠に』だ!」
小さくなっていく彼の背中を、ピーターは笑顔で見送った。
「『永遠に』…!」
パラドックスは苛立っていた。邪魔な次元を心置きなく消滅させられると思ったのに、一番見たくない連中が戻ってきたことを知ってしまったからだ。
安全確認をすっ飛ばして、地下鉄内でタイムリッパーを直ぐ様作動させるよう部下に怒鳴りつけても尚怒りは収まらなかった。
憮然とした表情を浮かべながら、パラドックスは『24番ストリート駅』の階段を登る。地上に出た彼は駅に向かおうとするウェイドとローガンに「止まれ!」と叫び、彼らの前に立ち塞がった。
「失せろ、手遅れだ!!」
「お前こそ、終わりだ。」
「ソーは、なんで泣いてた!?」
「何なんだよ、キミ達!虚無から戻れる者はいないのに!」
「カサンドラ・ノヴァに言えよ。」
その時、ウェイドとローガンの背後からチリチリという音が聞こえた。振り向くと交差点の中央に、あの光り輝く輪っかのゲートが出現していた。
火花を散らしながら巨大化するそれに、パラドックスが怪訝そうな顔で近づく。すると、中からユウスケの姿が現れた。
「緊急事態だ、パラドックス!問題が起こった!」
「一体、どうした!?何があった!?」
パラドックスの質問に対して返ってきたのは、ユウスケの首が折れる音だった。物言わぬ骸と化した彼を穴の向こう側に放り込むと、カサンドラ・ノヴァはコートを靡かせながら、ゲートから出て来た。
「パラドックス…ユウスケの記憶にあるより太ってる。私を消そうとした…!」
「ハハッ、何のことかさっぱり分からな—」
惚けようとした彼の言葉が途切れる。
「王を襲うのなら…きっちり殺すことだね。」
「おおっほっ!脳ミソファ◯ククラブへようこそ、パラドックス!彼女は手を洗わないぜ!」
瞬時にパラドックスの背後に移動したカサンドラは、彼の頭に手を沈み込ませてその中を蹂躙する。顔面の皮膚の内側に自らの指を滑らせ、その内の数本を彼の目や鼻の穴から生やす。
「おお、何だこれ?『タイムリッパー』?悪い子だね。」
「今から下に降りてぶっ壊すから大丈夫だ。任せとけ。アンタは脳ミソいじっといて。」
「いや、壊す必要はないよ?私が利用するから。行きな!ママとパパはお話があんの!」
カサンドラはウェイドとローガンに向かって、パチンッと指を鳴らす。するとサイコパワーによる衝撃波が発生し、二人は後方に吹っ飛ばされた。
弾丸の如き速度で射出された彼らの身体は停まっていた車にバウンドし、そのまま猛スピードでブティックのショーウィンドウを突き破って壁に激突する。それによって千切れた天井の配線が、火花を蛇口の様に吹き出した。
二人のことなど気にもとめず、カサンドラはパラドックスに語りかける。
「面白いこと教えようか?私は虚無で幸せだった…送られてきたクズをアライオスと片付けて、全て丸く収まってた…そしたら、お前がウチの縄張りにちょっかい出してきた。こっちもお返しさせてもらうよ?」
彼女は恐怖の表情を浮かべるパラドックスの頭を弄び続けた。
「これからタイムリッパーを使って、まずはこの世界を滅ぼしてやる。次の世界も、その次も、その次も…そして最後に残るのは、虚無だけ。そして、この私が『神』となる…!」
手を突っ込んだ状態でパラドックスの頭を内側から掴むと、カサンドラはそのまま彼の身体を引きずりながら地下に続く階段を降りていった。
「お前の立派なオモチャの使い方を教えな!大丈夫、『知り合い』を呼んどいたから邪魔は入らないよ!」
その頃、TVAにあるオフィスで書類を呼んでいた黒人の女判事『B-15』のもとに、彼女の部下がやって来た。
「失礼します。見て頂きたいものが。」
彼はB-15のデスクに近づくと、彼女の前に置かれている端末のキーボードを操作する。
