ティガダーク~やはり俺は光の巨人になれない~   作:大枝豆もやし

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これでこのssは終わりです。
ご愛読ありがとうございました!


光の国

 

 M78星雲、光の国。

 宇宙警備隊本部会議室でジュダ復活事件についての報告会議が行われていた。

 

「そうか、それでティガダークによって助けられたと」

「ハイ!彼は闇の戦士ではありますが、決して悪ではありません」

 

 ソレと並行してティガダークの追加報告もされていた。

 あれから情報も大分集まった。

 本人の口から語られた過去や、他の銀河や宇宙での活動記録など、他にも光の国の情報網を駆使してティガダークの情報を洗い出した。

 中でも特に重要視しているのが…。

 

「アーマードダークネスを使いこなしているのか。益々エンペラ星人に近付いているな」

 

 空中モニターに映し出されるティガダークの姿。

 そこには、ティガダークがアーマードダークネスを纏ってスーパーグランドキングスペクターと戦っている映像が映し出された。

 

「あのグランドキング、しかもジュダが取り憑いて強化されている個体と同等に戦えるとは…」

「しかも鎧に取り込まれることなく、ちゃんと使いこなしている。姿が変わっているのもおそらくその証拠だろう」

「これならアーマードダークネスが暴走する危険性は無さそうだ」

 

 レオ、アストラ、そして80。

 彼らもティガダークの戦闘を見て答えを出す。

 

「短い間ですが彼の人となり凡そは分かりました。彼は確かに力を求め、闘争を好みますが、決して徒に暴力を振るったり、侵略のために行使しません。ソレはこの資料を見れば分かる筈です」

「私も保証します。確かに彼には修羅が宿っている。しかしソレは戦士として当然の事。正当な手段で力を得て、大義名分を以て戦うのであれば何も問題ありません。むしろ戦士として賞賛されるべき行為です」

 

 メビウスとセブンが断言する。

 同時、空中モニターに資料が映し出された。

 記載されているのはティガダークの経歴。

 多元宇宙の一つの地球での活動、惑星カナンを中心にその銀河での活動。

 ダークルギエルを筆頭にザイゴーグやマガタノオロチやルーゴサイトやキルバリス等等、様々な強敵を倒してきたらしい。

 

「素晴らしい功績だ。もし彼が光の国出身ならウルトラ兄弟に迎えていたぞ」

「ああ、どれも強敵ばかりだ。ソレをたった一人で倒してきたとは」

「行方知れずだった危険怪獣は何体かいたが、彼がやってくれたのか」

「もしかして、グリーザも彼が倒したんじゃないか?」

「いやまさか…ありえるな」

 

 ザワザワとする会議場。

 

「成程。アーマードダークネスを完全に使いこなし、凶悪な怪獣を倒す為にその力を行使している。そして彼に助けられた者も多くいる。彼自身も決して悪ではない。だが、コレはどうだ?」

 

 空中モニターの画面が変わる。

 そこにはティガダークが作ったカカシ、残忍な方法で星を滅ぼした侵略者を拷問するシーン、人質を取って敵を脅すなどのウルトラマンでは絶対ないシーンが映っていた。

 

「「「………」」」

 

 その様を見たウルトラ兄弟たちは一斉に黙る。

 

「ま…まあコレは必要なことだったんだ!僕たちはしないし考えもしないけど、ソレでも大事なことなんだ!」

「そ、そうだな!我らには出来なくとも、してはいけない事でも、この宇宙には必要な事もある!」

「何も我ら光の戦士だけが正解というわけではない!闇には闇にしか出来ないこともある!現にこの後は侵略者がぴたりと止んだと報告がある!」

 

 やはり光の戦士としてはアウトだったらしい。

 しかし彼は光の戦士ではないし、光の戦士としての生き方が常に正しいというわけでもない。

 ソレに、光の戦士では出来ない事や思いつかないことが出来るというのは大きな強みだ。

 現に、ティガダークが用意した案山子や拷問シーンを恐れて侵略者はめっきり来なくなったらしい。

 彼の残虐性も冷酷性も決して無意味ではないのだ。

 ソレを自分たちがするのかは兎も角。

 

