インフィニットストラトスD×D   作:グレン×グレン

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長らくお待たせいたしましたぁ


第六話 これからも同僚としてよろしくデス

 

 

 深夜、一台の車の中でひと組の男女が絡み合っていた。

 

「・・・そういえば、あの子たちどうなるんだろうな?」

 

 言葉だけをとれば心配しているかのようにも見えるが、口調はほとんど無関心といってもいい。

 

 その言葉を聞いて、女の方が意地の悪い笑顔を浮かべる。

 

 一見して少女といっていい年齢だが、まるで長い年月を生きていたかのような余裕がそこにはあった。

 

「別にええやん。本気で愛しおうとるなら、あんなことあってもくっつくやろ、兄さん?」

 

「辛辣だなぁ」

 

 呆れる兄の言葉に、少女の表情が鋭く変わる。

 

 それは嫌悪だった。

 

「ウチら兄妹が人様に認められん関係で苦労しとるのに、あの二人は幼馴染とか誰がどう見てもくっつける関係なんに、18年もあんなやろ。・・・みててむかつくかんなぁ」

 

 心底いい気味だといわんばかりに笑い始める妹の姿に、兄の方は苦笑を返すしかない。

 

「まあ、俺が言えた義理じゃないけどな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっはっは! まったくだね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、誰や!?」

 

 慌てて車から飛び出した少女の視界に映ったのは、複数名の影。

 

「一つ。人の世の、生き血をすすり」

 

 なぜか声に感情が乗ってない寡黙そうなフードとマスクとサングラスの、非常に怪しい男。

 

「ふ、二つ! 不埒な悪行三昧!!」

 

 やけに恥ずかしそうにしているフルフェイスヘルメットの少女。

 

 そして三人目。

 

「三つ、醜い浮世の鬼を退治してくれよう! 上級悪魔セーラ・レヴィアタンと愉快な仲間達推参!」

 

 どこかのタキシードな人がつけるような仮面をつけた赤い髪の女性が派手なポージングをつけて集合していた。

 

「上級悪魔セーラ・レヴィアタン!? 現政権に与しとるっちゅう悪魔がなんでうちらに用があんねん!?」

 

「はっはっは! 実はたまたま仕事である男の子とお近づきになってねぇ? ちょっと気になったのでいろいろと話を聞いたら何やら変なことになってるじゃないか?」

 

 その言葉に兄妹が痛いところをつかれたかのような反応を返す。

 

「なんでも女の子に家に来てほしいと誘われたら眠らされて、起きたらマジックミラー越しに椅子にくくりつけられて、その女の子の兄と幼馴染がまぐ割っている光景を見せられたとかぁ?」

 

 口調は愉快そうに言っているが、レヴィアは割と本気で怒りのオーラを垂れ流していた。

 

「しかもその幼馴染はその男の子の好意をいまさらながらに自覚したとかいてたみたいだねぇ? いやぁ世の中にはエロ同人みたいな展開が本当にあるもんだよねぇ。これで僕10回目ぐらいだよ」

 

 ここで観客がいたらこういうだろう。

 

 多い!

 

 エロい悪魔だからエロい展開に巻き込まれやすいのか、それともエロい展開に巻き込まれやすい運命だったからエロい悪魔になったのか。

 

 まあそんなことはレヴィアにはどうでもよく、しかし看過できない自体ではあった。

 

 レヴィアははっきりこう思っている。

 

 エロいことは気持ちよくやるべきだ。

 

 エロいことで気持ち良くなることはもちろんのこと、それは周りにとっても気持ち良くなれればいいだろうし、少なくともその行為によって気持ちよくなれない展開になることだけは絶対にあってはならない。

 

 ゆえに鬼畜エロゲみたいな展開など断固反対だし、そういう展開が起きているのだと知れば、権力相応に使ってでも叩き潰す。

 

 そして、ゆえに鬼畜展開などを知ればフォローのためにアフターサービスなど毎回行っている。

 

 工事現場でやけに暗い少年を見つけて何とか話を聞きだしてみたらこの状況。瞬時に行動を決意したのはらしいというかなんというか。

 

「・・・は! それで上手くいかないんやったらそいつらが所詮そこまでやってことやろうが! そこはどないするつもりや?」

 