「『アース-10005』で、承認されていないタイムリッパーが作動する兆候があります。」
B-15は椅子の上で姿勢を正し、切り替わった画面を見つめる。モニターにはタイムリッパー、そしてそれが設置されている場所の地図が映し出されていた。
「誰の管轄?」
B-15は険しい顔で問うと、部下は彼女と同じ表情を浮かべながら静かに答えた。
「パラドックス…!」
カサンドラに吹っ飛ばされたウェイドとローガンは火花を散らすブティックからよろめく様に抜け出すと、目の前で展開されているゲートを見た—勿論、周りの民間人が全員逃げ出すのを確認してから。
二人がゲートを見つめていると、内部で立ち込める霧が一瞬悪魔の顔の様になった。まるでこちらに警告するかの如く、浮かび上がったそれを見た彼らは緊張感を高める。
「おおっと?コイツは…ヤバくね?」
「クソッ…!」
不吉な予感がしながらも、ウェイドとローガンが中を覗こうと一歩踏み出したその時、ゲートから『何か』が勢いよく飛び出してきた。
それは赤いスーツにマスクを纏ったバッタ—『ホッパープール』である。彼は鳴き声を上げながら、数メートルもある道路の上をぴょんっぴょんっと跳び、二人がいる方へと向かっていく。
「あの子だ…!」
ウェイドの顔がぱっと輝く。衝動的に彼は地面に跪いて両腕を大きく広げ、まるで失われた何かを取り戻すかの様な勢いで、ホッパープールを迎え入れようとする。
「おいで、こっち!」
ホッパープールは止まらない。跳ねる度に、ぴょんっぴょんっという可愛らしい音がリズムよく響く。近づいてくるその姿に、ウェイドの声もさらに熱を帯びる。
「ここだ、おいで!」
遂にホッパープールがウェイドのもとに辿り着き、勢いよくその腕の中に飛び込んだ。彼は両腕でしっかりとその小さな身体を受け止めると、胸の中に引き寄せてマスク越しに頬をすり寄せた。
まるで、映画のワンシーンの様な光景だった。もし、この場面が映像となってBGM付きで流れていれば、何らかの作品の感動的な名シーンなのだと視聴者は思うことだろう—最も、傍から見ていたローガンは何とも言えない表情で彼らを見つめていたが。
「オレのカワイイ子!もう二度と離さないからね!何があったって、もう二度と絶対に—」
「またゴメンねー!!」
「チクショウ!」
ホッパープールを捕まえて上機嫌になっていたウェイドは、軽快な少年の声を聞いて反射的に叫んだ。ゲートから走ってくるガッチャードPの姿を見たホッパープールは、ウェイドから逃れるように飛び跳ねて彼の腕の中に収まる。
「動物に好かれるなんて、ディ◯ニーのお姫様かよ。ここで一曲やっても、小説だからあまり上手く伝わんないよ?この、ゲテモノ好きのガッチャマンめ。」
「あっ!いいね、そのアダ名!オレの憧れの人*1が出てた映画を思い出すよ!評判は良くなかったけど。」
「ああ、青い
「でも、『極悪女王』では良い演技してたじゃん。」
「お前ら、黙るんだ。」
その直後、ローガンはスンッと鼻を鳴らす。
「何か臭うか?」
「お前の臭いだ…」
そして訝しげな表情を浮かべる。
「お前がいっぱい…」
それを聞いたガッチャードPは、自分が通ってきた穴の方を振り返る。ウェイドとローガンもストリートで輝く輪っかの方に視線をやった。
人間一人がやっと入れるくらいの大きさだったそれは、いつの間にか地下鉄のトンネル程のサイズにまで巨大化していた。
やがて、ゲートから細身の女性がモデル歩きで現れる。ウエストはキュッと締まっていて細く、腕や足はとてもしなやかであった。胸部のラインは控えめではあるが、却ってそれが彼女の身体の洗練さを強調させるのに一役買っている。
