全てのライダーの力を持ってしまって…   作:狼ルプス

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ミツゴシ商会

 

 シャドウガーデンの存在が世に知られてから数日…今日はなぜかアレクシアさんに呼び出された。挨拶程度で話した事もないのによくわからず無視をするわけにもいかず、指定された場所に向かうとアレクシアさんは既にいた。

 

「何のご用でしょうか…アレクシアさん…」

 

「噂でもう聞いてると思うけれど、私、ポチと別れたの」

 

「ポチって…シドの事ですか?確かにそのことは学校でもちらほら噂になっていますけど…」

 

まぁ…気配を消して見ていたんで知ってはいるが…あれはマジで傑作だった。

 

「態々それを言いに?」

 

「違うわ。ゼノンが死んだことで私の婚約者がいなくなったの。だから以前よりも告白だとかお見合い話が多くなって困ってるのよ」

 

「自分にどうしろと?生憎貴方とは挨拶程度でしかお話はした事がありませんが…」

 

「ルイン・オーマ。貴方の評価は学園でも知る人ぞ知るくらい周知される人物。剣の腕もたつ上、他の生徒や教員にも信頼をおける生徒。ここまで言えばわかるわよね?」

 

「…今度は自分を恋人役にする…と?」

 

「ええ、そうよ。話が早くて助かるわ」

 

「…何故自分なのですか?評価してくださるのは嬉しいのですが…」

 

「…何故かしらね。あなたとはまともに話した事はないはずなのに、遠目からもあなたの姿を見ると事はあったけど、その姿を見てると…小さい頃、巨大な化物から私とお姉様を助けてくれた騎士と姿が重なってしまうのよね…」

 

「…っ!巨大な化物…ですか?」

 

「ええ、あの時の衝撃で今でも覚えているわ。ディケイド…その騎士の名前だったわ」

 

「…っ⁉︎(マジか…ならあの時助けた二人の女の子達は王女様達だったのか…道理で護衛の騎士も多かった訳だ)」

 

あの時は気にするまもなくインベスを倒したからな…貴族の人間なのは雰囲気で分かったが…まさか王族だったとはな…

 

「(悟られないようにしないとな…)お話はわかりました。アレクシアさんの本命のお相手が見つかるまではお付き合いします。正直に言いますと、自分にとっても悪いことばかりはではないので」

 

こう言うのもなんだが、俺もアレクシアさん同様学年関係なく告白を受けたりラブレターを貰ったりと色々と困っていたくらいだ。いくら仮初とはいえ、アレクシアさんと付き合ったとなると告白も手紙もなくなるはずだし、目立つ関係性にもなるが、俺にもメリットはあるからな。

 

 

「ありがとう。それと私のことはアレクシアでいいわ。これからよろしくねルイン」

 

「わかり…いや、分かった。こちらこそよろしく頼む、アレクシア」 

 

「うふふ、察しのいいのね」

 

俺は口調と素で行くと嬉しそうに微笑むアレクシア。やはり王族とあって周りからも遠慮がちな所もある為、対等に話してくれる相手もいるのも少しは嬉しく思うのだろう。

 

こうしてアレクシアとの恋人役の生活が始まった。ちなみにシャドウガーデンにはこの事をしっかり報告しこの話を聞いた七陰の一部は驚愕し、ガンマに至っては衝撃を受け倒れたと聞き、ゼータは何故か機嫌が悪くなりしばらく電話に出てくれなかった。

 

 

 

 

 

アレクシア王女誘拐事件が解決してから更に数日経ち、アレクシアと仮初の恋人になり束の間の日常に戻ったと思ったのだが…稽古に付き合ったりやらご飯を一緒に食べたりなどして周りからの告白とラブレターの頻度もほぼ無くなり驚いている自分もいる。王族ってスゲェー…そんな中俺は横で体中が血塗れになって歩いているシドに目をやる。

 