「これだから馬鹿は困る。・・・世の中みんな愛だけあれば進んでられるほど一直線じゃないんだよ。そういう連中の心情を理解できないような低能が、偉そうなことを言ってもらっては困るね」

 

 相手の反論を鼻で笑い、レヴィアはやれやれと肩をすくめる。

 

「実力がある物は実力がないものを指導し導くのは当然だろう。・・・エロをつかさどる者として、これから一週間ぐらいかけてそんなの気にならないぐらいエロに忠実かつ卓越した人物に鍛え上げるから問題ないけどね!」

 

「それ調教だろ!? 俺があの子にしたことと大差ないと思うんだが!?」

 

「何を言う。トラウマ克服のための治療法の一環といってほしいね」

 

 左右の人物が何とも言えない表情でレヴィアを見るが、レヴィアは一切気にしない。

 

 そういうことを気にしない人物にすればこの手の問題の大半は解決する。エロとはすなわちジャスティス。そういう心情で行動した方がこういうときは有効なのだと、レヴィアは確信している。

 

 後ろで眷属が何やら深いため息をついてるが、とりあえず気にしないことにしておく。

 

 ゆえに、最初にやっておくことはただ一つ。

 

「まずはおいたがすぎる近親相姦どもにお仕置きタイムだ。・・・将来下手なちょっかいを与えられないように、しっかりと弱みも握っておこう」

 

 カメラを片手に、レヴィアは冷徹な声を響かせた。

 

「ああ、恐喝行為は嫌いだからされたら僕に伝えてくれ。ちゃんと真偽を確認して、事実だったら制裁を加えておこう。・・・もっとも、不可侵のための防壁に使用する限り僕は何もしないが」

 

 断言しながら一歩を踏み、しかしその兄妹はあきらめない。

 

「な、なめんなや! アンタのこと知っとるっちゅうことは、ウチらもこっち側やってことを忘れとらんか!!」

 

 少女が印を組むと同時に、周囲の道路が盛り上がり、泥の人形となってレヴィア達を囲む。

 

 さらに男の方も腕を一振りすると、そこから白い炎がわきあがった。

 

 ・・・数秒後、周囲が崩壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「手加減してるな、三人とも」

 

 想像以上の激戦を見ながら、一夏はそう呟いた。

 

「確かに、お姉さまならあの程度の攻撃意にも介さないだろうな」

 

「というかジーコン自体上位ランクデス。アレが相手にならない化け物が最低でも二人いるのに勝ち目は普通ないデス」

 

 缶ジュース片手に、ラウラとヒルデもそう呟く。

 

 実際その通りだろう。

 

 旧魔王血族として恥じない実力を持つレヴィア。

 

 禁手状態の赤龍帝を単独で瞬殺するアストルフォ。

 

 禁手を五つも保有している蘭。

 

 正直、ネームバリューなら一夏とヒルデが霞むようなメンツだ。圧倒するぐらい簡単だろう。

 

 それをしない理由は簡単。

 

「まあ、派手に暴れたら後始末が大変だからなぁ」

 

 レヴィアクラスの実力者が本気で暴れれば、それは爆撃機が町中で武装を乱射するようなものだ。

 

 必然的に戦闘はある程度気を使う必要があり、それゆえに手加減する必要は存在する。

 

 しかし決して油断はしない。

 

 一夏たちを後詰にちゃんとおいているのが証拠だろう。

 

 本来なら、専用機を持つなど、知名度が非常に高い一夏やらラウラやらヒルデをこの近くに連れていくのは避けるべきだ。

 

 しかしあえて万が一の事態を考えて用意しておくあたり、相応に警戒していることが目に見えた。

 

「っていうか、なんでエロ漫画みたいな出来事に巻き込まれてるデス?」

 

「いや、これがまた意外と多くてさぁ」

 

 ヒルデの疑問ももっともなのだが、こればっかりは天運というほかない。

 

 基本的にはレヴィアはまっとうに悪魔の仕事をしているのだが、時おりこういった事態に巻き込まれることがある。

 

 正直、中学生だった一夏や、小学生だった蘭の精神衛生上非常に悪いとは思っているのだが、いかんせんもう慣れてしまった。

 

