第5話
「やっぱりモーディスの作る料理は美味いな!」
今日は学校は休みで朝からモーディスの美味しい朝食を楽しんでいた。
「ライアちゃん。フェルちゃん。準備はできてるかちら?」
「えぇ、こちらは問題ありません」
「こっちもおっけーだよ」
何故か朝から少し騒がしい。特にアグライアとサフェルとトリビーズ達だ。何事だろうか?
「騒がしいけどどうかしたのか?」
「ああ…すみません。実はもうすぐここの住人が帰ってくるのです」
「それって確かケリュドラとセイレンスだったか?」
「えぇ。2人とも忙しくて中々帰らないのですが、偶然2人で帰ることになったようです。色々と準備をしていたのですが、そろそろ―」
「皆、帰ったぞ」
初めて聞く声がリビングに響き渡った。そこには空色の髪色をした小さな少女と黒髪の美しい女性が立っていた。
「おかえりなさいカイザー。今回の宙の旅は如何でしたか?」
「久しぶりだな金織…アグライア。今回もそこそこといったところだったな。僕としてはもう少し星の海を漂っていたかったがな」
「ふふっ、カイザーの野望は留まることを知らないからな。きっとこの先も星々を目指すのだろう。ところでアグライア。彼で間違いないのだな?」
「えぇ。私達の知っている彼です」
2人がこちらをじっと見つめている。この2人が最後の黄金裔のようだ。それにしてもケリュドラはかなり小さいような……聞いた話によると成人済みのはずだが
「お前…今小さいと思ったか?」
「心でも読めるのか?」
「ふん、まあいい。お前の態度や奇行には慣れている。聞いた話によるとお前は記憶がないようだな?ならば教えてやろう。僕の名はケリュドラ。『カイザー』『女皇』……かつてはさまざまな異名があったが今はただの宇宙飛行士のケリュドラだ」
ケリュドラについては事前に聞いていたが有名な宇宙飛行士のようだ。彼女のカリスマに人々は魅力され、宇宙飛行士を目指すものにとっては憧れの人のようだ。
「次はワタシだな。ワタシの名はヘレクトラ。だがキミにはセイレンスと呼んで欲しい。よろしく頼む」
セイレンスは世界的にも有名なバイオリニストで世界中を飛び回っているそうだ。彼女の公演のチケットは簡単に入手ができないほど人気で高額らしい。だが稀にどこかにふらりと現れては道行く人々にその音色を聞かせることがあるようで出会えれば幸運が訪れると言われている。
「こうして君とまた会うことができてとても嬉しいよ灰色の小魚。全ての公演をキャンセルしたかいがあったというものだ」
「……私の聞き間違いでしょうか?公演をキャンセル?」
「ああ。一刻も早く戻りたかったからな。ちょうどカイザーと共に帰ることができて一石二鳥というやつだ」
「……はあ。あなたはずっと変わらないですね。きっと今頃世界中大混乱ですよ。スマホがずっとなっていたのでは?」
「さて?なんの事だか」
「少し席を外します。関係者に連絡しないといけないので」
そう言って頭を抱えたアグライアは部屋から出ていった。それにしても公演を全てキャンセルなんて大丈夫なのだろうか?
「金……やはり慣れないな……もう良いだろう。金織卿が戻るまで此度の旅のも思い出でも語るとしよう。もちろんお前の話も聞かせてもらうからな?」
「え?俺?」
「ワタシもキミの話を聞かせて欲しい。話したくないことがあるなら話さなくてもいいが……今までキミがどんな道を歩んできたのか教えてくれると嬉しい」
「せっかくの機会だ。今ここにいる黄金裔達とお前。前世でどのような出会いがあったのかを皆で語ろうではないか。」
確かにそれは気になる。結局のところ詳しいことは聞けてないんだよな。
「それなら最初は僕だ!だって彼と最初に出会ったのは僕だからね!」
「あら?それを言うなら最初に出会ったのは実際は私よ?まあこの姿ではなかったけどね」
「あたちたちもファイちゃんと同じね!あの時はファイちゃんが武器を奪ったり折っちゃったりしてビックリちたのよ」
「あはは……そんなこともあったね」
「ふっ、皆どうやら乗り気のようだ。ではこれより宴を始めるとしよう!」
こうして黄金裔と俺の宴が幕を開けたのだった。