シロコは新しい蛍光灯と変えるがなぜか点かず…
アビドス委員会が電気について学ぶお話です。
読みやすさのため、電気についての専門用語は可能な限り省いています。
筆者の体験談を交えていますが、一部現実の基準と法令を改変しているのでフィクションとして読んでください。
これはシロコのSSです。設定がちょっとおかしいかもしれないです。また、筆者の経験を踏まえて書いていますが、創作に合わせて現実の電気技術設備基準、電気工事士法の一部を改変しているため、あくまでフィクションとしてお楽しみください。くれぐれも、素人判断で電線を触ってはいけません。
─────────
某日・アビドス校舎 対策委員会部室
「ん、着いた…」
私は、その日はいつもより早く学校に着いた。いつもは使わない道だったから、いつもより一時間早く家を出たんだけど…杞憂だったみたい。部室の窓からは、朝日がようやく顔を出したのが見えた。対策委員会のみんなはまだ来てないだろうから、校舎の掃除をしようと思って私は部室の電気を点けた。けど。
………
「…あれ?」
ん、電気が点かない。
「電気、切れてる」
昨日蛍光灯がチカチカ光ってたから、もう蛍光灯の寿命が来たのかも。私は替えの蛍光灯を持ってきて、机の上に乗って蛍光灯を変えた。
「…よし」
私は机から降りると、もう一回部室のスイッチを押し直した。
………
ん、やっぱり点かない。なんでだろう。こういうのはアヤネがよくやってくれてるから、よく分からない。とりあえず、アヤネがいつも行ってるところに行ってみよう。
─────────
アビドス校舎 電気室
「んっ…」
古めかしいドアを開けて、私は電気室に入った。ここを使ってるのは、アヤネかホシノ先輩くらいだからか、部室よりも埃っぽいや。とりあえず私は電気室の電気を点ける。少し間を置いて、天井の電気がパッと光って私は顔を手で覆った。
「あれ、ここは点くんだ」
電気室は、いろんな機械が置いてある。私は、埃の上の足跡を頼りに、目当ての機械に近づく。
「屋内電灯分電盤…これでいいのかな」
分電盤は、アイボリーの外観に左右の扉がついてる、大きな鉄製の箱だった。扉に鍵が挿しっぱなしだったので、私は鍵を回して扉を開ける。
「……?」
扉を開くと、中には小さい部品がいっぱい付いてて、それぞれに電線がくっつけられてる。一通り部品一つ一つを顔を近づけて見ていく。それぞれの部品の上にラベルが貼ってあるんだけど、正直全部同じに見える。ただ、中でも大きい部品に太い電線があるから、これを引っ張ってみよう。
「え、っと…」
太い電線に何かいっぱい文字が書いてあるのは無視して、大きい部品の下まで手を這わせる。そして、大きいネジのところまで手を這わせたところで…
「!」
身体に何か大きい衝撃が入ってきて、私は咄嗟に手を離した。…これ、感電したのかな。それと同時に、後ろから声が聞こえた。
「シロコ先輩!?何やってるんですか!?」
「あ、アヤネだ。おはよう」
「おはようございます…って、それどころじゃないです!」
アヤネにしては珍しく大きい声を出して、電気室の中をずんずんと歩いてくる。私の方に来ると、すっと手を出してきた。
「手、見せてください」
「ん、大丈夫。ちょっとビリッとしただけ」
「いいですから!」
アヤネの迫力に気圧されて、私は電線を触った方の手をおずおずと差し出す。アヤネは私の手をひとしきり触った後、はぁ、と溜息をついた。
「意識…はありますね。まだ痺れてるところ、ないですか?」
「それはないけど…アヤネ、ごめん。勝手に機械触っちゃった」
アヤネを怒らせてしまったと思って、私が謝るとアヤネは真剣な顔つきで私を見た。
「いえ、シロコ先輩が無事ならいいんです。でも…」
「でも?」
「今日は一旦、勉強会をしましょう。対策会議はその後でいいです」
