東方怪異譚ーLegend of vampireー 作:根無草
「かかっ、随分とお似合いな様になったものじゃのう」
業火の中から飛び出してきた吸血鬼ハンターの頭であるあの男は息も絶え絶えこちらを睨み付けてくるーー
フランによる先の一撃、さながら火山の噴火のようなあれを受けて衣装こそ焼け爛れておるが尚も原形を留めておるあたりは流石吸血鬼ハンターの大将首じゃと評価もできよう。
が、原形を留めておるだけでダメージがない訳ではあるまい。現にさっきまでの気に入らない余裕も今では見る影を潜めておるわ。
「ふっ……ふっ……全く、こちらはただでさえ化物の吸血鬼を二人まとめてお相手しているのですよ?少しは考えて発言していただきたいものです……」
「ふん、何が考えてじゃ。考えなしに吸血鬼に戦を挑むのが悪いに決まっておるじゃろう?ま、それももう手遅れなのじゃがな。うぬらはここで確実に消えるのじゃから」
「うん。あなた達はコンティニューなんてさせないよ」
未だ消えぬ業火の縁からフランが戻ってきた。
しかし二百年前は地下へと幽閉されておったフランと肩を並べて戦う事になるとはのう。不死身の退屈だらけな余生も生きておれば何があるのかわからんものじゃ。
それも戦闘の最中、己が狂気に支配される事もなく立ち回るとは。成長を感じるのう。
いや……そもそも元を言うなら儂が二百年前のあの時、ただ殺すのではなく骨も残さぬよう食い尽くしておれば良かったのじゃが……などと言えばあの我が主様は文句を抜かすのじゃろうがな。
「考え……ですか。それならば何度も表明しているでしょう?私達はあくまでも正義の為に吸血鬼を駆逐すると…!」
吠えるだけ吠えて逃げる素振りもなく再び戦闘態勢、か。
構えだけ見れば手負いのなせる所作ではないーーじゃが、手傷を負いながらも衰えん体捌きは見事じゃがこの戦況で足掻くのは些か無様じゃのう。
「やれるものならやってみせい。今度は塵も残さん、心渡の錆に消えよ!」
こちらの戦力はレミリア抜きの儂とフランの二人、戦況から見て奴はまずフランを叩こうとするじゃろう。
つまりは応戦するフランを援護しつつ心渡の一撃を決めるだけで勝敗は決す。我が主様も苦戦を強いられておるようじゃがこのぶんでは死ぬような事はあるまい。あのメイド娘にしてもレミリアが向かった以上は一命を取り留めるじゃろう。
つまり……この戦、この男を落とせば終わる!
「フラン、気を抜くなよ!来よるぞ!」
「うんっ!」
刹那ーー眼前の男が握る双剣が怪しく光った。そして……
「って、儂かい!?」
鼻先で飛び散る火花、その白銀の切っ先を心渡で受け止める。
しかし何を血迷うたのじゃこの男は?そもそも多対個の戦闘において筆頭戦力を削りにでるのは愚手じゃろうが。
叩くべきはまず相手戦力の弱みから。フランには悪いが能力を封じられておる以上はこの場の戦力ではフランの方が下じゃ。
それとも一騎打ちに持ち込めば儂にも勝てるとでも思うたか……
ならばこそ、まずはフランを倒さねば戦況の好転はあり得まい……ヴァンパイヤハンターの長として他の人間よりは認めておったつもりじゃったが、まさかこのような愚策に及ぶ阿保じゃったとは。
大将首さえ討ち取れば勝利などという浅い考えは勝ちを急いだ愚か者の証拠。こんな底の知れる男に二百年もの間追われていたかと思うと興が冷めるわい。
「どうやらこの勝負見えたようじゃな?戦術戦略の基礎すら頭にないような奴が率いる一派に勝てる道理などあるまい」
瞬きも許されぬような幾合かの打ち合いが行われる。
一瞬のうちに距離を詰め、超零距離でこれだけの打ち合いができるのじゃから手負いなのか疑いたくもなるが……これはやはり一騎打ちでの戦闘しか見えておらんな。
