ダブルリードの苦労人   作:桜紅月音

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お盆休み3日目

吹部のみんなとプールに行った翌日

僕は、とある場所までやってきていた。

 

「おはようございます」

 

「おはよう拓哉君。今日もかっこいいわね」

 

「そんな事ないですよ」

 

僕の前に居る人、サリーちゃんのお母さん。

玄関の扉を開けて、お母さんに案内されるがまま、サリーちゃんの部屋の前までやってきた。

部屋をコンコンと叩くと、中からドタバタと音が鳴って

 

「拓哉さん、待ってました」

 

「凄い勢いだね…」

 

勢いよくドアを開けて出てきたサリーちゃんにびっくりしつつ、部屋の中へと入らせてもらう。

 

「拓哉さんとお出かけするの楽しみに待ってましたので!」

 

サリーちゃんのその言葉に、僕はニコッと笑った。

その後、サリーちゃんと市内まで一緒に向かう。

 

「そういえば、いつもの三人とは仲良いの?」

 

「はい、みんなで北宇治に行こうって話してます」

 

「みんな北宇治なんだ」

 

ここで言う三人というのは、サリーちゃんの家は、神社とくっ付いているんだけど、その神社のお手伝いに来ている中学生の三人組。名前は知らないけど。

 

「私は最初から北宇治って決めてました」

 

「へぇ~なんで?」

 

「やっぱり拓哉さんが通っていた学校っていうのが大きいです」

 

「それは嬉しいね」

 

南中に通って、そこから北宇治。

僕と全く、一緒のルートだなと思った。

 

「拓哉さんが居ないのはちょっと不安ですけど…」

 

「心配する必要はないよ。みんな良い子だし。それにサリーちゃんの技術なら、北宇治のクラのレベル高いけど、一年生からコンクールメンバーになれるんじゃないかな?」

 

「本当ですか!?」

 

僕が褒めると、サリーちゃんは顔を近づけて言ってきた。

 

「本当だよ。みんなもサリーちゃんの事すぐに認める事になると思うなぁ」

 

「拓哉さんに褒められると嬉しいです」

 

そんな会話をしながらやってきたのは、市内。

なんでも欲しい物があるらしく、僕に選んで欲しかったとのこと

 

「拓哉さんはどれがいいと思いますか?」

 

「う~ん…というかかなり使ってくれたんだねそれ」

 

「大事に使ってたんですけど…この通りで」

 

サリーちゃんが中学入学の時に、神子先生と一緒に選んだ髪飾りだった。

三年間使っていたのか、かなり痛んでいた。そこまで使って貰えるなんて思ってもなかったな。

 

「それなら好きなの選んで。それプレゼントするよ」

 

「そんな…悪いですって」

 

「いいのいいの、なんかプレゼントしたくなっちゃった」

 

僕がそう言うと、サリーちゃんは申し訳なさそうにしてたけど、髪飾りを選んでくれたのでそれを買って、プレゼントしてあげると、とっても喜んでいた。

 

その後、一緒にご飯を食べて、夕方に宇治まで帰ってきた。

 

「拓哉さん、今日一日ありがとうございました」

 

「その髪飾り、似合ってるよ」

 

「はい、この髪飾り大事にします」

 

「うん」

 

僕がそう頷くと、サリーちゃんは微笑んでくれた。

 

「それじゃ、バスの時間もあるし…そろそろ行くね」

 

「あっはい、今日はありがとうございました」

 

「じゃあね」

 

僕は、サリーちゃんに手を振って去ろうとしたら、腕を掴まれれて。気付けば頬に柔らかな感触がした。

 

「今は、これで我慢しますね」

 

「サリーちゃん!?」

 

「ふふっ、唇にしたいですけど…まだ、そんな関係じゃないですから」

 

サリーちゃんはそう言って、自分の家へと帰っていった。

因みにだけど…乗ろうとしていたバスには乗り遅れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___

 

 

「拓哉さん…彼女、居ないといいなぁ…」

 

頬を赤くしながら、ベットに横になってそう言う沙里がそこに居た。

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