勉強会、という言葉に私は耳を動かす。対策委員会でそんなの、あんまりないから。
「え、っと…たぶん部室の電気ですよね?昨日チカチカしてたので、ちょうど今日私が点検しようと思ってたんです」
「そうなの?」
「はい、校舎もそうですが、こういう機械も老朽化していきますから。とりあえず、この場で部室の電気は調べちゃいますね」
そう言うとアヤネは近くの棚に置いてあった手袋をはめて、部品の一つを手に取った。…いきなり分かるんだ。
「アヤネ、私にも手伝えることはある?」
「ちょっと待っててください。…電線は無事ですけど、端子が取れちゃってますね。シロコ先輩、備品室で私がよく使っている棚を開けて、ドライバー、黒いグリップの工具、青いグリップの工具、あと3.5ってラベルが貼ってある小さい箱を取ってきてもらえますか?」
「ん、分かった」
アヤネの指示に従って、私は電気室を出る。校舎の窓からは、朝日が顔を出してた。
─────────
アビドス校舎 対策委員会部室
「えっ?シロコちゃん分電盤触っちゃったの?怪我しなかった?」
あれから20分後。部室の電気を直した後、セリカ、ノノミ、ホシノ先輩が来てアヤネが説明してくれた。ホシノ先輩は私が感電したことをアヤネから聞くと、一瞬だけ顔を曇らせた。
「私が見た感じ、大丈夫でした。シロコ先輩も反省してるので、怒らないであげてください」
「ごめん、ホシノ先輩。私が早とちりしなければ…」
ホシノ先輩は私の言葉を聞くと、ふぅ、と一息ついた後、手を横に振った。
「いや、結果的に怪我がなかったならそれでいいよ~。私もシロコちゃんに教えてなかったのが悪いし」
「でも、アヤネが勉強会をするって言ってた」
「アヤネちゃんが勉強会?なんの?」
私の発言にセリカが首をかしげる。そっか、セリカも私と指名手配追いかけるのが主だから知らないんだ。
「あ~…言われてみると、私もあまり詳しくないですねぇ」
ノノミは何の勉強会かはなんとなく察してるみたいだった。
「はい、これからシロコ先輩とノノミ先輩、セリカちゃんには…」
「電気の勉強会を受けてもらいます!」
─────────
「電気…?」
「はい、電気です。といっても、触るのは本来免許がいるので、あくまで3人には知識として知っておいていただければと思います」
「え~おじさんは仲間外れ~?おじさん寂しいな~」
「いや、ホシノ先輩は触ってるじゃないですか。…もしかして」
ホシノ先輩が首をかしげているのを見て、アヤネの顔色がみるみる悪くなった。
「ホシノ先輩、まさか無免許でやってたんですか!?」
「ん、そだよ~。アヤネちゃんが来るまでは、おじさんが定期的に点検してたかな~…あっ」
ホシノ先輩が口を滑らせてしまったのを聞いて、ノノミも察したのか、眉を下げる。ホシノ先輩がそんな資格持ってるなんて話、私も聞いたことがない。
「え、アヤネちゃん…ホシノ先輩、そんな危ないことしてたんですか?」
ノノミの問いかけにアヤネはこくん、と顔を縦に振った。その反応を見て、ノノミも顔をしかめる。
「ホシノ先輩…私達に内緒でそんなことしちゃいけないですよね…?」
「私も同意見。ホシノ先輩、すぐ私達に隠し事する」
ノノミが剣呑な雰囲気を出したので、ホシノ先輩は慌てて首を振る。
「ふ、2人とも!?いや、ノノミちゃんは備品の管理とかやってもらってるし、シロコちゃんはパトロールしてもらってるから、おじさんこれ以上負担をかけたくないな~って…」
「いえ、そういう問題ではありません。知らなかった私達も悪いですが…」
「ホシノ先輩は何かと抱え込みすぎ。私達にも相談してほしい」
私達の意見を聞いてホシノ先輩は一しきり目を瞑った後、「うへ~」と声を漏らした。
「私には勿体ないくらいの後輩ちゃん達だよ~。…でも、今からする勉強会は本当に危ないことを学ぶから、なにかあったときはおじさんかアヤネちゃんに相談してね」