「ふふ、
「ほざくなよ小僧」
この近距離ではリーチの長い心渡は不利……音速すら超える双剣を受け続けるにはちと厳しいか。
数えるのも面倒な程の打ち合いの中、白銀の剣が頬を掠めた。身体が燃え上がる程の傷ではないが傷口からは小さな炎が上がりすぐに鎮火していくーーそして
「忍お姉様に何するのよー!!」
ほれ言わんこっちゃない。じゃから一騎打ちなど無理で無茶で無駄なのじゃ。
その背後から襲い掛かるフランの姿が。
口ぶりから察するに儂が押されとるとでも思ったか、はたまた相手にもされんかったストレスでもぶつけたかったのか……やはりレミリアに比べてフランはどこか子供っぽい部分が抜けておらんのう。
いや、そんな事よりも気になる、
儂と向き合い、背後から吸血鬼が迫ってくるこの状況で何故そんな顔をーー
「ほら……やはり貴女方は何もわかっていない……」
命が飛び交うコンマ数秒の世界の中、その一言はやけにはっきりと聞こえた。
「まさかっ……!いかん!来るなフラン!」
見ればフランは素手での特攻ーーあの高火力の剣、レーバティンじゃったか?あれを手にしておらんのは恐らく儂を巻き込むと考えての事じゃろうが……それは悪手じゃ!
並の人間ならばいざ知らず、此奴は相当な剣術の達人。吸血鬼の怪力に任せた単純な特攻など物の数ではあるまい!むしろ儂はどうしてそんな事に気付かなかった!?この超零距離はそのためか……!
鍔迫り合いの中、右の剣で心渡を受け流し、そして左の剣はーー
「まずは貴女に退場していただきます、フランドール・スカーレット!」
「あつっ……いや、きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!熱いぃぃぃぃぃっ!!」
後方から迫るフランを的確に捉え、ブラム・クルースの左手に握られた白銀の剣は白魚のようなそのか細いフランの右腕を一閃のもとに切り落とした。
見る間にその傷口からは猛々しい炎があがる。かすり傷程度ならば問題にもならない……が、腕を切断される程の傷を、まして銀による攻撃で負わされたとなれば吸血鬼といえども……否、儂ですら危ういやもしれん。しかもここは厄介な事に結界の中じゃ、儂よりも不死性の劣るスカーレットの血ではなす術もなく焼け落ちるーー
「ふっ、ふははははっ!首を刎ねたつもりでしたが残念です。しかし、やはり所詮は化け物、こうも容易く隙を見せるとは。貴女の言う通りですよハートアンダーブレード、叩くべきはまず弱い所から、それこそが戦闘の定石でーー」
「邪魔じゃ!退けっ!!」
目先の標的を仕留めた事を良しとしてか、儂を止めておったブラム・クルースは隙だらけのまま高笑いをしておる始末。儂はここぞとばかりにその顔面へと怒り任せの拳を叩き込んだ。
斯く言う儂とて、目の前で今も炎に身を焼かれるフランを前に冷静ではおれんかった。それこそ二百年前、銀弾に倒れるレミリアを前に我を忘れた時の記憶がフラッシュバックする程に。
が、いくら冷静さを欠いておったとはいえこの時、心渡で切り殺す事を選択しておれば良かったと思わないと言えば嘘じゃろう。それ程に判断力の伴わない行動じゃった。
「フラン!?」
遥か後方へと吹き飛んだブラム・クルースを他所に急いでフランの元へと駆け寄る。
切り落とされた腕を焼く炎は既に肩口まで迫っておる。このままでは炎が全身に回り不死身の吸血鬼といえども焼け死ぬであろう。
「いや!いやぁぁぁぁ!!熱い、熱い、熱いっ!お姉様ぁぁぁああああ!!!」
「くっ……これでは……やむ負えん!許せよフラン!」
不死性を制限されておるこの状況下ではこれも危険な手段には変わりないが……今は迷っておれん!
