仮面ライダー|逢魔ヶ《オーマガ》   作:月影黒子

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第三拾壱夜 死を以て死を制する者

晴明の攻撃によって、身体から瘴気を放出しながら藻掻く禍刻

 

禍刻「くっ、これ…しきのことで…」

晴明「しぶといですねぇ?」

六華「禍兄!」

禍刻「うぐっ!」

 

次第に禍刻の意識は薄れてゆく

そして、いつしか禍刻の意識はほぼ無くなり

その姿は、さながら鬼が死骸化した様な見た目へと変貌していた

 

晴明「はぁ、漸く意識を失いましたか…これで、漸く次の段階へ進めるというもの…」

六華「次の…段階…?」

晴明「言ってませんでしたっけ?貴女々には、殺し合いをして頂くと…」

六華「は…?殺し合い…?」

晴明「そうです!あの時は、逃げたり避け続けたりするだけでつまらなかったのでね?」

六華「殺し合い…なんて…」

晴明「自分達の境遇はおわかりでしょう?何百年も前の妖怪達の王、ソレが現代へ転生した者が貴女々お二人なのですよ…」

六華「だとしても、殺し合いなんて!」

晴明「また、逃げるおつもりですか?」

六華「へ…?」

晴明「いいでしょう、ならば強制的に殺し合わせるのみ」

六華「待って!やめ…」

晴明「さぁ、片われの王よ!目の前のもう一人の王と殺し合いをしなさい!」

六華「いやぁぁあああっ!」

 

晴明の声で、正気を失い死骸と化した禍刻は、六華の元へと進軍を開始する

そして、六華はその状況に対し絶望し、その場から動けなくなっていた

 

ルシファー「おい、六華!」

六華「へ?」

ルシファー「この場は、やるしかない…」

六華「そんなの!」

晴明「お喋りしている時間はありませんよ?」

六華「くっ…やるしか…ないの?」

ルシファー「あぁ…恐らく、他に方法は…」

六華「分かった」

 

そして、ルシファーの助言で決意を固めた六華は、向かってくる禍刻に向き直り

正気を失った禍刻を元に戻すために攻撃をしかけた

 

禍刻「うぅ、もう一人…王、殺す…」

六華「禍兄!正気に戻ってよ!」

 

六華は、禍刻の攻撃を避けながらも禍刻に攻撃を与えてゆく

 

晴明「フフフフフッ!いいですね!これですよ!あの時に私が見たかったものは!」

 

晴明がそう叫ぶと周囲に空亡の声が響く

空亡「くそ!またもこうなるのか!」

ルシファー「空亡よ!今度は私がお前を助ける番だ、私はどうしたらよい!」

空亡「すまぬルシフ…どうか、この身体ごと妾と禍刻を殺しておくれ」

六華「そんな…本当に、禍兄を助けるには、殺すしかないの…?」

空亡「すまない六華…他に方法がないのだ…」

 

空亡がそう言うと、残っていた自我を振り絞って禍刻が口を開いた

 

禍刻「安心しろ…六華…俺に、策がある…だから、頼む…」

六華「わかった…信じるよ禍兄…」

 

そう言って、六華は禍刻に向かって微笑み

禍刻の首目掛けて鎌を振り下ろした

 

晴明「やってしまいましたね!最愛の片われを自らの手で!これで妖怪の勢力は一気に下がりました!」

ルシファー「それはどうかな?」

晴明「なに?」

ルシファー「どうやら、やつには策があるらしいからな…」

晴明「そんなもの、何にもなりませんよ」

 

暗い、一筋の明かりもない永遠に続く暗がり

その場所に、禍刻と空亡は放り出された

 

禍刻「ここは…俺は死んだのか?」

空亡「その様だな」

禍刻「なら、後は俺の作戦通り進めるはずだ」

空亡「その策とやらはどの様なものだ?」

禍刻「聞いて驚くなよ空亡」

空亡「なに、そう簡単に驚きはせぬ」

禍刻「俺達は、自分達の記憶を全て思い出した…そうだな?」

空亡「あぁ、その通りだ」

禍刻「それなら、俺にアンタの力を全て受け継いでも問題はない…違うか?」

空亡「なるほど…確かにそうだ」

禍刻「だろ?」

空亡「我が転生体とはいえ、良い策だ」

禍刻「だが、その場合恐らくデメリットがある」

空亡「あぁ、人の身では生きられなくなる」

禍刻「けど…それでも俺はアイツを…晴明を討伐して、かつてアンタとルシファーが夢見た妖怪と人間の共存できる世を実現させる」

空亡「フフッ、了解した…ならば契約としようか」

禍刻「これより、この場を以て俺達は一つの存在となる」

空亡「力も記憶も全て受け継ぎ、人の身を超越した真なる存在へと!」

 

空亡がそう言うと、二人は融合を開始した

一方、冥府では晴明とルシファーが言い争っていた

 

晴明「貴方が信じた者は死んだのですよ」

ルシファー「そうだな…しかし、やつはお前の言う様な存在ではないぞ?」

晴明「ほう?」

六華「そうだよ!禍兄はきっとまだ生きてる!…はず…」

 

その瞬間、死んだはずの禍刻の身体が光を帯び始めた

 

晴明「な、なんです!?あの光は!」

ルシファー「フフッそれでこそお前の転生体だ!」

禍刻「随分と待たせたみたいだな…なぁ、晴明?」

晴明「貴方は死んだはずでしょう?」

禍刻「あぁ、確かに死んだよ死骸として」

晴明「一体何を言って…」

禍刻「本来の力を全て取り戻したんだよ…だから、甦った…言うなれば、死を以て死を制したと言った所か?」

ルシファー「信じておったぞ禍刻!」

空亡「ルシフ、心配をかけたな…見ての通り、妾達は無事じゃ」

晴明「ふん、甦った所で何になるんですか!」

空亡「いいだろう、ならば見せてやろう」

禍刻「俺達の真なる力を」

 

━━━━変身━━━━

 

《逢魔!定刻…》

 

その瞬間、音声にノイズが走り、新たな言葉が発せられた

 

《浄化!》

 

六華「浄化?」

 

そして、おどろおどろしい待機音が流れ始める

 

禍刻「行くぞ空亡これが俺達の真なる姿となる!」

空亡「あぁ!」

空亡、禍刻『等しく全てを浄化してやろう!』

 

二人がそう言うと、禍刻の身体は業火に包まれた

そして、業火が晴れその中から現れたのは

花魁の様な和装に、長く美しく波打った角、更には後光の差す神の如き姿だった

 

空亡、禍刻『さぁ、その穢れきった魂…我等が浄化してくれる!』

 

次回 仮面ライダー逢魔ヶ

 

晴明「気は進みませんが彼を蘇らせますか…」

空亡、禍刻『我が力の前では、どのような瘴気も意味などない』

六華「これが、禍兄と空亡の本当の姿?」

ルシファー「おもしろい、ならば我等も契約といこうか」

 

絶望の先に待つ未来は、終焉か安寧か

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