2週目の特典で、優子ちゃん引きたい。
引けなかったら、誰か交換しましょ。
「いやぁ~私が言うのもあれだけど…こうやって会ってて良いの?」
夏紀に誘われてやってきたのは、市内にある喫茶店。
夏紀が心配しているのは、優子の事。事前に許可は貰っているので問題は無い。
「夏紀なら心配ないって言ってた」
「優子も丸くなったなあ。私には噛みついてくる癖に…」
話題に上がっている優子は、今バイトに行っているので、ここには居ない。
「バンドの事になると特にね…」
「だねー」
夏紀はそう言って、注文していたケーキを一口頬張る。
最近、思った事がある。優子も夏紀も、お互いの好みに寄ってきている所。
「というか、夏紀も雰囲気変わったよね。なんか…かっこよくなったというか」
「そう?でもそっか、高校の時に比べたらこういう服装ばっかしてるかも」
夏紀の好きなバンドに影響を受けている夏紀は、ファンキーな服装をしていた。
可愛らしい優子と違って、夏紀の良さを出していた。
「でも、服装は私じゃなくて、優子の方を褒めてあげたら?」
「?いつもしてるけど?」
「そうだったー優子もだけど、拓哉も拓哉で優子の事ガチで好きだったわ」
呆れながらもそう言う夏紀。
「あはは…夏紀にそう言われるとなんか恥ずかしい…」
「何を恥ずかしかってんの。私からすれば今更だから」
夏紀に言われて、高校の事を思い出す。
まぁ…言われてみれば確かにという話ではある。
「そういえば、低音に新入生3人と転校生入ったってさつきから連絡来てた」
「おおー低音に4人も!!黄前ちゃんの人を呼び寄せる力かな」
まだひと月とちょっととした経ってないけど、既に懐かしさを覚えてしまった。
「久美子を部長にして良かったね」
「優子と最初から決めてたもんね」
「みぞれの件もだし、久美子が居て良かった事多かったからね」
本当、彼女には助けられたもんだ。
彼女が困った時は、今度は助けてあげたいものだ。
「なんでも、転校生は清良女子のユーフォなんだとか」
「おお…超強豪校じゃん…黄前ちゃん、大変そう…」
夏紀がそう言ったタイミングで、定員さんがやってきた。
「お待たせしました~パンケーキです」
「きたきた」
「まだ頼んでたのかよ」
知らない間に頼んでいたのか、僕と夏紀の前にはそこそこ大きいパンケーキがやってきた。
「今日は拓哉の奢りだからね。この際にたっぷりと頼んでおいた」
「こいつ…」
幼馴染だからってなんでもやっていい訳ちゃうぞ。
そうは思っても仕方ないので、僕もパンケーキを一口。口に入れる。
うん…美味しい。甘すぎない丁度いいバランスの味だった。
「美味しい…夏紀、よく見つけてきたねこのお店」
「でしょでしょ!ここ、優子が教えてくれたんだよね」
「それで連れてきたのか」
「そういう事」
とそこで、僕のスマホにメッセージアプリの着信音が鳴った。
「優子、バイト終わったって」
「って事は、ここ間に合うんじゃない?」
「まぁ…近い事には変わりはないから」
僕がそう言うと、夏紀は僕のそばに寄ってきて
「2人で撮った写真を優子に送りつけようよ」
「そんな事したら、優子に怒られるの僕なんだけど」
「いいからいいから。ほら」
夏紀はそう言って、僕の口元に一口サイズのパンケーキを持ってきた。
「食べろって事?」
「うん、早く早く」
夏紀にせかされて、僕は口に入れる。
そのタイミングで夏紀に写真を撮られてしまった。
「夏紀!図ったな!?」
「拓哉が隙を見せるのは悪いんだよーっだ」
夏紀はスマホを操作して、しばらくして、僕のスマホが鳴った。
恐る恐る確認してみると
「バカじゃないの!! 家に帰ったら覚悟しておきなさい」
という二言のメッセージ。
後半の言葉に関しては威圧感が凄かった。
「夏紀…僕、死ぬかも…」
「あははは、優子はなんだかんだ言って、拓哉に甘いから大丈夫でしょ!」
呑気な言葉を連ねる夏紀に、僕は呆れる。
そのタイミングだった。お店のドアが開き、店の雰囲気に似合わない女性が入って来た。
言わなくても分かる、優子だった。
「居た…夏紀。何さっきのは」
「私と拓哉の仲を見せつけただけ」
「あんたね!」
「まぁまぁ…」
ここでいつもの喧嘩をされてしまっては、お店に迷惑をかけるので、優子を宥める。
優子は、落ち着き席に着いて
「拓哉も拓哉よ、全く…」
頬を膨らませて文句を言ってくる優子。
「子供か」
夏紀は、そんな優子を見てたった一言。そうツッコみを入れた。
優子は、僕が食べているパンケーキが目に入り
「拓哉、パンケーキ食べたいんだけどいい?」
「あっ、うん、いいけど」
僕はそう言って、優子の前にパンケーキを皿ごとずらした。
「違う。拓哉が私に食べさすの」
「あっ、そういう事」
てっきり、食べたいと思ってずらしてしまったけど、そういう事だったのか。
まだ、優子の事は分かりきってないな僕も。
「ほら、あーんして」
「あーん う~ん、美味しい」
「なんかコーヒーが甘い」
僕らのやり取りを見て、夏紀がそう言う。
それ、ブラックコーヒーだよねとツッコミを入れたくなった。
そして、そのままお開きをなった。
「それじゃあ、夏紀、また大学で」
「おう。また来週」
夏紀はそう言って、駅の方へと向かって行く。
「夏紀とあーんしてたのはやっぱり許せない…」
「まだ、嫉妬してんの?」
「うるさい!拓哉のバカ」
優子は、そう言いながらも僕のお腹に顔を埋めてきた。
「家に帰ったら、いっぱい構ってあげるから」
「うん…私が満足いくまでしてもらうから」
「はいはい」
そんな日々が今日もまた、過ぎていくのだった。
今までの話を、順次リメイクしております。
まだまだ時間がかかりますが、偶にで構いませんのでまた見て頂けると嬉しいです。
周一くらいのペースで更新できるよう頑張ります。
完結したので、久美子ちゃん達が出てくるタイミングも分かりましたからね。はい