だが、それらより最も目を引く特徴があった—彼女の全身を覆う真っ赤なスーツだ。血で染められた様なスーツの腰には二丁の機関銃を提げており、背中には二本の刀が交差した状態で鞘に収まっている。顔はスーツと同じく真っ赤な覆面で覆われており、一つに束ねられた金髪が頭頂部から伸びていた。
彼女の姿を見た者はこう言うだろう—『女版デッドプールだ』と。
また、新たなデッドプールが現れる。今度はボロボロになった赤いマスクをしたギョロ目の頭蓋骨だ。首から下がまったく無く、プロペラ付きのヘルメットで空中に浮かんでいる。彼はこちらにアピールするかの様に、ギョロ付いた目を片方瞑ってウィンクした。
「言ったでしょ。デッドプールは他にもいるって。」
二人の登場を合図にしたかの様に、複数人のデッドプール達が後に続く形で現れた。
西部劇に登場するカウボーイの様な服装をした者。ガスマスクと軍服を纏った戦時中の兵士の様な者。スーツにウェールズの国旗が印刷された者。おしゃぶりを持った赤ん坊みたいな者。フード付きのパーカーを着た子供の様な者。
よく見ると、ウェイドがパラドックスに見せてもらった『仮面ライダー』にそっくりなメンバーも多数いる。
桃が割れた様なデザインの仮面を身に着けた者。顔にバーコードの意匠が施された者。ウサギの横顔と戦車を象った複眼を持つ者。開いた本の様なアイテムがセットされた剣の鞘みたいなバックルのベルトを巻いている者。
ほとんどのメンバーが歩いている中、その間を縫うように低速走行をしている赤い車のルーフやボンネットに乗っかって移動している者達もいる。
「こりゃあ、キチい。」
一人、また一人。十五人、二十人、三十人…数える間にもデッドプール達はゲートから続々と現れ、その勢いは止まる気配を見せない。
多種多様な装いの集団が、洪水の様にぞろぞろとストリートに押し寄せて来る。無数の兵士達が、みるみるうちに辺り一帯を真っ赤に染めていく。
ウェイド達の行く手を阻むべく並び立っているその有り様は、まるで血塗られた城壁だ。一部のメンバー達は首を鳴らしたり、鞘から剣を引き抜いたり、銃の安全装置を外したりして戦闘態勢を整える。
目玉を模したベルトをしたライダーがフードをめくって一本角が生えた顔を見せつけ、赤い車の運転席からタイヤをたすき掛けした様な見た目のライダーが降りてきた。そして彼の肩には、デッドプールと同じコスチュームを身に着けたネズミの様なモンスターが乗っかっている。
やがて『デッドプール・コープス』が全員揃ったと確信したかの様に、彼らの背後にある巨大な光輪のトンネルは一瞬にして消滅した。
「味方じゃなさそうだな。」
ローガンは、こちらを睨みつける全身赤尽くめの集団を見て言った。
「ああ、そりゃないよ。多分、オレ達ここでチェックメイトかも。殺しに飢えたデッドプール百体相手じゃ勝てない。みんなオレより頭悪いけど、一応偉大な先輩達だからパワーの差がありすぎる。」
「ホッパ…」
「なら、オレちゃんに任せとけ。『オリキャラ』共に、『原点』のカリスマを見せてやる。」
ウェイドは両手を上げながら、前に進み出た。
「皆の衆!『元祖デッドプール』です!キミらと戦う気はない—」
「ねぇ、きくまえにウルヴァリンのオチ◯チ◯をアンタのくちからだしてやろうか!?」
穏便に話し合おうとしたウェイドを、子供のデッドプールがド直球の下ネタで罵倒する。
「あの子は、『キッドプール』。一番口が悪いよ。」
すると今度は、腹部にスペードのマークが彫られたライダーの『ブレイドプール』が口を開く。
「ア゙ンダヴァデッダイオレガムッコロス!クザンデ、ドゥバドゥソーズドゥカラベデ、ズパゲッディディカケデャドゥ!*3」
