小説書くのって難しいなぁ・・・。
「お姉さま、そういえば悪魔は人間と契約すると言っていたな」
「そうだけど、それがどうかしたのかい?」
昼食にドイツ料理を食べようと思い、ラウラを誘ったレヴィアは、食事の場でそんな質問をされた。
肉の蒸し煮をかみしめながら、レヴィアはこの妹分の言葉に首をかしげた。
「・・・近年軍部においていろいろと面倒なことが起きていてな」
「・・・また物騒な話になってきたね」
ラウラの言葉をまとめるとこういうことになる。
ドイツのIS研究施設などで、強奪目的の襲撃が数度にわたり発生しているという。
しかも、諜報部が掴んでいる情報によると、世界各国で同様の事件が頻発しているらしい。
そのせいでISを所有する軍事部隊においてはいろいろと面倒事が頻発しているとのことだ。
「そのせいで雑用に追われることが多くてな。・・・機密保持がちゃんとできるなら私の方からクラリッサ達に紹介することも考えているのだ」
「なるほどねぇ。と、なればまずは現地を調べての担当の悪魔と渡りをつけたほうがいいかな」
レヴィアの脳内で、速やかにドイツ方面で活動している悪魔の情報が展開される。
科学万能主義ゆえに悪魔の活動にはある程度の支障がある。この状況を利用して軍部関係など科学がメインの場所で活動を行うことができれば、非常に便利になるのは目に見えている。
「まあ情報漏えいは心配しなくていいよ。さすがに重大機密に関与するのは不味いけど、大体契約活動を行う悪魔はそう言ったことは守るから」
「そうか。しかし悪魔というのはどういう風に仕事をするのだろうな」
興味本位の一言だったのだろうが、しかしレヴィアの脳裏に閃くことがあった。
悪魔としての活動はそこそこやっているが、こういうのは個人的な用事も多いので成果でしか評価されないことが多い。
客観的に見ることで、それとはまた違った刺激になるのではないか・・・?
「・・・じゃあ、今度見てみるかい?」
「と、言うことでちょっと見学させてもかまいませんか?」
「おう! レヴィアの姉ちゃんにはいつも世話になってるからな! 邪魔しなけりゃ構わねえぜ!!」
依頼主からの承諾はとれた。
レヴィアはその答えに満足し、そして後ろを振り返った。
「じゃあそういうことで。今回の仕事はまあよくやってる集団行動だけど人の目があるんだから、気合を入れ直してやってみようか」
「「「はい!」」」
「了解」
レヴィアの言葉に四人は頷く。
今、レヴィアは一つの工事現場に来ていた。
工事現場とは言っても、その範囲は広大だ。
大型の箱モノのアミューズメント施設の建設現場。
これまでにも何度か似たような物の建設に関与している会社で、その現場の担当者とは何度も付き合いがある。
色々と大規模な行動の手伝いだからか、こちらも眷属総出で動くことが多い。
今回は、つまりそういうことだ。
「昼間からでも仕事をするのか。意外だな」
「まあまれにそういうことがあるわけでね。タイミングが悪くてこういうイレギュラーなことしかできなかったんだよ」
妙なところで感心するラウラに、レヴィアは肩をすくめる。
こういった仕事は珍しい方だが、しかしだからと言ってそういったえり好みをするつもりはない。
えり好みするのは人道に反する時ぐらいだ。そうでないなら、可能な限り遂行する。その分ちゃんと正統な報酬はもらうので文句はない。
そして、乗り気になれる仕事ならば本気を出せる。
「さあ、仕事だ!! 元気出していくよ!」
「・・・意外だな」
一夏の仕事ぶりをみて、ラウラはそう感想を漏らした。
「まあ、そうだよなぁ」
一夏としては苦笑交じりにそう答えるしかない。
今一夏がやっているのは昼食の準備だ。
野菜の皮をむき、手早く材料を刻み、さっと湯に通して下ごしらえを終える。
こういう場所では弁当が出るのが基本だが、やはり人は美味しい物を望むのが基本だ。
ゆえに材料を持ち込んでもらって一夏がそれを料理する。
家事ができる男の本領発揮だった。
加えて言えば、この後レヴィアも本格的な料理に協力する予定だ。
今レヴィアはコンテナハウスの清掃を行い、アストルフォは故障した機材の修理をしている。
