インフィニットストラトスD×D   作:グレン×グレン

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このタイミングだと早いかもしれませんが、今後の展開に重要な部分をばらしておきます。


第十一話

 

 

 とある少女の話をしよう。

 

 彼女は、ありていにいえば異端だった。

 

 異なる端と書いて異端。

 

 より正確に言うなら、天才だった。

 

 一を聞いて十を知るどころか、百も戦も知ることができる圧倒的な知能があった。十人中十人が振り返ってもおかしくない美貌があった。常人をはるかに超える身体能力を持っていた。

 

 そして、それゆえに彼女は恐れられた。

 

 世界最大の宗教にとって、神とは完成された存在だ。そして人とは違う存在だ。

 

 彼女の能力を知った物はそれと同じように考え、しかし彼女を神ではなく悪魔のように扱った。

 

 親からも学友からも周囲の大人からも子供からも、彼女は自分達と違う存在なのだと考え、距離をとった。

 

 実際、彼女をすごい人ではなく彼女個人として見てきた者はごく少数で、そのせいか彼女はそれ以外の全てを自分と同じ人という風にもみなかったし、興味を向けることすら嫌悪していた。

 

 そんな性格をしていれば当然その現象は加速され、そして彼女はそれに意識を向けることはなかった。

 

 ただそういう有象無象に興味を示さず、興味を示す事柄にのみ全力を注ぎ、それゆえに彼女はその能力を最大限に発揮していた。

 

 そんな彼女にとって人生の転機となったのは本当に偶然だった。

 

 通販で興味深かったコンピュータソフトを注文したが、しかし届いたものの中身は違った。

 

 誤送による商品の取り違え。言葉にすれば簡単だが、それは非常に大きな違いを世界中に生む。

 

 そもそも、それが宅配便で送られるということ自体があまりにも非常識なことであり、もしその自体が知られれば、多くの死者を生むことになったかもしれない。

 

 そして、彼女はその存在の真の意味をその神のごとき才能で理解した。

 

 彼女はこの時初めて神という存在を明確に信じたものだ。

 

 彼女はそれを解析するために全力を注ぎ、しかし既存の技術でそれを解析することはできず、しかしその天才としての才能はある程度ならば解析できるようになっていた。

 

 彼女のその解析は『専門家』からすれば呆れるほど稚拙であり、彼女がその程度でしかできなかったということによりのちの『専門家』たちは彼女を異常に評価しなくなるが、それはまた後の話。

 

 その素人じみた知識を、既存の技術に当てはめたらどうなるのだろう。彼女はそう思った。

 

 世界にとっての誤算は、彼女が興味を持つこと以外には本当に頓着しない性格だったことだ。

 

 世界そのものに対して大きな興味を持たず、自身の成果をしらしめたり悦楽を得るためなら、有象無象を不幸にしようが一向に気にしない。

 

 その才能ゆえの隔絶であった弊害は、彼女にその力を組み込んだ科学の産物を生みだすことを決定させた。

 

 その力は絶大といっても過言ではなく、自身の興味が向いていた宇宙開発関係に置いて完成させたが、天才ゆえに軍事転用すれば破格の成果を発揮することも理解していた。

 

 そして世界はその強大さを即座に理解する者がおらず、『専門家』たちは軍事兵器の領域に深く興味を向けるわけでもなかったので、それを知ることすらなかった。

 

 ゆえに彼女のせいかは理解されず、それを不満に思った彼女は世界全土に影響を与える行動をとってその成果を思った形ではないが知らしめた。

 

 ・・・そして、結果として『専門家』はその許されざる大罪にようやく気付いたのだ。

 

 その大罪は命を奪うに値するものであり、しかしその事実が知られれば世界は大きく動いて滅びすら想定できるほどだった。

 

 ゆえにその大罪を起こした彼女を、人権を無視した方法でとらえることにした。

 

 そうしなければならないほどの事態だったし、他に知られる前に動かねば大変なことになる。

 

 ばれるわけにはいかないのでごくごく内密に行動し、『専門家』は自分達の側にも内緒に彼女を狙った。

 

 世界にとっての誤算が彼女の本質ならば、彼女にとっての誤算は『専門家』の能力に合った。

 