「威勢の良い声が響いてるね。何言ってるかは、暗号みたいで聞き取れないけど。」
続いて狐の様な顔をした『ギーツプール』が赤いハンドガンを肩に担ぎながら、ウェイド達を指差した。
「俺達が来た以上、お前らの運勢は『大凶』だ。『フェーズ6』の『████████』みたいにしてやる。」
「うぉいっ、止せ!やめろ、ネタバレは!まだまだ先のことだぞ!アンタ、マジで早〇だよね。なに?トムホとデキてんの?」
それを聞いた『ハロルドプール*4』が、拳銃をウェイドに向けた。
「ああ、ゴメン。家族の前でする話じゃなかったな。まあ、とにかく…もうおしまいにしよう!」
「まだ始まったばっかよ?」
レディプールが茶々を入れる。
「そうじゃない!『マルチバース』をってこと!!上手くいってない!失敗続きだ!征服者はお払い箱になって、悪魔の博士にゴマをするしかなくなった!S〇NYのデッカい蜘蛛の巣を貼るという見通しも絶望的!我々は読み違えた!ここは負けを認めて、前に進もう!」
「でも、ドラマは面白くなったよ!オレのお気に入りは『シー・ハルク』!」
「アンタ、何言ってんの?マルチバースなんか、もう終わりよ!」
めげずにウェイドは必死に嘆願をしたが、彼の訴えはあっさり
「カサンドラがこれから時間軸を全部ぶっ壊すんだ!もう何も出来ねぇよ!」
そう言ったのは、コウモリにもジャックオーランタンにも見えるマスクをした『キバプール』―のベルトに留まっているコウモリ、『キバットプール』である。
「分かってないな!駅に降りて止めないと、皆死ぬぞ!?」
「ボスは邪魔が入るの嫌がってんだよ!」
「駅に行きたいなら、オレ達を倒してからにしな!『ぶっ放しタイム』だぜ…!」
「ぶっ放しターイム❤」
『ヘッドプール』の合図と同時に、デッドプール・コープスが一斉に武器を構えた。人間社会で見慣れた拳銃を始めとした様々なデザインの兵器が、銃口を向けた状態でずらりと並ぶ。
「やべっ、逃げろ!」
ウェイドがそう叫んだ瞬間、メンバー全員が同時に引き金を引いた。銃声が宙に響き渡り、無数の弾丸やレーザー、炎、電撃が入り混じった集中砲火が怒涛の勢いでウェイド達三人に迫る。
ウェイドとローガンは即座に反応し、ブティックの近くに停まっていた車の方へ瞬時に駆け出した。何発かは身体をかすめたが、幸い直撃は避けられた。
「あだだだだだだだだだだ!!」
だが、ガッチャードPは違った。装甲に複数の弾やビームが直撃した彼は、火花を撒き散らしながらよろめいた。
ホッパープールを抱きしめたままその場に崩れ落ちそうになった彼の腕をウェイドは掴むと、そのまま強引に車のところへと引きずり込む。
彼らが視界からいなくなった途端、ようやくデッドプール・コープスは引き金にかけられた指を止めた。ただし、武器を持った腕は降ろされていない。隠れた三人が出て来た瞬間、攻撃を再開するつもりなのだろう。
「ノーガッチャ~!スーツダメにしたら、制作陣の人に怒られちゃうよ!」
避難したガッチャードPは装甲のあちこちをペタペタと触りながら、独りごちる。
「ああ、デッドプールだとこういうのは日常茶飯事さ。アソコは大丈夫?賢者の石は二つとも無事?」
「平気だよ。純度99.9だからね。オレの『
「お前の群れに殺されるなんて、洒落になんねぇな。クソッタレ!」
「そりゃあないよ、ローたん!こっちだって、自分があんな頭パッパラパーだなんて思ってなかったもん!」
ローガンの憎まれ口にウェイドが悪態をついていると、ガッチャードPが彼に身を乗り出してきた。
「っていうか、さっき『皆死ぬ』とか言ってたけどどういうこと?あのデップー達も巻き込まれるのなんて、相当のことだよね?」
「ああ、それは—」
ウェイドがタイムリッパーのことについてガッチャードPに詳しく話した。
