インフィニットストラトスD×D   作:グレン×グレン

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第三話 企業秘密だよ♪

 

「さあ一夏君、このまま腕の関節を外そうか」

 

「待て待て待て待てぇえええええ!! あれか、俺はまたやらかしたのかぁああああああ!!!?」

 

 IS学園の屋上で、一夏はレヴィアに締めあげられていた。

 

 ちなみに要因は極めて単純。

 

 一夏、鈴に屋上で昼飯を食べようと誘われる。

 ↓

 一夏、それにセシリアをさそい、さらに通りがかったレヴィア・簪ペアをさそったあと、さらにシャルルと箒も誘う。

 ↓

 レヴィア、鈴の姿を見て事情を把握、一夏を制裁。

 

 の、流れである。

 

「君は恋する乙女の心理というものを少しは理解しないといけないようだね。こんなことならあの一週間はギャルゲーの攻略につぎ込むべきだった」

 

「ああそういうことか痛い痛い痛い関節外れるマジで外れる悪かった鈴マジで悪かっただから助けてくれぇえええええ!!!」

 

 解放されるまでその後数分かかったが、一夏の関節はかろうじて無事だった。

 

「・・・で、簪さんだっけ? ごめんな俺のせいで機体の開発が遅れて」

 

 そして、一夏が鈴に謝罪した後にしたのは簪への謝罪だった。

 

 結果的に当時の簪にとって好都合だったとはいえ、多大な迷惑をかけたことは事実だ。それをしって、一夏は誠意をもって簪に謝罪した。

 

「いいの。おかげでいろいろ分かったこともあるし。・・・ただ、データを参考に見させてくれると助かるかな」

 

「それぐらいでいいならいつでもいいよ簪ちゃん。いやといってもみさせるから」

 

「いや、嫌なんて言わないけどなんでレヴィアがいうんだよ」

 

 半ば漫才を起こしながら、皆は仲良く談笑を続けていた。

 

「しかし一夏本当にアレだな。あんなことをした後でよくもまあこんな鬼畜な真似をする。・・・いい加減学習したかと思ったんだが」

 

「本当ですわ一夏さん。いえ、今回はよくやったと手放しでほめたいのですが」

 

 幼馴染の所業にあきれる箒に、セシリアも本音をもらしながら同情する。

 

「しかし学年別トーナメントも間近だね。・・・さて、ついでだしここにいる皆で会議でもしようか」

 

 会話の種をつくろうと、レヴィアがそう提案する。

 

 この場にいる全員がIS学園生徒であり、このトーナメントには出場するのだ。ゆえにその意見には皆従った。

 

 だが、レヴィアはこうも思う。

 

 これでは面白くない。

 

 ゆえに、

 

「ちなみに、この場にいる者が優勝したら僕のポケットマネーで好きなものをおごろう。もちろん全員ご招待だ」

 

 爆弾を投下した。

 

「なに!?」

 

「なんですって!?」

 

 レヴィアという存在をよくわかっている一夏と鈴が目の色を変えて反応する。

 

「どうしたのだ二人とも。一般生徒のおごりといっても限度があるだろう」

 

「そうですわよ。それなら私より高い成績を出したものには私が奢った方が良いでしょう」

 

「え、でも、レヴィア、財布大丈夫?」

 

「ぼ、僕はいいよ気にしなくて」

 

 レヴィアの恐ろしさを知らないメンツはそんなことを言うが、二人はそれを見て哀れにすら思った。

 

「いや、レヴィアはこの中でも一番の金持ちだと思うぞ?」

 

「自分用ジェットと自分用メガヨットと専属契約結んでるPMC持ってるのよ? 気にするだけ無駄」

 

 よく知っている二人の説明を聞いて、四人は一斉にレヴィアに視線を向けた。

 

 得意げな表情を浮かべていた。

 

「ど、どこにそんな金をもってますの!?」

 

 特に自分も相当の金持ちであるセシリアが、敗北感すら感じて度肝を抜かれている。

 

 ・・・まあ、レヴィアは旧魔王の地を継ぎながら現政権に与している、極めてレアなあくまであり、それゆえに金も地位も物も勝手に集まってくる。

 