「ククッ…」

 

「ねぇ…いい加減笑うのやめてくれないかなぁ?」

 

数日前シドはアレクシア王女に呼び出されて、まさかのアレクシア王女側からの告白を受けていたのを建物の上から気配を消し隠れて見ていた。

モブとしていたいシドからすれば当然王女様とかいう超目立つ人と恋愛なんて、心底御免被りたいと思ってるシドはいい笑顔でサムズダウンしながら告白を断ったところ、剣でバッサリいかれた。この件はのちに学園の七不思議になる事を俺達はまだ知らなかった。

 

「断っただけで切りかかってくる?普通ありえないでしょ」

 

「いや、お前の自業自得だろ?笑顔でサムズダウンして告白断ったら、そうなるのも自明だろ。面白かったけど」

 

「最後のは言う必要あったの?すんごい悪意を感じるんだけど?それにルインからアッパーを食らった箇所もまだ痛むんだけど…」

 

「そいつは良かった」

 

いやー何故かこいつが不幸な目に遭うのだけは心の底から笑えて仕方がない。

 

 

「今まで散々、ポチとか言って弄ばれたんだ。これくらいの意趣返ししたっていいでしょ」

 

「そう思ってたなら金と言う名のエサなんて無視すればよかっただろ?傍から見たら忠犬だったぞお前…」

 

「金はね…命よりも重いんだよッ!!」

 

「そうですかい…」

 

こいつの場合プライドやら誇りよりも金の方が優先順位が高い…なのでもうこいつにいちいち言っても無駄なのは分かってるので敢えて突っ込まない。

 

「はぁ、まったく。あれじゃ王女じゃなくてただの人斬りじゃん」

 

「まぁ…アレクシアも沸点も低い所もあるのは否定はしない…っと…」

 

「きゃっ…」

 

横を向いて話していたせいで前から歩いて来た子とぶつかってしまい、女の子の方が持っていた大量の本が散乱する。

 

「ごめん、大丈夫か?」

 

俺は倒れた桃髪の少女に手を伸ばすと、差し出された手をとって、そのままボーっと少し惚けている。

 

「あ、は…はい。大丈夫です」

 

「すまない。こちらの不注意でぶつかってしまって…」

 

「い、いえ!こちらこそごめんなさい!」

 

取り敢えず俺は落とした本を集め桃髪の少女に渡してお礼いいそのまま通り過ぎていった。そして横でシドがニヤニヤしていてどうでもいい事を考えてそうな顔をしていて腹が立ったのは言うまでもない。

 

その後は学園の食堂でいつも通り昼飯を食べていると、何故か当たり前の様にいるヒョロとジャガが横にいるシドに話しかける。因みに今回はアレクシアはいない、偶には一人で食べたい気分との事らしい。

 

「で、結局アレクシア王女とはどうだったのよ?」

 

「どうって…別れてそれっきりだって」

 

「チューもしてないんですか!?」

 

「「ちゅ────!!っイデェ!?」」

 

「食欲が無くなるからやめろ。後何故当たり前のように一緒の席にいるんだ?」

 

俺は急に口をすぼめてシドに顔を近づけてきた二人に拳骨を御見舞する。

 

「な、何をするんですか、ルイン君!!」

 

「ったく良いよなお前はっ!学年関係なく女の子にモテモテでよっ!しかも最近はアレクシア王女と付き合いはじめたんだって⁉︎」

 

「またその話か…」

 

どうも俺がモテてるだなんだの理由で根も葉もない噂を広められた事もあったが、俺の事を知る生徒はそんな根も葉もない噂を信じず逆に二人が痛い目に遭ったのは言うまでもない。

 

「それよりシド、俺がそんなヘタレのお前に良い店紹介してやるよ」

 

「イイ店って、ヒョロ君…ッ!?」

 