「—てな感じなんだよ。皆オレちゃんだから分かりあえるって一か八か期待してたのに、まさかここまで酷かったなんて。やっぱ、スパイディみたいに上手く行かないモンなのか…」
落ち込むウェイドを見たガッチャードPは、意を決した様に言った。
「じゃあオレ、アンタに協力するよ。正直勝算は薄いけど、一緒にアイツらをやっつけよう。」
「……マジで?いやそう言って貰えるのは嬉しいけど、どうしてそこまで優しくしてくれんの?人にナイスにするのはタダだから?」
「アンタの『ガッチャ』を応援したいから。」
ガッチャードPはウェイドの顔を真っ直ぐ見つめた。
「顔を失った時から、オレはガッチャをもう掴めなくなった。オレの人生、お先マックラーケンってワケ。だから、その分誰かのガッチャを実現させる手助けをしたいんだ。死んだら、叶えられなくなるでしょ?『誰もが求めるマーベルの神』に。」
彼の声には明るさが伴ったままだったが、それでも何処か悲哀を帯びた雰囲気を漂わせていた。正体が少年であることも相まって、その姿はウェイドの胸を強く締め付けた。
「それとまあ、オレの料理を褒めてくれたお礼!久々だったんだよ、人に食べてもらったの!こっちは長く友達とか家族に会ってないからさ。人肌恋しい時があって…あのデップー達はオレのことを生理的にムリって近づいてもくれなかったし。」
「あー、そう…じゃあ、ちょっとタイトル回収するの早いかもしれないけど、遠慮なくバッキー*5になって貰おうかな!でも、その前に—。」
ウェイドはガッチャードPの両肩を掴んで、目線を合わせた。
「気を落とすのはまだ早いぜ、ホウタロウ。オレもクソ野郎のせいで、ユタ州とフレディがガッチャンコした顔で生きる羽目になった。ずーっと一生だ。それでも、悪くない人生を送れてる。誕生日を祝ってくれる家族ができたし、今は憧れのウルヴァリンとタッグを組めてる。前に進むことを諦めなかった結果だ。だから、アンタも同じようにすれば、きっと欲しかったものを手に入れられる!そう…『自分のガッチャ』を!」
他人からすれば綺麗事の様に聞こえるかもしれない。しかし、ガッチャードPは目の前にいるデッドプールが本気で言っていることを感じ取った。実感が籠もった彼の声は、ガッチャードPの心の炎を再燃するのに十分なほどだった。
「安心しろ。オレの世界を救ったら、レジスタンスと一緒におウチに返してやるからな。まあ、後そこのイナゴちゃんも…ひじょ~~~に名残惜しいけど、ダチに会わせてやる。」
「ありがとう…オレ、頑張ってみる!もう一度掴んでみせるよ!自分のガッチャを!」
「ホッパー!」
「どういたしまして…あー、こんなくっさいセリフを言うなんてオレちゃんらしくないなー!作者ちゃんとオレのキャラ把握してる?今さら恥ずかしくなってきた!」
「お喋りはもう終わったか?」
ローガンは呆れた様な眼差しを二人に向けた。
「どっちにしろ、あのクソッタレどもをどうにかしなきゃな。」
「そうだった!今出てったら、トムジェリのチーズみたいになるじゃん!アソコのポジション直す時間もくれないなんて、はぁードチャクソテンサゲ…オマケにオレ、銃ぶっ壊れちゃってるし*6。」
「ああ、それなら…」
ガッチャードPが手をかざすと錬金術を発動し、近くに落ちていた日傘と硬貨数枚を組み合わせて二丁の拳銃を錬成すると、ウェイドに渡した。
「アンタ、絶対大物になれるよ…!」
「へへっ、どうも!」
「ホッパー!」
「あっ、ちょっとホッパープール!?」
ウェイドに褒められて得意げになっているガッチャードPの腕からホッパープールが離れた。そして車から跳び出して、ブティックの前に移動する。
