ダブルリードの苦労人   作:桜紅月音

118 / 118
お盆休み3日目

吹部のみんなとプールに行った翌日

僕は、とある場所までやってきていた。

 

「おはようございます」

 

「おはよう拓哉君。今日もかっこいいわね」

 

「そんな事ないですよ」

 

僕の前に居る人、サリーちゃんのお母さん。

玄関の扉を開けて、お母さんに案内されるがまま、サリーちゃんの部屋の前までやってきた。

部屋をコンコンと叩くと、中からドタバタと音が鳴って

 

「拓哉さん、待ってました」

 

「凄い勢いだね…」

 

勢いよくドアを開けて出てきたサリーちゃんにびっくりしつつ、部屋の中へと入らせてもらう。

 

「拓哉さんとお出かけするの楽しみに待ってましたので!」

 

サリーちゃんのその言葉に、僕はニコッと笑った。

その後、サリーちゃんと市内まで一緒に向かう。

 

「そういえば、いつもの三人とは仲良いの?」

 

「はい、みんなで北宇治に行こうって話してます」

 

「みんな北宇治なんだ」

 

ここで言う三人というのは、サリーちゃんの家は、神社とくっ付いているんだけど、その神社のお手伝いに来ている中学生の三人組。名前は知らないけど。

 

「私は最初から北宇治って決めてました」

 

「へぇ~なんで?」

 

「やっぱり拓哉さんが通っていた学校っていうのが大きいです」

 

「それは嬉しいね」

 

南中に通って、そこから北宇治。

僕と全く、一緒のルートだなと思った。

 

「拓哉さんが居ないのはちょっと不安ですけど…」

 

「心配する必要はないよ。みんな良い子だし。それにサリーちゃんの技術なら、北宇治のクラのレベル高いけど、一年生からコンクールメンバーになれるんじゃないかな?」

 

「本当ですか!?」

 

僕が褒めると、サリーちゃんは顔を近づけて言ってきた。

 

「本当だよ。みんなもサリーちゃんの事すぐに認める事になると思うなぁ」

 

「拓哉さんに褒められると嬉しいです」

 

そんな会話をしながらやってきたのは、市内。

なんでも欲しい物があるらしく、僕に選んで欲しかったとのこと

 

「拓哉さんはどれがいいと思いますか?」

 

「う~ん…というかかなり使ってくれたんだねそれ」

 

「大事に使ってたんですけど…この通りで」

 

サリーちゃんが中学入学の時に、神子先生と一緒に選んだ髪飾りだった。

三年間使っていたのか、かなり痛んでいた。そこまで使って貰えるなんて思ってもなかったな。

 

「それなら好きなの選んで。それプレゼントするよ」

 

「そんな…悪いですって」

 

「いいのいいの、なんかプレゼントしたくなっちゃった」

 

僕がそう言うと、サリーちゃんは申し訳なさそうにしてたけど、髪飾りを選んでくれたのでそれを買って、プレゼントしてあげると、とっても喜んでいた。

 

その後、一緒にご飯を食べて、夕方に宇治まで帰ってきた。

 

「拓哉さん、今日一日ありがとうございました」

 

「その髪飾り、似合ってるよ」

 

「はい、この髪飾り大事にします」

 

「うん」

 

僕がそう頷くと、サリーちゃんは微笑んでくれた。

 

「それじゃ、バスの時間もあるし…そろそろ行くね」

 

「あっはい、今日はありがとうございました」

 

「じゃあね」

 

僕は、サリーちゃんに手を振って去ろうとしたら、腕を掴まれれて。気付けば頬に柔らかな感触がした。

 

「今は、これで我慢しますね」

 

「サリーちゃん!?」

 

「ふふっ、唇にしたいですけど…まだ、そんな関係じゃないですから」

 

サリーちゃんはそう言って、自分の家へと帰っていった。

因みにだけど…乗ろうとしていたバスには乗り遅れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___

 

 

「拓哉さん…彼女、居ないといいなぁ…」

 

頬を赤くしながら、ベットに横になってそう言う沙里がそこに居た。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

想いを音色に乗せて(作者:猫柳/nekoyanagi)(原作:響け!ユーフォニアム)

▼ 両親を早くに亡くし、バイトと勉学、音楽の両立に四苦八苦しながら北宇治高校吹奏楽部で己の理想の音色をトランペットで表現しようと頑張る男の子の物語。▼ 原作終了後、大学以降の物語も書きたいなぁと思っております。▼ クロスオーバーは迷っているので念の為です。原作の間に出すことは恐らくないです。▼ キャラタグ一旦消去させていただきます。▼ 青のオーケストラ要素ち…


総合評価:1783/評価:8.96/連載:18話/更新日時:2026年03月09日(月) 19:00 小説情報

カリスマチート転生者先輩 in 北宇治(作者:山田太郎)(原作:響け!ユーフォニアム)

カリスマチート転生者先輩を小笠原世代に生やして、早いうちに吹奏楽部を改革します。▼ガールズラブタグは超保険です。必須タグなので入れましたが、殆ど0です。そこを期待している方はすみません。▼テンポ優先のため、アニメで描かれた部分は必要な部分だけ書きます。未視聴の方はアニメを観ましょう。▼原作2年目で完結しました。3年目はあまり書けるパートがなさそうなので、思い…


総合評価:1701/評価:8.49/完結:8話/更新日時:2026年02月20日(金) 20:00 小説情報

或る、フルート吹きの青春(作者:ハヤブサ320)(原作:響け!ユーフォニアム)

「あの人に出会って、また歩き出そうと思ったんだ」▼とあるフルート奏者が出会いと別れを経験しながら、北宇治高校吹奏楽部でコンクール全国大会金賞を目指す物語。▼高校二年生編完結。▼2025年6月21日 三年生編連載開始▼小説ロゴを作ってみました。▼【挿絵表示】▼同小説をpixivでも連載しています。▼https://www.pixiv.net/novel/ser…


総合評価:590/評価:7.62/連載:61話/更新日時:2026年05月17日(日) 11:00 小説情報

北宇治のまえせつさん(作者:コーヒーまめ)(原作:響け!ユーフォニアム)

矢田明宏、15歳。和歌山の孤児院から引き取られ京都は北宇治へ。そんな未踏の地で織りなす高校生活とは。▼以前投稿していた『黒江真由との短編──或いは、こんな居場所──』という作品を長編として練り直し投稿したものです。


総合評価:1607/評価:8.92/連載:27話/更新日時:2026年05月17日(日) 18:02 小説情報

いつか途切れた、音の続きを(作者:いつかの音色)(原作:響け!ユーフォニアム)

 中学二年生のあの時、私は間違えた。私の行動一つで部が崩壊してしまうと、あの時の私は知らなかった。そして、私は逃げてしまった。▼ 周囲への気配りが足りなかった。みんなが何を考えているか、なんて全然考えていなかった。何より、心が弱かった。▼ もう二度と、同じ過ちは繰り返さない。私はもう絶対に、逃げたりしない。▼ ▼△▼ 南中出身、音楽チートの主人公を黄前世代に…


総合評価:2898/評価:9.02/連載:18話/更新日時:2026年05月17日(日) 21:30 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>