「ソッチの店じゃねえ、最近話題のミツゴシ商会だっ!!何でも、見たこと無い商品ばかり扱ってるらしくて、チョコだとか言う商品がクッソ美味いらしい!!」

 

「(ガンマ達が経営してる商会だな)」

 

俺はガーデンのメンバーとは定期連絡や報告、新たな人材の報告書なども送られ目を通す事もありミツゴシの事は知っている。我ながらこの厨二バカの叡智とやらでよく再現できたものだよ…

 

 

「なるほどつまり、それを使って女の子と……!」

 

「「シドっ!/ルイン君!!」」

 

「「行きましょうっ!!」」

 

二人が迫真の表情で俺達に迫る。その顔に根負けしてシド、そして俺はその案を承諾した。他にも顔を出していない仲間もいるので丁度いいだろう。

 

放課後、授業を終えた俺達は王都にあるミツゴシの店まで足運ぶと、そこには店を一周する程の行列が出来ていた。

 

「うわぁ…すごいですね」

 

「ミツゴシの商品求めて貴族のお偉いさん方がこぞって買いに来てるんだろうな」

 

ヒョロとジャガはその様子に驚いたように口を開く。この世界の住人からしたら未来的なものがあるからな…

 

さっきこの馬鹿二人が言っていたのは女の子にチョコをプレゼントしてその子のハートを射抜いちゃおう!チョコプレゼント大作戦、と言うらしいが、正直チョコを上げたところでこいつらに靡くような女の子なんて1000%いないだろう。

 

 

「入店まで八十分待ちらしいけど」

 

「ど、どうします?寮の門限には何とか間に合いそうですけど、最近夜になると人斬りが出るって噂ですし」

 

「「人斬り?」」

 

「バーカッ!ジャガ、バーカッ!こっちには魔剣士が四人もいんだぞ?しかも一人は特待生の魔剣士だぞ!」

 

「そ、そうですねっ!ルイン君がいれば問題はありませんね!」

 

いや、確かに腕に自信はあるがお前らは魔剣士だけど下の下の実力者だろに…正直瞬殺される未来しか見えん。

 

「そこの白色の髪と黒髪のお客様。失礼ですが少しお時間いただけますか?」

 

声をかけられ振り向くと、茶色の長髪の女性が最後尾と書かれたプラカードを手に持って立っていた。

 

「(この子は…確か最近)」

 

「よろしければ、アンケートにご協力を」

 

「アンケートって…僕らが?」

 

「はい。ぜひご協力くださいませ」

 

「お、俺も協力します!!」

 

「じ、自分もですっ!!」

 

「いえ…お二方だけで結構です」

 

「「アッ、ハイ…」」 

 

それから俺達は茶髪の女の人に連れられて店の中を歩いていた。周りを見ると洋服屋や化粧品店が立ち並んでいて、食品店の商品棚にはチョコやコーヒーなどが置かれている。

 

 

「(改めて見ると…よくこの厨二バカの叡智とやらでここまで再現が出来たな…)」

 

「ねぇ、これさ、まるで前世の百貨店みたいじゃない?この世界じゃ初めて見るような商品も置いてあるし、そういうこと?」

 

「黙って歩け、すぐに分かる」

 

「??」

 

女の人の案内に従って進んでいくと、屋上ににある一際重厚に出来た建物に辿り着き、これまた大きな扉を開けた先には、真っ直ぐ広げられたレッドカーペットの横で少女達がこちらに頭を下げている。

 

「ご来店を長らくお待ちしておりました」

 

「ガンマ…じゃあここ君の店なんだ」

 

そう。何を隠そうこのミツゴシ商店、ガンマが経営してるシャドウガーデンの店なのだ。

 

「お久しぶりです。主様、ゼロ様は数日ぶりでございますね」

 

頭を下げてから、ガンマが目の前の小さな階段をゆっくり降りていると、

 

「ぎゃっ!?ひゃぁっ!?」

 