「はい、分かりました♧」
「ん、分かった。…セリカ、どうしたの?」
セリカが何か言いたそうにしているので、続きを促す。
「電気って、そんな危ないの?電気って言うと普段コンセントとか使ってるけど、別に困ったことないのよね」
セリカの発言に、アヤネがキッと眉を吊り上げて反論する。
「いえ、セリカちゃん。それは違います。安全に、誰でも使えるようにした結果、今こうして私達が簡単に電気を使えるようになっているんです。銃だって、使い方さえ覚えてしまえば誰でも人に向かって撃つことができますよね?」
「いや、まぁそうだけど…」
「まず、電気が何かとは、といった話は難しいので…電気がどこで作られて、どのような流れで使えるようになっているかを説明します」
アヤネはそう言うとつかつかと部室のホワイトボードに歩いて行くと、何個かの絵を描き出した。工場みたいなものが2つと学校、そして家。それぞれ変電所
「まず、発電所で作られた電気と、私達が普段使っている電気。これの違いは何か分かりますか?」
アヤネの質問に、私は手を挙げて発言する。
「強さが違うと思う。さっき感電した電気と、家で使ってる電気は同じ電気なのにまるで印象が違った」
「正解です、シロコ先輩。そもそも電気は電圧といって電気を押し流す力があり、発電所から変電所、変電所から私達の学校や家の間でその力の強さを変えています。正確には、学校と家でも使われる電圧は違います」
アヤネはそう言うと、一つの工場に「発電所」と書いて、矢印をもう一つの工場に引っ張り、「変電所」と書いた。変電所から2つ矢印を引っ張り、学校と家にそれぞれ引いた。
「…あ、確かに。家だとポットとドライヤーを一緒に使うと電気が落ちちゃうけど、学校の電気が落ちちゃったら大変よね」
「そうです、セリカちゃん。学校の電気は家より強い電気を帯びているので、私達の家にある電気よりも危険です」
「ん〜、そんなに危険なら、電気が通るところだけ色を変えておく、ということはできないんですか?」
「なるほど、一理あるね〜」
ノノミの質問に、次はホシノ先輩が答えた。ホシノ先輩はクッションに顔を埋めながら、手振りを加えながら説明を始めた。
「後で見てもらったら分かると思うけど、学校で使うような電気は電線の色は予め決まっててね〜。極端な話、その色さえ見分けれれば直接電気に触っちゃうことはないんだよ。でも、実際に感電は起こってしまう。なんでだと思う?」
「それは…色が統一されてないってことですか?」
ノノミの答えにホシノ先輩は埋めていた顔を上げて、「そゆこと〜」とサムズアップをする。
「黒、白、赤だけならいいんだけどね。電線の太さ、種類によっては青とか緑、茶色とかも採用されてるからさ。ある程度推測はできても、本当にその線が大丈夫かなんて保証はないんだよね〜」
「でも、アヤネとかホシノ先輩は感電したなんて聞いたことない。じゃあ何か見分ける方法があるはず。違う?」
私の意見にアヤネは顎に手を当てて考え込み、ホシノ先輩は頭を掻いた。
「…私は、部品についているラベルと機器の役割を考えて触っています。例えば、変圧器と呼ばれる部品は電圧を変える役割を持っているので、電気が供給される側には大きい電気が流れていると考えていいでしょう。また、漏電遮断器という部品も、予想より大きい電気が流れてきた時に電気の流れを断つ役割を持っているので、その辺りは触りません」
「アヤネちゃん、家にあるブレーカーとは違うの?あれも電気を落としてるから、ある意味切ってるって言わない?」
セリカの質問に、アヤネは間髪入れずに答える。
「ブレーカーは家の電線に大きい電気が流れて焼損しないように防ぐ役割を持っていますね。漏電遮断機も同じような役割を持っていますが、ブレーカーと違うのは「漏電」も防ぐという付加価値がついています。漏電というのは、電線から外部に電気が流れてしまうことを言います」