 本人も積極的にかき集めはしないが自分の立場を理解して寄って来るものは持つし消極的だが使うので、尋常じゃないお金持ちである。

 

 だてに倉持技研の方針を捻じ曲げたことができるわけではないのである。世界長者番付け上位ランカーにも喧嘩を売れる大金持ちだ。

 

 とはいえ、その資金を利用して冥界の武器開発や研究施設に多額の支援を行い、さらに寄付や非営利団体のスポンサーもやっているので、使える金額はその中の半分以下なのだが。それでも生半可な金持ちなど足元にも及ばないレベルである。

 

「企業秘密だよ♪」

 

((まあ言えないからなぁ))

 

 事情を知る者二人の心が一つになった。

 

「・・・まあ、シャルル君は分からないけど専用機もちには弱点があるから箒ちゃんや僕にも付け入る隙はあるよ」

 

 と、専用機を持っていない箒をフォローするのも忘れない、余裕のある女レヴィアである。

 

 そして、その言葉に屋上にいた生徒の耳がレヴィアの言葉を拝聴する。

 

 口元に動いていた箸も止まっているあたり、もはや時を止めたといっても過言ではない。

 

 当然といえば当然だろう。

 

 一次移行すらできない練習機で、専用に進化した代表候補生の専用機を相手にするなど、常人なら一瞬であきらめるような出来事だ。

 

 そこに付け入る隙があれば、だれだって手を伸ばすだろう。

 

「へぇ・・・。あたしの甲龍に欠点があるって? なによ、言ってみなさい」

 

「甲龍の欠点は単純明快。第三世代武装が初心者相手だと逆に対処されすいこと」

 

 バッサリ切り捨てた。

 

 実際一夏が代表戦で考えた通り、甲龍の衝撃砲はそもそも射撃の回避方法を熟知している相手でもなければその特性は発揮しにくい。素人であるが故に動きまわるという対処法をとるしかできず、それゆえに初心者相手にはあまり真価を発揮しない。

 

「ブルー・ティアーズの欠点はいろいろあるけど、一番重要なのはセシリアちゃんがまだ完全に制御できないことだよ」

 

「う゛・・・」

 

 痛いところを突かれてセシリアも黙る。

 

 確かにそうだ。実際一かとの戦いのときでも、ビットと本体の同時移動ができないところを突かれたところがある。

 

「なにもご丁寧にビットを全部動かす必要はないんだし、動かすビットの数を減らして情報処理を減らしたり、移動しながら一つ落として、不意打ちで動かして強襲したりとか考えた方がいいと思うよ?」

 

「な、なるほど・・・」

 

 レヴィアの意見を聞いて、セシリアは目から鱗が出る思いだった。

 

 その発想はあまりなかった。確かに、なにも毎回毎回4機全部使う必要はないのだ。やろうと思えばそういう手段もとれる。

 

「ちょっとレヴィア。アンタあたしにはアドバイス無いのかしら?」

 

「・・・ゴメン、思いつかない」

 

 鈴からの視線をレヴィアは顔をそらして防御する。

 

 別にISの専門家でもないレヴィアは、戦闘経験が多いということを活かしてそういった観点からのアドバイスをしているのだ。・・・ゆえに、シンプルで隙のない甲龍の場合どこを言っていいのかわからない。

 

「で、不知火の欠点は一夏だね。・・・遠距離戦闘が壊滅的だってことさ」

 

「「「「「「逃げた」」」」」」

 

 バッサリ迎撃された。

 

 これに関しては、欠点というより攻略法という方が正しい。

 

 特に鈴はよく理解しているが、将来的なこともありISに積極的でないため、生身での戦闘スタイルを崩さない方向で修練していることがよくわかる。

 

 しかしそれゆえに、その戦闘スタイルは一夏向けでもあり、あるいみでは隙がないのだ。

 

「それなら僕の場合は特色がないってところかな? 僕のラファール・リヴァイブ・カスタム2は第二世代機だから特殊武装がないしね」

 

 せめてフォローしてあげようとしたのか、シャルルが話に乗ってくる。

 

 確かに授業で見たメンツは知っているが、シャルルの機体は訓練機にも使用されているラファール・リヴァイブのカスタム機だ。

 