「っと…毎度の様にサポートする俺様の身にもなれってんだ…」

 

 

何故か何もないところでコケそうになったガンマを彼女が地面と正面衝突する前に瞬時に現れ優しく受け止める怪物が現れる。

 

「あ、ありがとうネガタロス…」

 

「いちいち礼を言うな…もう慣れた」

 

ガンマを受け止めたのはイマジンのネガタロス…もう当たり前のようになりあまりお小言すらも言わなくなったなこいつも。周りのメンバーもネガタロスの事は知っているので驚く様子はないがやはり呆れている所は変わりない様だ。

 

「る、ルイン…なんなのあの鬼の姿をした人型の怪物⁉︎」

 

そう言えばこいつにイマジンを見せるのは初めてだったか?あまりの事にシドも少し興奮気味に小声で言う。

 

「俺が使役してるミラーモンスターと似た様なものだ…」

 

「あ、説明する気ないでしょ?」

 

正直いちいちコイツに説明するのはめんどくさいしするつもりもない。俺はため息を付きつつ、ネガタロスはガンマを立たせる。

 

「んんっ…それでは御二方、どうぞあちらへ」

 

切り替えたガンマの手を向けた先には、如何にもな玉座が二つ…てか、そのうちの一つが2068年のオーマジオウの座っていた玉座にそっくりなんだが…取り敢えずせっかく用意してくれたので玉座に座ると予想以上に座り心地が良かったのはここだけの話。

 

 

「ああなんて素敵な…!!」

 

シドは余程嬉しかったのか魔力を掌の上に集め、それを上に放ると、集約した紫の魔力が弾け、光の雨となって眼下に跪いているガンマ達に降り注ぐ。

 

 

「今日という日を、生涯忘れません…!」

 

「(聞いてて悲しくなるな…)」

 

ガンマ達も喜んでるみたいだが、泣くほど喜ぶ必要はないだろうに…シドのやつはこれをごっこ遊びに付き合ってくれていると勘違いしたままだしな…

 

「それでこの店、結構稼いでる感じ?」

 

「はい。現在国内外の主要都市に店舗を展開し、僻地には通販で影響力を拡大しています。活動資金も十億ゼニーほどなら即座に運用可能です」

 

「じゅっ!!?」

 

「っ!少なかったでしょうか」

 

「い、いや…ねぇ」

 

「流石だなガンマ、想像以上の成果だ。これからも無理のない様に努めてくれ。それと、何か困り事があったらいつでも相談しくれ」

 

「はい!」

 

俺はシドの話を遮り取り敢えずここまでの成果を評価し無理をしない様に念を押す。一応労働基準系もこの商会を開く時にも教えているからな。

 

 

 

「さっき案内にすんなり着いてってた感じ、ルインはここがガンマの店だって知ってたんだよね?ひどくない!?僕が授けた知識で、僕を除け者にしてガッポリ稼いでたってこと…!?」

 

「いや、ここがガンマの店だってのは随分前から知ってた。たまに顔も出していたしな…と言うかなんでお前知らないんだよ?それに、これはガンマ達の努力がここまでこの商会を大きくしたんだ。俺やお前の稼ぎじゃない」

 

やっぱりこの事についてはシドには報告していなさそうだな。こいつの場合は皆んなが『シャドウ様なら全て知られていると』と思ってその必要性もないと判断してるのだろう。それに俺もミツゴシの経営している商会には今世の両親も世話になってるし、俺も生前と変わらず買いたいものも買えるしな。

 

 

「御二方が来訪された理由は分かります。例の事件についてですね?」

 

「えっ……あぁ」

 

この厨二馬鹿は何もわかってないのに「あぁ」って言ったな…

 

「ガンマ、もしかしてその事件は人斬りに関する物か?」

 

「はい」

 

「すまんガンマ、俺はその内容を聞いたのはついさっきなんだ。詳しい詳細の説明を頼む」

 