突如として目の前に現れた物体にデッドプール・コープスは引き金を引きかけるが、
「武器を下ろせ!!」
ヘッドプールの一声に赤い集団全員は銃をホルスターに収めたり、自らが持つ兵器の銃口を地面に向ける様に腕を降ろした。
「可愛い『Mr.クリケット』…!!」
それを見届けたホッパープールは、もう大丈夫だと言わんばかりに「ホッパー!」と、ウェイド達に向けて前脚を振る。
心なしか、その表情は得意気だ。自らが持つ愛くるしさを自覚しての行動だったらしい。なんてあざといことだろう。ウェイドは視線をホッパープールから、ローガンとガッチャードPの方に移す。
「勇敢なジミニーが、体を張ってくれたぞ。準備はオッケー?ピノキオ共。」
「お前百人を殺す準備か?良いに決まってる。」
「オレはまだ不器用な未成年だけど、不器用なりに『侵攻』していくよ!*7」
そして停まっていた車から、全身を赤や黄色で染められたスーツや鎧を纏った三人がゆっくりとブティックの前へと歩み寄っていく。彼らから漂っているのは、恐れや不安ではない。目の前にある障害を突破せんとする頑なな戦意だ。
ホッパープールは役目を終えたかの様に何処かへと跳び去っていく。
軍団の前で立ち止まった三人の内の黄色いスーツを着た男—ローガンが背中にフードの如く付いているマスクを被ると、両端にいたデッドプール二人が彼の方に首を傾けて目を見開いた。
それは実写化して以来、黄色いスーツと共に見ることのなかった特徴的なマスク。黒い羽が、目元から獣の耳の様に上に向かって左右に伸びていた。
「ヤバいな、それ…!特別な日のために取っといたのか?」
「オーマイガッチャ…!!」
「殺しの時のためだ。」
「そのマスクの羽、フ〇ラの時に掴んで良い?」
ウェイドの発言にローガンが不愉快そうに唸ると、彼は肩をすくめた。
「ゴメン、オレちゃん羨ましいとビッチになるんだ!」
「オレ帰ったら、TS◯TAYAでウルヴァリンが出てるヤツ全部借りるよ!」
「ああ、そうした方が良い。キミぐらいの年なら『LOGAN』も見れるだろう。でも『ZERO』で、オレちゃんのこと嫌いにならないでね?それじゃ―」
ウェイドは二丁拳銃を、ガッチャードPはガッチャートルネードとガッチャージガンを、ローガンは拳から三本の爪を出して構える。
「
こちらを呑み込まんとなだれ込んでくる赤い濁流に逆らうかの様に、三人の戦士達は駆け出した。
『デッドプール・コープス』にいる仮面ライダー版デップーは、クウガからギーツまでの平成・令和の主役ライダー全てを網羅。見た目は基本フォームをデップー色に塗り直したものですが、派生や最強フォームの武器を使えます。
以下オリキャラ紹介
・『レディプール』
映画では中の人がウェイド役のライアン・レイノルズの奥さんだったが、この作品ではそんな彼女と友人だった『とある歌姫』が担当している。
『家庭教師のト〇イ』のCMや『SING/シング』で彼女のことを知った人もいるのでは?
リアルでも、レディプールの中の人が『彼女』ではないかと噂されていたが公式から否定された。
・『ギーツプール』
よくネタバレをする。
・『ドライブプール』
後述する『ネズミのデッドプール』の現パートナー。彼が乗っていた赤い車は『トライドロン』…?
・『ネズミのデッドプール』
何故かドライブプールと一緒にいた。大好物はトマトケチャップをかけたチミチャンガ。体からは『十万ボルト』の電撃を放つ。
ちなみに彼そっくりの人形が実際に売られているが、まあ十中八九非公式だろう。
余談だが、彼に似たモンスターが出てくる映画にはウェイドだけでなくドーピンダー役の人も出演している。母親を失った主人公に、死んだ母親の頭蓋骨を被って泣いているモンスターの捕獲を勧めた友人として。