 鈴やセシリアとちがって第参世代機体ではないし、不知火ほどとがった性能もない。

 

「私の場合は、それ以前の問題だよね・・・」

 

 そしてそもそもみかんせいなのが 打鉄弐式である。

 

「まあ、簪ちゃんの強化プランは既に思いついているからその辺は時間の都合次第なんだけど・・・。箒ちゃんはどうなると思うかな?」

 

「そう言われても困るな。私にできることも一夏と同じく寄って切ることだけだ。それをISでどこまでできるかが鍵だ」

 

 レヴィアからのふりに、箒は特に動じることなく反応する。

 

 どうにもこの剣道少女はクールに対処してくれる。

 

「・・・・・・まあ良いか。そうだシャルル君、ちょっと良いかな?」

 

 だけどまあ、会話は大体弾んでいる。

 

「うん、なにかな? 何でも聞いていいよ?」

 

 だからシャルルもにこやかに聞いてくれるし、

 

「君、何者なんだい?」

 

 ・・・爆弾も投下できるというものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・まあ、冷静に考えれば必ず来るよね、その質問は」

 

 シャルルはそれでも冷静だった。

 

「政治的な理由があるにしても、史上初の男性操縦者が出てきた後で二番目ができたって、大々的に発表してプロパガンダにする方が早いもんね」

 

 シャルルは肩をすくめると、レヴィアにまっすぐ視線を向ける。

 

「たぶん、聖羅さんはこう思ってるんだよね? 僕が男装した女の子で、一夏の情報を盗み取るために接触してきたって」

 

 そう、それこそがレヴィアが想定したこの事態の真相だ。

 

 IS開発産業的に致命的な問題を抱えているデュノア社が、起死回生のために無謀な賭けに出たというのが一番筋が通る。

 

 そんな無謀な賭けに一夏を巻き込ませるわけにはいかない。

 

 既に財力の限りを尽くしてデュノア社に圧力をかけ始めているが、今この場で正せばそれで済む話だ。

 

 急激に空気が変わった以上、不意打ちによって隙ができるはず。

 

 付け入るすきは、ここだった。

 

「・・・えい」

 

 だから、こんな反応は想定外だった。

 

 具体的には、一夏と自分の手をとって、いきなり股間に当ててくるとは想定外だった。

 

 そして、アレの感触があるのも想定外だった。

 

「これが証拠。・・・なんだったら見る?」

 

「・・・そうしよう」

 

 レヴィアは念のため、確認するために物陰に移動した。

 

~これから先は、音声のみでお楽しみください~

 

「ね? ちゃんとあるでしょ?」

 

「いや、これじゃ足りないね」

 

「・・・・・・え?」

 

「考えてみれば性転換手術はなにも男から女だけではない。ただし、逆に関しては欠点が一つだけある」

 

「な、なにかな?」

 

「男性から女性の場合は『pi-』を『pi-』するため反応があるが、女性から男性の場合は筋肉の一部を『pi-』にするため反応しない」

 

「すごいこと知ってるね!? それで、聖羅さんはなにをするの?」

 

「大丈夫。そっち方面のテクに置いては、IS学園一年生では僕は間違いなくトップだ。・・・いい思い出にして見せるとも」

 

「え・・・ちょ・・・アーッ!?」

 

~音声終了~

 

「・・・シャルルに黙祷しようか」

 

「ついに暴走したわねレヴィア」

 

 シャルルの悲鳴をBGMに、一夏と鈴は深くため息をついた。

 

「・・・どういうことだ?」

 

 ものすごく憐みの表情を浮かべながら、箒が絞り出すように二人に訪ねた。

 

 ものすごく言いたくなさそうな顔をしたが、一夏と鈴は頷きあうと、しかしやはりすごく言いにくそうに口を開いた。

 

「レヴィアってさ、ものすごいエロいことが大好きなんだよ。しかも異性同姓関係ないんだ」

 

「中学時代に同級生の一割ぐらい初体験させたからね」

 

 すごく遠い目で二人は過去を回想する。

 

 レヴィアの明確に欠点といってもいい唯一の欠点がそれだ。

 