かつて我が主様にそうしたように拳を手刀に構えフランの肩へと振り下ろすーー
「いっぎゃぁぁぁぁあああ!」
「ちいっ……やはり炎は消せても治癒が間に合わん!」
炭化した腕を肩から切り落とす事により焼死は免れたがしかし、儂が切り落とした肩からは噴水のような出血をおこした。
血の怪異とも呼ばれる吸血鬼がこれ以上の血を失えばそれはそれで有事じゃーー
本来ならば切り落とした瞬間にも新たな腕を再生できるのじゃろうがその兆しは一向に見えん。この結界の効力か……ならば!
「もう少しの辛抱じゃ!今すぐ直してやる!」
先の我が主様を見る限り、儂に付随する不死性ならば治癒力を発揮できるはずーー
というより今はそれに賭けるほかない。儂は己の手首へと歯を立てると加減もなくその肉を噛みちぎる。
間もなく、傷口からは真っ赤な血が噴き出した。それを悶え苦しむフランの肩へと振掛ける。
「良し……!」
ペアリングされておる我が主様とまではいかんが再生の兆しは見て取れる。
腕が瞬時に生えたりはせんものの出血自体は治ったーーこのまま儂の血を与え続ければ急場は凌げるじゃろう。
「そう簡単に回復はさせませんよ」
儂は耳を疑った。
が、聞こえた声を否定するように振り向いたその先ーー土煙の中から飛び出してきたのは、真っ直ぐにこちらへと突進するあの男の姿じゃった。
さすがに耳は疑えども目までは疑いようもない。
しかし何故じゃ?儂は確かに全力で殴ったはず……それも幼女の姿ではなく限りなく吸血鬼性を上げての全力じゃ。
どんなに贔屓目に見積もっても大人の男を三十人はまとめて殺せる威力はあったじゃろう。
なのにーーなのに何故、あの男は
「うう……」
腕の中で意識の定まらぬままのフランが呻くーー
そうじゃ……今は奴のダメージなんぞ気にしてはおれん。それよりもこの状況をどう打開するかじゃ。
見るに奴の動きは鈍ってはおるまい……ならばどうする?迎え討つか?
いや、フランを抱えたまま相手にできるほど奴はぬるくない。下手を打てば共倒れもあり得る。
ならばフランから離れて一対一に持ち込むか……あわよくばレミリア達の元へとなだれ込んで乱戦へと……
いや、ならんな。この状態のフランを放置すれば命が危うい。すぐに奴を始末してフランの元へ戻れればあるいは可能性もあるじゃろうが接近戦において打撃の効果が薄いとなれば長身の心渡だけが武器の戦いで瞬殺を決める事は難儀じゃろう。
じゃからといって逃げる訳にはーー
「し……のぶ……お姉……さま」
「フラン!目を覚ましたか!?」
相変わらず目は虚ろじゃが死の危機からは脱したようじゃなーー
とは言っても窮地に変わりはないのじゃが……しかし、ひとまず胸をなでおろした儂じゃったが次のフランの一言でその胸が跳ね上がった。
「私はいいから……あいつを……やっつけて……」
力無き目ではあるがしかし、射抜くような目で迫り来るあの男を見据えてフランは言った。
……見た目が幼いとは言えフランとて齢五百を数える吸血鬼の端くれ、己の置かれた状態が測れぬほど愚かではあるまい。
して、フランは今、何と言うた……?
私はいいから、じゃと?この状態で治癒をやめれば自分がどうなるかわかった上で……?
確かに吸血鬼の誇りをかけて戦いに挑む以上、命を賭してでも敵を討つ覚悟はあるじゃろう。無論、儂もそのつもりじゃった。
本来ならば真っ先に敵の殲滅を優先するべきじゃろうよ。
が、儂の頭によぎったのはこんな時に限って最悪な事に、あのいけ好かないアロハ小僧の言葉じゃった。
怪異は人間の影響をもろに受ける、じやったか。
ペアリングまでされて感覚の共有すらしておるのじゃ。儂に関して言えば受ける影響はそんじょそこらの怪異の比ではあるまい。
つまり、昔の儂ならいざ知らず……我が主様の影響をもろに受けた今の儂にフランを見捨てて戦えじゃと?
人類滅亡の危機よりも一人の少女を優先するような傾奇者の影響を受けた儂に?
