インフィニットストラトスD×D   作:グレン×グレン

8 / 50
連投連投~


第六話 歯を食いしばらないで力を抜いてくれ

 

 

 投げ飛ばされた一夏はしかし、壁に叩きつけられるのではなく壁に着地した。

 

「相変わらず腕っ節が強くなったじゃないか、鈴!!」

 

 反撃といわんばかりに、そのまま壁を蹴ると回し蹴りを返す。

 

「アンタもね、一夏!!」

 

 それを上体をそらしてかわすと、すかさず鈴は反撃に移る。

 

 それをさばきながら、一夏は鈴との再開に感激していた。

 

 小学校後半からの数年間を共に過ごした、大切な幼馴染の一人。

 

 そしてレヴィアや自分の正体を知っている人物の一人だ。

 

 子供のころは名前が元でいじめられており、護身のためにレヴィアが戦い方を教えたのもいい思い出だ。

 

 ・・・加減が上手くいかなくていわゆるエリクサーなフェニックスの涙を持ちだす羽目になったのは深く反省しているが。

 

「そっか。お前が代表候補生かよ!! どうだった中国、ついでに武者修行の旅するとか言ってたけど!!」

 

「それどころじゃなかったわよ。もうアンタたちと関わったのが原因で、とんでもないのに目をつけられて大変だったんだからね!!」

 

 お互いに攻撃をはじきあい、素早く後ろに飛び跳ねる。

 

 ただの人間でありながら、悪魔となった自分と互角以上に渡り合える鈴に、のこり親友である弾が驚いてみていたものだ。

 

 思えば、悪魔であることを知ってもなおいつもどおりに接してくれた鈴や弾がいたからこそ、自分は今でも頑張れているのだと思う。

 

 そんな大事なセカンド幼馴染に、一夏は満面の笑顔を浮かべて激励した。

 

「つよくなったじゃねえか。お互い頑張っていこうぜ」

 

「そうね。情けない姿は見せられないじゃない?」

 

「そうか。今、教師(わたし)はお前たちが情けなくて見てられないよ」

 

 ・・・冷たいオーラに、恐怖という言葉を二人は思い出した。

 

 織斑千冬、降臨。

 

「「げ! 立花」」

 

「誰が西国無双だ」

 

 スッパパーン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで一夏さん。あの小さな方はいったい誰ですか?」

 

「ああ、俺の幼馴染の一人だよ。いわばセカンド幼馴染で、一年前に中国に帰ったんだけど、まさかISの代表候補生になってるとは思わなかったな」

 

 セシリアに答えながら、本当に驚いたと一夏は思い返す。

 

 あの頃の鈴は、両親の離婚に巻き込まれて転校する羽目になり、実に大変だった。

 

 レヴィアもいろいろと説得のために動いたようだが、それでも鈴の両親は決意を変えることはなかったのだ。

 

 それに、鈴はレヴィアの教えを受けて魔法を学ぶなどすると、そのもめごとから逃れるようにさらにのめり込んでいた。

 

 てっきりその道に進むと思っていたし、レヴィアもそのためのサポートなどを引っ越し前にしていたから、本当に驚いている。

 

「しかしセカンド幼馴染ということは、私はファーストか。・・・番号みたいでいい気分はしないな」

 

「う、悪い箒」

 

「おりむ~はセンスがたりないよ~。もっと磨かないとだめだね~」

 

「がんばるよのほほんさん」

 

 箒にダメ出しされ、本音に指導されてしまい、一夏は頭を下げるしかない。

 

 どうも自分はセンスがないようだ。いつもツッコミを入れられる。

 

「本当にそうよね。アンタってばくだらないダジャレとかよく言ってたし。レヴィアに矯正されなかったの?」

 

 みれば、ラーメンを片手に鈴が自分達の席にやってきていた。

 

「席もあいてるし、お邪魔するわよ~」

 

「な、何を勝手に座っていますの!?」

 

「え? 別に食堂でどこの席に座るかなんて自由でしょ?」

 

「隣の者に了承を得るぐらいしなさい!!」

 

「一夏、そこいい?」

 

「おう、別にいいけど」

 

「そこのファーストは?」

 

「箒とでも篠ノ之とでもいいから、その呼び方はやめろ。それさえ分かっていれば座ってもいい」

 

「じゃ、そこのだぼだぼな子は?」

 

「いいよ~」

 

「多数決で決まりね」

 

「きぃいいいいい!!」

 

 六人がけのテーブルで、鈴は一夏の隣に座る。ちなみに逆隣りがセシリアで、反対側に箒と本音が座っている。

 

 さらにそこに増援到着。

 

「誰かと思えば鈴ちゃんじゃないか。・・・久しぶりだね!!」

 

「レヴィアもここにいたの!? あ、座って座って?」

 

「だ・か・ら! 了承を得なさいと言っているでしょう!!」

 

「いいぞ」一夏

 

「かまわん」箒

 

「どうぞ~」本音

 

「はい多数決」鈴

 

「むっきぃいいいいい!!」セシリア

 

 無駄に漫才が続けられていた。

 

「しかしこのメンツがそろうと弾くんや蘭ちゃんがいないのは違和感あるね」

 

「たしかにねぇ。レヴィアが皆をまとめて、一夏とあたしが引っ張ってって、弾が巻き込まれて蘭が追いかけてきて・・・懐かしいな~」

 

