仮面ライダー|逢魔ヶ《オーマガ》   作:月影黒子

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第捌夜 月の力を持つ刀

禍刻「ここは整備室か?」

岩井「あぁ、表上はな」

六華「表上って事はもしかしてここに祠が?」

岩井「そういうこった!」

 

整備室に入ると、そこには瘴気が溢れ出る地下への入口が開いていた

 

酒呑童子「よもや、これは祠が瘴気に蝕まれておるのか!?」

岩井「左様でございます酒呑童子様

貴方々が来られる数分程前に突然瘴気が溢れ出てきてしまいまして」

酒呑童子「一足遅かったという訳か」

茨木童子「では、一刻も早く瘴気を取り除かなければなりませぬ」

 

禍刻達は地下へと降りていく

すると、目の前に広い大部屋が現れた

その奥には小さな御堂があった

 

岩井「まさか、こんな事になってるとはなぁ…って、アイツは死骸じゃねぇか!」

禍刻「シニムクロ?なんだそりゃ」

酒呑童子「瘴気に蝕まれた異界の民の事だ」

六華「私達が解放してきた妖達の事ね」

茨木童子「左様でございます」

岩井「そんな事よりよ、アイツもしや餓者髑髏《がしゃどくろ》じゃねえか?」

 

餓者髑髏、それはこの世に未練を遺して死んだ人々の怨念が集まって生まれた大きな髑髏の妖

 

禍刻「餓者髑髏か、資料で見た事はあるが、実際にこの目で見るとやっぱデケェもんだな」

酒呑童子「関心している場合ではないぞ?早くしなければ結界が破壊されてしまう」

六華「そうだよ禍兄!」

禍刻「そうだったな、早いとこコイツを退治しなくちゃな」

六華「さぁ!行くよ茨木童子!!」

茨木童子「御意」

禍刻「さぁ、現世を乱す妖よ!その魂浄化してくれよう!!行くぞ酒呑童子!」

酒呑童子「承知!」

 

禍刻、六華「━━━変身━━━」

 

《逢魔!定刻…鬼!!》

《白日!定刻…鬼!!》

 

二人は赤鬼とキョンシーの姿へとそれぞれ変化し餓者髑髏に立ち向かって行く

 

餓者髑髏「だ魔邪!!」

禍刻「コイツ喋れんのか!?」

六華「けどなんて言ってんの?」

酒呑童子「そんなことは考えるな!今は奴を始末する事だけを考えろ!」

茨木童子「餓者髑髏は、本来怨念の塊の様なものです。故に身体の何処かに綻びがあるはずです。その綻《ほころ》びを見つけ出し叩けば!」

禍刻「餓者髑髏を倒せるって事だな?」

酒呑童子「そういう事だ」

六華「でも、そんなのどうやって?」

岩井「その為の俺の力よ」

禍刻「おっちゃんなんか策あんのか?」

岩井「あぁ、力つってもコイツの力だがな」

 

そう言って岩井が取り出したのは小さな鏡だった

 

酒呑童子「ソイツは雲外鏡《うんがいきょう》か」

岩井「左様でございます。コイツの力であれば、移したものの真なる姿を映し出すことができます。もしかすれば餓者髑髏の綻びさえも…」

禍刻「だったら!」

六華「早く見つけ出して!」

餓者髑髏「なるすを魔邪!!」

 

その間も餓者髑髏はとめどなく攻撃を続ける

 

岩井「見つけた!

禍刻!六華!奴の左胸と頭蓋骨の頂点に綻びがある!同時に叩け!!」

禍刻「同時に!?」

六華「そんな事できるの!?」

酒呑童子「お前達は火車と狼男の力を忘れたか?」

六華「そうか!バイクになってたから速く動けるんだ!」

禍刻「だったら早い事片付けようぜ!」

 

禍刻が火車の禍魂をベルトの左側に装填すると

 

《逢魔!鬼…炎!!》

 

という音声が流れ禍刻の躰は灼熱の様に紅く変化し、その躰からは紅蓮の焔が溢れ出る姿となった

それと同時に六華が狼男の御札を生み出しベルトに貼り付けると

 

《白日!鬼…斬!!》

 

という音声が流れ六華の躰は蛮族の様な格好に変化し十字架の武器も巨大な鉤爪となり両腕に装着された

 

禍刻「よし!コレで」

六華「行ける!」

酒呑童子「今だ二人共!!」

禍刻・六華「了解!!」

 

二人は同時に飛び上がり、それぞれ左胸と頭蓋骨へと攻撃を仕掛けた

その最中、餓者髑髏も二人へと攻撃したが、二人の速度に虚しくも追いつかなかった

 

禍刻・六華「鎮まれぇ!!」

 

二人の同時攻撃により、餓者髑髏は土煙を巻き上げながらその場にバラバラと崩れ落ちた

 

禍刻「コレで此処は大丈夫か?」

 

餓者髑髏の禍魂を拾いながら変身が解除された禍刻が酒呑童子に聞いた

 

酒呑童子「いや、まだだ」

茨木童子「再度封印を施さねばなりません」

禍刻「封印?どうやって?」

酒呑童子「禍刻、祠の扉を開けるのだ」

禍刻「わかった」

 

禍刻が扉を開けると、その先には金色に輝く刀が安置されていた

 

禍刻「この刀は…?」

六華「眩しい…」

岩井「ソイツは三日月宗近つってな、月の力を宿す刀とかだったはずだ」

禍刻「三日月宗近か」

酒呑童子「禍刻、その刀を手に取るのだ」

禍刻「あぁ」

 

禍刻が刀を手に取ると三日月宗近は禍刻の持つ童子切安綱と融合してしまった

 

禍刻「なんだ!?刀が融合したぞ!?」

酒呑童子「その刀でこの祠に封印を施す」

禍刻「刀で?」

酒呑童子「あぁ、その刀は飛ぶ斬撃を放つ。その斬撃を用いて『封』の文字を空に書くのだ」

禍刻「『封』の文字か、了解」

 

禍刻が『封』の文字を祠に向かって書くと、大きな魔法陣が出現し、辺りの瘴気が消滅した

 

六華「瘴気が…」

岩井「晴れていくな」

禍刻「これで終わりか?」

酒呑童子「そうだ」

茨木童子「では、上に戻りましょうか」

 

禍刻達が上に戻り、店を出ると計四カ所から瘴気の柱が出現した

 

禍刻「なんだよこれ…瘴気の柱か?」

酒呑童子「そのようだな。早く瘴気を浄化しに行くぞ」

同時に響く謎の声「これ程の瘴気が溢れ出るとは、封印の施しが綻びを生じたか…おのれ、陰陽師め…余計な事を」

 

次回 仮面ライダー逢魔ヶ

看護婦「これは…まさか本当に封印が…」

六華「禍兄ここは私に任せて!」

茨木童子「貴方は陰陽師の…」

酒呑童子「どうも、嫌な気配を感じるな」

 

絶望の先に待つ未来は、終焉か安寧か

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