「……のう、フラン」
フランを抱く腕に一層強く力を籠める。これで死んだらあの阿保主様の責任じゃなーー
「儂より生きてもおらんひよっ子がいらぬ気を使うでないわ。心配せんでも……うぬは儂が守る!」
フランの傷口に浴びせるようフランを抱く儂自身の腕に新たな傷を付け、そしてそのまま肉迫する宿敵へと向きなおる。
「化物同士の馴れ合い、見ていて不愉快です。纏めて死になさい!」
「やってみせろ小僧!斬り殺してくれるわ!」
フランを抱えてフットワークは使えまい、足を止めての斬り合い……こうなったら死ぬまで死に尽くしてくれよう。
「神槍『スピア・ザ・グングニル』ーー」
今まさに、儂に向かってその刃を振り下ろさんとするその瞬間、奴と儂の間に割って入るように飛び込む者がーー
「レミリア!?」
「お待たせ、忍お姉様。ここは私に任せてフランをお願い!」
その双剣を受け止めたのは戦線を一時離脱したレミリアじゃった。どうやらあのメイド娘の治療を終えたようじゃな。
しかし狙い澄ましかのようなタイミングで肝が冷えたわ。
「おのれレミリア・スカーレット……せっかくの好機を」
「ふざけるなよクソガキ……貴様、私の愛しい妹に何をしたぁぁぁぁあああ!」
鍔迫り合いのまま儂とフランから離れていくレミリアを見送り、儂はフランの治療へと戻る。
今のレミリアであれば少しの間なら問題なく凌ぐじゃろう。
しかしそう長く待たせる訳にもいかんな……多少の痛みは伴うがやむを得まい。
一旦フランを地に寝かし、いつか元委員長の障り猫に殺されかけた我が主様にそうしたよう、腕を捥いで血を注ぐ。
出血大サービスどころか大出血大サービスじゃな、まったく。
見る間にフランは儂の流した血によって真っ赤に染まった。そして失った腕も瞬間とまではいかぬが間も無く元の綺麗な形を取り戻した。
「ふう……どうやら完治したようじゃな」
「うん……ごめんなさい忍お姉様……」
フランが完全に再生したところで切断した腕を貼り付ける。
やはり結界の効果からかすぐに癒着する訳ではなさそうじゃが。まあ数秒もこのまま固定すればくっつくじゃろう。
「かかっ、そう申し訳なさそうにするなフランよ。儂にかかればこれくらい造作もないわい。それに今はレミリアが場を繋いでおる、何も心配することはない」
「えっ!?お姉様が戻ってきたの?じゃあ咲夜は無事だったんだ」
「うむ、フランの姿を見たとたん儂でもビビるくらいにブチギレとったがのう。まったく、妹想いの良い姉御じゃ」
儂には肉親などおらんから羨ましくもあるがのう。
そういえばあの暴力陰陽師と式神娘のツーマンセルに妹御を殺された時の我が主様もあんな風に激怒しとったのうーーかかっ、さすが儂が気に入った二人なだけあってよう似とる。
「じゃあ早く行こうよしのぶお姉様!お姉様に良いところとられちゃう!」
「ふっ、そっちの心配か。あ、そうじゃフラン」
フランの回復にばかり頭がいっておったが大事な事を忠告せねばならんかった。
「さっきの特攻じゃがあれはいかん。いかに吸血鬼の身体能力が高いとはいえあの男を相手に素手の攻撃は自殺行為じゃ、やるならあの炎剣を使わんといかんのう」
認めたくはないが奴はそれだけの戦闘能力を有しておる。
儂が同じ事をやったとしても無事ですむ保証はないじゃろう。
「え?でもレーバティンを使ったらお姉様や忍お姉様まで……」
「かかっ、儂やレミリアの心配などいらんわ。少なくともうぬの攻撃に巻き込まれて死ぬようなヘマはせんわい。それよりもあの男にはどうやら打撃の攻撃ではダメージが入らんようじゃ」
「打撃って……パンチとか?」
「そうじゃ。フランの剣による一撃では確かにダメージがあったが儂が全力で殴っても傷ひとつなかった、つまり物理的な攻撃は通じんとういことじゃろう」
遠くで紅の十字架が天を衝くように辺りを照らす。恐らくはレミリアの術じゃろう。
「そっか……でもそれだと忍お姉様の攻撃って……」
……フランめ、今恐らく儂を心の中で戦力外のように思ったじゃろ?