 性に奔放すぎるという飛びぬけた個性。なんでも淫魔の血が混ざっているとかで本能的に淫乱なのである。

 

 ちなみに、レヴィアはかなり前から経歴をいじって年齢をごまかしているので自分自身では問題ないが、色んな意味で犯罪である。

 

 そして、その発言に最も反応したのは約一名。

 

「・・・そっか、そうなんだ。そうなんだぁ・・・」

 

「なんで喜んでるんですか、更識さん」

 

 突如顔を赤くしてにやける簪に、静かにセシリアのツッコミが放たれるが、一切聞こえていなかった。

 

 そして、物陰からレヴィアとシャルルが戻ってきた。

 

「ひ、酷い目にあったよ・・・」

 

「ゴメンゴメン。最近男を味わってないからちょっと暴走したよ」

 

 ものすごいいい笑顔を浮かべるレヴィアに、約一名を除いてひきつった笑顔を浮かべてしまう。

 

「うん。シャルル君は男だね。勘違いを謝罪するよ」

 

「まぁ怪しまれてもおかしくないしね。これから機を付けてくれれば構わないよ」

 

 若干中腰で下がるシャルルだったが、少しすると表情を曇らせた。

 

「今までフランスが黙ってた理由は簡単だよ。・・・僕はね、デュノア社の愛人の子供なんだよねぇ」

 

 ・・・その言葉に、微妙だった空気がマイナス方向に引き締まる。

 

「存在そのものがIS業界に衝撃を与えるけど、うかつに公表すると目立ちすぎるせいでマイナスイメージまで追加で来る。だから、政治的に隠されてたってわけさ」

 

 フランス最大の企業の社長だが、それが愛人の子。

 

 普通に考えればややこしいのは誰でもわかる。

 

「ただ、フランス政府もデュノア社の援助を打ち切る方向になってきていてね、なりふり構っていられなくなったところに、史上初の男性IS操縦者が出てきたから、そのすきにちゃっかり公開して時間稼ぎって寸法だよ」

 

 ・・・・・・既に全てあきらめたかのようなその言葉に、その場にいた物の心境は一つだった。

 

 怒りだ。

 

「ふざけんなよ。なんだよそれは」

 

 特に、家族というものに深いものを持つ一夏は黙っていられない。

 

「親だからって、血がつながっているからって何でもしていいとかそんなわけがないだろうが。・・・ふざけんなよそのクソ野郎!!」

 

「一夏君声が大きい。・・・他にも人はいるんだよ」

 

 レヴィアがそうたしなめるが、その表情も険しくなっている。

 

「・・・まあ、社の存続のためならば肉親であろうと切り捨てるというのは組織の運営を第一に考えるとするならば潔いといってもいいがね。・・・どう考えても俗物っぽいしそれはないだろう」

 

 気分を切り替えるために深呼吸をしながら、額に手を当てると首を振る。

 

 世の中には普段ハイスペックなくせに妹のことになるとむしろヘタレになる手合いもいるというのに、面倒なことだ。

 

「仕方がない。デュノア社には僕の伝手でしっかりと脅しをかけておこう。・・・大丈夫、確実に黙らせられる」

 

 やけに自信たっぷりに言い切ったことばに、約二名を除いてキョトンとする。

 

 でもって、約二名は視線と視線で通じ合った。

 

―一夏、レヴィア間違いなく権力フルに使うわね。

 

―そうだな鈴。・・・そういえばヨーロッパのIS企業社長と契約している悪魔が側近に名乗りを上げてるとかなんとか言ってた。

 

―決まりね。そっち経由で(元)魔王の血縁者が本気で怒り狂っているから今すぐ言うこと聞かないと(経済的に)瀕死になるとかいえば・・・。

 

―聞くだろうなぁ。やるときは徹底的にやるタイプだし、レヴィア。

 

 持つべきものは権力者の友である。

 

 しかもレヴィアには、一IS企業の役員に大打撃をあたえた実績もあるし、本気で動けば重要人物の暗殺だって普通にできる。

 

 家族関係に問題があるゆえに特に怒り狂っていた二人だったが、一転してデュノア社に同情してしまった。

 




ある意味超魔改造、シャルル。

この理由は次の話で説明しますのでとりあえず石投げないでください。
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