「へー、そうなんだ」
「おじさんは…勘かな〜?建物全体の規模から、だいたい設備と使われてる電線の種類は分かるから、後は色を見分けるだけだよ〜」
ホシノ先輩の言葉にアヤネはまたぎょっとする。
「ホシノ先輩、活線かどうかも調べずに作業してたんですか!?」
「いやいや、おじさんも流石に作業する幹線の遮断器は落としてから作業するよ~。そうしないと危ないからさ~」
「かんせん…っていうのもあるんですか?」
ノノミの質問に、アヤネは眼鏡を直しながら答える。
「はい。屋内の電気は、配電盤という設備から分電盤という設備に供給されます。幹線というのは、分電盤毎に設けられる動脈のようなものです。ホシノ先輩はせめて私が持っているクランプメーターを使ってから作業してください」(ホシノのやり方は本当に危ないので辞めましょう)
私は、素朴な疑問があった。免許制というなら、極論アヤネは発電所でも作業ができるってことなのかな。これだけ知識があれば、アヤネはどこででも働けそうなイメージがあった。
「ん。質問がある」
「はい、なんでしょうシロコ先輩」
「すごく話が戻るけど…その電気の免許を取ると、どこでも作業ができるの?」
私の質問を聞くと、アヤネは暫し考え込んだ後、ホワイトボードに人の絵と、線を何本か描いた。
「作業ができる範囲は、免許によって異なります。例えば私が作業できるのはこの、住宅、学校の動力源の範囲内です」
そういって、アヤネは、学校と家、人の絵を〇で囲む。
「工場や変電所、発電所といったさらに強い電気を扱う場所では、さらに高度な免許を持っている人を選任して保守、運用をするよう、連邦生徒会によって義務付けられています」
「そうなんだ。複雑に決められてるんだね」
「ミレニアムなんかだと膨大なデータを扱うデータセンターもあるから、ロボットが作業してるらしいね。おじさん、そういうハイテクなのにはついけてないな~」
ホシノ先輩が言った後、ノノミが何か思いついたようで、ぱちん、と手を合わせて笑顔を浮かべた。
「それじゃあ、いっそのことみんなで免許を取って工事を請け負う、というのはどうですか?」
「…え、それってアビドスの電気工事を私達がやる、ってこと…?」
それを聞いてセリカは躊躇ったようで、「う~ん」と顔をしかめた。
「確かに、アビドスの人に喜んでもらえるし、私達も仕事をするわけだから借金の返済に充てられるけど。…私、そんなに勉強得意じゃないのよね…」
「ん、セリカ。ここには既に免許を持ってる人と無認可でも知識がある人がいる。私達なら、やれる」
「およよ、シロコちゃんが反抗期に入っちゃった。おじさん、悲しいよ~…」
「ホシノ先輩、シロコ先輩は事実を述べただけです。この際、ホシノ先輩にも免許を取ってもらいますからね!」
アヤネが続けざまに追撃すると、ホシノ先輩は少し驚いた顔をした後、朗らかな笑みを浮かべた。
「…うん。みんなで対策委員会だからね。おじさんも、手を貸すよ」
─────────
数か月後 アビドス高等学園 対策委員会部室
「ん!免許取れた!」
私はつい先日送られてきた免許を高く掲げた。これが電気の作業を許可する免許。これを取るためにこの数か月間、アヤネとホシノ先輩にはすごくお世話になった。勉強はあんまり得意じゃなかったんだけど…私でも取ることができた、っていうのが少し自信になった。
「シロコ先輩、取れてよかったね。実技試験の時ストリッパーを忘れた時はどうなるかと思ったけど…」
「私の工具を持ってきていてよかったです。現場で作業するときも必ず部材と工具の確認はしてくださいね?」
「アヤネ、助かった。改めてありがとう。これで私もプロ」
私は改めてアヤネに頭を下げる。試験日直前まで実技試験の練習をしてたから、当日家に工具を置きっぱなしだった。アヤネがついてきてくれてたから、アヤネの工具を借りた。