「何よりも素晴らしいのはアーマードダークネスが独り歩きしない事だ。使わずとも彼が持っているだけで我らはとても助かる」

 

 アーマードダークネスには光の国も手を焼いていた。

 ダークネスフィアは解体済みだが、あの鎧は何をしても無駄だった。

 一度は破壊に成功したものの、強大な闇の力さえあれば何度でも再生し復活できる。

 しかもこの鎧、明確な自我を持っており、本来の主人に代わって己を着るに相応しい者を求めてさ迷っていた。

 皇帝亡き後も宇宙に混沌と恐怖を招き続け、装着すれば全宇宙を支配できるほどの力を得られるという噂を聞きつけた多くの凶悪宇宙人がこれを手に入れようと争奪戦を繰り広げた。

 しかしどの挑戦者も失敗。エンペラ星人以外が長時間着用すると鎧に食われてしまう。そのせいで死の鎧として恐れられていた。

 だがある日を境にその被害はぴたりと止んだ。

 ティガダークが鎧を手にした瞬間である。

 

 鎧が動かなくなる。

 鎧による被害が無くなる。

 鎧を求めて悪性宇宙人が行動しなくなる。

 鎧を奪おうとする悪性宇宙人を撃退出来る戦力がある。

 ティガダークが鎧を手にするだけでこれだけ恩恵があるのだ。

 

「そしてマイナスエネルギーを含む闇の力を吸収して無力化も出来るのか」

 

 コレも大変魅力的だ。

 ヤプールや一部の怪獣はマイナスエネルギーがあれば何度でも甦る。

 闇の力も同様。そこにあるだけで怪獣などを発生或いはおびき寄せてしまう。

 除去方法は限られており、その方法が出来る者も少ない。

 ウルトラ族は頭を悩ませていた。

 

 彼はその大元を吸収し、自身の力に変えられる。

 是非とも引き受けて欲しい。

 

「さらにメビウスは新しい技を教えてもらったんだね?」

「ハイ、彼が開発した技は役立ちました。流石に、レゾリューム光線は使えませんけどね」

 

 レゾリューム光線。

 ウルトラ戦士にとって天敵のような技。

 ソレが使える相手がいるというのは本能的に恐怖を感じてしまうが、今は本当に心強い。

 ウルトラ戦士にはない技を複数覚えているのも相まって頼もしく感じられる。

 

 

 闇でありながら決して悪に染まらない。

 素の戦力はウルトラ兄弟と同等。

 アーマードダークネスを完全制御し、鎧を纏う事で万全ではないとはいえジュダを屠れる程の戦力を発揮。

 ウルトラ戦士には出来ない発想や考え方。

 マイナスエネルギーや闇の力を無効化出来る能力。

 そして対光の一族に有効なレゾリューム光線を使える。

 

 実に素晴らしい戦士だ。

 闇への対抗策として、奴らへのカウンターとして。

 これ以上ない逸材である。

 

「我らは闇を恐れていた。我らは三度も闇にほろぼされる寸前にまで追い込まれた故に。よって我らにとって闇とは忌むべきものであり、恐怖しつつも克服するべきものであり、滅ぼす対象だった」

 

 椅子から立ち上がりながらウルトラの父は言う。

 

 かつて、ウルトラ一族は三度も闇によって滅びかけた。

 一度目は太陽を失って死の星になり、二度目はエンペラ星人との戦争で、三度目はベリアルによってプラズマスパークを奪われて滅びようとした。

 なんとか撃退、或いは克服したものの、その恐怖は種族規模で刻まれている。

 

 彼らにとって闇とは敵。

 自身たちとは正反対であり相互理解不可能なもの。

 絶対的な悪であり滅ぼすべき対象である。

 ソレこそウルトラ族の正義であった。

 ティガダークと出会う前は。

 

「結果、闇を恐れるあまり理解する努力を怠った。そのことを、こうして彼の存在にいって思い知らされたよ」

「「「………」」」

 

