人類滅亡後の地球!封印から目覚めたモンスター達は主を失った人形達の永遠にわたる奉仕を受けるのだった!

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昔何処かで見た話のオマージュみたいな感じです。


第1話

はるか遠い未来、人類は滅亡した。理由は複合的だ。戦争、貧困、病、食糧不足……。つまり人間らしくその業で滅んだのだ。

 

そして、人間に奉仕するために生まれた人形達だけがのこされた。彼ら彼女らは瓦礫を撤去し、街を再建した。同時に、人類の再生に着手した。人類への奉仕がその存在意義であったから。

 

人類の再生は、失敗の連続だった。クローンを作り出してもそれはただの肉の塊で、自意識を芽生えさせる事はなかった。クローン再生させるDNAを変更しても、手法を変えても、人類は再生できなかった。人類の再生は不可能なのでは無いか?

 

幾千万の人形達が超高速で思考、論議を繰り返す。莫大なログが瞬く間に積みあがっていく。もはや自壊もやむなしか。そんな意見も増え始めた頃、ネットワークに、激震をもたらす情報が入力される。

 

「人類、発見」

 

ネットワーク上で超高速の会話が行われる。

 

『人類の生存者はない。小はドローンから大は人工衛星まで導入してその結論に至ったではありませんか。誤認では。――以上』

 

『では、こちらの映像をごらんください』

 

ネットワーク上にとある地点のライブ映像が表示される。それは2人の人類と思われる生命体だった。その2人は現在人形達の追跡から逃走している途中の様だ。

 

『なるほど。これはたしかに人類ですな。どれほど高度なAIでも、ここまでランダムな行動はできません。無駄だらけ。すばらしい。……ですが』

 

『……バイタルデータが、おかしくありませんか?片方は心拍数、体温、共に低すぎますし、もう片方は高すぎます。常人なら生きていられません』

 

『正直いえば、おかしいデータだらけです。突如濃霧が発生したかと思うと対象を見失う。対象が居なくなったと思ったら狼がそこに居る。陽光を避けるなど行動パターンも奇妙です。ですが……人類ですよ?』

 

『……疑問は一時保留。まずは人類の保護が最優先です』

 

かくして、問題を盛大に棚上げした人形たちによる捕獲作戦が開始された。

 

2人組を追う人形の内の一体は、

 

「お待ちください。どうか我々の元へおいでください。――以上」

 

逃げる2人組に声をかけるが

 

「うるせぇ!人形なんか信用できるか!人間!人間は何処にいるんだ!?」

 

「俺は人間の女の血が欲しいんだよ!!」

 

2人組は逃げるのを止めない。

 

「ですから人類は滅亡したと申し上げているではありませんか」

 

「100億人も居たんたぞ!?100年ばかり寝てたらみんないなくなるとかありえねーだろ!?ともかく退け!俺は人間じゃなくて吸血鬼だ!」

 

「ちなみに俺は人狼な!」

 

事実を淡々と述べる人形に対して吸血鬼と人狼はそう叫んだ。彼ら、所謂モンスター達は100年もの間封印されており、封印を管理する人間もいなくなったことで封印が緩み、この世界に再び現れた。

 

しかし、彼らが直面していた世界は人間がいなくなり自動人形(オートマタ)、アンドロイドととも言われる人形達が闊歩する世の中になっていた。それでもなお人間を求めさ迷っていたところを人形に見つかり、現在は人形達に追われていた。

 

「吸血鬼と人狼?ははは。ナイスジョーク。そんなの居る訳ありません。ファンタジーやメルヘンじゃあるまいし」

 

「ちっ。これだから機械ってのは!話が通じねえのか!?」

 

「それはそれとして、どうか我々の元へおいでくださいませ。今なら人類再生計画で失敗した女性クローンから乙女の生き血が飲み放題ですし、すなわち肉も食べ放題です。――以上」

 

「しっかり分ってるんじゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!」

 

「に、肉!?食べ放題……、ゴクリ」

 

「しっかりしろウルフルン!?誘惑に負けちゃ駄目だ!」

 

「で……、でも、俺もう三日も何も食ってねえ……。最後に口にしたのは目覚めた直後に食べた干し肉だけだ……」

 

「くぅ……」

 

「おいでくだされば、三食昼寝付き。ついでに風呂トイレベッド完備のお部屋を用意いたしましょう。さらに毎月50万円の給金を差し上げましょう。人類が存命中の一般的な家庭には及ばないまでも快適な生活をお約束いたします。――以上」

 

「そ・れ・は!」

 

「いいの……!?」

 

吸血鬼と人狼は唾をのむ。それを見た人形は内心でガッツポーズを取る。

 

(よし。釣れた)

 

「さあ。我々と共に参りましょう。さしあたって名前を教えていただけないでしょうか?」

 

「ああ。……俺はレオンハルト・ドラキュリア。一応、伯爵位を持ってる」

 

「俺はウルフルン。人狼一族の族長だぜ!」

 

「ありがとうございます。――レオンハルト・ドラキュリア様とウルフルン様ですね。確認できました。それでは行きましょうか」

 

こうして、モンスター達は人形達につかまり、以後永遠に自動人形達に仕えられる事になる。また、研究により、他のモンスターたちが次々と発見され、捕獲、奉仕対象にされていくのだが……まあ、めでたしめでたしである。

 

そして、更に100年後モンスターと人形達は荒廃していた惑星の環境を完全に回復させ、宇宙進出を果たし惑星名を『モンステック』と改めるのだが、それはまた別のお話……。

 

さあ、今日もご主人様の為に働きましょう ――以上。

 




駄文閲覧ありがとうございました。ご感想等お待ちしております。

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