俺も人斬りの事を聞いたのは今さっきなので正直に頼み、詳細を詳しく聞く事にしよう。

 

 

「畏まりましたゼロ様」

 

ガンマは俺の頼みに素直に了承し、人斬り事件の詳細の説明を始める。

 

「王都に現れた『人斬り』…漆黒の衣を纏い、シャドウガーデンの名を騙る愚者共。現在捜査を続けておりますが…未だ犯人は捕らえられておりません。ですが、必ず我等の手で仕留めてみせます」

 

「そうか、おそらく俺たちシャドウガーデンを目障りに思っている別組織による犯行か…やってくれるな……」

 

「「「………っ⁉︎」」」

 

「…!すまない。怖がらせるつもりはなかった」

 

俺は思わず殺気を漏らしてしまったのだろう。シドやガンマ、ネガタロスを除くメンバーは俺の殺気に萎縮してしまっていた為素直に謝罪する。

 

 

「ふん…心当たりがある一度探ってみる」

 

「はい?」

 

「まさかもう答えにたどり着いたのですか…!」

 

その衝撃に、目の前のガンマも目を見開いて驚いている。いや、俺もちょっと驚いているが…

 

「シド、ちなみに誰だと思ってる?」

 

「アレクシアだよ。彼女の性格上無差別殺人犯になってもおかしくない」

 

「(こいつやっぱり馬鹿だな……俺も独自で調査するしかないな)」

 

幸い王都にはカンドロイドやディスクアニマル、ゴチゾウなどを使えばすぐに情報は手に入る。シドが立ち上がり、歩き始めたので俺も後からついて行く。

 

「お待ち下さい。来なさい」

 

ガンマが俺達を呼び止めると、脇にある扉からさっき案内してくれた茶髪の女の人がこちらを向いて立っていた。

 

「この子は「新しいナンバーズのニュー…だろ?」まぁ…」

 

「えっ」

 

「流石ゼロ様、ご存知でしたか」

 

「アルファ達から貰ったシャドウガーデンに関する資料とディアボロス教団に関する報告書はいつも目を通してるからな。構成員の名前、番号も全員覚えている」

 

「「!!」」

 

え、何で驚いたような顔してんの?立場状当たり前のことだと思うんだが…

 

「ぜ、全員ですか…!?」

 

「ああ。ニューはナンバーズ入りの前は93番だろ?」

 

「!?は、はいっ!」

 

「そこの青髪の子は664番、こっちから見て右隣にいるのが665番。それにそっちは…って、え、何で泣いてる?俺何か嫌事言ったか?」

 

俺がそこにいる構成員それぞれの番号を言っていると、何故か全員顔や声を抑えて泣き始める。

 

「え、嘘だろ?なんか俺、悪い事したか?」

 

こんな状況になり流石に戸惑いどうしようかと考えてると、慌てふためく様に構成員は口を開く。

 

「と、とんでもございません!!ただ…我等末端の一構成員風情の名を覚えていただけていることに感銘を…!」

 

「風情って…あのな、お前達シャドウガーデンが一人一人が頑張ってくれたおかげで今の組織が成り立ってるんだ。そんな大切な仲間のことを覚えておくのは当然だ」

 

 

「ゼロ様…」

 

「う…ううっ」

 

「あ、ありがたきお言葉…」

 

や、やりづらい…いや、しかしここで威厳を崩すわけにはいかない。ごっこ遊びしているシドとは違い、俺は実質組織を纏めてるリーダーだからな…

 

 

「俺がお前達の望みに答えられているかは分からないがな…何か不満とかないか?」

 

「と、とんでもございませんッ!!ゼロ様は我々が望む全てに応えてくれておりますっ!!」

  

「不満なぞ、あるはずがありません…!!」

 

ガンマの言葉に共感するように、周りの子達も頭を上げる。

 

 