「そういえば、セリカも受験票忘れてなかったっけ?」
「わ、私はいいの!生徒手帳で本人確認してもらったし!」
「それにしても、みんな取れてよかったですね♧」
赤くなったセリカをからかってると、ノノミとホシノ先輩も部室にやってきた。首から下げてる学生証が揺れて、免許が見えた。ホシノ先輩は無許可でやってたからか、危なげなく作業できてた。むしろ、あの慣れた手つきで持ってないっていうのが信じられなかった。
「いんや~、おじさんもみんなが合格するか心配で昨日は全然眠れなかったよ~」
「ホシノ先輩、さっきまで空き教室で寝てた」
「あれはね、別腹ならぬ別寝」
「そういうもんなの…?」
「冗談だよ~」
「ちょっとぉ!?」
談笑が始まりだしたのをアヤネが手を叩いて終わらせる。
「はい、皆さん座ってください。これで全員免許を取ることができたので、次の段階に移りたいと思います」
「次、っていうと…仕事を見つけるってこと?」
そう。今日は合格のお祝いをしあうために集まったわけじゃない。アビドスが抱えてる借金を返済するために、仕事を見つける。といっても、会社で事業をしているわけじゃないから、住民のお困りごとを解決するみたいな感じになるはず。
「それなんですけど…先生に掛け合ってみたら、シャーレにもそういった人員を手配する依頼が届いてるようです」
「へ~、そんなのもあるんだね。流石連邦捜査部、ってとこかな?」
「はい。今までは他の学校の生徒さんの力を借りてきたようですが、他の学校の生徒さんもスケジュールがあるのでなかなか進んでないようで…そこで、私達の力を借りたいそうです」
「ん、いいと思う。私は免許を取ったばかりだから、力になれるか分からないけど」
「いえ、それが…連邦生徒会長が失踪した今、インフラ管理を担っている交通部も目の前の問題が山積みだそうで…分野が分野なこともあり、各学園で困っているという声は多いようです」
「ん~確かに。ゲヘナは治安が悪いと聞きますしね、建物の修繕だけでも引く手数多なように感じます」
「ゲヘナはあんまりいい思い出がないんだけど…その、入っても大丈夫なの?」
セリカの質問にアヤネはこくん、と頷く。何か勝算があるようだった。
「ゲヘナの風紀委員長…空崎ヒナさんとは繋がりがありますから、先生もヒナさんと連絡を取れば大丈夫とおっしゃっていました」
「あ~、ヒナちゃんなら大丈夫か。こっちの強さも知ってるし、周辺の警備兼修繕みたいな動きができるね」
「そうですね。意見もまとまりましたし、ゲヘナからの依頼を受ける形で進めようと思います」
そう言うとアヤネはスマホを取り出して、先生に連絡を入れた。
「ん、アヤネ、任せた。これからは"アビドス電気対策委員会"として活動してく」
私がアヤネにチーム名を話すと、セリカは顔を赤くし、ノノミとホシノ先輩は笑みを浮かべた。
「愚直過ぎない!?」
「セリカちゃんがいいなら、"覆面電気団"でもいいですよ?」
「ない。絶対それはないから」
「じゃ、名前は"アビドス電気対策委員会"で決まりだね~。アヤネちゃんもそれでいい?」
「そうですね…特に代案もなさそうですし、それでいいんじゃないでしょうか…あ、大丈夫みたいです。じゃあ、依頼のデータをホシノ先輩にも送りますね」
「おっけ~」
こうして、私達"アビドス電気対策委員会"は仕事を請け負うようになった。最初はヘルメット団の襲撃があったり、間違って施設の電源を落としちゃうことがあったけど…今では安定して仕事が受けられるようになった。私はふと思う。あの時、早く部室に着いたことも、一つのきっかけだったのかもしれない、と。いつか、私達が成長したら、会社を立ち上げるのもいいかもしれない。できればいつまでも、この日々が続いてくれると、私は嬉しい。
アビドス電気対策委員会 完