気遣ってるように見えて露骨に表情が語っとるわ!
まあ?儂には弾幕とやらは使えんし?打撃が効かないなら儂の攻撃の大半は封殺されたようなもんじゃから?その言いたい所はわからんでもないが……レミリアの妹御じゃなければ殺しとるところじゃぞ!?
「……はあ、見くびるなよフラン?儂には
右手に握る長身抜き身の日本刀ーー妖刀・心渡。
「心渡は怪異に対する必殺武器、擦り傷が致命的になりうる怪異専門の刀じゃ。逆を言えば怪異以外は切れんがのう」
が、相手は怪異。正真正銘、掛け値なく、どうしようもないほどに怪しくて異なる存在。
故に心渡で切れば問答無用に消滅する。
「そうなんだ、すごい剣なんだね
心配って……さっきまで散々心配かけたのはうぬじゃっちゅうに。
ちゅうか儂の心配なんぞあらゆる場面で無用じゃわ!我が主様でもあるまいし。
「まあよい、ではそろそろ行くとするかのう。この戦いの幕引きに」
「うん!やられたぶんはきっちりお返しするんだ!」
いや、肩から腕をぶった切ったのは儂なんじゃが……まあ、良いか。
ギラリと八重歯を覗かせたフランの右手に灼熱の炎を纏った剣が顕現する。
示し合わせたかのようにフランと視線を合わせると、ひとつ頷きその場を駆けた。
さっきから届く我が主様からの感覚に度々激痛を感じるのが気がかりじゃが……ここを早急に片付ければ事足りるじゃろ。
耳に届く風切り音をさらに置き去りにする程のスピードでレミリアの元を目指す。
と、その時ーー
「な、なんじゃあれは!?」
思わず儂は足を止めるーー空を真っ赤に照らす業火の後、樹木のように天へと伸びる巨石の数々が出現した。
「あれはパチュリーの魔法ね、それもフィニッシュに使うような大技の連発」
並走していたフランが儂の横で止まり、その光景を見て答える。
パチュリー……確かにレミリアの親友の魔法使いじゃったか。こんな芸当ができるあたりは流石はレミリアの親友なだけあるが……ぱないの。
「でもあれだけの魔法を使うって事は相手もよっぽどなのね。咲夜が危なかったくらいだし……向こうもいよいよ大詰めかも」
ふむ……確かに儂の知る限り、魔法使いとは力押しというよりは頭脳プレイの土俵でこそ真価を発揮するものじゃしのう。
それが大技を連発するとなれば向こうも決着が近い、か。
次いで真昼よりも明るい、我が身が燃え上がるのではないかと思うような発光ーー
「ロイヤルフレアまで使うんだ……急ごう忍お姉様!なんだか嫌な感じかする」
「う、うむ!」
ここまで無邪気さを感じる笑みを浮かべておったフランの顔も心なしか真剣さを増しておる。
確かに決着を急がねば。再びレミリアの元へと意識を戻し、駆け出そうとする。
しかしその瞬間ーー
「フラン!忍お姉様!ここから離れてっ!」
決死の形相でこちらへと飛んでくるレミリアの姿が。
そしてーー
「がっーーー」
我が主様からの感覚が、半身を消し飛ばされるような激痛を儂に告げた。
どうもお久しぶりです。根無し草です。
このたびはほとんど失踪したかのような期間をあけてしまい申し訳ございませんでした。
疾走した訳ではないのですが、バイク事故やモチベーションの低下などで中々筆が進まずこのような空白を産んでしまいました。
このような作品ですが、お気に入り登録をしてくださっている方々、並びにこの作品に目を通してくださっている全ての方にお詫び申し上げます。
必ず完結まで書きますので、よろしければもうしばらくのお付き合いをしていただければ幸いです。