和装の少年「おや?知らない顔ぶれもいるみたいだね?」
禍刻「やけに友好的じゃねぇか?」
和装の少年「そちらはやけに高圧的だね?まぁいい、お初にお目にかかる。僕の名は『シド・ラフェール』この土地の豊穣神さ…」
禍刻「豊穣…神?にしたってそうは見えねぇな?」
ルシファー「それもそうさ、此奴はかつて豊穣神だった者なのだから」
霊華「だった?」
六華「それってどういう?」
空亡「それは…」
空亡が説明しようとしたその瞬間、それを遮るかの様にシド・ラフェールが口を開いた
シド「おいおい、人の過去を勝手に他者に話すのはどうかと思うよ?」
禍刻「だったらなんだ?お前から話してくれんのかよ?」
シド「それも悪くないかもしれないね…」
ルシファー「ほう?水からの身の上話を語る気になったか?」
シド「さぁ?どうかな…」
禍刻「どうしてそんなにはぐらかすんだ?」
シド「君達には、まだ話すべきではないと思ってね?」
禍刻「それは一体どういう事だ?」
シド「だって、話したら君達は僕と戦えなくなるじゃないか…」
六華「そんなの!」
シド「聴いてみなきゃわからない?」
六華「そ、そうよ!」
シド「なら話してあげようか?なぜ僕が豊穣神だったと言われているか…」
霊華「話してくれるのなら、聞いてあげるわよ?」
シド「ふーん?なら、後悔しないでね?」
豊穣神 シド・ラフェール、かつて逢魔町で崇め称えられていた存在
しかしその状態も永くは続かず、いつしか誰も崇める者はいなくなってしまった
それから暫くして、その場所は荒れ果ててしまい
祟り神として恐れられてしまうようになった
更に暫く経った頃
豊穣の祟り神は、少年と出会う事になる
その少年は祟り神の願いを聞き入れ、代わりに自身の願いを叶えてもらうという契約を交わした
シド「とまぁ…こんなところかな?」
禍刻「そりゃ随分とご苦労なこったな…」
シド「同情してくれるのかい?」
禍刻「なわけねぇだろ?ましてや、晴明の野郎に主様なんて呼ばれてる様なやつだぞ?」
シド「それもそうかぁ…残念」
六華「で?私達が戦意を喪失する理由は?」
霊華「確かに、それはまだ聴いてない」
シド「あぁ、その事?んー、戦意を喪失…確かに間違っちゃいないけど、一つ訂正しておこうか…君達は、僕に攻撃できない…」
空亡「ほう?その理由は?」
シド「理由は単純明快!僕が契約を交わしたその少年は、君達がよーく知ってる人物だからさ!」
禍刻「は?」
ルシファー「我々のよく知っている者…?」
シド「あぁ、ごめん。言い方が悪かったね、そこの三人の人間がよく知ってる人物だ…」
霊華「それって…」
六華「まさか、学校の…?」
シド「そう!そのまさかさ!」
禍刻「ちっ!流石は晴明の主か…」
ルシファー「小賢しい真似を!」
シド「小賢しい?君達二人は、僕の事をよく知ってるだろう?」
空亡「そうだな、相変わらずの性格よのう…」
禍刻「コイツのこと何か知ってるのか?」
ルシファー「あぁ、祟り神となった此奴は、あらゆる場所や物を破壊していった。そして、異界に瘴気をばら蒔いたのも…」
シド「よくできました!あぁ、それともう一つ…妖怪達の記憶を書き換えて互いに殺し合いをさせていたのも僕だよ…?」
禍刻「だろうな…晴明如きにあんな大層な真似ができるわけねぇ」
シド「敵にここまで言わせるなんて、ホントにアイツ無能だなぁ…」
霊華「話は終わり?」
シド「あれ?一つ忘れてない?君達が僕には攻撃できないって事を…」
そう言って、豊穣神は姿を変えた…いや、憑依を解いたと言った方が良いだろう
彼の身体が瘴気の霧へと変わり、その中から少年が出てきたのだ
六華「私達のよく知ってる人物って…」
霊華・禍刻「幽真!?」
幽真「あれ?俺…なんでここに…?」
禍刻「おい、幽真!」
幽真「え?その声禍兄?禍兄も
禍刻「逢魔…人?」
霊華「あぁ、なんか私達の呼び名?みたいな感じみたい?」
幽真「うん、そんな感じバイク屋のおっさんは死骸って呼んでるけど…」
死骸という聞き慣れた言葉に、三人は顔を見合せた
そして、先ほどの事を改めて幽真に聞く事にした
霊華「ねぇ幽真」
幽真「何?霊ちゃん先生」
霊華「あの…シド・ラフェールって人?はどんな人?」
幽真「お兄さんの事?そんなに悪くないひとだと思うけど…何かあった?」
禍刻「そのお兄さんは、会話できないのか?」
幽真「うん、最近会話できないんだよね…なんでだろ…?」
六華「禍兄、もしかしてこれ…」
禍刻「あぁ…あくまで憶測だが、幽真の別人格として定着しちまってるみたいだな…」
幽真「禍兄?六姉?どうしたの?」
六華「いや、なんでもないよー」
禍刻「よし!俺達二人が、長い出張から帰って来たんだ!皆でパーティやろうぜ!」
次回 仮面ライダー逢魔ヶ
女生徒「おかえりー二人共!」
禍刻「俺達の居ない間にそんな事が…」
空亡「怪異の出現か…」
シド「残念だけど、君達に明日は来ない…」
絶望の先に待つ未来は、終焉か安寧か