竜王のワンピース   作:野生の生蛇

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第10話

 

 エッド・ウォーと呼ばれる海域がある。

 新世界の北の海(ノース・ブルー)近くの海域だ。

 

 其処には今十隻の船と一隻の船が居た。

 

 十の船は竜王ラードゥン率いる竜王軍だ。全ての船の帆には竜王の横顔が描かれている。

 

 対する船は大型ではあるが、それだけだ。

 だが見た目に騙されてはいけない。かの世界最高位の木材、宝樹アダムを用いて作られた船だ。

 帆には波のような口ひげのついたドクロマークが描かれており、ロジャー海賊団を示している。

 

 ラードゥンはシキが操作する岩に乗り、シキと共にロジャー海賊団の船オーロ・ジャクソン号に近づく。

 

 それを見たロジャー海賊団の船長、ゴール・D・ロジャーが声を上げる。

 

「シキ! 何の用だ! あと隣の別嬪さんは誰だ!」

 

 こんな時に女に着いて聞くのか、とロジャー海賊団の何名かが呆れる。

 

 その声にシキは笑い声をあげる。

 

「ジハハハハハ! この方は俺たちの王、ラードゥン様だ!」

「王?! お前がロックス以外に首を垂れたってか!」

「ああそうだ! この方、お前の持つ古代兵器の知識さえあれば! 世界を獲る事が出来る! 俺たちに付いてくる気は無いか、ロジャー!」

 

 それは勧誘だ。世界有数の大海賊であるシキがロジャー海賊団という縄張りも持たない海賊を勧誘している。

 だがロジャー海賊団の戦闘力は非常に高い。かつて二対一とはいえ世界最強の座に近かったロックスを撃破し、船員も雑兵が居ない、精鋭ぞろいだ。

 

「断る! 海賊は自由なもんだ! 支配なんざ似合わねぇよ!」

「ジハハハハハ! そうか! なら──ここで死ね、ロジャー!」

「くたばるのはてめぇだ、シキ!」

「という訳で親分、よろしくお願いします!」

 

「「「お前が戦うんじゃないんかい!」」」

 

 ロジャー海賊団の一員が突っ込みを入れた。

 

「ルハハハハハハ! いくぞ、ゴール・D・ロジャー!」

 

 ラードゥンが叫び、岩からオーロ・ジャクソン号に突撃する。

 超高速での突撃だ。視認は難しく、見聞色の覇気を用いて何とか確認できる。

 

 ラードゥンの拳とロジャーの剣が衝突する。

 

 ロジャーはラードゥンの拳の威力の高さに息をのむ。

 見聞色で分かっていたが、強い。下手すれば──しなくともロックス以上に! 

 

 こりゃまずと悟ったロジャーは蹴りを放ちラードゥンを吹き飛ばす。

 吹き飛んだラードゥンにロジャーも飛び出し追撃し、更に拳で殴る。

 そうする事でラードゥンは更に吹き飛び、自身の配下の船の一つに着弾した。

 

 

 ■

 

 

「中々やるではないか!」

 

 ラードゥンは歓喜と共にそう叫んだ。

 聞いていた話以上のロジャーの強さにラードゥンは歓喜する。

 これほどの強者を味方に引き入れれば相当竜王軍も強くなるし、敵対したままで葬ったとしても後顧の憂いが一つ減る。

 

 ラードゥンはこれまでにない戦いを予感し武者震いをする。

 

 ロジャーが月歩を使い遅れてラードゥンの艦隊の一つに着地する。

 

「こうして近くでみりゃ別嬪さんにも程があらぁ。どうだい? おれと酒を飲みかわすってのは」

 

 ロジャーは冗談交じりでいい、剣を構える。

 

「そうだな。貴様が我らの配下になるというのならば考えてやらんこともないぞ」

「じゃあ無理だな! おれは誰かの配下になるつもりはねぇんでな!」

「そうか──では死ね、無駄に無様に屍さらせ!」

 

 ラードゥンとロジャーの剣が衝突する。

 

 ラードゥンは両の手で拳のラッシュを。ロジャーは剣を持って拳を迎撃し、ラードゥンの肌に攻撃をする。

 ラードゥンは戦闘に関してはド素人だ。本来の肉体スペックをもってすれば避けれる攻撃も避けずに受ける。

 だがそれでいいとラードゥンは考える。何故ならばレベル千の超越者の頂にいるのだ。ならば並大抵の攻撃ではダメージを負わない。

 

 そのはずだが──ラードゥンは痛みに悶えた。

 

(い、たい?! 何故?!)

 

 これまで戦った敵、シキと戦った時以上の痛みだ。

 理由は単純で、ロジャーがシキ以上に強いからだ。更にはロジャーは武器に覇王色の覇気を纏わせ、より強大な力にしている。

 レベルに換算すれば七百五十以上──覇道十二星天に一歩劣るだけの力をロジャーは有している。

 更には覇気による先読みと力の読み。ラードゥンは擬人化している以上肉体構造も人のそれだ。故に人の弱点はそのままラードゥンの弱点になる。

 

 だが、その程度で竜王が負けるはずがない。

 

 ラードゥンは雄たけびと共に殴りかかり、ロジャーはすました顔で受け止める。

 

 音速を超えた拳と剣の衝突は衝撃波を撒き散らし、船が軋む。

 

 竜王と未来の海賊王の戦いが始まった。

 

 

 ■

 

 

 

 レオは空を月歩で駆けてオーロ・ジャクソン号に迫る。

 当然その姿はロジャー海賊団の船員からも視認され、迎撃される。

 飛ぶ斬撃に飛ぶ打撃、普通の砲弾の雨嵐である。

 

「ウォオオオォオオオオ!!!」

 

 レオは雄たけびを上げる。

 覇気を込めた叫びは破壊の渦となり遠距離攻撃の雨と衝突し──全てが霧散する。

 完全に迎撃出来たのだ。

 

「この程度か、ロジャー海賊団!」

 

 レオは獰猛な笑みと共に突撃し──不意に殴られた。

 顔を殴られ、音速で自分が飛び出した船に叩きつけられた。

 覇気で次の攻撃を読んだレオはバックジャンプで飛び上がり、追撃の一手を交わす。

 

 突撃してきたのは四メートル近い大男だ。

 がシャガシャの実の能力者、ダグラス・バレットだ。

 

「いいな、いい男だな! こい!」

「俺の最強の証明の為、死ね、女!」

 

 レオは顔を赤めながら獣の如き突撃をする。

 

 バレットの拳とレオの拳が交差する。

 互いに一撃一撃が必殺の拳の殴打だ。常人ならば一発で死ぬ。

 その拳が衝突し合い、衝撃波を散らす。

 人知を超えた者同士の戦いは始まったばかりだ。

 

 

 ■

 

 

「ジハハハハハ! ロジャー不在の海賊団なんだ、俺一人で充分だ!」

 

 シキが高らかに笑い、愛刀を二つ抜き飛ぶ斬撃を放つ。

 オーロ・ジャクソン号を両断しても尚余る斬撃は同等以上の飛ぶ斬撃によって迎撃された。

 

「俺たちであれの相手か、腕が鳴るな」

「ああ! 豪快にいこうぜ!」

 

 シキの相手をするのはシルバーズ・レイリーとスコッパー・ギャバンだ。

 冥王と山食らいが金獅子と衝突する。

 

 

 

 

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