 より専門的な分野からその存在の知識を解析し、圧倒的な情報量を持つその『専門家』たちは、あっという間に情報を解析しある程度の再現を可能とした。

 

 最初は簡単に撃破できた。その再現だけなら、己の土俵ならば彼女は容易に撃破できる。『専門家』にとって人が神を超えることはできないと定義されており、ゆえに神に並ぶ彼女には勝てなかった。

 

 だから、自分達の領域を組み込んだ。

 

 その結果彼女はあっという間に不利になった。

 

 さすがにこれに愛する者達を巻き込むことを恐れた彼女は姿を消し、しかし速やかに追い詰められた。

 

 しかし、運命の輪は彼女に救いの手を差し伸べた。

 

「・・・なんか面白い物作ってるらしいな。丁度いい、俺にそれ教えてくれよ? 代わりに当分守ってやるぜ?」

 

 その男は、『専門家』と同様に自分を危険視していた。

 

 だが制御することは可能ではないかと考え、それゆえに一時の猶予を与え、そして彼女の理解者となった。

 

 そして彼女の理解者はあっという間に増えていった。

 

 彼女はそのおかげで、その人格のゆがみをあっという間に矯正されていった。

 

 彼女は興味を持つ事柄に置いて、始めて自分の才能が成果を発揮しないということに直面した。

 

 明確な挫折を彼女は経験し、そしてそれは人が誰しも経験することであるが故に、彼女は神から人になったのかもしれない。

 

 だから、彼女は自分がやってきたことを反省することができるようになり、その影響が自分の大切なものたちにどれだけの迷惑をかけるのか心底理解して。

 

 ・・・せめて、迷惑料ぐらいは払うべきだと思い直した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暗闇の中、男は部下から送ら得てきた情報に目を通していた。

 

 その目に映るのは表の社会の最高峰、インフィニット・ストラトス。

 

 彼はその真相を自らの様々な叡智によって解き明かし、ついにその意味を理解していた。

 

 おそらくこの意味に気付いている物は世界でもごく少数だろう。

 

 これはそういうものだ。表の社会では解析することなどあと数百年はかかるかもしれない。いや、もしかしたら一万年かかっても理解できないかもしれない。

 

 その理由を男は理解しており、しかしそれゆえに男は不満を持つ。

 

 男が望む世界なら、少なくともその一割ぐらいは解明されていただろう。そしてその恩恵をより多く社会に広めることができただろう。

 

 その結果争いも怒って世界は大きく動いているだろうが、それは男にとって望ましいものだった。

 

 今男はその望ましい世界を作るために行動している。ゆえにISについての研究も行っていた。

 

 おそらく自分よりISについて詳しいものは、それこそ生みの親である篠ノ之束ぐらいだろう。低く見積もっても五人もいないのは確信できる。

 

 それだけの実力を男は持っていて、しかし彼はその才能を自信としない。

 

 なぜなら、ISは驚異の一つではるが最高の脅威ではない。そう確信している。

 

 ISは最高の兵器ではある。だが、最強の兵器ではない。

 

 ここまでバランスを取った兵器は今の男でも新たに開発することはできないが、バランスを整えなければ対抗できる戦力を用意することはできる。

 

 だから開発して生産したし、それを自分が望む世界を作るための準備の一つとして、世界のパワーバランスを変えるために送り込んだ。

 

 自分と同じ世界を望む者たちがいるからこんな手段を取らなくても送りこめたが、それをすると世界中が自分の協力者を調べて余計なことをするかもしれない。

 

 だからこんな手段をとった。

 

 ついで言わんばかりに男性IS操縦者のデータも取ったが、まあそれは別にどうでもよかった。

 

 そもそもそんなものは意味をなさなくすることが自分にはできるし既にしている。だから問題はなかった。

 

 だが、それ以上にISには価値がある。

 

 なぜなら、ISこそ自分の理想の到達点の一つであるからだ。

 

 確かに、稚拙な部分が多くそれゆえに完全には理解できないし、自分のような側から見ればツッコミを入れたくなるところも多々ある。

 

 だがそれは確かに自分の理想の一つの形であり、これを解析して初めて、自分の理想成就のための策が整った。

 

 ようやくだ。ようやくスタートラインに立てる。

 

 このゆがんだ世界を正すことができる。

 

 弱肉強食の理を持ち、真に力を持つものがその力を存分に震える世界が誕生する。

 