 未知は怖い。

 自身や大切な者を滅ぼせるなら猶更。

 そして、その未知に遭遇した時、いつも悪意があった。

 だから拒絶する。ソレが危険なものだと学んで、対策を講じて

 生物としては正しい行いである。

 しかし、光の巨人(ウルトラマン)はソレだけでは駄目なのだ。

 

 光の巨人(ウルトラマン)の力は平和を乱す敵を倒すだけではない。

 敵意を向け、押さえつける事が全てではないのだ。

 恐れる心を乗り越え、目を逸らさず向き合う。

 かつて、地球人と共にそうしてきたように。

 

「(もし彼と早く接触して学んでいれば、闇に成ったお前を理解できたかもしれんな…)」

 

 ふと、ウルトラの父―――ケンはかつての友が脳裏に過った。

 

「では、彼と接触を続けて学ぶという方針でいいでしょうか」

「そうだな。しかしどういう風に接触していけばいいのか…」

「ソレなら既に実行しています」

 

 セブンが立ち上がってモニターを操作する。

 

「実は既に交流試合をゼロと共に行っております。試合の進行具合は…」

 

 

 

 

 

 

 

 光の国が管理している無人惑星。

 2人のウルトラマンと闇の巨人が怪獣のホログラムと戦っていた。

 ダイナ、ゼロ、そしてティガダーク。

 彼らはこの場にセットされたホログラム装置に記載されている怪獣のデータを元にシミュレーションしている。

 

「デュワ!」

 

 ダイナがレッドキングにハイキックを繰り出す。

 分厚い剛腕で受け止めるレッドキング。

 しかし連続して飛んできた蹴りによって首を捉えられた。

 二段蹴り。一発目は捉えられたが、ソレを足場にして蹴り、反対の足をぶちかます。

 予想外の攻撃に対処しきれず、レッドキングは無防備な状態でモロに食らった。

 頚椎をぶち折られ、泡を吹きながら倒れる。

 

「よっしゃあ!見たか俺のファインプレー!」

 

 ガッツポーズを取るダイナ。

 警戒から意識が外れ、背後の敵に気づくのが遅れた。

 ブラックキングがダイナ目掛け、マグマ光線を放つ。

 

「ラァ!」

 

 ティガダークの飛び膝蹴り。

 奇襲に反応出来ず直撃するブラックキング。

 続けて角を掴んで連続膝蹴りを繰り出した。

 

「何してるんですか。実戦なら死んでましたよ」

悪い(ワリィ)

 

 バツが悪そうにダイナは謝った。

 その時だった、何処からか二つの刃が飛来したのは。

 

「「ッ!」」

 

 咄嗟に弾く二人。

 同時、飛んできた方に視線を向ける。

 

「やってくれたな、ゼロ!」

「ッハ!よそ見してるのが悪いんだぜ!」

 

 ウルトラマンゼロ。

 彼は戻って来たスラッガーを装着する。

 

「残ったのは俺だけ。ならこっからはガチンコだ」

「っへ、面白ぇ。本当のお楽しみはこっからだぜ!」

「俺は端っから楽しんでたけどな」

 

 構える両者。

 その時だった、けたたましく警報が鳴ったのは。

 

『緊急警報!緊急警報!襲撃者出現!アブソリューティアン出現!』

「へえ、もっと楽しそうな事態になったか」

 

 アブソリューティアン。

 ウルトラマンとはまた違う進化の道を選んだ光の巨人。

 前世の原作知識はあるが、話の途中でくたばったせいでそれほど詳しいわけではない。

 知ってる事といえば、ウルトラマン並に強いという事だけ。

 だが今はそれで充分だ。

 

「じゃあ俺も飛び入り参加しますか!」

 

 今日も闇の巨人は戦う。

 俺の喜悦と闘争心のままに。

 

 





①ティガダークを戦わせたかった
②ティガシリーズ以外の強敵と戦わせたかった
③ウルトラマンという作品にアンチ的なこと言いたかった

大体出来たので満足しました。
皆さんの応援のおかげです。
ありがとうございました!

他のウルトラマンとの絡み外伝とかでいる?

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