大剣豪ゾロ、東の海より航海をやり直す   作:ArataMac

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"ナミ登場"

シェルズタウンから船を出し、"航海術のない船長"と"方向音痴の副船長"は、しばらく海をさまよっていた。

腹が減ったと甲板に仰向けになった二人が空を見上げると、"鳥"が舞っている。

 

「食おう!! あの鳥を食おう!!」

 

ルフィがそう言うや「ゴムゴムのロケット」で鳥へと跳びかかったが、"咥えられて"、遥か彼方へ連れていかれた。

 

「……まあ、前回も無事だったから問題ないか」

 

ゾロは苦笑しつつオールを取り、鳥に連れ去られたルフィを追って船を漕いだ。

道中、バギー海賊団の手下と出くわし、バギーのいる町まで案内させる。

 

――――――

 

東の海(イーストブルー)

オレンジの町

 

「着きました、ゾロの旦那!!」

 

手下が報告する。ゾロは船を降り、そっと目を閉じた。

 

("ルフィ"と"ナミ"が一緒にいるってことは、あの"デカ鼻"に捕まってる頃か)

(ちょうどいい。この町でルフィを鍛えてやる)

 

「俺はお前らの船長に会ってくる」

 

"見聞色の覇気"で"ルフィ"の気配を頼りに、その方向へ歩を進める。

 

「な、何であいつ、俺らの船長の居場所を知ってるんだ!?」

 

手下たちは、場所を"一言も教えていない"のに最短で向かっていくゾロを、信じられないものを見る目で見送った。

 

---

 

東の海(イーストブルー)

オレンジの町 バギー海賊団キャンプ地

 

檻の中に囚われたルフィは、町を壊滅させた"バギー玉"を大砲に込められ、導火線に火を点けられていた。

発射の刹那、オレンジ色の髪の“海賊専門の泥棒”ナミが、"自らの手で火を握り潰し"、間一髪で止める。

 

「お前!?」

 

航海士としてスカウトしたのに裏切られたルフィだったが、助けてくれたことが嬉しい。

その瞬間、ナミの背後からバギーの手下が剣を振り下ろそうとしていた。

 

「うしろ!!」

 

「女一人に何人がかりだ」

 

剣が落ちるより早く、ゾロが踏み込み、その一撃を制した。

ナミは何が起きたのか分からず、戸惑いに目を見開く。

 

「ゾロ!!」

 

間一髪で仲間が現れ、ルフィは安堵の笑みを浮かべた。

 

「ゾロぉ!?」

"海賊狩り"ロロノア・ゾロの名を聞き、手下たちの顔から血の気が引く。

 

(あいつの言ってた"仲間"って……"海賊狩りのゾロ"? どうなってるの)

かつて麦わら帽子の男に「仲間になってくれ」と誘われた時の言葉を、ナミは思い出していた。

 

「お前なァ、何遊んでんだルフィ……。鳥に連れてかれて、見つけてみりゃ今度は檻の中か」

 

「アホ!!」

 

ルフィが海賊王になると疑わないゾロだが、改めて思う。

(船長以前に“アホ”だな)

 

「貴様、ロロノア・ゾロに間違いねェな。"俺の首"でも取りに来たか?」

 

バギーが挑発する。

 

「いや……興味ねェな。海賊狩りはやめた」

 

ゾロは軽く受け流す。

 

「俺は興味があるねェ。てめェを殺せば名が上がる」

 

バギーはナイフを抜き、挑発を重ねた。

 

「やめとけ。死ぬぜ」

 

ゾロが腰の剣を抜き構えるや、手下どもが沸く。

 

「うおおお、やっちまえェ船長!!」

 

「本気で来ねェと血ィ見るぞ!!」

 

ナイフが振り下ろされる――

 

「"失せろ"」

 

笑い声が一拍遅れて止まり、空気が重く沈む。視線だけで押し潰す圧が広場を満たし、バギー一味は膝から糸が切れたように崩れ落ちた。祭りの色は褪せ、王の色だけが残る。

 

※※※

 

「い、いったいどうなってるの……」

 

ナミは驚きを隠せない。

一方ルフィは、ゾロの覇王色を肌で感じるのは"三度目"だ。驚くよりも、"その感覚を掴もう"としている。

(こいつは"未来の海賊王"だ。“覇気”さえ知れば、すぐに使いこなす)

ゾロはそう踏み、"敢えて覇王色を放った"。

 

「ゾロ、俺も"覇王色の覇気"を早く使いたいぞ!!」

 

「焦るな。この後、こいつらで覇気の特訓をする」

 

---

 

東の海(イーストブルー)

オレンジの町 ペットフード屋前

 

ゾロが"武装色の覇気"で檻を破り、ルフィは解放された。

町を歩くと、ペットフード屋の前に"犬のシュシュ"がいて、ルフィはしばし戯れる。

この町の"村長"であり、シュシュの飼い主代わりでもある男が、ここで起こった悲劇を語った。

 

話を聞いたルフィは、村長とシュシュにバギーを倒すと約束。ゾロに覇気の手ほどきを求める。

 

「ゾロ、覇気の使い方を教えてくれるんだろ!」

 

「“覇気”ですって!? 聞いたこともないけど、悪魔の実か何かなの?」

 

鼻をほじりながらのルフィ、覇気を一から説明する必要があるナミ――ゾロはため息をつく。

 

「ナミ。お前にも“覇気”を教えておく。

一つ目、“見聞色(けんぶんしょく)──相手の気配を感じ、動きを先読みできる力だ。大事なのは疑わないこと。修行すりゃ誰でも、ある程度は身につく。

二つ目、武装色(ぶそうしょく)──覇気を体の外にまとい、攻防に使う。悪魔の実の能力者にも通る」

 

「まずは見聞色からだ。お前らに覚えてもらう」

 

そう言った刹那、ゾロはこちらへ“動物と人間が一人”、猛スピードで近づいてくるのを見聞で捉え、ルフィとナミに告げた。

 

「今、こっちに“動物と人が一人”向かってる。ルフィ、いい機会だ。目隠しでそいつとやれ」

 

足音も聞こえず、気配も感じられないのに──と、ナミは呆れた顔をする。

 

「確かにあなたの実力は本物だと思うわ。でも、遠くの人数や、ましてや動物の気配まで感じるなんて、悪魔の実以外あり得ない」

 

「ナミ! ゾロが“来る”って言ったら来るんだ!! 俺は信じる!」

 

ルフィはそう言って、ゾロに大切な"麦わら帽子"を預け、目に布を当てた。

 

「ゾロ、疑わないこと――それが強さだろ!?」

 

ルフィは、シャンクスと同じ力を学べると思うと、胸の高鳴りを抑えられない。

 

「ああ。相手の感情や気配の動きから、様々な情報を"探る"んだ。手っ取り早いのは“目隠し”。"気配だけ"を頼りに戦闘を繰り返せば、自然と見聞色は開く」

 

ゾロは、覇気の師である"ミホーク"に教わった日々を思い返す。

 

そのとき――

 

「グオオオオオオオオ!!!」

 

"ライオン"、そしてその背に跨る"猛獣使い・モージ"が現れた。

 

 

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