 レヴィアの言葉に、鈴が懐かしんで表情を崩す。

 

 一夏もそれを思い出した。

 

 ・・・鈴も弾も、自分が人間じゃなくなったとしっても変わらず自分を受け入れて、レヴィアのこともひとしく扱ってくれた。

 

 あの数年間は確かに自分にとっての宝物だ。絶対に大切にしなくてはいけないと思う。

 

「良い友達ができたようでよかったな。・・・別の意味で問題を起こしているようだが」

 

「ど、どういう意味だよ箒」

 

 何やら意味深なことを言ってくる箒に、一夏は文句をいうが取り合ってくれない。

 

 だが、それがわからないのは一夏だけだったようだ。特にセシリアと鈴は涙すら流しそうなほどに納得していた。

 

「・・・そうなのよ。分かってくれる?」

 

「ああ、わかるさ」

 

「わかりますわ」

 

「・・・おりむーは罪つくりだね~」

 

「うん、とても困っているよ」

 

 鈴と箒とセシリアが分かり合い、本音とレヴィアが呆れている。

 

 何やら和やかな空気が、流れていた。

 

 それが崩れるのは、僅かに今夜である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜、レヴィアは資料をまとめてから、簪の様子を眺めていた。

 

 遠目で見ているとよくわからないが、彼女の能力は非常に高いと思う。

 

 ・・・こういうことを言えば姉と比較するようで悪いが、彼女は立派に姉と並びたてる能力を持っているだろう。

 

「・・・相変わらずすごいね」

 

 だから、ただ褒めるだけにする。

 

「そんなことない。お姉ちゃんに比べたら、こんなもの・・・」

 

「それは違う。生徒会長は確かにすごいが、少なくとも電子戦の類やこういったプログラミング関係なら、簪さんは姉を超えているよ」

 

 これは数々の情報戦の末につかんだことなので、間違いなく断言できる。

 

 更識楯無は更識簪にできないことができるかもしれないが、更識簪は更識楯無にできないことができるのだ。

 

「僕はこういった方面に君ほど優れた人材を持っていないからね。そういう意味では生徒会長が羨ましいよ」

 

 言った途端、簪の顔が真っ赤になった。

 

 ・・・ヤバい、これは間違いなくアレだ。

 

 レヴィア・聖羅は更識簪にフラグを立てている。

 

 何故だ、なぜこうなった。

 

 彼女のこういった方面のすごさなぞ、代表候補生と立場である以上関係者は気付いているはずだ。少なくとも倉持技研なら気づいているだろう。

 

 更識楯無とは別ベクトルで実力者なのは間違いないのに、褒められていないはずがないだろう。ベクトルが別なのだから楯無と比較されている可能性もないはずだ。

 

「こ、これぐらい分かる人ならだれだってわかるはずだよ? 君の周りにもいるだろう?」

 

「ううん。・・・私のことをここまで褒めてくれた人は、レヴィアが始めてだよ」

 

 ・・・見る目がないぞ周り!!

 

 どうすればいい? どうすればこのフラグをクラッシュできる!!

 

 内心でものすごい勢いで頭脳を空回りさせる中、部屋のドアを思いっきりノックされた。

 

「何事だい!?」

 

 空気を変えるチャンスと考え、ゴキブリもびっくりの速度でドアにせまってあけるレヴィアだが、その意識は別の意味で切り替わった。

 

「・・・レヴィアぁ~」

 

 ポロポロ涙をこぼしながら、鈴がレヴィアに抱きついた。

 

「あぁあああああ!? ・・・って大丈夫!?」

 

 嫉妬の声を上げながらも、どうやらただ事ではないと気付いて簪も慌てて駆け寄る。

 

「鈴ちゃん・・・。どうしたんだい?」

 

「いちかのばかが・・・いちかのばかがぁ・・・」

 

 こんなに彼女が泣くのは何年振りだろう。

 

 少なくとも、自分をからかう連中を自分であしらえるようになってからは、こんなことは一度たりともなかった。

 

「やくそく・・・おぼえてなかったよぉ・・・!」

 

 その一言で大体理解できた。

 

「ああ、一夏は本当に馬鹿だよな」

 

 抱きしめ返し、優しくその頭をなでる。

 

 そして決意した。

 

(一夏シメる・・・)

 

 レヴィア・聖羅は可愛いは正義を信奉しているわけではない。

 

 ただし、可愛くて正しい子は正義だと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日、一組に嵐が吹き荒れた。

 

「失礼します。一夏君をちょっとぼこるのでお時間を頂きます!!」

 

「え、え、えええええ!?」

 

 麻耶が驚いている隙に、レヴィアは一気に一夏に詰めよった。

 

「一夏君。歯を食いしばらないで力を抜いてくれ。ダメージが入らない」

 

「ま、待てレヴィア!! お前の本気って危険すぎ―」

 

 数分後、織斑千冬が鎮圧するまで、一夏は地面に体が接触することなく殴り飛ばされ続けた。

 




地味に魔改造されている鈴。レーティングゲームでいうなら近接格闘パワータイプとして進化しています。

 そしてレヴィアの折檻は基本的に凶悪。一課の耐久値を正確に把握しているのでそのギリギリを狙ってぼこられます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。