レヴィアはテレイナが受付を済ませた後、レロンナの街に入ることになった。捕まえていた盗賊は既に衛兵に引き取ってもらい、ゴーレム達は馬車を引く係以外は消していた。
そして2人は今馬車に揺られながら、目的の宿へと向かっていた。レヴィアは馬車の中から、楽しそうに街の景色を眺めていた。
レロンナの街並みはレンガ造りの民家が沢山並んでおり、街の中央にはこの街を治めている貴族の大きな屋敷がある。この屋敷は軍などの駐屯地も兼ねており、かなり大きな敷地面積となっている。
今2人が通っている場所は、この街でも裕福な者が多く住んでいる地区であり、この場所にもともとテレイナが宿泊予定の場所があるのだ。
「おお!これが街っ!!す、凄い!」
レヴィアは初めて間近で見る建設物に目を奪われていると
「レヴィアさん、ここで一度止めてくださるかしら?」
「うん?いいけど…」
レヴィアは事前に聞いていた場所とは違うところでテレイナに止めるように言われ、不思議そうにゴーレムの動きを止め馬車を降りた。
「ここは?」
「レロンナでは贔屓にしている服屋です。ここでレヴィアさんの従者としての服を用意しますので」
「おお!これで、見た目もしっかり従者になれるんだね!」
レヴィアはどんな服があるのか楽しみにしながら、テレイナと共にその服屋へと入っていく。
「ねぇねぇ!これって!執事服って奴でしょ!私これ着たい!」
店に入ってすぐに目に入った黒い執事服を指差しながらレヴィアは、店の店員と話をしているテレイナに話しかけた。
「レヴィアさん、それは男性用ですよ。似合うはずだと思いますが、ここは女性用のメイド服を着て下さいね」
テレイナは店の人から渡されたメイド服を1着差し出す。
「え〜、私男だから執事服着ても問題ないでしょ」
「………ん?」
テレイナはサラッと知らされたレヴィアが男だということに引っかかる。いやいやいやそんなまさかと、テレイナは少し首を横に振ると
「レヴィアさん、執事服が着たいからといって嘘は良くないですよ」
レヴィアの言葉を苦し紛れの嘘だと思ったテレイナはレヴィアに対して諭すように言ったが
「嘘じゃないのに…うーん、どうやって信じて……あ!だったら服脱いでみるから確かめてみてよ!」
レヴィアがそう言って、ドレスを脱ごうとしていたのをテレイナは慌てて止める。
「こ、ここでは辞めて下さい!分かりました!分かりましたから!こほん…そのようですので、この方に丁度いい執事服を用意してくださるかしら?」
「はい、かしこまりました」
今まで黙って2人のやり取りを見ていた店員はテレイナの言葉を聞き、店の裏へと入っていった。
「レヴィアさん…あなた…その…本当に男性の方なんですの?」
「そうだけど。もしかして私のこと女の子だと思ってたの!私どこからどう見てもカッコいい男でしょ!」
そう言ってレヴィアが変な決めポーズをとっているが、ドレス姿も相まってカッコいいというより、美しいや可愛いという感想しか出てこない感じだ。しかしレヴィアが冗談を言っているようにも見えない。
「でしたら、どうして女性用のドレスを…」
「………えっ!!これって髪の長い人が着る服じゃないの!言われてみれば髪の短い女の人も着たてかな」
「…………」
本気で驚いている様子のレヴィアに対してテレイナは言葉を失ってしまった。そして少しの沈黙が流れた後テレイナが口を開いた。
「レヴィアさん……触れない方がいいかと思っていましたが、もう我慢できません。貴方は一体何者なのですか!?その服装からして高貴な身で多少の常識がないことは承知しておりましたが、流石に常識が無さすぎます!私の従者でしたら、できる限りでいいので貴方のこと少しは明かしてくださいますか?」
テレイナの言葉にレヴィアはショックを受けていた。別にテレイナに詰められたからという訳ではないただ
(え…私って常識ないの!?勉強したつもりなのに…)
常識が無さすぎるという一点にかなりのショックを受けていた。かなり落ち込んだレヴィアの様子を見て、テレイナは言いすぎたと思ったのか心配するよう表示をしていた。するとレヴィアが口を開いた。
「ごめん……私、この世界の文化知った気でいて……これから私に教えてくれる?」
「ええ、勿論です」
「それと、私の正体についてはまだテレイナには言えないかな。だけど、最初にも言ったけどテレイナが思っているような高貴な身分ではないから。この服は高価なんだろうけど、お金とか一銭も持ってないし、権力とかはないよ。だから正体は言えないけど、従者として普通に接して欲しいな」
「分かりました、それでしたらレヴィアさんには私の従者として働いてもらいますよ。正体に関しては言える時に言って下さい」
「ありがとう、テレイナ!」
すると、店の奥から執事服を持った店員が現れた。どうやら服の仕立て直しが終わったらしい。
「ドレスはこちらで預かりますので、早速着替えてみませんか?」
「うん!」
「あと、着替えるのは試着室でしたください」
「わ、わかってるよ…」
今にもその場で着替えそうになっていたレヴィアをテレイナに釘を刺されて、そそくさと試着室へと入っていった。
「テレイナ、着替えたよ!どう似合ってるから?」
ガバっ!とカーテンを勢いよく開けたレヴィアはテレイナに執事服を見せつけた。
「似合ってますよ」
「えへへ、あ!そうだ!ありがとうございます、テレイナ様」
とレヴィアはいきなり、執事らしい落ち着いた様子にテレイナは少し驚いた。
「レヴィアさん、あなたそのような振る舞いもできるのできたのですね……」
「むぅ、私だってこれぐらいできるよ」
「ですが、レヴィアさんはいつも通りでいいですよ。私はいつものレヴィアさんの方が好きですので」
「だったらそうするね!これでちゃんと君の従者になれたね!これからよろしくねテレイナ!」
「はい、よろしく頼みますねレヴィアさん」
2人は服屋を後にすると、予定していた宿へと到着し夜を過ごした。
翌日
身支度を整えた2人は、ゴーレムが引いている馬車に乗っていた。
「それでは、レヴィアさんドルシードへと向かいますよ」
「うん!」
こうして2人はドルシード魔法学園へと向かったのだ。
※レヴィアは世界の観察はしていましたが、世界を探検することを決めた時から数十年ぐらいは観察していません。それなので、レヴィアが知っている常識が結構違うことが多々あります。
※それと龍神はやろうとすれば世界で起きたことを全て把握できるが、レヴィアは未だそこまでには至ってません。そのため、知識にも結構な偏りが出ています。
次も2週間ほど遅くなるかもしれません。特にこれから忙しくなるので2週間も超えるかもしれませんがご了承ください。