 そうなればISの栄光は地に落ちるだろう。

 

 アドバンテージはある。だがそれは決定打にはならず、そしてそのアドバンテージすら互角程度にしかならないものも探せば複数出てくるだろう。

 

 その世界になることで、人類は本当の意味で神と共になる世界となる。これをもろ手を上げて喜ぶ弱者も存在すると思っている。少なくとも、神の価値は今までより上がり、そしてある意味で低くなるだろうことは想像に難しくない。

 

 そんな世界を見ることができるのなら、自分は世界を壊すことすらいとわない。

 

 少なくともそれを信じる者は世界中にたくさんいる。おかげで自分がこの組織を乗っ取る前より潤沢な資金ができたし、様々な分野から人外の協力を取り付けることにも成功している。

 

 おかげで、新世代のISを開発することもできた。

 

 時代の流れから考えれば、しいて言えば第五世代ともいえるだろう。それだけの設計思想を踏まえた機体を前に、男は職人的な自負を持って自慢げに笑顔を浮かべる。

 

 おそらく、この設計思想の機体は篠ノ之束には作れまい。

 

 彼女を知る者から聞いた話を考えれば、彼女は人間という物を理解していない。

 

 ただ強力なものを作ればそれでいいと考え、それを使う人間のことを考えない。

 

 道具は使いこなせるようになってこその道具なのだ。ある程度の実績さえあればヒューマンエラーを起こす方が失態であり、それは道具として欠陥品である。

 

 おそらく第四世代はそういう迷走の機体となるだろう。本体だけでの万能の具現化など、それは神にも難しい所業だろう。

 

 本当にそんなものを作ったのなら笑ってやろう。道具とは専門要素を持っているからこその道具なのだ。十得ナイフはナイフとしては戦闘用ナイフにはかなわないのだ。

 

 だから男は篠ノ之束に対する勝利を確信し、しかし油断だけはしない。

 

 男が本当に警戒するのは篠ノ之束ではなく別のものだ。

 

 おそらく彼らは動いているだろう。篠ノ之束に注目していたからこそその動きをある程度知ることができたが、しかし完璧には理解できない。

 

 彼にとってはそれ以上の価値がある者を見つけ、彼女が弱く脆いものになりそうなのをもったいないと思い、その力を鍛えることの方に意識を向けてしまっていた。

 

 それはそれで価値があるし、彼女は自分の大事な刀なのだから後悔はないが、しかしそのせいで出遅れているのも事実だ。奴らならISそのものを作り上げることも不可能ではないだろう。

 

 まあ、全く同じものを作るなど考えられないからその辺は安心しているのだが。

 

「さて、世界を壊しに行くとするか」

 

 そう呟き、そしてそれに応える影が四つ。

 

「ようやくかよ。ようやく、私はあいつに借りを返せるのか。楽しみだぜ」

 

 犬歯をむき出しにして笑う、自分の評価する剣―オータム

 

『そろそろ自分も正体を明かせそうッス。ああどいつもこいつも驚くだろうッス』

 

 通信ごしにうんうんと頷く、自分の強大な盾―ウィンター

 

「彼女と戦える時期が近付いているのか、期待させてもらうぞ」

 

 己の光との対決に心躍らせる、自分の正確無比な銃―エム。

 

「昔の時からここに属してきたけど、この現状はとても面白いわね」

 

 かつての組織との変化を楽しむ、自分の頼れる火種―スコール。

 

 そして刀であるスプリングと配下であるサマーがいれば、布陣は完璧だ。

 

「さて、世界を壊す準備を始めようか」

 




いろいろと重要な部分が漏れ出ている話でした。ISコアの正体とか、この作品での亡国企業の実態とか。



本作の束さんはある人物のおかげでかなり矯正されてます。話が合う人物がいるだけで人って心の平穏かなり保てますし。

ちなみにある人物はD×Dを見たことある人ならすぐわかるかもしれないあの人です。

ぶっちゃけ原作はラスボス束さんですよね。あの性格で味方側はあり得ない。



そしてラスボスはかなりチートじみた存在です。少なくとも技術面で規格外なのは読んでのとおり。

第五世代ISについては足して二で割ったという言葉がぴったりです。ああ、早くお披露目したい。

とりあえず、今日はここまで
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