何気にレヴィアは女子力が高い。あとアストルフォは万能すぎる気がする。どこでそんな技量を覚えたのか本気で気になる。
そして蘭が一番働いていた。
「・・・意外と力持ちなのだな、蘭は」
「俺と違って正統派戦車だからなぁ。・・・はっきり言って眷属内で一番怪力だよ、蘭」
ラウラの言葉を聞きながら、視線を少し外側に向けた先には―
「あ、コレ向こう側に運べばいいんですね? じゃ、急ぎます」
鉄骨を数本まとめて軽々と運んでいる蘭の姿があった。
「鈴もすごかったが蘭もすごいな。あれほどの量を一度に運べる者など私の部隊にもいないだろう」
「・・・俺もあの速さだと三分の一が限界かな」
ものすごく男として情けなくなってくるが、実は一夏は単純な筋力なら眷属ないでもかなり低い。
魔力を無駄に使うことで補えるレヴィアと、そもそも年期が違いすぎるアストルフォはまだいいだろう。
ただ、蘭の場合は見ているとすっごく精神的に落ち込む。自分と違って戦車の特性をしっかり生かしている上に、身体能力強化タイプの神器を二つも持っている挙句両方とも禁手というのがもはやハメ技に近い。アームレスリングとかやったら眷属内でぶっちぎりトップだ。一度おやつ賭けて勝負したら、蘭の総取りだった。
最近はいってきたヒルデのおかげでビリではないからだいぶ気分的にはマシだが、しかし彼女は純正サポートタイプなのでそれはそれでどうだろうという気分になってしまう。
カレドヴルッフを戦闘の根幹に選んだことは一切後悔していないが、さすがに日常においてはちょっと劣等感が出てしまうのは情けないところだ。
いや、こういうことを考えていることこそ未熟の証だ。気合を入れ直せ織斑一夏。
ラウラと一緒に野菜を切りながら、ついでに今日の夕食のこととかを真剣に考えつつ意識を仕事へと切り替える。
「・・・しかしお姉さまはこういうところで慰安婦とかをするものだとばかり思ったのだが、違うのだな」
そのタイミングでこんなことを言われ、つい包丁がすっぽ抜けた。
「・・・一通りの飲み物に「冷却」の文字書き終えたのデ―」
丁度雑用を終えて顔を出したヒルデのほおの左五ミリ先を通り過ぎて、そのまま壁に包丁が突きたった。
「危なぁ!? ちょ、一夏なにするデス!?」
「わ、悪ぃ! 今とんでもないこと聞いちゃって力ぬけた!!」
あわや大惨事だった。
「ちょ、ラウラお前何言ってんだよ!?」
「いや、お姉さまはそう言ったことに対して奔放なのだろう? だったら契約でもそういう方面を中心にしているのだとばかり思ったのだが?」
「・・・そういえばレヴィアさんってエロいことで契約とか取ってないのかデス?」
言われてみると非常に納得してしまうことを言われてしまう。ヒルデまで同意見なのがどうしたものか。
「いや、確かにあいつ基本的にエロいし、エロアニメとかこっそり見てるし、一度真剣にAVデビューしたいとか言ってるし、何より家系の中に淫魔の類も混ざってるらしいからそういうイメージはあるけどさぁ」
だからと言って誰にでも股を開くわけではない。
これでも苦労しているのだ。レヴィアがネットでエロ画像配信従ったりするのを止めるのはかつてはまれにあったわけで、それを「貴族がやることじゃない」と言って総出で止めたのはアレな思い出だ。
実際そういうことをしていないわけではないが、それだってそういう水商売的な奴ではない。
どう説明したらいいものかと思った矢先、その視界にレヴィアの姿が映る。
「あ、一夏君! ちょっと今夜一仕事ありそうだよ」
その言葉に、一夏はある意味さらに反論しずらい展開になったことを察知した。
意外と仕事はマジメな方向であるレヴィア。
ちなみに、仕事の傾向は以下のとおり。
レヴィア・・・上級悪魔なので大物の依頼が大きい。原作で言うならばリアスのような、呪いの品の解呪などといった派手な一件。
一夏・・・ポテンシャルがフルに発揮される家事手伝い系。ボディガードなどもたまに。
蘭・・・肉体労働系とコスプレ撮影系が半々。
アストルフォ・・・バリエーション豊富。機械の修理からデスクワークの手伝い、さらに護衛から行方不明者の探索まで様々。
ヒルデはまだなりたてなので傾向は固定されてない。