「そうか…けど、俺も一人の人間だ。ミスをするくらい一つや二つある。俺でも対応できない事も今後起こり得るだろう。その時があれば皆…頼りにさせてもらうし、皆んなも俺の事を頼ってほしい」

 

 

「「「「「ッ!!はッ!!」」」」」

 

本当に俺には勿体無いくら最高の仲間を持てた。俺に出来ることは…失望させないよう皆の期待に応える事だ。

 

 

 

 

 

「凄いね、まさに理想の主人公って感じだよルインは…」

 

「……今すぐ斬り刻んでやろうか?」

 

「ごめん、もう言わないからそれ突きつけるのやめて?」

 

俺はこの馬鹿の首にチェーンが回転している状態のゾンビブレイカーを突きつける。ほんとこいつといるとストレスが溜まりまくる…今更ながらなんで俺こいつの右腕になったんだホント。この体質じゃなかったら胃に穴が空く自信しかない…

 

「(人斬りの件…こっちでも調べておくか)」

 

 

「お話をお戻ししますが、ニューは入ってまだ日は浅いですがその実力はアルファ様も認めています。どうぞご自由にお使いください」

 

「よろしくお願いします」

 

「用ができたら呼ぶ」

 

「ニュー、すまんが後で話があるからこの場に残ってくれ」

 

 

「!畏まりました」

 

少し緊張気味で返事をするニュー…役割としてはアルファ達の代わりの伝達役を兼ねているのだろう。ニューに頼むほどとなると、この様子だとかなり忙しい状況らしいな…

 

 

「あ、そうだ。僕たちチョコが欲しいんだけど」

 

「最高級の物を用意します!10割引きで♪」

 

チョコを受け取り次第シドは先に別れて寮に戻り俺は早速俺はガンマに指示を出しニューと俺だけが残る。

 

「……」

 

「そんなに緊張しなくてもいい…っと言っても無理があるか」

 

「い、いえ!そんな事は」

 

無理もない…社会で例えると新入社員ががいきなり社長と二人っきりになるようなものだ。緊張するなって言うのも無理な話だ。

 

 

「君は今後アルファ達の代わりの伝達役も担う事になるのは理解している。それに伴い、このアイテムをお前に支給する」

 

俺はフィンガースナップをならし、ニューの目の前には白いスマホ型のアイテムが現れる。

 

「これは?」

 

「通信用デバイスだ。俺達や七陰が使っている物とは少し違うが…これで緊急事態だったり何か分かったら直ぐに連絡できる物だ」

 

 

俺が渡したのは仮面ライダーゼッツに登場する携帯型アイテムのコードフォンだ。

 

「よ、宜しいのですか⁉︎こ、こんなもの…いただいて」

 

「もちろん、俺は学園に在籍してる身の上、アルファ達も忙しくしてる今、大きく動くことができない。君には今後任せる役割や仕事も多くなるが…君一人に背負わせるつもりはない。困った時は俺達を頼れ。その為の…仲間だろ?」

 

「っ⁉︎はい!」

 

いい感じに緊張が解けてきたな。それにニューに関する報告書も見た時、あの訓練にも成功したと報告も受けたしな。

 

俺はニューと話を終えチョコレートも受け取り寮までの帰路の中2枚の報告書に目を通す。当て主はシャドウガーデン技術担当のイータと新メンバーの教育係を努めているラムダからの報告書で内容はニューに関するものだ。

 

「彼女はドリームラーニングを無事に果たした一人…こいつを近い内に渡してもいいかもしれないな…彼女次第にはなるが」

 

俺はあるカプセムを手に取り見つめながら寮に向かう。これを受け取るか受け取らないかは彼女次第だ…強制するつもりはない。

 

「美味い…」

 

その際ガンマから受け取ったチョコレートを食べてみたが、それはもう生前と変わらないくらい美味かった。

ダブルに変身する際主人公はどちら側?

  • 左翔太郎
  • フィリップ
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