終わりへ向けて。
変に続けるよりはと。
テロリストによる攻撃を方便に、トリニティとゲヘナはアリウスにATを投入、あわよくば領土分捕り、最低でも実験場としたが、居合わせた先生とラブ達の存在により失敗、不鮮明な政治工作で計画は頓挫する。
そこからは当然というか、これら事実は世論への影響を憂慮し隠蔽され、それぞれのトップは差し合わせたように知らぬ存ぜぬで通す方向にシフトした。
ミレニアム側も同様だが、AT開発史の起点とも汚点ともなる立場として、新型ATのコントロール及び対策研究としても開発部の回収に成功後は、これ以上の関与はしたくないといった態度だ。
薄利多売だが、AT需要の高まりから金儲けをし始め増長していた悪徳企業の存在は、連邦生徒会がキヴォトスへの悪影響を鑑みて、収監されていた防衛室長とSRTを刑期短縮プログラムとして投入、秘密裏に処理された。
いずれも公にされない事ばかりだが、キヴォトス3大校という、ある種キヴォトスにおける大国が、三巴、三国志モドキを他国でやらかしましたなんて知れ渡ったら、未曾有の混乱が発生、更なる混沌、治安悪化を招くだろうから、仕方ない処置でもある。
形骸化した連邦生徒会、国連的な集まりの生徒達に大国、常任理事国的な存在等が起こした問題を止めたり解決する力は皆無であり、それぞれが勝手に身を引いていく分には黙認するばかり。
唯一、皆から信頼されている連邦捜査部シャーレの先生ならば争いを止めて、皆を纏め上げる事ができるだろう、前例もある。
そんな先生が現地にいたとなれば、ああ、じゃあ後はお願いします先生という他力本願、無責任、職務放棄となるのも已むなしか。
ああ、語弊があった。 企業の方は処理したのだから、そっちは頼みましたよ、だ。
悲しいかな、銃撃戦の裏では政治の駆引や戦後処理に奔走する政治屋の皆さんの涙ぐましい努力がある。
それによって、ある程度の平和と秩序が保たれており、その庇護下で市民達は好き勝手言ったり殴ったり青春しているのだ。
最も、そんな偉い人達が押し付けてくる法律だの倫理観だのの思想教育は、一部で金儲けや権力闘争をし易くする為の言い訳にされているのだが。
先生はこれ以上の追及は無駄と判断し、アリウスへと視線を戻す事にした。
元々廃墟に近かった自治区は、戦火で瓦礫が増えてしまっていた。
それでも何とか使える建物を見つけ出し、机と椅子、黒板を集めると、生徒を集め、予定通り授業を始めるのだった。
ラブ達ジャブジャブヘルメット団は、その様子に郷愁にも似た感覚を覚えながらも、ATスコープドッグの修理に励む。
壊れたATから使える部品を抜き取り、組み合わせて修理していった。
金目になりそうな新型ATの部品もちゃっかり回収する手癖の悪さは治りそうに無いが。
「ラブ団長、私らも新型買いましょうよ!」
「そうっす! ジャブジャブヘルメット団の名前に相応しい水陸両用ATが良いっす!」
「ダイビングビートルとか!」
「ATH-14-WPスタンディングタートルも!」
「少し型落ちのマーシィドッグは安いし!」
「駄目よダメダメ。 また稼がないと。 それまではスコープドッグを直し直し。 そうね、なんならカスタムしてATM-09-WRマーシィドッグなんか良いんじゃない?」
「スコープドッグのままっすかぁ?」
「良いじゃない、1番乗り慣れてるでしょ」
さりげない、日常の会話。 束の間の平和。
修理が終われば、また甲高いローラー音と重苦しい銃声が鳴り響くだろう。
けれど今は。
棺桶共々、安らかに。
「ラブ!」
先生の、明るく呼ぶ声が聞こえる。
「ラブ達にも授業を受けて欲しいな!」
「えー……勉強とか私ら嫌いなんだけど」
「そこを何とか!」
「もうスコープドッグに乗れなくても?」
「うっ……そ、それでもだよ!」
「はぁー……分かった。 そこまで先生が言うならよ…………助けてくれたのもあるし」
「あれ、顔が赤いけど体調大丈夫?」
「うっせー! さっさと授業始めろ!!?」
これが先生と生徒の、本来あるべき姿か。
けれど、それを許さない輩もいて、それと戦う大人や子供もいる事を忘れないで欲しい。
AT。 アーマードトルーパー。
最も普及した機体スコープドッグ。
それはほんの少し人の運命や仕事を変えた、粗雑に大量生産された人命軽視の人型棺桶兵器。
それはキヴォトスに普及し、今日も何処かで走り回る。
そう。
最低野郎、ボトムズと共に。
後書き
ご愛読ありがとうございました
打ち切り感は否めずEND
物足りなさや文才の無さもあったと思います
ですが、ひとまずの終わりをと考えました。
ダラダラ続けるよりはと。
モチベの良し悪しもあります
反省点も色々。上手く調理出来なかった感
開発史風を続けた方がウケは良かったかも
ですが、完結せず放置が増えるよりは。
他作品も宜しくお願いします。
またお会いできたら嬉しいです
改めまして、皆様ありがとうございました。