 実際やることはやってしまっているので今更である。もうここまで汚れてしまったのならいっそ開き直った方が良いのかもしれない。

 

 それに確かに黙ってみていていいようなことでもないので仕方がない。

 

 まあ取り合えず。これであくどい行動をしている連中を懲らしめて、再犯をさせないことを約束させることができるのなら意味もあるだろう。

 

「・・・でもまあ、ほんとよかったデス」

 

 そんなことを、ヒルデはつぶやいた。

 

「どうしたんだ、いきなり」

 

「いや、レヴィアさんが正義感ある人でよかったと思ってデス」

 

 ヒルデは戦闘を続けるレヴィアを眺めながら、ふと微笑んだ。

 

「今の世界って色々あるじゃないかデス。神話も宗教もにらみ合いで、人間社会もいろいろと歪んでるデス」

 

「・・・そういうものなのか?」

 

 異形のほうにはあまり詳しくないラウラは首をかしげるが、確かにそういうものだ。

 

 ISの登場で女尊男碑が進んだ人間社会。

 

 神話業界も当然混乱状態だ。三大勢力のにらみ合いはもちろんのこと、各神話体系との関係も微妙で、隙を見せれば戦争勃発の可能性は十分にある。加えて言えば、悪魔業界はジーコンのような旧魔王派がいる以上悪影響はもちろんある。

 

「だから、そういうことちゃんと考えてくれる人のところで働きたかったデス」

 

「なるほどな。そういう意味じゃあ、レヴィアは及第点か」

 

 何しろ、魔王の血族としてふさわしい行動をしたいと思って実家を出奔するような女である。

 

 当然魔王血族として冥界のことを真剣に考えて行動してるので、そういう意味では合格圏内だろう。

 

「ハイデス! 眷属になって正解だったデス!」

 

 そういうヒルデの視線の先では、ついにレヴィアが下手人を叩きのめしてガッツポーズをとっていた。

 

「そういうわけで、これからも同僚としてよろしくデス」

 

 その笑顔がまぶしくて、思わず一夏は目を細めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・おかげで彼女とも楽しく快楽を共有できて生活は最高です。今度映像を送るのでぜひ感想をお願いしますか。いやぁ、よかったよかっブホッ!?」

 

「よくねえよ!!」

 

 つい主《レヴィア》を殴り飛ばしてしまった自分は悪くないと、一夏は確信した。

 

「完全に変態になってるじゃねえか!! なにやったレヴィア! いや、マジでなにやってんだよ!!」

 

「いや、見られたこととか気にするなら、いっそのこと見られたりすることを楽しむ性癖にすれば問題ないと・・・」

 

「別の意味で問題がありまくりだろうが!!」

 

 つくづくこの主は致命的な弱点がある。

 

「まあいいじゃないか。これで見ててほんわかするようなありきたりだけど価値のあるラブコメが一つ再開するわけで。僕らが人働きする価値は十分にあったと思うよ?」

 

「まあ、それはそれでいいことなんだけどさぁ」

 

 それでも大概うまく回ってしまうのが困りものだ。

 

「・・・おお嫁にお姉さま! 悪魔の仕事の件なのだが、もしよければ普通の仕事も見せてくれると参考になるのだがいいだろうか?」

 

「やあラウラちゃん。・・・そういえばあれは特殊な例だから参考にはしずらいか」

 

「レヴィア、話そらすな。ラウラもちょっと取り込んでるから後にしてくれないか?」

 

 とはいえ、決して失敗がなかったわけではない。

 

 あれは感謝しているが、彼女が心から気にしてることは変わりない。

 

「あ、レヴィアさん! 先日のあれが忘れられないので今夜ちょっとお願いするデス」

 

「あ、OKOK。じゃあ今夜ね」

 

「ほほう。何のことだか知らないが、それほど素晴らしいものなら私も一度体験して―」

 

「だめだラウラ!! ヒルデも内容を言わなけりゃいいってもんじゃない! あとレヴィアは少し黙れ!!」

 

 だから、困ったところも多いが支えていこう。

 

「・・・とりあえず! ちょっとレヴィアは俺と話しようか、な!!」

 

 ・・・やるだけやろう。

 

 

 

 




・・・R18にしたほうがいいだろうか?
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